国土交通省はインフラシステム海外展開行動計画2019を推進しているが,競合国に比べて日本の建設コストが高い等の指摘を当該国からうけている.本研究では,海外における本邦企業の建設コスト削減に寄与するため,途上国にてインフラ輸出を数多く展開している中国の施工例を対象に,日本の設計との考え方の相違を整理する.具体的には,カンボジアの国道8号線にて中国施工橋が採用している橋長20m間隔方式による橋長決定方法と,国道
6
号線において採用している桁長統一によるコスト削減方法を取り上げる.氾濫原に架橋する際は,氾濫による盛土部分や橋台・橋脚周辺の浸食を最小限にする工夫が必要であり,中国の採用している設計の考え方は日本の橋長最小化シナリオによる橋長決定方法よりもコスト面や維持管理面等で合理的であることを示す.
抄録全体を表示