マオウ科の
Ephedra sinica Stapf,
E. intermedia Schrenk et C.A.Meyer および中国産の
E. distachya L. の種間差を明らかにする目的で, 中国の主として内蒙古自治区と
青海省
で採集したマオウ属植物を外部および内部形態学的に検討した。 その結果,
E. sinica と中国産の
E. distachya は同一種であること,
E. sinica と
E. intermedia は内部形態的に茎の皮層中の繊維束数と髄中の繊維数の2要素を考慮することにより明確に区別できること, この形質によってこれら 2 種に由来する市場品や毬果のない押葉標本の種同定が可能であること,
E. sinica が分布するとされる
青海省
東部で採集したマオウ属植物はすべて
E. intermedia であり
E. sinica は確認できなかったこと,
青海省
産
E. intermedia の毬果のない小型株が
E. sinica と同定されたと考えられること, よって
青海省
東部の竜羊峡地区などで採集される麻黄の原植物は
E. intermedia と考えられること, などが明らかになった。
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