コレステリック液晶をラビング処理した基板の間に挟むと, 基板に対して垂直に配向した超分子らせん構造を示し, 一次元フォトニック結晶と見なすことができる. 本研究では, コレステリック液晶に蛍光性色素を添加し, パルスレーザー光照射による発光挙動について検討した. グランジェン配向した液晶セルを直線偏光のパルスレーザーで光励起すると, 比較的低しきい値の光励起エネルギーで円偏光レーザー発光に変化した. 発光波長はコレステリック液晶の反射
バンド
端に一致しており, そのスペクトル線幅は0.8nmであった. その円偏光発光のらせん方向は, ネマチック液晶に添加したわずか2mol%のキラル剤の光学活性部位に依存していた. さらに, 光励起しながらコレステリック液晶セルに交流電場を印加すると, コレステリック液晶の超分子らせん構造の変化に伴ったレーザー発振の可逆制御に成功した.
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