大学にとって設置場所の移転は大きなイベントである。1970年代はキャンパスの整備や統合という側面から大学移転がすすめられたが, その際移転に伴う志願者や入学者層の変化にも少なくない関心が払われてきた。では実際に移転によってどのような変化が生じたのか (または生じなかったのか)。本稿は東京教育大学の入学者と筑波大学の入学者をその属性 (出身県, 高校) から比較した。移転によって明らかに首都圏からの入学者は減少し, また出身高校も多様化したが, それらは志願者数や入学難易度の変化にはあまり影響しなかったことが認められる。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら