アナログセグメント記録方式高品位VTR用の時間軸処理方式として, 時間軸補正の高精度化と安定性・高速性を両立できる, フィードフォワード制御形式のバーストインジェクション時間軸補正方式が, 筆者らによって提案されている.本論文では, この時間軸補正方式の設計の一手法を確立するために, 非線形動作のインジェクション発振器を基本周波数にのみ着目して線形モデル化し, インジェクション信号に対する位相応答解析を行い, 発振器の
Qとインジェクション信号の瞬断による位相過渡応答との相関ならびに系の耐雑音特性を回路シミュレーションにより求めた.その結果, 発振器の
Qの最適化と定位相制御型PLLの併用により, バースト期間1μs以内で定常位相偏差を5ns以下に整定でき, 映像信号のS/Nが25dB程度に低下してもノイズ性ジッタを5ns以下に抑圧できることを確認し, 耐雑音の良好な高速・高精度の時間軸処理が実現可能であることを明らかにした.
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