シュンギク (
Chrysanthemum coronarium L.) の
頭状花序
形成ならびに小花の発達における形態を走査型電子顕微鏡 (SEM) を用いて調査した. 早晩性の異なる16品種を供試した. 花芽発達段階は10段階に分けられた.
頭状花序
は総包分化前期に形成された. 筒状花と舌状花との差異は小花形成後期から認められた. 筒状花には1本の雌ずいと5本の雄ずいがあった. 筒状花は花床の全表面に形成された. 1~2重の舌状花は筒状花と総包の間に位置していた. 舌状花に雌ずいはあったが, 雄ずいはなかった.
頭状花序
の直径, 筒状花ならびに舌状花と総包の数には品種間で差が認められた.
頭状花序
の最大直径は71.0±0.0mm (馳株張'), 最小直径は42.0±6.2mm('男体中葉) であった. 筒状花数と舌状花数の最大は,1花序当たりそれぞれ23.7±5.4 ('大葉-B') と478.0±0.0 ('大葉一B') であった. 筒状花数と舌状花数の最小は, 1花序当たりそれぞれ14.2±0.5 ('中葉-C') と276.2±44.8 ('関東タイプ株張') であった. 総包数の最大は41.0±0.0 ('大葉-B') であり,最小は27.5±5.0 ('中葉-A') であった.
春季と秋季における開花反応には, それぞれの品種問で差が認められた. 春季では, すべての品種が出らいし, 秋季に比べて早くなった. 出らいは定植後, 早生種'改良中葉さとゆたかPで10日, 中生種'たつなみ'で15日, 晩生種'お多福-A'で35日となった. 秋季では, '改良中葉さとゆたか'は定植後70日で花芽を分化した. また, 春季の着花節位は秋季に比べて顕著に低下した. '改良中葉さとゆたか'の着花節位は,春季では32.8であったが, 秋季では54.7と高くなった.
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