1987年1月から1989年12月までの2年間, ガーナ共和国のセントラル地区の農村, フェテ村およびオンヤディ・オチュウジュクワ村の野口記念医学研究所のフィールドステーションを受診した, 5歳未満の小児の急性呼吸器感染症について, 追跡調査を実施した。それぞれの村では1人の小児に対して, 年平均5.3回および7.0回の急性呼吸器感染が見られた。
急性呼吸器感染症のうち, 急性上気道感染症の占める割合は, それぞれ99.4%および99.7%で, 下気道感染症は0.4%, 0.3%であった。
急性呼吸器感染症の罹患率は9月, 10月にピークを示した。1987年調査開始時の, 急性呼吸器感染症による1,000人あたりの5歳未満児の死亡率はそれぞれ4.5, 11.5で, 5歳未満小児の全死亡数の23.3%, 33.3%を占めていたが, 1988年および1989年には急性呼吸器感染による死亡は見られなかった。ガーナにおけるPrimary HealthCare (PHC) に関連した拡大予防接種計画, および医療サービスを含む我々の診療活動により, 急性呼吸器感染症による死亡率の減少に貢献したものと思われた。
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