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クエリ検索: "高田松原"
150件中 1-20の結果を表示しています
  • 中井 検裕
    ランドスケープ研究
    2021年 85 巻 1 号 12-13
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/07/30
    ジャーナル フリー
  • *成松 眞樹, 俵谷 圭太郎
    日本森林学会大会発表データベース
    2013年 124 巻 M35
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    菌根菌の多くは植物の定着に貢献し,その効果は厳しい環境で顕著であるが,大規模な撹乱を受けた場所では,感染源の減少や消失が懸念される。そこで,津波により撹乱された海岸における外生菌根菌の感染ポテンシャルを検討するために,被災後の砂を対象として,生物検定法により感染源の活性を調査した。2011年10月に,
    高田松原
    (岩手県陸前高田市)西側の陸地残存部の5地点で,各地点の2深度(0~10cm,10~20cm)から砂を採取し,粗大な有機物を除去後,表面を殺菌したアカマツの種子を播き,温度20℃,相対湿度70%,明期16時間に設定した培養器内にて4~6ヶ月間育成した。育成中の潅水には滅菌水を用いた。各地点/深度あたり1~2試料,合計13試料で育成した実生を対象に,総根端数と菌根の根端数を計数した結果,調査地東端の下層から得た1試料を除く12試料で外生菌根が形成され,菌根形成率(菌根根端数/総根端数)の平均は0.33±0.18s.d. であった。以上の結果から,津波被災後の
    高田松原
    の砂には,活性を有する外生菌根菌の感染源が含まれることが明らかになり,その分布は空間的に均一ではないことが示唆される。
  • 島田 直明, 伊藤 来希
    日本緑化工学会誌
    2020年 46 巻 1 号 162-165
    発行日: 2020/08/31
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    東日本大震災により,東北地方の沿岸域は甚大な被害を受けた。岩手県陸前高田市の

    高田松原
    地区では,復興事業として減災を目的としたコンクリート製の巨大な防潮堤が建設されたが,これにより景観が損なわれた。この景観を改善するために岩手県では防潮堤法面において海浜植物を用いた緑化が検討されることとなった。そこで緑化手法について考察することを目的に試験を行った。本試験は異なる土壌条件で海浜植物の播種および苗の植栽試験を行い,生育状況の調査を行った。その結果,盛土による防潮堤緑化には,基盤を砂のみとし,緑化対象種としてハマエンドウを主とし,ハマヒルガオも混ぜて種子を播種する方法が有効であると考えられた。

  • 苅住 曻
    根の研究
    2012年 21 巻 2 号 45-52
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/20
    ジャーナル フリー
    2011年の東日本大震災で,岩手県陸前高田市の名勝「
    高田松原
    」の海岸林の,アカマツ・クロマツ林が全て倒壊した.凡そ7万本という.高さ15.8m(高田市・市民体育館)の津波によって,幹折れで地上部が流亡したものもあるが,多くは根系から倒伏して流亡した.これは津波の高さが高く,樹冠が津波の圧力を受けたことによるところが大きい.枝下高23mの一本松は枝下1mまで水没した.樹幹にかかった津波の強度を計算すると100tになる.多くの測定値から計算した根系強度の推定値は183tであるので,根系強度は津波の圧力よりも著しく大きい.根系は水没すると,土壌と根系の摩擦力が低下し,根系強度は減少する.また,津波の流れの,下側の根系は流水によって洗掘されるので,流速が大きいと根系強度は著しく低下する.根系強度は引き潮に弱い.しかし,樹木の倒伏は津波の性状によって異なり,今回のような巨大津波では海方向からの衝撃によって,一瞬で倒壊する.一本松では,津波の洗掘による根系の露出は認められない.反対に根株付近に60~100cmの砂土の堆積が認められた.付近は疎林で,流亡した樹木の接触も見られなかった.流速や砂土の堆積は周囲の地形や構造物に関係する.ここでは,近くにユ-スホステルや気仙川の堤防がある.一本松が倒伏しなかった原因には,地形や付近の構造物による海水の複雑な流れも関係している.
  • ―陸前高田市・高田松原を事例として―
    瀧 邦夫
    日本緑化工学会誌
    2021年 47 巻 2 号 229-233
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2022/02/09
    ジャーナル フリー
  • 阿部 勝
    ランドスケープ研究
    2021年 85 巻 1 号 18-19
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/07/30
    ジャーナル フリー
  • 津波復興祈念公園が立地する陸前高田市と石巻市を対象とした質問紙調査の報告
    近藤 民代, 坂口 奈央, イエガネ ゲゼール
    都市計画報告集
    2023年 21 巻 4 号 563-568
    発行日: 2023/03/10
    公開日: 2023/03/10
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿では国営追悼・祈念施設が立地する津波復興祈念公園が建設された岩手県陸前高田市および宮城県石巻市で実施した居場所の変化に関する調査結果を報告する。復興市街地整備事業区域内の住宅(災害公営住宅、民間賃貸住宅、戸建住宅)を配布対象とし、居住移転を経験した被災者に質問紙調査を実施した。場所のアイデンティティを構成する三要素である「意味」、「設え」、「活動」、がどのように変化したのか、居場所の空間的変容に着目し、質問紙調査で得た生活圏や居場所の地域名や具体的な場所のデータを用いて、ジオコーディングを行い、GISを用いて空間的変容を可視化した。その結果、災害伝承や記憶の継承という意味が埋め込まれた津波復興祈念公園はかつて、住民にとっての居住地、地域の誇り、住民が訪れる場所であったが、震災を経た現在は被災者の居場所にはなっていない実態が明らかとなった。震災12年を経た東日本大震災の被災地で求められているのは、市民の居場所を取り戻す・作り出す主体的活動をサポートし、まちの中で広大なエリアをしめる復興祈念公園をまちにとって大切な場所として再生させ、市民の居場所にしていくことである。

  • 齊藤 恵理
    ランドスケープ研究
    2021年 85 巻 1 号 20-21
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/07/30
    ジャーナル フリー
  • 山下 啓, 菅原 大助, 高橋 智幸, 今村 文彦, 齋藤 友一, 今任 嘉幸, 甲斐 恭, 上原 均, 加藤 季広, 中田 一人, 坂 良太郎, 西川 朝雄
    土木学会論文集B2(海岸工学)
    2015年 71 巻 2 号 I_499-I_504
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
     岩手県陸前高田市における,2011年東北地方太平洋沖地震津波による大規模土砂移動を対象とした再現計算を実施した.その結果,津波の遡上過程や浸水高,地形変化量や海域における堆積土砂の分布傾向を,本計算が良好に再現することを示した.そして,津波による地盤の侵食は,従来の土砂移動を考慮しない解析と比較して陸域における遡上過程を早める効果を有することがわかった.また,2011年東北地方太平洋沖地震津波の第一波目の来襲により
    高田松原
    は消失し,特に,引き波時の強い戻り流れにより顕著に侵食されたことを明らかにした.こうした強い戻り流れは,対象地域の地理的特性によって引き起こされる場合がある.すなわち,平野部の奥行きが中規模である地域に津波が来襲する場合,強い戻り流れが生じ,地形変化が大規模化し得る.
  • 篠沢 健太
    ランドスケープ研究
    2021年 85 巻 1 号 16-17
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/07/30
    ジャーナル フリー
  • *金 南昔, 飯田 有未, 植松 康
    日本風工学会年次研究発表会・梗概集
    2013年 2013 巻
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/10
    会議録・要旨集 フリー
    岩手県陸前高田市にある国の名勝「
    高田松原
    」は,2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による大津波に呑み込まれ壊滅状態になったが,奇跡的に1本だけ倒れずに残った。「奇跡の一本松」である。懸命の保護活動が行われたが,海水で根が腐ってしまい,2012年9月12日ついに伐採された。切られた松は防腐処理を施した上で,元の場所にモニュメントとして保存されることになった。筆者らは,このプロジェクトにおいて,航空宇宙技術振興財団の技術アドバイザーとしてモニュメントの耐風設計における風荷重評価を担当した。ここではその基本的な考え方を述べる。
  • 舟引 敏明, 脇坂 隆一, 佐々木 貴弘
    ランドスケープ研究
    2021年 85 巻 1 号 6-11
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/07/30
    ジャーナル フリー
  • 宇多 高明, 星上 幸良, 酒井 和也, 野志 保仁
    土木学会論文集B2(海岸工学)
    2013年 69 巻 2 号 I_731-I_735
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/12
    ジャーナル フリー
    On the Takata-matsubara coast, sandy beach was severely eroded by the return flow of the 2011 Great Earthquake Tsunami occurred on March 11, 2011. The recovery of sandy beach was planned using beach nourishment. In this study, the effect of beach nourishment using relatively coarse materials such as the grain size of 1 mm was investigated using the BG model. Because three artificial reefs with a crown depth of 3 m have been constructed before the earthquake on this coast, beach changes due to these artificial reefs were taken into account.,
  • とくに、岩手県三陸海岸高田松原附近を中心として
    今野 円蔵, 北村 信, 小高 民夫, 片岡 純
    東北地理
    1960年 12 巻 4 号 120-127
    発行日: 1960年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    昭和35年5月23日午前4時10分 (日本時間) 南米チリ国太平洋沿岸に発生した大地震に伴つた津波は太平洋を横断し、翌24日午前日本列島太平洋沿岸の各地に多大の被害をおよぼした。この津波は気象庁によってチリ地震津波と命名された。私共は同5月25日より31日までの7日間三陸沿岸南部地域の被害状況調査を行つた。ここに報告するものは、その中でとくに地形変化の著しかつた岩手県高田市
    高田松原
    附近の侵食と堆積にかんする問題のみをとりまとめたものである。
  • 大規模な慰霊の場を対象とした空間構成の分析
    *三浦 尚悟, 板垣 順平
    日本デザイン学会研究発表大会概要集
    2021年 68 巻 5C-04
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/23
    会議録・要旨集 フリー

    我が国では地震や戦争などによる大規模な被害を受けるたびに、それらの被害によって命をなくした人びとを慰霊する場所が整備されてきた。これらの、慰霊を行うための場の構成の特徴を既存の慰霊空間から見出すことで、今後、新たに設計される慰霊空間の可能性を探ることができるだろう。本研究では、慰霊の場が持つ空間構成に見られる特徴を解明することを目的としており、日常から慰霊という非日常につなげるための空間構成を、空間分析図として視覚化することで、これまでの慰霊の場の空間構成の特徴について論理づけることを試みた。また、分析によって慰霊の場は、空間の用途や配置によって6つの空間によって分析することできる。それらの空間は、何気無い日常の感覚から非日常、すなわち慰霊を行う感覚へと身体的、精神的な変化を与えるとともに、その場所で起きた出来事を後世に伝えていく役割を担っている。これらの慰霊の場の在り方について考えることは、災害を乗り越えていまを生きている私たちにとっても考え続けてゆくべき課題と言える。

  • 浅見 佳世, 赤松 弘治, 松村 俊和, 辻 秀之, 田村 和也, 服部 保
    ランドスケープ研究
    2003年 66 巻 5 号 555-558
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/09/24
    ジャーナル フリー
    Management is necessary to maintain actual situation of pine woods at coast areas, which Japanese have felt familiarity with, because they are in a seral stage of succession. In this study we investigated eight pine woods in various region at the viewpoint of vegetation science. Seven of them are specified places of scenic beauty under the law for protection, and one of them had been. As a result, it is clarified that pine woods in young stages have similar tree forms because of excessively dense plantation and succession. This means that characteristics of each pine woods have been decreasing. On the other hand, the forms of old big trees have characteristics particular to each pine woods, which is considered as results of climate and management. In order to conserve the traditional pine woods at coast areas, the characters of each pine woods should be recognized and objective vegetation should be set up.
  • 「被災地」陸前高田の場所再構築と地理学(1)
    *熊谷 圭知
    日本地理学会発表要旨集
    2023年 2023a 巻 513
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/28
    会議録・要旨集 フリー

    2018~22年度に実施した本科研費研究会は,東日本大震災の被災地岩手県陸前高田市に焦点を当て,「復興」の課題を,被災地の人々の感情・身体・ジェンダー,場所や風土などの視点から考察してきた.研究方法の中核をなすのは,現地の住民との対話的なフィールドワークである.

    陸前高田市は,1955(昭和30)年,高田町,気仙町,広田町,小友村,米崎村,竹駒村,矢作村,横田村の8町村の合併によって生まれた.藩政時代からの中心地で古い街並みがあった気仙町,昭和以降行政・商業の中心地となった高田町,漁業が盛んな広田・小友,漁業と果樹栽培が盛んな米崎,気仙川と山に囲まれた横田など,旧8町村は,生業や文化を異にし,独自の風土を持っている. 気仙川が作り出した沖積低地の上に市街地が展開し,三陸海岸では珍しい長大な砂浜に連なる松林(

    高田松原
    )は,県内外から海水浴客を集める観光地でもあった. 同僚教員と学生と共に2011年から通ってきた米崎小学校仮設住宅の元自治会長佐藤一男氏は「陸前高田はエンゲル係数の低い町だった」と言う.それは海産物や農産物の交換が地域社会の中で頻繁に行なわれ,食費が少なくても豊かに暮らせたことを意味する.震災が奪ったのは,数量化できる産業基盤だけではなく.交換経済(菜園なども重要な基盤)と社会関係もまた大きな打撃を受けた.

    「原風景」については,様々な論考がある(奥野1989ほか).私は原風景を「個人の心に深く刻み込まれ,繰り返しあるいは時折,強い情感をともなって喚起される風景」と捉える(熊谷1997).どのような心情とともに「原風景」が刻まれるかを考察すると,温かさ」や「安心」の感情,「自由さ」や「解放感」とともに,「寂しさ」や「孤独」「不安」の感情が浮かび上がってきた.原風景が,単なる懐かしさや,幼少期の幸福な記憶によってのみ彩られるものではなく,それがもはや手の届かないものになった喪失感とも結びつくとすれば,震災は,陸前高田の人々に失った風景を原風景として刻み込む契機ともなったと想像する. 「原風景」調査の概要 私は2019年12月末~2020年2月に,陸前高田の人々に,原風景調査を行なった.回答を得たのは,19名(男14名,女5名)で,年齢は,80代1名,70代5名,60代5名,50代3名,40代3名,30代と20代が各1名である.これまで私が関わりを持った人に依頼したこともあり,比較的高齢の人,また男性が多くなった.   具体的な原風景として多く挙げられたのは,1)子供時代の生業・遊びと自然;2)祭;3)

    高田松原
    ;そして4)震災前後の街の風景;だった. 陸前高田の人々は,2011年3月11日の津波で一時に親密な人,家,街並み,日常,風景,それらとの関係性を奪われた.今回の原風景調査から浮かび上がってきたのは,「場所喪失」(displacement)の心情の具体的意味と重さだった(熊谷2020).

  • *高木 秀雄
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2021年 2021 巻 R6-O-1
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/05/31
    会議録・要旨集 フリー

    目的:2011年3月11日の東日本大震災から10年が経過した.本発表では,筆者が取材した経験のある三陸ジオパークおよび南三陸地域の津波被災遺構について,解体と保存の経緯を振り返るとともに,改めてそれらの重要性を指摘したい.

    経緯:甚大な津波災害をニュースで目の当たりにして,災害の爪痕を見たときに,その爪痕を後世に残し,防災に役立てることはできないものか,と思った研究者有志が数名でメールの意見交換を行うようになった.私もそれに3月下旬から加わり,次第にグループの人数が増えていき,メーリングリストができたのが地震後1ヶ月経過してからのことであった.当初は12名からスタートしたMLは,2年後の5月1日には50名ほどになり,3年余り継続して情報交換がなされた.その間に,筆者は2011年8月をはじめとして4回ほどジオサイトの取材も兼ねて現地を訪れ,新聞や著書などで津波被災遺構の保存の重要性を訴えた.取材した津波被災遺構は下の通りである.

    解体・撤去された主な遺構候補

    1.岩手県大槌町の民宿に乗り上げた釜石市の観光船「はまゆり」2011年5月撤去  同「はまゆり」を乗せた民宿「あかぶ」および大槌町役場 2021年2月撤去

    2.宮城県石巻市の雄勝公民館の上に乗った大型バス 2012年3月撤去

    3.宮城県気仙沼市の大型漁船(第18共徳丸) 2013年9月〜撤去

    4.岩手県女川町の転倒ビル(女川サプリメント,江島共済会館)2014年3月〜   2016年1月撤去

    保存が決まった遺構

    6.岩手県女川町の転倒ビル(女川交番)2013年11月に保存決定,2020年整備

    7.岩手県宮古市の田老観光ホテル 2013年11月復興庁が保存を決定,復興交付金の予算がついた.

    8.岩手県陸前高田市の陸前高田YH・奇跡の一本松・道の駅

    高田松原
    タピック45・下宿定住促進住宅 2015年8月,
    高田松原
    津波復興祈念公園基本計画策定

    9.宮城県南三陸町防災対策庁舎 2015年6月 町は解体の方針だったが,宮城県が保存・管理

    10.宮城県南三陸町吉野会館 震災伝承ネットワーク協議会が遺構として認定

    11.宮城県気仙沼市 気仙沼向洋高校跡(東日本大震災遺構・伝承館:写真)

    解体か保存か:解体と保存を分けた理由として次のようなことが考えられる.

    1.非常にリアルで強い発信力をもつ遺構:解体が決まった上記4つはすべてこれに当てはまり,船や大型バスが最大800mも移動,あるいは建物の上に乗り上げたもの(1−3)は,遺構としての強い発信力をもつが故に,住民のマイナスの感情も大きく,解体された.一方,保存された遺構は多くの場合,津波による移動がほとんどない建物(6−11)であった.

    2.犠牲者の有無:保存が決まった遺構の多くは犠牲者を出さなかったことが挙げられる(佐藤・今村,2016).ただし,上記の中では9が例外であり,南三陸町は解体の方針であったが,宮城県が保存・管理するようになり,長期間のやり取りの末保存が決まった.そのほか,石巻市大川小学校では,児童生徒74人,教職員10人が犠牲となったが,避難行動の遅れを教訓として2016年に市が保存を決定した.

    3.時間の経過:時間の経過に伴い,住民の感情が解体から保存に変わってきたことも重要である.手付かずのまましばらく放置された気仙沼向洋高校は,6年経過して重要な津波被災遺構,語り部の活動,映像を統合した重要なサイトになりつつある.

    4.復興のシンボルになり得るもの:奇跡の一本松や,住民の命を守った防潮堤などは,保存されやすい.

    5.予算的な問題と都市計画:県や国が買い取り,維持費を保証するか否か,ある程度時間を要したが,このような場合は保存されやすい.大槌町役場やはまゆりを乗せた民宿は10年経過した結果,予算がつかずに解体された.また,復興に邪魔になるものは撤去されやすい.女川の倒壊ビルの中で撤去されたビルと残された交番の違いはこの点も大きい.

    文献 佐藤翔輔・今村文彦,2016, 東日本大震災の被災地における震災遺構の保存・解体の議論に関する分析-震災発生から 5 年の新聞記事データを用いて-,日本災害復興学会論文集,no.9, 11-19.

  • 平野 勝也, 奥山 伊作, 福原 賢二, 脇坂 隆一, 佐々木 貴弘, 秋田 典子
    ランドスケープ研究
    2021年 85 巻 1 号 46-49
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/07/30
    ジャーナル フリー
  • 岡 浩平
    日本緑化工学会誌
    2021年 47 巻 2 号 227-228
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2022/02/09
    ジャーナル フリー
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