日本醸造協会誌

マグロ内蔵を原料とした魚
醤油
の開発

加藤愛, 小谷幸敏

日本醸造協会誌
2010年 105 巻 1 号 31-35
発行日: 2010年
公開日: 2012/01/27

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.105.31

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魚
醤油
は，魚の内臓や肉に含まれる酵素により，魚自身の動物性タンパク質が分解され，グルタミン酸をはじめとするアミノ酸やペプチドになり，それらを含む調味料である。魚
醤油
といえば，世界的にはタイの「ナンプラー」やベトナムの「ニョクマム」は有名であるが，国内では秋田県の「しょっつる」，香川県の「いかなご
醤油
」，能登半島では真イカの内臓を使用した「いしり」やイワシやサバなどを主原料とした「いしる」などがある。風味が独特で，
醤油
やうま味調味料の普及により家庭での使用は少ないが，地方では魚
醤油
を用いた郷土料理などに利用されている。筆者らは魚の内臓の廃棄物の減量化と，資源の有効利用の観点から，マグロから取り出した内臓除去部の幽門垂を原料として，魚
醤油
の開発を試みたので解説していただいた。
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プロテアーゼによる白
醤油
の混濁防止

近藤徹弥, 石原那美, 長谷川摂, 伊藤智之, 寺尾啓吾, 松田幹

日本醸造協会誌
2015年 110 巻 8 号 554-562
発行日: 2015年
公開日: 2018/05/10

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.110.554

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　我が国の
醤油
の種類は大きく分けて5種類あるが，中でも，白
醤油
（しろしょうゆ）は用途や原材料を始め，製造法も他の
醤油
に比べると独特である。火入れが一般的でないということもその特徴の一つであるが，近年は工程管理の一環として2次加工メーカーから加熱殺菌が求められ，火入れが実施される場合があり，本報告のような技術が必要になってきている。今回は，白
醤油
の製造に関わる実用的技術知見として混濁発生防止法を丁寧に解説していただいた。
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そら豆
醤油
の成分的特徴

大西茂彦, 松岡博美, 浅井貴子

日本醸造協会誌
2014年 109 巻 12 号 860-865
発行日: 2014年
公開日: 2018/04/09

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.109.860

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　そら豆
醤油
は小麦・大豆アレルギー患者用に開発されたそら豆と食塩のみを使用した
醤油
風調味料である。著者らはそら豆
醤油とこいくち醤油
の低分子代謝産物の組成を網羅的に分析して，統計解析するメタボローム解析をし，そら豆
醤油
にはマンニトール，エリスリトール，アラビノースがこいくち
醤油
の2～3倍含まれ，そら豆
醤油
のマイルドな味のプロファイルを決定していると考え，さらにそら豆
醤油にはオルニチンがこいくち醤油
の約3倍含まれ，これはアルギニン分解性の
醤油
乳酸菌により生成したことを示唆したので，メタボローム解析の応用として報告いただいた。
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凝集性
醤油乳酸菌を利用した醤油
中のヒスタミン生成の低減

脇山元気, 植木達朗, 野田義治

日本醸造協会誌
2019年 114 巻 8 号 491-500
発行日: 2019年
公開日: 2023/11/09

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.114.491

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ヒスタミンは，じん麻疹などの症状を引き起こす食中毒危害物質であることから，高濃度のヒスタミンを含有した食品は，食品安全の観点から喫食時に注意が必要になる。平成25年に農林水産省が市販醸造品中のヒスタミンの調査結果を公表したが，そこで頻度は低いものの，一部
醤油
が比較的高濃度のヒスタミンを含有していることが明らかになった。喫食量から考えると直ちに問題ということではないがヒスタミンの含有量は低いことが望ましい。本解説記事では，
醤油
中のヒスタミン含有量低減に関して基本的な対策を実施することで大変効果的にヒスタミン低減を達成した極めて実践的な内容を丁寧に解説していただいた。
醤油
事業者でアミン低減に困っている事業者の製造関係の方はもちろん，研究開発，商品開発に携わっている皆様にも是非ご一読をお勧めする。
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平成27年度における
醤油
の研究業績

編集部

日本醸造協会誌
2016年 111 巻 5 号 320-335
発行日: 2016年
公開日: 2018/07/12

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.111.320

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　2013年に和食がユネスコの無形文化遺産に指定されて以来，海外の
醤油
の研究や，
醤油から原料を拡大した魚醤油
，海藻
醤油
，キノコ
醤油
，エゴマ
醤油といった醤油
様調味料の研究の報告が増加傾向にある。また，安全安心への関心の高まりからアレルギー様物質であるヒスタミンに関する研究も増えてきた。今後は，地域ごとの最適化と安全安心がキーワードとなった研究開発が進展するものと期待される。
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一般消費者を対象にした
醤油
の色に関する嗜好性調査とその調査結果をもとにした
醤油
の試作

宮城淳, 宮崎浩子

日本醸造協会誌
2014年 109 巻 11 号 775-784
発行日: 2014年
公開日: 2018/04/09

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.109.775

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　筆者らは千葉県の一般消費者176名に嗜好性調査を行い，料理の用途別による
醤油
の色に関する嗜好性について，ポン酢用・麺つゆ（かけ汁）・煮物用の
醤油は比較的色の淡い醤油
が好まれることを明らかにした。そこで，活性炭吸着法により，各用途別の色の嗜好性に合致した
醤油
を得るために，必要な活性炭量を明らかにした。さらに，ナノろ過膜としてNTR-7450の膜分離法による処理
醤油と原液醤油
をブレンドすることで，各用途別の色の嗜好性に合致した
醤油
を製造できた。活性炭処理液・膜処理液は
醤油
原液と比べ評価が悪くなるが，原液
醤油
のブレンドにより評価が高くなることを明らかにしたので，解説いただいた。
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中国の魚
醤油
魚露（イールー）の特徴について～日本の魚
醤油
との比較～

成澤直規, 池田真有花, 竹永章生

日本醸造協会誌
2019年 114 巻 9 号 550-556
発行日: 2019年
公開日: 2023/12/10

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.114.550

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魚
醤油
は，生産量は
醤油
の僅か0.2％にも満たないが，国際化が進むにつれて，調理における隠し味として人気を博してきている。今回は海外の魚
醤油
の中でも，中国の魚
醤油
　魚露（イールー）について焦点を絞って，その成分の特徴について日本の魚
醤油
と比較して丁寧に解説いただいた。同じ調味料の仲間として
醤油
や醸造の研究開発に関わっている関係者の皆様には是非ご一読をお勧めする。
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淡口
醤油
の塩味とだし風味の閾値およびかつおだしとの併用による塩味の増強

小早川知子

日本醸造協会誌
2011年 106 巻 2 号 81-89
発行日: 2011年
公開日: 2016/06/14

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.106.81

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淡口
醤油は国内醤油
の15%を占めるに過ぎないが，調理素材の色や味を生かし，だし風味を生かすので，特にうす味嗜好の関西地方で使用されている。著者は濃口
醤油より淡口醤油
の方が，塩味の閾値は低く，かつおだしや昆布だし風味の閾値も低く，さらに淡口
醤油
とかつおだしとの併用により塩味が増強されることを官能評価より明らかにし，調理に淡口
醤油
を使用することは，目的とする塩味に調節し易く，だし風味を効かせた低塩料理につながることを示唆しているので，解説いただいた。
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清酒粕を用いた
醤油
様調味料の製造

穂坂賢, 安藤誠基, 宇宿恭子, 五十嵐哲朗, 岡崎幸雄, 舘博, 中田久保, 坂井劭

日本醸造協会誌
1997年 92 巻 11 号 835-841
発行日: 1997/11/15
公開日: 2011/09/20

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan1988.92.835

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清酒粕には,たんぱく質が小麦と大差なく含まれており,未利用資源の再利用の観点から見ても,十分な食品原料となり得るものと考えられた。そこで清酒粕を用いて
醤油
様調味料の製造について検討したところ,清酒粕の使用量に関係なく,麹の酵素力価は通常の
醤油
麹となんら差異のない麹を製麹することができた。また清酒粕の使用量を増やすと,全窒素,ホルモール窒素は減少したが,タイプ1(小麦使用量の30%代替のもの)では対照区の
醤油
に比べ大差ないものであり,またアルコーレにおいては,清酒粕の使用量を増加させるにしたがって高い値を示した。さらに官能的には,タイプ1は対照区の
醤油
と差が見られず,タイプ2(小麦使用量の50%代替のもの)は呈味においては大差ないものの色が淡くなる結果を得た。清酒粕が
醤油
原料として十分使用可能であると考えられた。さらに清酒粕の使用量を増すことにより色調が淡くなることから,淡口系への利用が示唆された。
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魚
醤油
のヒスタミン蓄積機構と除去法について

里見正隆

日本醸造協会誌
2012年 107 巻 11 号 842-852
発行日: 2012年
公開日: 2017/12/15

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.107.842

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CODEXにおいて魚
醤油
のヒスタミンの基準値は400ppmに設定される予定であるので，魚
醤油
のヒスタミンの低減は重要である。著者は魚
醤油
のヒスタミンがTetragenococcus halophilusのピルボイル型ヒスチジン脱炭酸酵素により，ヒスチジンから生成されるので，ヒスタミン非生成のT. halophilusスターターとショ糖を魚
醤油
諸味に添加することにより，ヒスタミンを低減できることを明らかにした。さらに，魚
醤油
にベントナイトを2％添加することにより，ヒスタミンを約20％低減できるが，前者の技術の方が経済的に有効であることを明らかにしたので，解説いただいた。
醤油
，味噌醸造におけるヒスタミン生成菌は魚
醤油
と同様であるので，多いに参考にしていただきたい。
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加熱における
醤油
調味液の香気成分の変化とみりんの役割

孟琦, 菅原悦子

日本醸造協会誌
2016年 111 巻 9 号 580-585
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/03

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.111.580

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醤油
は，味噌やみりんと並んで，和食において欠かすことのできない調味料である。
醤油
自身の香気成分に関しては古くより多くの研究報告がなされているが，
醤油
を含んだ調味液の加熱における香気成分の変化に関しての報告はあまりない。今回は，
醤油
の主要香気成分であるHEMFの大まかな生成機構を明らかにされた研究グループより，
醤油
にみりんと砂糖を混合した調味液の調理加熱による香気の質的変化とみりんの役割に関して，やさしく解説していただいた。和食においては当たり前に使われている調味料の組み合わせに関して，その理由がこれまで科学的に明らかにされて来なかったが，今回の報告はその解明への一端となると思われる。和食の開発に関わっている読者の皆様には是非とも一読いただきたい。
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魚
醤油
発酵時のヒスタミン蓄積に関わる原因菌の同定および乳酸菌発酵スターター接種によるヒスタミン蓄積抑制効果について

里見正隆, 木村メイコ

日本醸造協会誌
2015年 110 巻 12 号 849-858
発行日: 2015年
公開日: 2018/05/23

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.110.849

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　人体にその産生細胞が存在しているヒスタミンは，血圧降下，血管透過性亢進等の薬理作用を有する一方で，アレルギー反応や炎症の発現に介在物質として働く，アレルギー様食中毒の原因物質でもある。近年，安全安心の観点から醸造発酵物のヒスタミン含量が明らかにされるようになってきており，筆者らは，魚
醤油
に関するヒスタミン生成菌を特定するとともに，
醤油用乳酸菌を用いた魚醤油
のヒスタミン低減対策の，実践的な対応法を示した。本方法は，魚
醤油
のみならず，
醤油
醸造にも適用可能と考えられることから，
醤油
醸造の製造に携っている方には，是非，ご一読いただきたい。
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醤油
粕の酵素剤及び麹菌類の培養による減量効果について

服部領太, 楠本憲一

日本醸造協会誌
2014年 109 巻 2 号 70-75
発行日: 2014年
公開日: 2018/02/16

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.109.70

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醤油
粕のほとんどは産業廃棄物として，専門業者に引き取られ，処理されているのが現状であり，多くの
醤油メーカーで醤油
粕の廃棄コストの増加が問題となっている。そこで，業者らはセルラーゼ製剤，特にTrichoderma由来のセルロシンT2処理により，不溶性固形分が対照区の約70%に減少すること。さらに，Aspergillus tamarii NFRI 1618株を
醤油
粕培地上の静置培養することにより，生育菌体量が他菌株の約20%程度高くなり，
醤油
粕残渣重量は対照区の約69%となることを明らかにしたので，解説いただいた。
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「そら豆」を用いた
醤油
，味噌の醸造

佐々原浩幸

日本醸造協会誌
2011年 106 巻 2 号 90-96
発行日: 2011年
公開日: 2016/06/14

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.106.90

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近年食物アレルギーは増加しており，
醤油
の原料である小麦は表示義務があり，
醤油
と味噌の原料である大豆は表示推奨であり，これらを使用しないアレルギー患者用の
醤油
・味噌様調味料が開発されているが，特に原料の蛋白質含量が少ないために，得られる製品のアミノ酸含量が少なく，旨味が弱い問題があった。そこで，著者は各種原料から，蛋白質・炭水化物の含量が
醤油
・味噌の原料に近似している「そら豆」を選択して，香味共に良好な
醤油
・味噌様調味料を開発しているので，解説していただいた。そら豆
醤油
は商品化され，そら豆味噌は発売予定であり，新商品開発のプロセスが分かるのでご一読願いたい。
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耐塩性微生物スターターの接種が魚
醤油
の発酵および品質に与える影響

吉川修司

日本醸造協会誌
2011年 106 巻 8 号 515-527
発行日: 2011年
公開日: 2017/02/22

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.106.515

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　従来の魚
醤油
は脂肪酸化臭やアミン臭に代表される不快臭，長期にわたる発酵や麹を使用した場合に色調が濃くなること，および品質のバラツキなどの問題点があった。そこで，著者は麹と対塩性微生物スターターを発酵開始時に魚
醤油
の諸味に接種すると，魚
醤油
の色調改善，および
醤油
様香気とうま味の付与に有効であり，これまで利用困難であった水産資源が活用でき，水産加工副産物の減量化においても有効であり，一部実用化もされているので，解説いただいた。
醤油
製造者にも参考となるので，是非一読を勧めたい。
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伝統製法による御用蔵
醤油

藤井三治

日本醸造協会誌
1996年 91 巻 7 号 458-464
発行日: 1996/07/15
公開日: 2011/09/20

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan1988.91.458

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醤油
醸造技術の本流は何か, この命題は非常に難しい。造り方は創意工夫を繰り返し時代と共に変化してきた。しかし, 今日まで脈々と受け継がれてきた伝統の
醤油
醸造技術は上つの本流であることは間違いない。伝統技術を継承し, さらに進む技術革新へのステップのために今上度, 原点に立ち返って
醤油
醸造を見直してみようと, 筆者に詳しく解説していただいた。
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醤油
醸造における生揚生産協業化

―歴史と意義そして役割―

紅林孝幸

日本醸造協会誌
2020年 115 巻 12 号 721-731
発行日: 2020年
公開日: 2024/03/31

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.115.721

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醤油
醸造は装置産業であり，設備の新設や更新が必要になると莫大な費用が発生する。生揚生産協業化は，生産量当たりの設備投資費用を最少化し，且つ，高品質な生揚を供給するために，歴史上の必然として誕生したと言っても過言ではない。今回は，太平洋戦争終結の混乱期を経て全国に先駆けて福島県
醤油
醸造協同組合が立ち上がった経緯を解説して頂いた。過去を振り返ることで，未来へのヒントを掴んで頂きたい。
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平成29年における
醤油
の研究業績

編集部

日本醸造協会誌
2018年 113 巻 7 号 414-431
発行日: 2018年
公開日: 2023/09/02

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.113.414

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本年も，前年と同様に
醤油
関係の研究報告が減少している。特に国内の研究報告の減少が顕著であり，一方，国外の研究報告は基盤的な研究も，応用的な研究も満遍なく報告されている。ここ何年かの傾向として遺伝子や酵素の研究が一段落し，その一方で安全安心に関する研究と魚
醤油等の醤油
様調味料の研究開発は活発に報告されている。和食の世界的な人気が，
醤油
研究の回帰につながることを期待したい。
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生
醤油
の香気寄与成分の解明と加熱による変化

金子秀

日本醸造協会誌
2015年 110 巻 1 号 20-25
発行日: 2015年
公開日: 2018/04/12

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.110.20

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　生（なま）
醤油
は火入れを行わず火入れの殺菌処理と同等な処理を行った新しいタイプの製品で普及しつつある。そこで，著者は生
醤油
に比べて，火入れ
醤油
において，AEDA法により，高いFD-factorを示した成分の中で，2-methoxy-4-vinylphenolと2,6-dimetoxy-4-vinylphenolのみが顕著に増加し，さらに，標準添加法により，3-methylbutanal，2-methylbutanal，methional，phenylacetaldehyde，HDMFが有意に増加していることを明らかにしたので，解説いただいた。生
醤油
に興味のある方は是非ご一読いただきたい。
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醤油麹を添加した魚醤油
もろみの発酵初期に起こるタンパク質分解について

～原料タンパク質の成分やその組成がタンパク質の分解におよぼす影響～

舊谷亜由美, 里見正隆

日本醸造協会誌
2013年 108 巻 11 号 802-812
発行日: 2013年
公開日: 2018/02/13

DOI https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan.108.802

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原料タンパク質の加熱変性のないニギス魚
醤油
と加熱変性のあるかまぼこロス
醤油
の2種類の
醤油麹を用いた魚醤油
の製造過程において，発酵基質の加熱の有無にかかわらず，麹由来のタンパク質分解酵素の作用により，速やかに原料タンパク質は分解されて低分子化するが，その分解産物の内訳や挙動は分解基質によって異なるとともに，非常に複雑に進行することを明らかにしたので，解説いただいた。
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