科学的な見方や考え方を身に付けさせるために「課題→仮説(予想)→実験・観察→結果考察」という学習過程を単位時間の理科の学習の仕方として教授し,授業がおこなわれていることを受けて,もし課題解決の過程を子ども達自身に選択させたとしたら,子ども達自身が選択した過程と教師側で設定した従来の過程との間にズレがあるのではないかと考え,学び合いによる子ども達同士の相互作用により,学習が成立していくという考え方を受けて,それを理科の授業において実践した。調査結果の分析から,教授されているような学習過程が明確に存在しているのではなく,多くの子ども達は課題の結論に対する明確な予想をすることなく,学習を進めるにあたっては,局所的に見通しを立て,その都度,修正をおこなっていた。そして,その方向性を決める際に,そこにある環境(観察や実験の対象物,実験器具,他の学習者)から必要なものを選び,構成して,学習を進めているのではないかという考察を得た。
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