シンク葉は、光合成機能を獲得してソース化するのに伴い、小脈篩部の伴細胞 (companion cell, CC) -篩要素 (sieve element, SE) 間の細胞壁に二次原形質連絡(2
o-PD)を発達させることが知られている。(2
o-PD)の形成は、CC-SE間のショ糖輸送を促進すると考えられている。我々は、シロイヌナズナの
restricted sucrose export 1 (rsx
1)変異株では成熟葉のCC-SE間の(2
o-PD)形成異常、及びシュートへの糖転流の阻害が起こることを明らかにしている。本研究では糖転流における
RSX
1の働きを明らかにするため、シロイヌナズナ及び
Pro35S-RSX
1/-過剰発現株を用いて、
14CO
2同化物の転流を調べた。その結果、抽台前の野生株(WT)でソース葉の
14CO
2固定産物は主にすぐ上にあるシンク葉へ転流していた。
rsx
1-2変異株では、転流量がWTに対し5%まで低下していたが、
rsx
1-2 transRSX1:sGFP相補株では、糖転流がWTと同程度まで回復していた。以上の結果は、
RSX
1がソース葉からシンク葉への糖転流に関与することを示唆している。さらに
Pro35S-RSX
1/-過剰発現株では、根への糖転流が顕著に増加することを明らかにした。
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