Sarkomycinの力価定量は,.現在までのところその抗腫瘍性が抗菌性と平行関係にあるという実験成績1) にもとずいて, ブドウ球菌を試験菌とするカップ法が応用されている。ところが, この方法は血中濃度や尿中排泄量を測定するには充分鋭敏な定量法ということはできない。そこでわれわれは他の抗生物質のばあいにならつて, 重層法, 稀釈法などの微量定量法をおこなつてみたが, しばしばその成績は不定であつて, そのままではやはり臨床諸検査に充分な測定値をうることが困難であることがわかつた。そこで一方では別報2) のAnthrone試薬による比色定量法とともに, 重層法でも, 培地の改良, 試験菌の種類, 及びその接種量などの点で種々の工夫を試みた結果, ようやくほぼ一定の測定値がえられるようになつたので, ここに報告して批判を仰ぎたいと思う。
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