1歳未満の2例に小児用遠心ポンプ(Bio-Pump; BP-50, 容量48ml)を用いた左心バイパスを行った。第一例は完全型心内膜床欠損症(11カ月)で根治術後LOS, 心停止となり, 再手術後体外循環離脱困難となった。左房脱血, 上行大動脈送血を行った。第2例は完全大血管転位症(9カ月)でSenning手術後, 不整脈, 心不全から体外循環離脱困難となり, 解剖学的右室心尖より脱血する左心バイパスを行った。共に, 600~1200ml/minの流量が得られ, それぞれ63, 64時間で左心バイパスより離脱できた。尿量は保たれ, 血行動態は良好であった。この間deviceは計3回の交換を要した。離脱後, 第一例は肺高血圧クリーゼ, 感染から, 第2例は脳塞栓から失った。
1歳未満症例での左心バイパスでのBP-50の有用性を認めたが, deviceでは耐久性で, 管理面では抗凝固療法, 感染に対する対策が今後の問題として残された。
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