notchは, サンゴ礁地域に普遍的にみられる地形でありながら, 過去の研究は, 決して十分であつたとはいえない。ここでは, 琉球列島中部地域を例にとり, notchの形態分類・成因考察を行ない, notchをとりあげることの意義にも触れたい。筆者は, サンゴ礁地域における後氷期高海面考察の方法を述べたことがあるが (武永・1968), 前報ではbenchを中心として説明した。ここでは, notchをとりあげたい。
研究対象地域は, 琉球列島中部地域の与論島およびその周辺の島々で,北隣の沖永良部島南海岸,西隣の伊平屋諸島 (伊平屋本島・野甫島)・伊是名諸島(伊是名本島・具志川島・屋ノ下屋・屋那覇島)である。調査は, 1959年~1962年・1966年に行ない, その成果の一部はかつて広島大の修士論文として発表した (武永・1963)。
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