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全文: journal of inclusive education
33件中 1-20の結果を表示しています
  • 照屋 晴奈, 趙 彩尹, 矢野 夏樹, 金 彦志
    Journal of Inclusive Education
    2019年 7 巻 50-62
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    重度・重複障害児への教育は、意思表示や実態把握の難しい等の課題があること、また、新学習指導要領で求められる、子どもたちが「何ができるようになるのか」、資質・能力を育成するために「何を学ぶのか」という、具体的な教育目標を示すことの課題があった。そこで。自立活動の内容とQOL尺度を対応させ、QOLの観点が具体的な教育目標として活用できるのではないかと考えた。新学習指導要領の自立活動6区分27項目に2つのQOL尺度を対応した結果、すべての項目が自立活動の内容に含まれる可能性があることが分かった。自立活動の内容に当てはまらなかったQOL尺度の項目内容として、経済に関する教育と性教育についての課題が示唆された。 本研究により、新学習指導要領が実施される今後の教育について、重度・重複障害児への教育はQOL尺度の項目内容が子どもたちへの教育目標として活用できる可能性あることが明らかとなった。
  • 金 珉智, 小原 愛子, 權 偕珍, 下條 満代
    Journal of Inclusive Education
    2019年 7 巻 40-49
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では、既存の研究等を用いて特別支援教育における制度・政策の変遷について国際的比較を行い、日本の特別支援教育における課題を見出すことを目的とする。学校教育法の一部改正により、2007年からこれまでの特殊教育が変わり、特別支援教育が本格的に実施された。特別支援教育は、日本を含め、世界各国で障害者の権利に関する条約を基に実施されている。日本では、インクルーシブ教育を行うための人的・物的な環境整備等が十分に行われず、理念が先走ったインクルーシブ教育導入への危険性があり、特別支援教育の先進国であるイギリスとイタリアの例を参考にしながらインクルーシブ教育の現状を丁寧に分析していく必要がある。一方、障害児に対する特別支援教育の制度及び政策は、国によって体制が異なるとはいえ、インクルーシブ教育を目指す目標は同一であり、学びの場である学校は特別支援教育の制度において中心的機能をしていることが示された。
  • 玉那覇 静子, 田中 敦士
    Journal of Inclusive Education
    2019年 7 巻 26-39
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    沖縄県内の通常学校(中学校)の教育現場で通常の学級に在籍する生徒を対象に,SNEAT10の信頼性と判別的妥当性を検証した。SNEAT10はQOLの概念を取り入れ,「体の健康」3項目,「心の健康」4項目,「社会生活機能」の3領域10項目からなる尺度である。小学校で信頼性(小原・太田・安藤,2016)と判別的妥当性(Kohara, Ando, Yano, et al., 2017)が検証されているが,中学校での信頼性および妥当性はこれまで検証されていなかった。 本研究において中学校でのデータ収集を行い,信頼性を検証した結果,Cronbach's α値が体の健康・心の健康・社会生活機能の3つの領域でいずれも基準値の0.7を上回ったため,信頼性が高い尺度であることが確認された。また,判別的妥当性分析の結果,IN-Child非該当生徒とIN-Child該当生徒の点数が3つの領域のすべてにおいて,p<0.001となり有意な差が認められた。これらの結果により,SNEAT10は小学校だけではなく中学校を含めたの教育現場でのスクリーニングツールとして十分に活用可能であることが示された。
  • 太田 麻美子, 小原 愛子, 運天 尚美, 權 偕珍
    Journal of Inclusive Education
    2019年 7 巻 16-25
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    文部科学省(2019)は、2017年から次期学習指導要領に関する周知・徹底を行っており、それに伴い小・中学校においては「カリキュラム・マネジメント」の観点を取り入れた次期学習指導要領に即した教育課程の改善等が少しずつではあるが、行われてきている。  本研究では、沖縄県内の知的障害を主とする特別支援学校において、教育課程の改善を行った2017年度及び2018年度の授業を、特別支援教育成果評価尺度(Special Needs Education Assessment Tool; 以下、SNEAT) (Han, Kohara & Kohzuki, 2014)を用いて評価する。そうすることで、教育課程及び指導内容の改善が児童生徒にどのような効果を与えるのかを検討することを目的とした。
  • 高橋 公一, 野中 良恵, 秋永 和之, 柴山 薫, 梅﨑 節子, 福山 由美, 新地 浩一
    Journal of Inclusive Education
    2019年 7 巻 1-15
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    看護教育において, 2008年度より統合分野が新設され, 災害直後から支援できる看護の基礎的知識について理解するという方針が示された. 災害看護は, 災害サイクルすべてにおける活動が対象であり, 他職種と協働し, 臨機応変に行動することが求められる. しかし, 実践的な災害看護教育に関する研究は少なく, より効果的な災害看護の教育方法を検討するため, 全国の看護系大学における災害看護の担当教員と災害看護の活動経験がある看護職者を対象とし, 重視する教育項目の違いを明確にするため研究を実施した. その結果, 大学教員群が災害看護を学ぶ上で必要と考えている項目は, 主に基礎的内容を重視した項目であった. 一方, 活動経験者群は, より実践に即した項目を重視していた. 活動経験者群が優先的に必要と考える教育項目を災害看護教育に導入することで, 今後の災害看護教育の向上が図られると考える.
  • 矢野 夏樹, 下條 満代, 權 偕珍
    Journal of Inclusive Education
    2019年 6 巻 86-92
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    自閉スペクトラム症(ASD)は、限局された興味関心や常同的・反復的な行動と社会的コミュニケーションや社会的相互作用の障害によって特徴づけられる神経発達症群の中の一つである。ASD者の就労しようとした際、対人関係にニーズを抱え、最終的に離職してしまうというケースが非常に多い。ASD者の就労を支援するためには、学校教育段階からのキャリア教育と職場でのASDに対する特性の理解に基づくマネジメントが必要となる。キャリア教育と職場でのマネジメントの双方を効果的に連続させていくためには一貫したアセスメントに基づいた個々人の特性把握を行わなければならない。そこで、本研究では、ASD者の特性と就労状況について概観し、キャリア教育に基づいて、学校教育段階から就労を見据えた実態把握と支援について考察した。韓, 沼館, 呉屋ら(2018)が開発したScale C3をはじめとして評価尺度に基づいた、社会的コミュニケーションについての支援や自身のこだわりについて自己理解を深めることが重要である。
  • 竹下 幸男, 渡邉 健治, 深田 將揮, 生野 勝彦
    Journal of Inclusive Education
    2019年 6 巻 65-85
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、欧米の教育におけるインクルージョンとダイバーシティについて検討し、日本の小学校への訪問調査結果と比較することにより、日本のダイバーシティ教育の現状と、どのような課題があるのか明らかにすることを目的とした。そのために、以下のような研究の方法を採用した。1.インクルージョンとダイバーシティとがどのように関連し、インクルーシブ教育は、ダイバーシティという状態においてどのようにアプローチしようとしているのか検討する。2.ユネスコ、カナダ、イギリスにおけるダイバーシティ概念を抽出し比較検討する。3.海外において、どのようにダイバーシティへの取り組みが行われているかを、検討する。4.日本における外国人の集住地区や外国人の多い地域に絞って、小学校を訪問し、通常学級におけるダイバーシティの状況、日本語指導の必要な児童への取り組みについて検討した。
  • 下條 満代, 照屋 晴奈, 大城 政之
    Journal of Inclusive Education
    2019年 6 巻 56-64
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    次期学習指導要領(2017年3月公示)において文部科学省は、「社会に開かれた教育課程」を重視すると示し、各学校における「カリキュラム・マネジメント」の確立や、幼・小・中・高等学校の教育課程との連続性を重視した。そこで本研究では「カリキュラム・マネジメント」について文献研究を行い、その観点から特別支援学校と特別支援学級、ついては知的障害者教育の教育課程を中心に、課題について明らかにすることとした。結果として、①カリキュラム・マネジメントの定義及び内容の具体化(体系化)、②特別支援教育における教育課程編成及びカリキュラム・マネジメントの具体化の2点の課題が明らかとなった。特に後者に関し「特別支援学校」「特別支援学級」と大きな枠組みで捉えるのではなく、今後は各教育現場に合わせた教育課程編成及びカリキュラム・マネジメントの内容の具体化を図る必要があると考える。また、知的障害者教育についてはその障害特徴により、より独自性が求められるため現時点の定義や抽象的な内容で述べることが難しい。次期学習指導要領の移行期間である今だからこそ、更なる具体化が早急に必要であることが考えられる。
  • 權 偕珍, 太田 麻美子, 照屋 晴奈
    Journal of Inclusive Education
    2019年 6 巻 41-55
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    社会における障害理解を促進し共生社会を実現するためには、障害を人間の多様性として捉え、多様な人材を社会で活用するというダイバーシティの観点(日本経済団体連合会, 2002)から障害理解教育を考える必要がある(權・太田, 2018)。また、障害理解は人間理解そのものであり、障害理解の社会的向上を図るために次世代を担う生徒に対する教育が不可欠である(芝田, 2013)ため、次世代の教育者である教員養成課程の学生を対象とした障害理解教育カリキュラムの開発が必要である(權・太田, 2018)。 そこで、本研究では、現在カリキュラムの要素として挙げられている理念的領域と方法論的領域の内容を設定する事を目的とする。そのために、①. ダイバーシティ教育の観点に基づく障害理解教育カリキュラムに必要な理念的要素を設定する。また、②. ①で行われた結果を基に、現在日本の国立教員養成大学で行われている障害に関する授業のシラバスを収集し、設定した理念的内容と方法論的内容と対応分析する。
  • 韓 昌完
    Journal of Inclusive Education
    2019年 6 巻 27-40
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル フリー
    本研究では、子どもの概念形成と才能発掘の実態把握を行うための構造化された評価ツールCRAYON Book (3~5歳Ver.)を開発することを目的とした。CRAYON bookとは、Child Rearing Assist for Your Needs book(ニーズに応える子育て支援book)を表している。 CRAYON Book (3~5歳Ver.)は、「環境と日常生活」、「概念形成」、「自己表現」、「理解」、「納得」の5領域を設定されている。幼児が置かれている「環境と日常生活」が「概念形成」の基盤となり、それが「自己表現(才能発掘)」につながると考えられる。幼児の「概念形成」には、大人の関わり方が重要であり「理解」という意識活動を通して、幼児の「概念形成」を促す。また、大人が幼児の「納得」を促すことで、「自己表現(才能発掘)」につながると考え領域を設定した。  今後、CRAYON Book(3~5歳Ver.)の信頼性および妥当性が検証され、構造化の仮説が検証されることによって、乳幼児が環境からの刺激を周囲の大人との相互作用によって自己表現として表出するまでのプロセスを分析し、保育・教育に必要な支援を計画するための評価ツールとして活用することが期待される。
  • 越智 文香, 越智 彩帆, 樫木 暢子, 苅田 知則, 加藤 哲則
    Journal of Inclusive Education
    2019年 6 巻 10-26
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は肢体不自由児のキャリア教育で取り上げられる指導内容について整理し、実態に応じた指導内容について検討することを目的とした。全国の肢体不自由特別支援学校25校に、キャリア教育で取り上げられる指導内容についてのアンケートを実施し、因子分析や重回帰分析を行い、学部や実態等で比較を行った。因子分析の結果、キャリア教育で取り上げられる指導内容として、「健康の維持増進と心理的充実」「学力・認識力の育成」「社会性の育成」「家庭生活力の向上」「基本的生活習慣の確立」の5つの因子が抽出された。「健康の維持増進と心理的充実」が抽出されたことより、教員がキャリア発達と心身の発達との関連を意識していることが示唆された。重回帰分析の結果、各因子について学部や実態において有意差が確認された。近年は障害が重度化・重複化・多様化しており、各教員が児童生徒個々の実態を丁寧にとらえ、個に応じた指導をしていることが示唆された。指導内容が自立活動とも関連があったことから、自立活動とキャリア教育を関連付けて指導することにより、肢体不自由児童生徒のキャリア発達を促そうとしていることが推測された。
  • 小原 愛子, 荒居 日和, 岡田 直美
    Journal of Inclusive Education
    2019年 6 巻 1-9
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、乳幼児保育・教育のカリキュラム評価に必要な要素について考察するために、保育所保育指針の内容をIN-Child Recordの14領域の観点と、「概念形成」、「才能発掘」、「子育て支援」の観点から分析した。乳児の保育のねらい及び内容は、「姿勢・運動・動作」、「コミュニケーション」が該当するものが最も多く、1歳児以上3歳未満の保育のねらい及び内容は「概念形成」と「コミュニケーション」、3歳児以上では、「概念形成」、「コミュニケーション」、「社会生活機能」が多く該当した。乳児は、運動機能が著しく発達し、首がすわったり寝返りをするようになったりと、概念形成の土台となる「姿勢・運動・動作」が重要となるため、カリキュラム評価の際はそれらについて取り入れることが重要だと考えられる。また、1歳児以上は、「概念形成」を行いながら言葉を獲得したり、思考力を深めたりするため、カリキュラム評価の際も「概念形成」に関して評価を行うことが必要だと考えられる。また、乳児から3歳児以上の保育・教育において「コミュニケーション」は常に重要となるため、コミュニケーションの観点も取り入れたカリキュラム評価を行うことが必要だろう。
  • 上岡 清乃, 北岡 智子, 鈴木 恵太
    Journal of Inclusive Education
    2018年 5 巻 77-78
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、英語学習に特異的な弱さを示した高校生2名(A児、B児)を対象として認知特性に応じた効果的な英単語書字指導法を検討した。両名とも全般的知的発達水準は平均から平均の上の領域で、視覚的情報処理の速度と正確性に認知的短所が考えられた一方、A児は視覚情報をもとに推理し思考する力が、B児は聴覚言語系情報処理が認知的長所として考えられた。指導では、英単語の綴りにおける効率的な学習と確実な定着を意図し、PC画面上に提示したスライドを用いて綴りを諳んじる視覚系列化法や語呂合わせを介して綴りを音韻に乗せて覚える言語イメージ法などを行った。その結果、指導開始前に比して指導終了後に書字成績の向上がみられた。また、一定期間後も高い正答率が維持されたことより確実な定着が窺えた。ここから、聴覚優位/視覚優位といった個々の認知特性に応じた英単語の書字指導方法について考察した。
  • 權 偕珍, 太田 麻美子
    Journal of Inclusive Education
    2018年 5 巻 61-76
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    2006 年に国連で障害者権利条約が採択されてから、日本国内でも様々な領域(厚生労働省, 2017: 文部科学省, 2012a)で、その権利を保障するための障害理解が重要視されてきた。しかしながら、現在行われている障害理解は、障害者を保護して支援する対象として捉えており、その結果、社会の中で共に生活し、働く仲間として障害者が認識されない一因となっている(權・田中, 2016)。社会における障害理解を促進し、障害のある者と障害のない者が共に生きる社会(“共生社会”)を実現するためには、障害を人間の多様性として捉え、多様な人材を社会で活用するというダイバーシティの観点(日本経済団体連合会, 2002)から障害理解教育を考える必要がある。そこで、本研究では、日本、韓国、アメリカ合衆国、イギリスの高等教育機関における教員養成制度及びダイバーシティ観点に基づいた障害理解教育について整理し、動向を把握する。
  • 照屋 晴奈, 矢野 夏樹, 下條 満代, 韓 昌完
    Journal of Inclusive Education
    2018年 5 巻 53-60
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    韓・沼館・呉屋(2018)が開発したScale for Coordinate Contiguous Career (Scale C3)は、学校や職場において観察することのできる、対象者の実態把握に関連する評価項目を仮説に基づいて、構造化した尺度である。本研究では、Scale C3自己評価用(高校生版)を作成し、Cronbach’s α係数を用いて尺度の信頼性の検証を行った。また、得られたデータから生徒の傾向や現時点における尺度の有用性について考察することを目的とした。 信頼性の検証結果、全項目及び全領域でα>0.700となり、高い信頼性が確認された。特に全項目においては、α=0.972と非常に高い値となり、尺度全体の信頼性が検証された。また、パス解析を用いた検証にて、「パーソナリティ」から「キャリア」の「人間関係形成能力」「自己理解・自己管理能力」を媒介し、「課題対応基礎能力」「キャリアプランニング能力」に影響を与える可能性があることが示された。カットオフ値についてもその結果から、協力校の生徒の傾向も見ることができた。Scale C3を使用し、学校や職場において、観察する対象者の実態を構造的に捉えることのできる可能性があることが示された。今後は、教員の客観的評価ができるScale C3を含め、データを増やしカットオフ値の設定や、パス解析にて様々な仮説モデルを検証していくことが求められる。
  • 大久保 賢一, 渡邉 健治
    Journal of Inclusive Education
    2018年 5 巻 34-52
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究においては、公立小学校の知的障害特別支援学級と自閉症・情緒障害特別支援学級の担任教員を対象として、担任教員が認識している特別支援学級に関わる現状と推移、そして通常学級支援を目的とする弾力的対応の実態について質問紙法による調査を行った。その結果、対象教員の大部分が、在籍児童数、仕事量ともに増加していると認識していることが明らかとなった。また、通常学級に対する自らの支援の必要性は、大多数の特別支援学級担任教員によって認識されており、頻度の差はあるものの7割から8割の者が実際に弾力的対応を実施しており、通常学級担任教員への支援としては「担任教員に対する助言」や「児童の実態把握」が多く、通常学級在籍児童への支援としては「授業中における児童に対する学業面や行動面での個別的支援」が多かった。しかしながら、付加的な時間を必要とする対応、通常学級の児童集団から個別的に切り離して場を設定することを必要とする対応、そして実施の際に保護者や本人の同意を得ることが必要な対応については実施率が低かった。
  • 小原 愛子, 下地 華愛, 太田 麻美子, 野崎 美沙
    Journal of Inclusive Education
    2018年 5 巻 18-33
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    通常の学級に在籍するASD傾向の子どもへの社会スキルプログラムを開発するための構成概念の検討を行うために、海外のASD傾向の子どもへ実践報告を分析した。ERIC-Institute of Education Scienceの論文データベースにおいて「ASD social skill」で検索した結果、14件が分析対象となった。主に「伝える能力」の「自分の気持ちを伝える」、「語彙力を身につける」といった実践が多く、「場を整理する能力」の「空間を整理する」に該当する実践報告はなかった。「伝える能力」に関しては、特にビデオモデリングやソーシャルストーリーなどの模倣や汎化といった指導方法が効果的とされる実践が多かったため、今後、プログラム開発の際はそれらの手法を取り入れることが重要であることが示唆された。プログラム実施期間は、それぞれの実践によって異なっていたため、さらに分析を行って適切なプログラム実施期間や頻度を考察することが今後の課題として挙げられた。
  • 深田 將揮, 竹下 幸男, 生野 勝彦, 渡邉 健治
    Journal of Inclusive Education
    2018年 5 巻 1-17
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、小学校の学級担任を対象にダイバーシティ教育に関する取り組みと意識について明らかにすることを目的とした。調査は、1)担任している学級の実態、2)児童の多様性に配慮した教育や多様性を認め互いに尊重し合う態度や行動を児童に醸成する教育の実施状況、3)ダイバーシティ教育に関する学級担任の意識について行い、検討した。その結果、学級を構成する児童の実状が、配慮のあり方や醸成する内容をある程度規定しているということが示された。また、学級担任の意識として、今後の多様性教育の推進に関してやや消極的な側面を持ちながらも、児童の多様性に配慮した教育を行うことや多様性を認め互いに尊重し合う態度や行動を児童に醸成する教育を行うことについては、肯定的な考え方を持っていることが明らかになった。
  • 越智 文香, 越智 彩帆, 樫木 暢子, 苅田 知則, 加藤 公史
    Journal of Inclusive Education
    2018年 4 巻 74-86
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル オープンアクセス
    肢体不自由児本人の願いを活かしたキャリア教育を進めていくために、肢体不自由特別支援学校におけるキャリア教育に対する教員の意識と課題を明らかにし、本人の願いを組み込んだ授業づくりのあり方を検討することを目的とした。肢体不自由特別支援学校教員を対象にキャリア教育に関するアンケートを実施し、キャリア教育の考え方、担当する児童生徒について、学部間比較と教育課程間比較を行った。学部が上がるほど、「将来の生活」について考えていること、夢や願いにおいて、「将来への思い」が高まっていることが読み取れた。自立活動を主とする教育課程においては、キャリア教育の視点を活かした授業づくりに対し、様々なイメージを持っている一方で、「将来につながる授業」のイメージが、他の教育課程に比べて低いことが示された。重度重複障害の子どもたちのキャリア教育においても児童生徒のライフキャリアを踏まえたキャリア教育を検討していく必要がある。また、本人の夢や願いを表出する力を高める指導を追究し、教育活動に取り入れていく必要があると考える。
  • 矢野 夏樹, 金 彦志
    Journal of Inclusive Education
    2018年 4 巻 67-73
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、教員養成課程における知的障害の心理・生理・病理に関する講義のシラバスを知的障害の診断基準の変化に基づいて分析することによって、今後の課題を導出することを目的とした。全国の国公立大学と私立大学の内、教員養成課程を有する大学の知的障害の心理・生理・病理に関する講義を解説する大学を抽出し、その講義の達成目標および授業計画を分析した。結果として、国公立23校、私立大学23校の計46校において、知的障害の適応機能に関する内容をシラバスに明記していることが明らかになった。また、記載されている内容を見ると、言語とコミュニケーションに関する内容が多くを占めており、実用的な適応機能に関してはほとんどの大学において記載されていなかった。今後、知的障害児者の実用的な適応機能に関連して、自立活動の内容を知的障害の心理・生理・病理の講義に盛り込み、シラバスに明記することが必要となるだろう。
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