Web社会に対して美術教育がどのような可能性を示すことができるのか,それは検討課題の一つでもある。本稿ではWikipediaとそのプロジェクトの試みを手がかりに,Wikiを利用して作成したWebサイト『造形教育Wiki』の内容の報告とともに,その利点や効果について考察を進めたものである。「造形教育Wiki』は,Wikipediaの特徴,さらにWikiシステムの利点を活かし,美術教育に関する情報の共有の場,情報の構築に関する共同作業の場,そしてコミュニケーションの場として活用することを目的に開設したものである。本稿では,この『造形教育Wiki』のサイト作成例の試みを通じて,Web上での一つの美術教育実践のモデルを明らかにしている。
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