(a) 可塑粉體の小圓〓を壓搾成形し, その兩端面よりの浸潤を遮斷して多量の水中に浸し, 荷重零のもとに膨潤せしめ, 軸方向の伸びの最大値を比較する事によつて膨潤性粉體の膨潤度を比較する方法を 「圓〓膨潤法」 と命名した。 そうしてこの方法を種々の膨潤土に適用した結果を報告し, 更に前記の最大値を 「圓〓膨化量」 と名付け, この値より求められる 「ベントナイト數」, 又は 「ベントナイト當量」, がベントナイトの品位判定の實際的指數として充分役立ち得る事を示した。 但しこゝにベントナイト數と稱するのは試片圓〓の最初の高さをh
0(mm), h
0の倍數で表はした圓〓膨化量をhm, 試片の乾量をW
0とする時,〔h
0(hm-1)〕/W
0で表はされる數である。
(
b
)
圓
〓膨潤法による膨化曲線の直線部に於て, 膨化率を時間 (時) で除した値を 「圓〓膨化速度」 と名付け, この値と圓〓膨化量とを定量的基礎とし, 更に圓〓膨潤の様式を定性的基礎として加味し, 新たにベントナイトの分類を行つた。
(c) ベントナイトの從來の定義を通覧し, 二三の吟味を行ひたる上, 常温に於ける圓〓膨化量の數値をもつて限界の基準とするベントナイトの新たなる一定義を提言した。 即ち次の通りである。 「ベントナイトとは玻璃質火山岩の分解物にして, その圓〓膨潤試驗 (常温) に於けるベントナイト數が10以上なるものを謂ふ」。
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