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クエリ検索: "高橋佳代子"
126件中 1-20の結果を表示しています
  • 高橋 佳代子, 小池 五郎
    栄養と食糧
    1977年 30 巻 5 号 303-306
    発行日: 1977/10/10
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1) Stevensonらの方法に従って, ラット尿よりFMS-1Aを分離した。
    2) FMS-1Aをラット腹腔内に注射したところ, 体重が減少し, 摂食量および摂水量が低下した。
    3) FMS-1Aはたん白質あるいはそれに関連のある物質であろうと予想されるが, その食欲抑制効果は抽出後室温に10日間放置した後にも失われず, 比較的安定性の高い物質であることが認められた。
    4) 尿にアルコールと安息香酸を加えてFMS-1Aを沈殿させるのではなく, 限外ろ過法を用いてラットの尿を濃縮したところ, 分子量5, 000の膜で濃縮された画分にFMS-1Aと同様な食欲抑制効果がみられた。
  • 岸 達生, 長谷川 洋一, 平野 隆司, 野呂 岳志, 水野 宗道, 城所 智子, 中村 郁代, 笹野 久美子, 河合 卓也, 高橋 佳代子, 安藤 文隆
    日本病院薬学会年会講演要旨集
    1992年 2 巻
    発行日: 1992/06/25
    公開日: 2019/03/15
    会議録・要旨集 フリー
  • 明城 和子, 河野 千佳, 萩田 美和, 高橋 美智, 杉森 光子, 高橋 佳代子, 中村 由紀子, 久保田 雅也
    日本重症心身障害学会誌
    2021年 46 巻 2 号 254
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/13
    ジャーナル フリー
    目的 当センター長期入所者の高齢化に伴い、悪性腫瘍罹患者が増加している。初発症状、確定診断時までに出現している検査異常を調査し、検討した。 対象と方法 過去5年間(2016年4月〜2021年7月)で当センターに長期入所中の患者のうち、入所中に悪性腫瘍を発症していた患者の診療録を後方視的に調査した。 結果 入所後に悪性腫瘍を発症したのは22名、そのうち死亡したのは4名だった。初発症状は、進行性・難治性貧血3名(大腸癌・胃癌・悪性リンパ腫)、遷延・反復する発熱2名(大腸癌・肝細胞癌)、腫瘤触知2名(乳癌・精巣セミノーマ)、難治性オムツ皮膚炎2名(乳房外Paget病・原発不明腺癌)、イレウス2名(回腸癌・大腸癌)、不正性器出血1名(子宮体癌)、血便1名(大腸癌)、便秘悪化2名(大腸癌)、定期超音波検査での腫瘤発見1名(大腸癌)、不明2名(精巣セミノーマ・卵巣癌)だった。初発症状に気づかれてから確定診断までの期間は同日から約1年であったが、予後には明らかな関連はなかった。外科的に原発巣を切除できた場合の予後は比較的良好だった。確定診断から5年以上経過した9症例では全員が原発巣を摘出できており、1例は術後5年で多発転移のため死亡、1例は悪性腫瘍以外の疾患で死亡、その他の7例は再発なく生存している。腫瘍の浸潤・転移のため原発巣の部分切除に留まった2症例は、2例とも死亡した。 考察 悪性腫瘍の初発症状は多彩で非特異的だが、通常の治療に反応しないことから悪性腫瘍を疑われ、精査を行って診断に結びつくことが多かった。悪性腫瘍を強く示唆する特定の症状や検査所見は明らかではなくても、診察・症状観察・基本的な検査を注意深く行い、悪性腫瘍を念頭に置くことが重要と考えられる。
  • 佐藤 翔太, 内山 素子, 小西 徹
    日本重症心身障害学会誌
    2021年 46 巻 2 号 254
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/13
    ジャーナル フリー
    はじめに 当園では悪性腫瘍を発症した利用者の約6割が大腸癌を発症していたという先行研究があり、現在でもたびたび、血便の症状がある利用者や、大腸癌を発症しているケースが後を絶たない。重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))は、基礎疾患や合併症による活動性の低下、さらには各種内服薬の副作用などにより、慢性便秘を引き起こしやすい。腸蠕動の低下や、それに伴う便秘はイレウスや大腸癌発症のリスクとなりうる。そこで、今回当園利用者の排便状況を調査・比較することで、大腸癌となりうる要因や特徴が明らかになるのではないかと考え、本研究に取り組んだ。 対象・方法 研究対象は超重症児(者)病棟・重症児病棟利用者48名、大腸癌の診断を受けた利用者(以下、大腸癌罹患者)9名。研究方法は大腸がん罹患者は診断前をさかのぼり1年間、それ以外の利用者は2020年4月〜2021年4月の毎月の自然便と浣腸の回数を調べ、月平均を出した。その後、「男女別」「年代別」「栄養摂取状況別」「移動機能レベル」で、それぞれ自然便・浣腸の平均回数を比較した。 結果 今回対象となった57名では、全員に便秘時の指示があり、定期的に排便処置を行っていた。全項目別の比較では、回数での大きな差はなかった。大腸癌罹患者でも自然便が多くなる利用者、逆に浣腸の回数が多くなる利用者がおり、大腸癌罹患者のなかでもそれぞれの特徴があったが、共通点は見られなかった。また、大腸癌罹患者と、それ以外の利用者の比較でも有効な結果はでなかった。 まとめ 今回、自然便・浣腸の回数の比較からは、大腸がん発症リスクの要因などは明確にできなかった。今後は便の性状も経過記録に残し、浣腸頻度等の変化だけでなく、便性の変化後の観察を強化する必要があると考える。
  • 松本 光人, 舩引 龍平
    ビタミン
    1978年 52 巻 2 号 100-
    発行日: 1978/02/25
    公開日: 2018/03/07
    ジャーナル フリー
  • 山下 洵子, 平田 幸男
    ビタミン
    1978年 52 巻 2 号 100-
    発行日: 1978/02/25
    公開日: 2018/03/07
    ジャーナル フリー
  • 宮谷 秀一, 岸 恭一, 高橋 佳代子, 頭士 房子
    ビタミン
    1978年 52 巻 2 号 100-
    発行日: 1978/02/25
    公開日: 2018/03/07
    ジャーナル フリー
  • 高橋 美智, 大瀧 潮, 明城 和子, 高橋 佳代子, 杉森 光子, 上石 晶子, 有本 潔, 木実谷 哲史, 稲田 穣
    日本重症心身障害学会誌
    2018年 43 巻 2 号 345
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/01/21
    ジャーナル フリー
    はじめに 重症心身障害児(者)は摂食嚥下障害を合併することが多く、高齢化、重症化に伴い経管栄養が必要な症例が増えている。今回、経鼻胃管が鼻腔内でkinkし抜去困難となった一症例を経験したので報告する。 症例 当センターに長期入所中の63歳女性。診断は精神発達遅滞・てんかん・先天性白内障のため全盲。運動機能は立位保持、つかまり歩きは可能。2016年から経鼻胃管にて経管栄養を行っているが、経鼻胃管を自己抜去するため、1日3回経鼻胃管を抜き差し、注入中は四肢抑制を行っている。2018年5月某日、栄養剤注入終了後に経鼻胃管を抜去しようとしたところ全く動かず、突然抜去困難となった。開口器を使用し状況確認を試みたが困難であったためビデオ喉頭鏡で確認したところ咽頭後壁でU字型になっており、胃管が折れ曲がり鼻腔内に逆走していることが予測された。レントゲン写真で胃管が鼻腔内でkinkし固定されていることが判明した。レントゲン検査中に、患者の体動のためか固定されていた部分が緩んで胃管を抜去することが出来たが、歯科医師とも連携しての対応が必要であった。 考察 経管栄養の合併症として気管への誤挿入、胃粘膜からの出血、消化管穿孔、誤嚥などが挙げられる。検索しえたかぎりでは、人工呼吸器下で気管に誤挿入された胃管が反転し気管チューブ内に迷入していたという報告はあったが、同様の報告は確認できなかった。本症例は使用開始後10日目のエピソードであったが、1日3回挿入・抜去を行っており劣化が進み、kinkingにつながった可能性が考えられた。経鼻胃管の交換頻度については、日本静脈経腸栄養学会のアンケート調査によると“2週間に1回”もしくは“特に決めてない”が最多の28.5%であり定まった目安はないが、特に抜き差しで使用している場合は早めの交換が必要と思われた。また、今回歯科医師と協力して対応に当たったことは、適切な処置を行う上で重要であったと考えている。
  • 永江 彰子, 中嶋 麻子, 大前 登典, 木内 正子, 小田 望, 藤田 泰之, 種子島 章男, 口分田 政夫
    日本重症心身障害学会誌
    2018年 43 巻 2 号 345
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/01/21
    ジャーナル フリー
    はじめに 口渇を訴えることができず、過緊張による発汗過多や排液増多をときに伴う重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の水分管理を行う際水分投与量の設定は困難である。当施設に入所している重症児(者)の尿量と尿浸透圧から投与水分量の妥当性を検討した。 対象 重症児(者)90(経口43、女性47)名 平均年齢43.5±15歳、 BMI 17.4±3.6、 シスタチンC 0.82±0.20mg/L、 血清アルブミン3.9±0.4g/dL 血清BUN 12.4±4.3mg/dL 方法 採血採尿前3日間の尿量(オムツ重量)、同3日間の摂取水分量(経口者は食品含有分と飲水分、注入者は注入水分量)を測定し、関連する血液および尿検査を行った。家族または代理人に紙面で同意を得た。 結果 多変量解析にて尿浸透圧(412±163mOsm/kgH2O)は摂取水分量(45±13ml/BW/day)とは関連せず、血清BUNに有意に関連し(R2=0.322、β=0.543、p<0.0001)、正の有意な相関関係となった(r=0.526、p<0.000)。尿量(1.34±0.44ml/BW/h)は摂取水分量と尿浸透圧とに関連性を認め(R2=0.513、摂取水分量β=0.655、p<0.0001、尿浸透圧β=−0.147、p=0.06)、摂取水分量とは有意な正の相関(r=0.702、p<0.000)、尿浸透圧とは有意な負の相関(r=−0.289、p<0.01)関係であった。以上の結果より、尿浸透圧および血清BUNが低値であれば、摂取水分量が過多である可能性がある。逆に、尿浸透圧および血清BUNが高値である場合は、まず脱水の可能性を考慮すべきだが、それ以外に腎障害や、食事の蛋白量、消化管出血や肝疾患等腎外性疾患の発症も高齢化に伴い念頭に置く必要がある。 結語 重症児(者)の水分妥当性の評価には尿浸透圧と血清BUNが有意義である。
  • 高橋 佳代子, 明城 和子, 杉森 光子, 大瀧 潮, 上石 晶子, 有本 潔, 木実谷 哲史
    日本重症心身障害学会誌
    2018年 43 巻 2 号 330
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/01/21
    ジャーナル フリー
    はじめに 重症心身障害児(者)施設における重度知的障害者には呑気をする利用者が多い。私たちは呑気による腸管拡張からイレウスを反復した4症例を経験したので報告する。 症例1 61歳 男性 大島分類10呑気が多く嘔吐を繰り返すため外科受診し、胃瘻造設・噴門形成術を行った。退院した日の夕方腹部膨満と頻脈を認め、転院14時間後に死亡した。病理解剖の結果、死因は横行結腸の捻転による腸管壊死であった。 症例2 62歳 男性 大島分類2嘔吐のため禁食とし補液を行ったが、全身状態が悪化し外科受診したところ、結腸捻転の疑いがあり内視鏡で脱気した。帰院後すぐに再発し、横行結腸捻転の診断で結腸亜全摘術を行った。術後は再発なく安定している。 症例3 49歳 男性 大島分類11慢性心不全を合併しており、呑気による腹部膨満の悪化とともに顔色不良、呼吸不全など循環状態も悪化した。循環器科より、心不全の悪化は腹部膨満のためと指摘され、その後はブジーで対応した。ブジーで脱気できず、外科受診し大腸ファイバーでの脱気を行うこともあった。全身状態悪化し外科に緊急搬送し、人工肛門を造設した。術後安定し退院の準備をしていたが、感染のため死亡した。 症例3 53歳 男性 大島分類4呑気による腹部膨満のため嘔吐を繰り返し、禁食・補液で軽快していたが、胆汁性嘔吐を伴いイレウス管挿入を要することが多くなった。外科より胃瘻造設しそこから脱気する方法を提案されたが、1日1回胃管から脱気をすることで、症状の再燃なく過ごせている。 考察 重度知的障害者では呑気による腸管の拡張、過長、蠕動運動の低下によるイレウスを引き起こすことがある。外科的処置に踏み切るタイミング、外科との連携が重要である。何よりも、状態に変化があったときは、結腸捻転の可能性を念頭に置いた、的確で素早い対応が必要と考える。
  • 佐々木 満ちる
    日本重症心身障害学会誌
    2018年 43 巻 2 号 330
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/01/21
    ジャーナル フリー
    背景 急性虫垂炎は、小児期の急性腹症の原因として最多である。典型的には1−2日の経過で、発熱・食思不振・嘔吐・腹痛といった症状を呈する。重症心身障害児においては、自覚症状の訴えが困難であり、腹痛の有無やその部位を把握することが難しく診断遅延につながると考えられる。今回、急性虫垂炎を発症した重症心身障害児3例について報告する。 症例1 9歳女児。滑脳症、てんかんあり。発熱、炎症反応上昇あり入院。入院時、腸蠕動音は低下し、腹部触診で心拍数上昇し啼泣あり、腹部CTで急性虫垂炎の診断に至り、虫垂切除術を行った。 症例2 5歳男児。低酸素性虚血性脳症、てんかんあり。胃瘻造設後、気管切開術後。発熱、頻脈、末梢循環不全、炎症反応上昇あり入院。感染源は不明だったが抗菌薬投与を開始した。第4病日から水様下痢あり、第6病日に腸蠕動音減弱し、腹部触診で苦悶様顔貌あり、腹部CTで急性虫垂炎の診断に至り、虫垂切除術を行った。 症例3 13歳女児。超低出生体重児からの脳性麻痺。胃瘻造設後。入院5日前より発熱あり、入院2日前に嘔吐、入院前日に水様下痢を認め、当院受診。血液検査で炎症反応上昇あり入院し細菌性腸炎の暫定診断で抗菌薬投与を開始した。入院翌日に腹部膨満・腸蠕動音亢進あり、腹部X線でイレウス所見あり持続減圧され、入院4日目に腹部触診で苦悶様顔貌あり、腹部CTで急性虫垂炎の診断に至り、虫垂切除術を行った。 考察 症例1は第1病日に診断に至ったものの、症例2・3はそれぞれ第7病日・第9病日に診断に至った。また、3例はいずれも腹部触診での表情・心拍数の変化という腹部圧痛を示唆する所見から、腹部CTが行われ虫垂炎の診断に至った。重症心身障害児の場合、自覚症状としての腹痛の察知は困難だが、腹部膨満・胃残の増加、また全身の丁寧な診察の中での腹部触診での表情・心拍数の変化などのわずかな所見も重要視する必要がある。
  • 高橋 佳代子, 明城 和子, 杉森 光子, 大瀧 潮, 上石 晶子, 有本 潔, 木実谷 哲史
    日本重症心身障害学会誌
    2017年 42 巻 2 号 275
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/06/01
    ジャーナル フリー
    はじめに 重症心身障害者は神経因性膀胱による排尿障害から一日数回の導尿を余儀なくされている例が少なくない。私たちは、神経因性膀胱のため一日3回の導尿を行っている男性に対し、尿道ステント留置を行った例を経験したので報告する。 症例および経過 脳性麻痺、知的障害、てんかんで大島分類4の52歳男性。神経因性膀胱のため42歳時より導尿を開始し、5年前からは一日3回の導尿を行っていた。尿量は多いと一回1000mlを超えるときもあった。また徐々に導尿時のカテーテルが挿入困難となり、総合病院の泌尿器科を受診し、緊張から尿道狭窄を来しカテーテル挿入困難となっているとして、挿入困難時はキシロカインゼリーを尿道内に注入し、しばらくたってからカテーテルを挿入するよう指導された。また、一カ月に一回の頻度で尿路感染を起こし、抗菌薬での治療を行っていたが、昨年は尿路感染から敗血症となり、治療に約1カ月を要した。培養の結果から選択した抗菌薬(CTRX)投与でアナフラキシーを起こし、もともとST合剤にもアレルギーがあるため、感染時の抗菌薬の選択にも困難をきわめた。感染予防に関して良い方法はないか再度泌尿器科を受診した際に、尿道ステント留置をすすめられ施行した。その後導尿の必要はなくなり、術後認めた血尿も一週間ほどでなくなり、尿路感染の頻度は6カ月に一回と減少した。 考察 重症心身障害者の神経因性膀胱では多くが一日数回の導尿を行っている。導尿回数が多くなるにつれ尿路感染の頻度も増し、導尿の時間を考えて外出や外泊が制限されるなどQOLの低下につながっている。尿道ステント留置は神経因性膀胱のある障害者に対してQOLを上げる有効な手段の一つと考える。一方で同じく尿道ステント留置を行ったがステントが膀胱内に落ち込み、その後膀胱皮膚婁を造設した例も経験しており、狭窄部位や程度など適応をよく見きわめる必要もあると思われた。
  • 越野 恵理, 奥村 亜希子, 高崎 麻美, 滝澤 昇
    日本重症心身障害学会誌
    2017年 42 巻 2 号 275
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/06/01
    ジャーナル フリー
    はじめに 重症心身障害児(者)は、長期臥床、下肢麻痺、呼吸不全など深部静脈血栓症(以下、DVT)のリスクを多く有している。今回われわれは、突然の左下肢腫脹で発症し、左総腸骨静脈からヒラメ筋静脈に及ぶ広範囲な血栓を認めた症例を経験した。下肢の腫脹に対して、DVTを鑑別に挙げる重要性と、その治療方法について検討し、報告する。 症例 43歳女性。低酸素性脳症の後遺症として最重度知的障害があり、歩行機能の退行を認め、当院入院中。X-3日、発熱を認め気道感染としてABPC/SBTを開始した。X日に左下肢全体の腫脹が出現した。左下肢に末梢ルートを留置しており、蜂窩織炎を鑑別に挙げ、抗生剤治療を継続した。X+3日になっても腫脹は持続し、エコーで左総腸骨静脈からヒラメ筋静脈の広範囲にわたるDVTと診断した。造影CTでは肺動脈内に血栓を認めなかった。同日より選択的Xa因子阻害剤の内服を開始したところ、左下肢の周囲径は経時的に縮小し、X+17日にエコーで再疎通を確認した。以降も内服を継続し、血栓は消退傾向にある。なお、検索したかぎりでは血栓性素因は認めなかった。 考察 本症例では血栓性素因がないにもかかわらず広範囲に血栓を認めた。下肢麻痺や呼吸不全、重症感染症、中心静脈カテーテル留置など他の因子を併せ持てばDVTを発症するリスクはより高くなるが、重症心身障害児(者)でのDVT報告例は無症状で偶発的に発見されたものがほとんどである。これはDVTを他の病態として診断・治療している可能性を否定できず、下肢の腫脹に対してDVTを鑑別に挙げ、積極的に下肢エコーを行うことが重要と考える。また、今回使用した選択的Xa阻害剤は頻回な採血を伴う用量調整が不要で、出血等の副作用を伴わずに血栓の縮小を得ることができた。今後重症心身障害児(者)においても使用経験が蓄積され、安全性と有用性が確認されることを望む。
  • 杉森 光子, 明城 和子, 高橋 佳代子, 大瀧 潮, 上石 晶子
    日本重症心身障害学会誌
    2017年 42 巻 2 号 250
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/06/01
    ジャーナル フリー
    はじめに 中枢性尿崩症はいったん発症すると治癒することが稀とされるが、手術・妊娠などに伴って一過性に尿崩症を来す例が報告されている。今回感染とダンピング症候群を契機に尿崩症を発症したが、約2カ月の経過で軽快した重症心身障害者の1例を経験したので報告する。 症例 22歳 男性。頭蓋内出血後遺症による痙性四肢麻痺、最重度知的障害、てんかん、摂食嚥下障害。 既往歴 18歳 イレウスのため試験開腹(絞扼の所見なし)。20歳 喉頭気管分離術。21歳 イレウスのため開腹手術(回盲部切除、空腸癒着剥離、胃瘻造設)。 現病歴 22歳(胃瘻造設10カ月後)発熱に伴い血清Na・BUN・クレアチニンの上昇を認めた。血糖値が29−313mg/dlの間で変動、胃瘻からの注入終了後に著しい低血糖を認めることから後期ダンピング症候群と考え、消化態栄養剤から半消化態栄養剤に変更、約3時間かけて注入して血糖は安定した。高張性脱水の診断で輸液を行ったが、Na値はさらに上昇、1日尿量約3000 mlで、血清Na 163 mEq/l 、血漿浸透圧 337 mOsm / kgH2Oのとき、尿中Na測定限界以下、尿浸透圧 151 mOsm/kgH2O、ADH 0.8 pg / ml で相対的にADH分泌が低下していると考えられた。頭部MRI上、下垂体後葉はやや不明瞭だが、SOLを認めなかった。ピトレシン 0.1 mU / kg / 時で点滴静注を開始したところ、すみやかに尿量減少、尿中Naの排泄を認め、徐々に血清Na値は正常化した。デスモプレシン点鼻に切りかえ漸減し、2カ月で中止したが、尿崩症の再発を認めない。 考案 糖尿病に伴って尿崩症を発症した症例、尿崩症に伴って糖尿病を発症した症例の報告があり、血糖変動が尿崩症の発症に関与している可能性がある。胃瘻からの注入であっても、ダンピング症候群に注意が必要である。
  • 齊藤 晃士, 大石 尚文, 武市 知己
    日本重症心身障害学会誌
    2017年 42 巻 2 号 250
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/06/01
    ジャーナル フリー
    はじめに われわれは過去に食道内カテーテル留置に伴う致死的食道出血の2例を報告し、胸部CTでその危険因子を予測することを提唱した(脳と発達2011;43:228−232)。今回、胸部CTから食道出血の危険因子を事前に予測して追跡中に、食道粘膜病変を早期発見し、食道−下行大動脈瘻による致死的出血の回避につなげられたと考えられる症例を経験したので報告する。 症例 53歳女性。双胎第1子で出生時の低酸素性脳症後遺症による脳性麻痺。大島分類1。食道裂孔ヘルニア・胃食道逆流症を合併し、嘔吐や誤嚥性肺炎を繰り返し45歳のときから経鼻経管栄養を継続中であった。46歳のときに施行された胸部CTで食道(胃管)の大動脈への騎乗像を認め、食道内カテーテル留置による食道出血の危険因子と判断し、追跡していた。本年5月にコーヒー残渣様嘔吐がみられ、その後嘔吐はないもののコーヒー残渣様胃残が持続した。胸部CTで食道狭窄が疑われ、上部消化管内視鏡検査で食道粘膜びらんを認めた。胃管のサイズを12Frから8Frに変更した後に、コーヒー残渣様胃残はいったん消失した。 考察 重症心身障害児は、加齢に伴う身体構造や消化管機能の変化を予測することが難しい。胃を腹壁に固定してしまう胃瘻造設により、さらにその変化は複雑になると考えられるが、胃瘻造設の晩期合併症に関する情報は十分とは言えない。そのためわれわれは、長期経管栄養が必要であるということだけを胃瘻造設の適応にするべきではなく、胃管挿入困難あるいは胃管留置に伴う咽頭機能不全など、付随する絶対的な条件の追加が必要と考えている。自験例では今後、家族の意向に沿って、細径の経鼻胃管留置で慎重にフォローアップしていく。食道粘膜病変が再燃する場合には胃瘻造設の適応と考え、その手術時期を検討している。なお、食道粘膜びらんの診断に、嚥下内視鏡検査用の細径軟性内視鏡が有用であった。
  • 大嶋 さよ子, 高橋 佳代子, 小林 友子, 矢澤 礼子, 小西 徹
    日本重症心身障害学会誌
    2015年 40 巻 2 号 245
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー
    はじめに 在宅重症児の重度化や地域の福祉サービスの利用により、日中活動の場における医療的ケアの必要性が10年前とどのように変化しているのか調査した。 対象・方法 対象は2014年度に通園センター、生活介護施設ケアステーション魚沼、県央を定期利用した106名(通園47名、県央32名、魚沼28名)。調査内容は医療ケアの実施者・実件数を常時必要なケア、定期的な診察やリハビリ、状態観察や管理、突発的な診察や対応に分け集計し、2004年度に調査したものと比較した。 結果 対象の重症児スコアは、2004年、準超重症児が3名。2014年は準超重症児12名、超重症児5名。 医療を必要とした利用者と実施件数は、2004年は58名中55名(94.8%)、利用述べ人数3456名中1954名(56.5%)で3320件だった。2014年では106名中89名(84%)、利用述べ人数10640名中5867名(55.1%)13379件あった。 常時必要なケアとして、注入実施は2004年10名で625件。2014年は37名3716件となった。呼吸器管理者は2004年0名が2014年は5名となった。吸引実施は2004年15名640件。2014年は35名1526件だった。定期的診察の必要な利用者は2004年31名340件、2014年45名2694件あった。リハビリ実施者は2004年34名1207件、2014年は72名4604件あった。状態観察や管理が必要なケースは2004年27名106件、2014年は71名215件あった。突発的に診察や対応が必要となったケースは2004年48名218件、2014年は42名223件あった。 まとめ 調査施設において、医療的ケアを約8割以上の利用者が必要としており、ケアの必要性は継続していた。常時必要なケアや定期的な診察・リハビリを必要とする利用者は増加していることから、在宅重症児の重度化や増加から通所施設の利用における医療的ケアはますます増えていくと考えられる。重症児者が健康に充実した在宅生活を送るためには、日中活動の場における支援が重要になると示唆される。 今後も、利用者の障害特性に応じた医療や療育を提供していきたい。
  • −口から食べる−
    前田 美幸, 牟田 訓香
    日本重症心身障害学会誌
    2015年 40 巻 2 号 245
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー
    はじめに 重症心身障害者のてんかん合併率は高く、抗てんかん薬を多剤併用しているケースも多い。薬の減量や中止には再発リスクが伴うため、発作が抑制されていても調整されないこともある。しかし、抗てんかん薬を減量して発作の再発はみられず、活動性が改善したというケースが報告されている。今回発作が抑制されていても多剤併用が継続され、傾眠傾向が強くなった症例に対し、抗てんかん薬減量によりQOLが向上した一例を報告する。 症例 47歳男性、器質性脳障害、大島分類1 横地分類B1、39歳より経管栄養。長期間抗てんかん薬デパケン等6剤を服用。発作は40歳入所当時の月1〜2回から年々減少し、45歳時よりほぼ消失していた。しかし、徐々に傾眠傾向が強くなり、活動性が乏しくなった。 経過と結果 46歳時、フェノバール等3剤を減量するが発作の再発はなく、覚醒時間が増え、表情表出や上肢の動きが出現した。また、それまで気道分泌物が多く発熱を繰り返していたが、減量後は顕著に減少した。その後先述の3剤を中止し、一時的に月5〜6回発作は出現したが、ラミクタールに置換後消失した。現在、4剤の抗てんかん薬を服用中で、さらに1剤を減量中であるが、紙に色を塗ったり、楽器を鳴らすなど活動性の向上がみられている。また、減量前は頸部支持不安定で嚥下機能も低下していたが、減量後は頸部支持が安定し嚥下機能も改善したため摂食を開始し、ミキサー食の経口摂取ができるようになった。 考察 本症例は必要以上の抗てんかん薬投与が脳の機能へ影響を及ぼし傾眠傾向を招いていたと考えられる。薬の減量により8年ぶりに口から食べる機能を取り戻しQOLの向上につながった。加齢によるてんかん発作頻度の減少が報告されていることから、近年高年齢化する重症心身障害者においても、発作の抑制状況や身体機能の変化から治療を見直すことが必要なケースもあるのではないかと考える。
  • 平井 二郎, 高橋 知之, 古谷 育子, 栗栖 茂
    日本重症心身障害学会誌
    2014年 39 巻 2 号 270
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/05/27
    ジャーナル フリー
    緒言 昨年の本学会において、重度脳性麻痺患者の脊柱彎曲の指標となるベクトルの計算法について示した。今回、ベクトル終点の軌跡からグラフを作成、脊柱彎曲の病型分類を試みた。 目的 重度脳性麻痺患者の脊柱彎曲の病型分類を行うこと。 方法 2012年度に撮影した重度脳性麻痺患者40名の全脊椎CTのMPR画像をもとにした。個々の患者で、各24脊椎の変位を示すベクトルをエクセルで計算し、ベクトル終点の軌跡をグラフ化した。 結果 描いたグラフの形状により彎曲の構成数を数え、1C、2C、3Cに分類した。健常者に近いものはNとした。彎曲の程度の指標としては、グラフ曲線の囲む図形が、ベクトルが移動可能な範囲に占める面積の割合を求め、軽症(20%以下)S、中等症(20〜40%)M、重症(40%以上)Lの3つに分類した。類型は、N、1C、2C、3Cがそれぞれ9例、10例、11例、10例で、彎曲の程度は、S、M、Lの順に26例(65%)、9例(23%)、5例(13%)となった。 考察 各脊椎の変位を示すベクトル終点を球面上に表示すると、側彎、前後彎、回旋はそれぞれある一定のパターンでグラフ化された。グラフ曲線をS1(仙椎)からC1(頸椎)までたどると、彎曲が一定方向だけのものや、向きを1ないし2回変えるものもある。彎曲の重症度については、変位ベクトルが基準ベクトルに比べ大きく変位し、かつその変位の方向が一定でないものが重症度は大きいと考えた。これに相当する量としてグラフの描く図形の面積を対応させた。 結語 今後、データを蓄積し、脊柱彎曲の経年変化をとらえ、重度脳性麻痺患者の医療に役立てていきたいと考える。
  • 苛原 香, 大瀧 潮, 高橋 佳代子, 上石 晶子, 杉森 光子, 石塚 丈広, 有本 潔, 木実谷 哲史, 菅野 徹夫
    日本重症心身障害学会誌
    2014年 39 巻 2 号 270
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/05/27
    ジャーナル フリー
    背景 骨密度の低下には抗重力運動の減少が大きく寄与していることが知られている。抗重力運動の少ない重症心身障害児者(以下、重症児者)では骨折事例が多く報告されているが、その詳細については不明な部分が多い。 目的 重症児者の骨状態を評価し、骨密度の維持に寄与する要因を探る。 対象・方法 島田療育センター入所者のうち、骨折歴のある者、閉経後の女性、50歳以上の男性のいずれかにあてはまる105例を対象に、dual-energy X-ray absouptiometry(DEXA)法による腰椎および大腿骨頸部の骨密度、PTH、ucOC、骨形成マーカー:血清骨型ALP、骨吸収マーカー:尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチドをクレアチニン補正した値を測定した。対象105例のうち20歳以上の96例について測定項目間の相関およびADL別の傾向について検討した。 結果 寝たきり50例、座位保持22例、立位保持24例であった。長管骨骨折・椎体骨折・大腿骨骨折は合計44機会あった。ADL別の発生機会は寝たきり群31/50、座位保持群9/22、立位保持群4/24で寝たきり群で最も多かった。腰椎および大腿骨頸部の骨密度の平均値は、対象全体でそれぞれ55.4±15.7%、43.8±14.67%で、正常下限(80%)を大きく下回った。ADL別ではそれぞれ寝たきり群で最も低く、立位保持群で最も高かった(p<0.05)。骨代謝はすべての群で吸収優位または高回転であったが、骨代謝マーカー、PTH、ucOCには3群間での有意差を認めなかった。 考察 骨密度は立位保持群でも正常値と比べて非常に低値であり、骨密度の維持にはADL以外の要因も関与している可能性があった。骨代謝は吸収優位または高回転であり、治療的介入としてビスフォスフォネートなどの骨吸収抑制剤が有効である可能性が示唆された。 謝辞 本研究にご協力いただいた島田療育センター整形外科磯田功司先生、同児童精神科野村健介先生、職員の方々に深謝申しあげます。
  • 高橋 美智, 大瀧 潮, 明城 和子, 高橋 佳代子, 杉森 光子, 上石 晶子, 有本 潔, 木実谷 哲史, 稲田 穣
    日本重症心身障害学会誌
    2019年 44 巻 2 号 440
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/10/30
    ジャーナル フリー
    はじめに 重症心身障害者(以下、重症者)は誤嚥を来しやすく、誤嚥性肺炎予防として口腔ケアや肺炎球菌ワクチン接種などが挙げられる。長期入所中の重症者が肺膿瘍を来した場合は重症化や耐性菌関与のリスクも高く、治療の長期化や難渋する報告もある。肺膿瘍に至った患者を経験したので報告する。 症例 当センターに長期入所中の54歳男性、大島分類1、診断は新生児感染症後遺症による脳性麻痺、てんかん、精神発達遅滞。栄養摂取は胃瘻と経口摂取を併用していた。 経過 一過性に発熱(発症日をday1とする)、day3に血液検査を施行しWBC 9480/μℓ、CRP 8.5 mg/dL、呼吸器症状・所見はなくアモキシシリン750㎎/日を開始した。day6から40℃台の発熱、day7の血液検査でWBC17360/μℓ、CRP 17.9 mg/dL、胸部レントゲン検査で左下肺野に浸潤影を認め、肺炎の診断でスルバクタム/アンピシリンの静注を開始した。Day9にWBC 15900/μℓ、CRP 37.6 mg/dL、精査目的に他院で造影CTを施行し、同部位の肺膿瘍と診断した。喀痰培養からMRSAが検出されミノサイクリンを併用した。Day47に造影CTで膿瘍の消失を確認し、抗生剤治療を終了し再発は認めなかった。 考察 肺膿瘍は細菌性化膿性炎症により肺実質が壊死・融解を来した疾患で、繰り返す誤嚥・免疫能の低下などが危険因子とされている。重症者では側彎やそれに伴う気管変形や無気肺形成が肺膿瘍を惹起し、発症部位は側彎凸側に一致していたとの報告がある。本症例でも側彎凸側に一致した部位に肺膿瘍を形成していた。反復する誤嚥の評価として、嚥下機能評価や栄養摂取の方法の検討は重要である。本症例では嚥下造影検査で誤嚥や嚥下機能の低下があることを確認し、本エピソード後に経口摂取を中止した。膿瘍治療に外科治療を要したり再発を来した症例が25%に上ったとの報告もあるが、本症例は体位ドレナージや障害歯科連携による週1回の口腔ケアによりリスクを軽減できた可能性がある。 申告すべきCOIはない。
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