携帯情報機器に用いられる電子部品の構成材料であるLSIチップ, 接着剤, ならびにFR-4基板からなる2層積層体を対象として, その強度信頼性に影響を及ぼす熱負荷条件を理論的に検討した。すなわち, 熱粘弾性解析によって積層体に生じる熱残留応力や反り変形挙動を材料物性と負荷する温度プロファイルの両面から定量的に解明した。その結果, 積層体に生じる層間熱応力と反り変形量は, LSIチップと接着剤の組み合わせの方がLSIチップとFR-4基板の組み合わせの場合より大きくなる。また, 積層体の熱残留応力や反り変形量は材料の貯蔵弾性率や線膨張係数の値に大きく影響され, 界面はく離の原因となる層間熱残留応力が最大となる温度プロファイル条件が存在することを明らかにした。
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