Sodium glycochenodeoxycholate (NaGCDC) やsodium glycoursodeoxycholate (NaGUDC) といった胆汁酸と, α, ω-ditetraethylene glycol dodecyl ether (C
122E
4) やoctaethylene glycol
n-decyl ether (C
10E
8) といった非イオン界面活性剤との二成分混合ミセルの, 表面張力, ミセル内部の極性, 平均会合数, 水和半径,
1H-NMRについて以下の4つの系について研究を行った。 (1) NaGCDC-C
122E
4系, (2) NaGCDC-C
10E
8系, (3) NaGUDC-C
122E
4系, (4) NaGUDC-C
10E
8系。各々の系のミセルの組成は, 胆汁酸のモル分率の増加にともなって, ノニオンを多く含むものから胆汁酸を多く含むものへ変化した。また, C
10E
8系のミセル内部の微視的環境は, C
122E
4系のミセル内部よりも疎水性であった。C
10E
8系の混合ミセルの平均会合数は, 胆汁酸の低モル分率域において, 胆汁酸のモル分率の増加により急激に減少したが, C
122E
4系の混合ミセルの平均会合数はほとんど一定であった。
1H-NMRの結果から, 混合ミセル中でのNaGUDC分子の配向状態はNaGCDC分子の場合と異なることが分かった。これらの結果から, 混合ミセルの模式図が推定された。
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