コナラ、ミズナラなどのブナ科樹木が枯死するナラ枯れの被害が日本国内で発生し問題となっている。その原因となるナラ菌を保有するカシノナガキクイムシの
飛翔
能力(
飛翔
距離、
飛翔
時間、
飛翔
速度)の直接的測定を行われた例は昨年我々が報告した例以外にはなく、それに何が影響し
飛翔
能力が変化するかなどその詳細についてはわかっていない。カシノナガキクイムシの
飛翔
能力に影響を与える要因が明らかになれば、ナラ枯れ防除の技術開発につながるかもしれない。昨年は回転アームの先端に取り付けた虫が
飛翔
するとアーム部分が軸を中心に回転する装置であるフライトミルを用いて、カシノナガキクイムシの最大
飛翔
距離を測定し、報告した。(最大
飛翔
距離27.3km)今回は新たにカシノナガキクイムシの
飛翔
速度、
飛翔
時間に注目して、どのような要素(体長、翅の長さ、性別、
飛翔
開始時間)が影響し、変化するのかということを調べた。その結果、
飛翔開始時間が早い個体は飛翔
速度が速く、
飛翔
時間も長いという結果が得られ、
飛翔
開始時間というものが
飛翔速度と飛翔
時間に影響していることがわかり、朝早く飛び立つ個体が長距離移動していることが示された。
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