小児急性リンパ性白血病 (ALL) の再発例の予後は不良である.著者らは, 小児ALL再発例 (22例) に対し, 当科High-risk ALLプロトコールにて再寛解導入を試みた.本プロトコールは, 寛解導入に6剤 (Vincristine, Bleomycin, Methotrexate, Endoxan, Adriamycin, Predonine) の化学療法剤を併用し, 寛解維持には8剤 (Vincristine, Bleomycin, Methotrexate, Endoxan, Adriamycin, Predonlne, 6-Mercaptopurine, Hydroxyurea) を交替させて用いる強力なものである.20例の骨髄再発例のうち15 (75%) 例が寛解に導入されたが, 9例が早期に骨髄再発をきたした.再発までの寛解期間が36ヵ月以内の症例は, 36ヵ月以上の症例に比較して, 有意差 (
p<0.01) をもって予後不良であった.また, 2回目, 3回目の骨髄再発例も, 初回骨髄再発例と比較すると, 有意に予後不良であった (
p<0.05).本プロトコールは, 小児ALLの再発例の再寛解導入には有効であったが, その再寛解期間は短かった.
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