Mn
3V
2Si
3O
12 garnetはyamatoiteと呼ばれているが鉱物としては未承認であり、2価, 8配位のサイトにMnを3価, 6配位のサイトにVを持つgarnetと推定されている。以降、Mn
3V
2Si
3O
12 garnetをyamatoiteと呼ぶ。yamatoite成分に富むgarnetは大和鉱山(桃井・吉村, 1964), 鞍瀬鉱山(皆川ほか, 1988),藤井鉱山・法華寺野鉱山(遠藤ほか, 2007)から見出されている。このgarnetについてマッピングを行った結果、Mn-calcite, tephroiteと共生する自結結晶、Ca-rhodochrositeと共生する脈状、Ca-rhodochrosite, tephroite, vuorelaineniteと共生する不定形の3タイプが見出された。不定形は周縁部を溶食されていた。共生鉱物の産状から鞍瀬鉱山の緑色garnetは一度自形結晶として産出し、その後に熱水の溶食作用を受け、その際に放出されたAlでvuorelaineniteを、Mnでcarbonateを生成し、温度圧力の低下に伴って最終的にyamatoite成分の少ないgarnetを被覆成長させたものと思われる。さらに、yamatoite-goldmanite-spessartine-grossular系の合成実験も行ったのでその結果についても報告する。
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