中, 小形船の推進軸スリーブには, 推進軸の横振動によって発生するキャビテーション, エロージョンを防止するため, 従来から使用されている
青銅鋳物にかわってアルミ青銅
鋳物を使用するものが多くなってきた.しかるにアルミ
青銅
鋳物をスリーブ材として使用した船のなかには, リグナムバイタの摩耗が非常に速く, 場合によっては半年近くでリグナムバイタを取り換えなければならないものがあり, この摩耗の原因の一端がアルミ
青銅
スリーブの性質にあるとも考えられた.よって, 筆者らは, スリーブ材としてアルミ
青銅
鋳物, および
青銅
鋳物, 軸受材としてリグナムバイタを組合わせて摩耗試験を行なった結果つぎのことが明らかとなった.
スリーブ供試材の添加元素, 金属組織の相違が耐摩耗性に関連し, Al
青銅
鋳物では, スリーブの摩耗粉がリグナムバイタ表面に象嵌され, 機械的な摩耗が支配的で摩耗量は多くなるが,
青銅
鋳物では, スリーブの摩耗面にできる酸化膜内部での摩耗が支配的で摩耗量が少なくなる傾向にあり, 荷重が増加するとこの傾向がさらに助長される.
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