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クエリ検索: "鼠径ヘルニア"
7,166件中 1-20の結果を表示しています
  • 矢加部 茂, 山内 健, 村中 光
    医療
    2004年 58 巻 10 号 581-584
    発行日: 2004/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    【目的】
    鼠径ヘルニア
    において対側予防手術の決定のための客観的判定法としてスケール付きゾンデによる腹腔鏡下対側検索を行った. 【対象と方法】1997から2003年までの1歳以上の
    鼠径ヘルニア
    89例(男42, 女47)に対して従来の腹腔鏡下対側検索に加えて反対側上腹部に14G静脈留置針にて穿刺し, 簡単な目盛りを入れたゾンデを挿入して腹膜鞘状突起の長さを測定した. 【結果】10mm以上を陽性と見なした場合, 腹腔鏡検索89例において36例(40.4%)で陽性であった. 特に症例の多い1歳から4歳まででは1歳代が陽性率が高く25例中15例(60%)が10mm以上であった. 続いて2歳代24%, 3歳代36%, 4歳代で36%の症例で陽性と判定した. 【結論】われわれの行っているスケール付きゾンデによる腹腔鏡下対側検索は従来の腹膜鞘状突起の開存の有無を見るだけでなく, 長さが測定可能で, 一定基準に達した長さの症例に対しての予防手術が可能のみならず判定困難な症例にも有用であった.
  • 丹羽 浩一郎, 関 英一郎, 齋田 将之, 柴田 將, 加賀 浩之, 坂本 一博
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    2022年 64 巻 6 号 1235-1240
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/20
    ジャーナル フリー HTML

    症例は69歳,女性.便潜血検査陽性のため大腸内視鏡検査を施行した.検査中に横行結腸で強い抵抗を感じたため,腹部の診察を行った.臍部に腫脹認め内部にスコープを触知した.スコープは抵抗があり抜去困難だった.臍ヘルニアにスコープが嵌入したと診断し,ヘルニア門を確認した後,慎重に用手圧迫を行いヘルニア内容を腹腔内へ還納した.用手圧迫を継続して,全大腸を観察できた.大腸内視鏡検査では,腹部のヘルニアの病歴聴取が重要である.そして臍ヘルニアを確認した時は,検査開始時からヘルニア内容を腹腔内へ還納しておくことで,安全な全大腸観察が可能となる場合がある.また,挿入中に違和感を感じた場合は,腹部の診察が重要である.

  • 鷲見 悠美, 宮下 昭太, 黒澤 和子
    日本産科婦人科内視鏡学会雑誌
    2021年 37 巻 2 号 54-57
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/28
    ジャーナル フリー

    Case: A 16-year-old Japanese female adolescent presented with left-sided lower abdominal pain. Ultrasonography and magnetic resonance imaging revealed a left adnexal cyst (5 cm). Her history was unremarkable except for a sliding inguinal hernia attributable to inguinal herniorrhaphy.

      We report a case of tubal occlusion and ovarian atrophy secondary to fallopian tube and ovarian ligation associated with inguinal herniorrhaphy.

  • 池田 正仁
    医療
    1999年 53 巻 10 号 660-664
    発行日: 1999/10/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    成人の
    鼠径ヘルニア
    に対する腹腔鏡下手術には, totally extraperitoneal preperitoneal repair (TEPP)とtransabdominal preperitoneal repair(TAPP)がある. 当科では, 術式としての完成度の高さからTEPPを主に行い, TAPPはTEPPの補完的手術に位置づけている. したがって, 本稿ではTEPPの手術手技の実際を詳述し, TAPPについては略述した. さらに, 小児の
    鼠径ヘルニア
    に対する腹腔鏡の応用にも触れた.
  • 画像的特徴と診断方法の検討
    山口 秀樹, 岩下 淨明, 武山 茂, 佐藤 俊行, 金田 悟良
    超音波検査技術
    2001年 26 巻 1 号 4-9
    発行日: 2001/02/01
    公開日: 2007/09/09
    ジャーナル フリー
    We analyzed preoperative diagnosis by ultraSonography(US) for 109 operative cares of inguinal hernia. We think preoperative diagnosis by US might be possible to classify according to observe as follows.
    1) direction of herniasack-extension, 2) position of hernia ring, 3) internal echo level, 4) mobility according to abdominal pressure.
    And it is also possible to diagnose the hernia contents by determination of internal echo level and mobility of hernia.
    We conclude that US examination is clinically useful and Effective to diagnose preoprativelly for the inguinal hernia patients.
  • 角田 祥之, 角田 千尋, 三田 多恵
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    2018年 60 巻 6 号 1225-1229
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/20
    ジャーナル フリー HTML

    症例は65歳男性.便潜血反応検査陽性のため,精査目的に大腸内視鏡検査が施行されたが,S状結腸で挿入困難となり途中で中止した.注腸検査では,左

    鼠径ヘルニア
    嚢内にS状結腸が脱出していて,挿入困難の原因と考えられた.
    鼠径ヘルニア
    根治術施行後は,容易に検査を完遂することが可能であった.
    鼠径ヘルニア
    は高齢者でよくみられる疾患であるが,大腸内視鏡検査の合併症としても報告されている.挿入困難のみでなく,穿孔や抜去不可能により緊急手術が必要になる事もあるため注意が必要である.高齢者に大腸内視鏡検査を施行する際には,検査前に
    鼠径ヘルニア
    の有無を聴取するとともに挿入困難の原因となりうることを念頭に置くことが必要であると思われた.

  • 河野 菊弘, 山田 敬教, 大谷 裕, 倉吉 和夫, 梶谷 真司, 若月 俊郎, 吉岡 宏
    松江市立病院医学雑誌
    2016年 20 巻 1 号 53-56
    発行日: 2016年
    公開日: 2019/07/08
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は66 歳,男性.右鼠径部痛と右陰嚢腫大で来院した.右鼠径部から陰嚢に至る大人手拳大2 個分の腫大を認めた.腹部単純レントゲン写真で小腸の1 条のイレウス所見と,腹部CT 検査でヘルニア内容に小腸末端と虫垂と思われる陰影を認め,右
    鼠径ヘルニア
    回盲部嵌頓と診断した.外来で用手的に還納を試みるも用手整復不能であったため,採血検査で異常所見は認めなかったが疼痛強く絞扼の可能性も懸念し緊急手術とした.ヘルニア内容は回腸末端約50 cm と虫垂を認めた.小腸間膜には出血と引きつれを認めた.小腸に壊死所見なく虫垂も正常と判断し,脱出腸管を還納し虫垂切除は施行せずバードメッシュ(L)で修復した.回盲部を内容とする
    鼠径ヘルニア
    嵌頓の本邦報告例は自験例を含めて20 例であった.稀な症例と考えられ若干の文献的考察を加え報告する.
  • 諸橋 聡子, 笠島 浩行, 吉崎 孝明, 大石 晋, 舘岡 博, 猪野 満, 田中 隆夫
    日本臨床外科学会雑誌
    2004年 65 巻 7 号 1864-1867
    発行日: 2004/07/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は73歳,女性.主訴は右下腹部痛で右鼠径部に発赤,圧痛を伴う腫瘤を認めた.腹部単純写真では右鼠径部に糞石と思われる石灰化を認め,骨盤CTでは同部にhigh density像を有する管腔構造と周囲にniveau形成もみられることから,虫垂が嵌頓した外
    鼠径ヘルニア
    と診断.術式は炎症反応が高度のため腹腔内への炎症波及を考慮し,開腹を先行.腹腔内の炎症がないことを確認後,鼠径部からの虫垂切除とヘルニア嚢を切除し,高位結紮術を施行.
    鼠径ヘルニア
    内に虫垂が嵌頓することは非常に稀で, Amyand's herniaと呼ばれている.
    われわれが検索した限りでは,自験例を含め本邦では11例の報告をみるに過ぎない.本症の術前診断は困難であるが,ヘルニア嚢内をより鮮明に写し出すCTが有用であると考えられた.また術式として本症例のように炎症反応の高度例では鼠径部,腹部の両側アプローチが必要と考えられた.
  • 杉田 佳子, 丸 典夫, 石川 弥, 平井 祥司, 嶺井 定紀, 杉田 敦, 岩村 正嗣, 吉田 一成, 馬場 志郎
    日本泌尿器科学会雑誌
    2012年 103 巻 3 号 566-568
    発行日: 2012/05/20
    公開日: 2013/06/13
    ジャーナル フリー
    症例は54歳,男性.左鼠径部の無痛性の腫瘤を主訴に来院.精索水瘤と診断し左鼠径部腫瘤摘出術を施行.術後の病理組織学的検査でmesothelial cystと診断された.mesothelial cystは稀な疾患ではあるが鼠径部の腫瘤を診た際は鑑別診断の一つとして挙げることは一考に値すると思われた.
  • 加藤 秀明, 伴登 宏行, 田畑 敏, 家接 健一, 土田 敬, 山下 良平, 清原 薫, 酒徳 光明, 中島 久幸, 小杉 光世
    日本臨床外科学会雑誌
    2000年 61 巻 11 号 2870-2873
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    Prolene™ hernia systemを用いた成人
    鼠径ヘルニア
    修復術後の合併症について検討した.対象は1998年9月から1999年12月までに当科で手術した
    鼠径ヘルニア
    患者68例75側.男性47例,女性21例,平均年齢は68.8歳であった.合併症は,皮下漿液腫10側(14.7%),血腫2側(2.9%)であった.いずれも保存的治療で軽快し,感染,再発は認めていない.また,術後愁訴についてアンケートを行い,回答のあった46例について検討した.手術後の痛みは約1週間で消失,日常生活への復帰期間は約2週間であった.術後の痛みについては,「思ったよりひどくなかった」という回答が51%,メッシュの違和感については「まったく感じない」という回答が55.1%であった.以上より,成人
    鼠径ヘルニア
    に対しPHSを用いた修復術は術後愁訴の少ない良い手術法と考える.
  • 早馬 聡, 島崎 孝志, 大久保 哲之, 加藤 紘之
    日本臨床外科学会雑誌
    2002年 63 巻 8 号 2058-2060
    発行日: 2002/08/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    虫垂嵌頓
    鼠径ヘルニア
    の1例を経験したので報告する.症例は77歳の男性.1週間前から右鼠径部の膨隆を自覚,その後増大傾向を認め疼痛も伴うようになってきたため,近医受診したところ右
    鼠径ヘルニア
    嵌頓が疑われ,当院紹介入院となった.転院後,嵌頓内容は断定しえなかったが,右
    鼠径ヘルニア
    嵌頓が強く疑われたため緊急手術を施行した.手術所見は右
    鼠径ヘルニア
    内に虫垂が嵌頓し先端は壊死に陥っており,ヘルニア嚢内に膿汁の貯留をきたしていた.同一創にてヘルニア根治術・虫垂切除術を施行し,残存した末梢側ヘルニア嚢内にドレーンを留置し閉創した.
    鼠径ヘルニア
    嵌頓において虫垂を内容とするものは極めて稀であるが,イレウス症状を欠き,鼠径部超音波像にて層状構造が描出された場合,本症を疑うことが可能と思われた.
  • 榊原 年宏, 森田 誠市, 小山 眞, 塚田 一博
    日本臨床外科学会雑誌
    2001年 62 巻 4 号 1068-1071
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    鼠径ヘルニア
    に虫垂.盲腸が嵌頓し鼠径・陰嚢部膿瘍をきたした1例を経験した.
    症例は72歳男性.右鼠径部から陰嚢にかけての発赤を伴う腫脹,陰嚢の皮膚壊死を主訴に来院した.全身状態は良好でイレウス症状・所見もなかった.嵌頓
    鼠径ヘルニア
    の診断で開腹すると,虫垂と盲腸の一部が鼠径窩に強固に嵌頓していた.膿が腹腔内に流入しないように鼠径部・陰嚢を切開して十分に排膿後,嵌頓した虫垂・盲腸を腹腔内へ引き戻すと周囲の高度炎症,盲腸の穿孔を認めたため,回盲部切除を行った.ヘルニアに対しては腹腔内よりメッシュによる修復術を行った.術後病理学的検討では盲腸憩室穿孔による膿瘍形成が示唆された.
    鼠径ヘルニア
    に虫垂が嵌頓することは稀で,盲腸嵌頓の本邦報告例はなかった.膿瘍合併例の手術では,膿の腹腔内流入を避けるため鼠径部・腹腔内両側からのアプローチが必要と思われた.
  • 見市 昇, 村上 敬祥, 中川 賀清, 渡邉 貴紀
    日本臨床外科学会雑誌
    2005年 66 巻 8 号 2049-2052
    発行日: 2005/08/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Mesh plug法で手術され,約4年後に再発した内
    鼠径ヘルニア
    に対して腹腔鏡下修復術を施行した.ヘルニア門がplugと恥骨の間にみられる内
    鼠径ヘルニア
    で, plugを摘出後に鼠径管後壁と大腿輪全体をinlay meshで修復した.前回の手術瘢痕のため腹膜の剥離は困難であったが,後腹膜側のintactな腹膜を広く剥離してカーテン状に挙上してinlay meshを被った.自験例からもonlay patchは恥骨結節で固定する必要があると考えられた.
  • 浅井 陽, 川島 弘之, 越永 従道
    日大医学雑誌
    2018年 77 巻 1 号 23-28
    発行日: 2018/02/01
    公開日: 2018/03/26
    ジャーナル フリー
    【目的】近年,腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(Laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure: 以下LPEC 法)が普及し,本術式を導入した施設も増加した.当科での手術成績を検討しLPEC 法が標準術式になりうるか検討する.【対象と方法】当科で2011 年2 月から2015 年3 月までにLPEC 法を施行した305 例と2010 年1 月から2015 年3 月までに従来法を施行した213 例を対象とし,両術式における成績について後方視的に検討した.【結果】LPEC 法導入により,平均手術時間は男児両側症例で短縮し(P = 0.017),女児片側症例では延長した(P < 0.001).合併症はLPEC 法5 例,従来法4 例認めた.その内,再発はLPEC 法2 例,従来法1 例であった.総合併症率,再発率に有意差は認めなかった( p = 1.000).LPEC 法施行時の対側腹膜鞘状突起開存は44.7%であった.【結論】LPEC 法は従来法と比べ合併症率は劣らず,鏡視下に腹膜鞘状突起の確実な閉鎖を確認でき,小児
    鼠径ヘルニア
    に対する標準術式になりうると考える.
  • 堤 裕史, 竹吉 泉, 富沢 直樹, 須納瀬 豊, 川手 進, 吉成 大介, 浜田 邦弘, 荒川 和久, 棚橋 美文, 新井 正明, 大矢 敏裕, 森下 靖雄
    北関東医学
    2006年 56 巻 4 号 343-346
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/12/26
    ジャーナル フリー
     meshを用いたtension free repair法で行った
    鼠径ヘルニア
    術後75歳の男性患者の再発に対し, 腹腔鏡補助下に腹腔内の状態を観察しながら, 前方からのアプローチでヘルニア修復術を施行し, meshを除去することなくヘルニア門に新たなmesh plugを挿入して修復した. 腹腔鏡で観察すると, tension free repair後の再発ソケイヘルニアでも, ヘルニア嚢を容易かつ確実に識別することが可能である. そのため, ソケイ管内の不必要な剥離を行わず, ヘルニア門にmesh plugを挿入することで少ない侵襲での確実な手術が可能である. 術後4年を経過した現在も再再発はない.
  • 丸田 潤, 木村 忠, 遠藤 昌夫
    医療
    1973年 27 巻 4 号 322-325
    発行日: 1973/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 澤田 雄宇, 矢加 部茂, 伊藤 修平, 池尻 公二
    医療
    2008年 62 巻 6 号 347-349
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    症例は26歳女性, 6カ月前より右鼠径部に疼痛ともなう腫瘤を認めていた. エコーにて索状物の内部に境界明瞭な無エコー像が認められNuck管水腫の所見であったが, 疼痛をともなうことにより
    鼠径ヘルニア
    や子宮内膜症が鑑別として挙げられた. 手術では右子宮円索内部に液体貯留を認め, Nuck管水腫の所見であった. Nuck管水腫の成人での報告例は少なく, 文献的考察を加え報告する.
  • 浅井 陽介, 中村 利夫, 倉地 清隆, 林 忠毅, 中島 昭人, 今野 弘之
    日本臨床外科学会雑誌
    2006年 67 巻 6 号 1409-1412
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    今回われわれは31歳の女性で右鼠径部の痛みと腫脹を主訴に受診し,緊急手術を行い子宮円索血栓性静脈瘤と診断した1例を報告する.
    腫瘤は妊娠20週に現れ,正常分娩4日後に,急速に増大して,落痛が出現した.
    鼠径ヘルニア
    嵌頓を疑い,緊急手術を施行した.術中に血栓性静脈瘤を鼠径管内に認めた.妊娠後期・産褥期の鼠径部腫脹,痔痛などの症状がみられた場合,子宮円索血栓性静脈瘤は念頭に置く必要があると思われる.
  • 黒田 慎太郎, 小出 圭, 藤國 宣明, 秋本 成宏, 大石 幸一, 角舎 学行, 福田 三郎, 先本 秀人, 江藤 高陽, 高橋 信
    日本臨床外科学会雑誌
    2006年 67 巻 10 号 2285-2288
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    近年,成人
    鼠径ヘルニア
    の手術のなかでも数多くの利点を持つKugel法が広まりつつある. Kugel法は他のtension freeの方法と比較して,手術操作も少なく単純な術式であるが,パッチを留置する腹膜前腔は解剖学的に馴染みが薄いため,習熟にある程度の経験を要するのが難点と言われる.今回われわれは, Kugel法導入後16カ月間に同一術者が行った38例について手術時間のlearning curveを算出し,技術の習熟に要する症例数を検討した.また,主にKugel法導入前に行った37例のメッシュプラグ法と比較した.平均手術時間はKugel法29.6分,メッシュプラグ法47.3分であった.一人の術者でKugel法の手技が安定するには15~20例の経験を要すると思われた. Kugel法はある程度の経験を要するものの,習熟すれば非常に短時間で確実に施行できる,利点の多い方法であると考えられた.
  • 手術適期についての考察
    上野 滋, 添田 仁一, 田島 知郎, 三富 利夫
    日本臨床外科医学会雑誌
    1994年 55 巻 6 号 1420-1424
    発行日: 1994/06/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    乳児期に発症した
    鼠径ヘルニア
    症例に対し,嵌頓例あるいは嵌頓の危険が大きい症例には早期手術を行い,そうでない例では1歳まで定期的に経過観察し,症状の残る症例にのみ根治手術を行うという方針で治療した.これらの症例について,手術時期・嵌頓の有無・ヘルニア消失の有無などにつき検討した結果,自然治癒を期待される症例が 12% 生じたが,手術を待期して経過を見るうち嵌頓する症例が15%あった.経過観察中の嵌頓は,乳児早期に発症した症例に多く,嵌頓時期は8ヵ月以後に多かったことから,乳児
    鼠径ヘルニア
    を最も少ない危険度で治療するには,自然治癒期待例の存在を考慮しつつ嵌頓率の高くなる8カ月以前に手術するのが妥当であると考察した.
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