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クエリ検索: ひめトレ
10件中 1-10の結果を表示しています
  • 寒川 美奈, 石塚 利光, 岡橋 優子
    日本女性骨盤底医学会誌
    2016年 13 巻 1 号 163-166
    発行日: 2016年
    公開日: 2024/12/06
    ジャーナル オープンアクセス

    骨盤底筋体操における指導時には、収縮感覚のフィードバックが大切といわれている。本研究は、骨盤底筋群に対する収縮感覚フィードバックにストレッチポール

    ひめトレ
    を用いて運動指導を行い、その有効性を検討した。対象は、健常成人42名(男性12名、女性30名)、平均年齢36.6歳とし、実験前には尿失禁に関する質問紙を回答させた。
    ひめトレ
    を用いた運動指導は、
    ひめトレ
    上に被験者を座らせ、呼吸に合わせて骨盤底の挙上と弛緩を2分行わせた。骨盤底筋収縮の変化は、経腹超音波にて収縮前後の腹壁膀胱底距離の差を骨盤底挙上量として計測した。収縮感覚は介入中およびその前後で調べた。腹壁膀胱底距離は、
    ひめトレ
    の介入前、介入中、介入後で有意に変化した(p<0.001)。骨盤底挙上量は介入前後で差はみられなかったが、収縮感覚は
    ひめトレ
    運動後有意に改善した(p<0.05)。また、尿失禁の有無で骨盤底挙上量に差がみられた(p<0.05)。本研究結果より、
    ひめトレ
    を用いた骨盤底筋の指導は収縮感覚を引き出すことには有効であることが示唆された。また、尿失禁を有する場合は骨盤底筋収縮による骨盤底挙上の低下が示された。

  • —側腹筋厚・股関節内転筋力に着目して—
    原野 達也, 二宮 省悟, 田島 慎也, 西原 翔太, 吉里 雄伸, 石塚 利光, 松山 裕
    理学療法科学
    2018年 33 巻 2 号 289-293
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/27
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ストレッチポール
    ひめトレ
    が,側腹筋厚と股関節内転筋力へ及ぼす影響について検証すること.〔対象と方法〕対象は健常な大学生62名とし,ストレッチポール
    ひめトレ
    を使用してトレーニングを行う群,トレーニングのみ行う群,何も行わない群の3群に設定.期間を3週間とし,1週間に3回のトレーニングを実施.初期と最終で側腹筋厚と股関節内転筋力を測定し,変化率を算出した.〔結果〕ストレッチポール
    ひめトレ
    を使用してトレーニングを行う群の股関節内転筋力に有意な増加が認められ,また,その筋力の差は女性で高い増加を示した.側腹筋厚の変化は認められなかった.〔結語〕ストレッチポール
    ひめトレ
    を用いた3週間トレーニングは,側腹筋厚は変化しないが,股関節内転筋力を向上させる可能性があることが示唆された.
  • 垂直跳びとリーチ動作に着目して
    *吉良 彩加, *森永 玲実, *宮本 夏子, *伊藤 諒哉, *瀬川 亜佑美, *高田 英理加, *徳田 里香, *副島 理, *二宮 省悟
    九州理学療法士学術大会誌
    2021年 2021 巻
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/03
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】

    骨盤底筋群を刺激することによる尿失禁予防・改善を目的にストレッチポール

    ひめトレ
    (LPN 社製:以下SPH) という商品が開発された。これは、尿失禁の改善、姿勢やバランスに関して使用者から良好な反応を得ている。しかし、SPH が身体の運動機能にどのような影響を与えるかを報告した研究は少ない。そこで本研究は、SPH を使用した運動( 以下
    ひめトレ
    ファイブ) を行い、垂直跳びとリーチ動作に着目し、運動機能( 跳躍高、大腿直筋筋活動、リーチ距離及び静的・動的バランス) にどのような即時効果を与えるのか検証することを目的とした。

    【方法】

    対象は、同意を得られたA大学の学生男女62 名である( 平均年齢21.4 ± 1.0歳)。このうちA 群(

    ひめトレ
    ファイブ群:21 名)、B 群( 運動のみ群:21 名)、C 群( 何もしない群:20 名) を無作為に振り分けた。垂直跳びは、ジャンプDF( 竹井機器工業製) を用いて跳躍高(cm) を測定した。筋活動は、NORAXON 筋電計( 酒井医療株式会社) を用い、跳躍動作時の左右の大腿直筋の筋活動量を測定した。筋活動量は、等尺性最大随意収縮(MVC)を用いて正規化(% MVC) し算出した。静的・動的バランスの測定は、重心バランスシステムJK101 II ( ユニメック社製) を用い、足圧中心の軌跡(cm) を記録した。静的バランスは軽度開脚立位( 両足底内側間10 ㎝ ) での静的立位姿勢を40 秒間とらせ、後半30 秒間を測定した。次に動的バランスは、軽度開脚立位、両肩90°屈曲、肘伸展、手関節中間位を開始肢位とし、その状態から前方への最大リーチを行わせた。その際、前方最大リーチ姿勢で10 秒間保持させ、リーチ距離(mm) 及び足圧中心の軌道( 足圧中心の総軌跡長、X・Y 方向軌跡長、単位軌跡長、最大振幅、動揺平均中心変位:cm) を、介入前後で測定した(X 方向=左右方向成分、Y方向=前後方向成分)。統計学的解析は、Shapiro-wilk 検定にて正規性を確認後、F 検定、T 検定を用いて各評価項目における介入前後の比較を行った。また各グループ間の比較は、一元配置分散分析、Kruskal-Wallis 検定を行い、有意差がみられたものに関しては事後検定としてSteel 法を用い、多重比較を行った。全ての統計解析はExcel 統計ver3.21 を使用し有意水準は5%とした。

    【結果】

    跳躍高、静的・動的バランス、リーチ距離の検者内信頼性は、級内相関係数(ICC)にて算出した。跳躍高、静的・動的バランス、リーチ距離はそれぞれ ICC(1.3)=0.995、0.682、0.926 であり、 Landis らの分類によりmoderate ~ almost perfect の信頼性を認めた。跳躍高では、A群(0.4 ± 2.5cm)、B群(-0.6 ± 2.1cm)、C群(-1.2 ± 2.4cm)となり、A 群がC 群に比べ有意に向上した(P=0.039)。また、跳躍時の大腿直筋筋活動変化量の左右比較においては、A 群(0.2 ± 2.4% )、B 群(0.6 ± 2.1% )、C 群(0.8 ± 2.5% ) となり、A 群、B 群、C 群の順で左右差が減少した。リーチ距離及び静的・動的バランスは、群内比較、群間比較の全てにおいて有意差は認められなかった。

    【考察】

    A 群の跳躍高の向上や大腿直筋の筋活動量の左右差が減少したことから、

    ひめトレ
    ファイブ群は左右どちらかに偏っていた筋活動量が均等になり、垂直方向へ跳躍できたことが示唆された。つまり、SPH を使用することで筋活動の左右バランスが協調され、効率的なジャンプ動作が行われ、跳躍高を向上させるという即時効果が得られることが推測された。なぜ筋活動の左右差が協調されるのかについては、今後研究を進め、多角的な分析を行って行く必要がある。

    【倫理的配慮,説明と同意】

    本研究に際し、ヘルシンキ宣言に基づき、研究協力施設の倫理審査員会の承認を得て実施した( 承認番号:02-008)。対象者に研究について十分な説明を行い、同意を得た。なお、利益相反に関する開示事項はない。

  • ~腹横筋に着目して~
    林田 賢也, 桑原 佑介, 呉屋 颯志, 坂井 健志, 酒匂 雄基, 元村 龍馬, 松山 裕, 二宮 省悟
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 O-MT-15-2
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】近年,インナーユニットのトレーニングが着目され,ストレッチポール
    ひめトレ
    (以下:SPH)という商品(株式会社LPN製)が開発された。我々は第49回・50回日本理学療法学術大会で,SPHの効果について発表した。SPHは,骨盤底筋群のトレーニングツールとして使用されており,鬱や寝たきりの原因となる尿失禁予防・改善,転倒予防,姿勢改善などに大きく関与しているといわれている。齋藤(2002)は,体幹筋は脊椎の分節的な支持やコントロールを担い,その中でも体幹深部筋の1つである腹横筋が重要であると述べている。また,田舎中(2008)は,骨盤底筋群の収縮に伴い,隣接する腹部筋の収縮が確認されると報告している。そこで本研究はSPHを使用し,SPHが腹横筋にどのような影響を与えるか検証することを目的とした。【方法】対象は,大学に在籍する健常な男性学生49名(平均年齢21.1歳±1.1歳)とした。このうち,SPHを使用してトレーニングを行う群をA群(20名),トレーニングのみ行う群をB群(14名),何も行わない群をC群(15名)の3群について無作為に設定した。トレーニングは日本コアコンディショニング協会が提唱しているエクササイズを参考に週3回,3週間継続し研究者の管理下で実施した。また実施前日と最終日の翌日に3群の腹横筋筋厚を測定した。測定機器は超音波診断装置(Nemio-XG SSA-580A:東芝社製)を使用した。筋厚の測定は金子ら(2005)の先行研究をもとに,前腋窩線上の肋骨下縁と腸骨稜の中点にプローブを当て,安静背臥位にて呼気終末時の静止画像を記録し,腹横筋の筋厚を測定した。トレーニング全課程終了後,各群の最終の測定値と初期の測定値の差を算出した。統計処理は多重比較としてKruskal-wallis testを用い,有意水準は5%未満とした。統計解析ソフトはMicrosoft office Excel2010及びエクセル統計2012を用いた。【結果】変化量(最終測定値-初期測定値)を算出し,A群,B群,C群を比較したところ,A群>B群>C群の順に腹横筋筋厚に有意な増加を認めた。(p<0.05)【結論】今回,超音波診断装置を用いて非侵襲的に腹横筋筋厚の評価を行い,筋厚の増加を認めた。増加した要因として,SPHを使用したトレーニングを行ったことにより,骨盤底筋群の収縮に伴い,隣接する腹部筋の収縮が共同筋として働いたことが推測された。本研究の結果からSPHは,インナーユニットに対する理学療法施行時に用いられる有効なツールとして可能性を秘めているため,今後も多角的にその効果について分析する必要がある。
  • ―腹横筋と座位の重心動揺に着目して―
    古山 貴裕, 増永 純, 中富 裕貴, 坂田 拓哉, 福重 千春, 吉岡 弘夢, 矢野 悟士, 木村 倖晴, 野津原 慎太郎, 松本 涼太, 加治 卓人, 渕上 和成, 中玉利 一輝, 松山 裕, 二宮 省悟
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 O-MT-03-1
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに,目的】

    2010年,株式会社LPNにより骨盤底筋群のトレーニングとして,ストレッチポール

    ひめトレ
    (以下,SPH)というツールが開発された。我々は過去3年間の日本理学療法学術大会で,SPHの効果について検証し発表してきた。先行研究ではSPHの効果について期間に関する検証は,まだされていない。今回は,重心動揺面積と腹横筋筋厚に着目し,SPHを用いたトレーニングを行い,身体に影響が現れるまでの期間を検証することを目的とした。

    【方法】

    対象者は,男性学生43名(21.6±1.1歳)。トレーニング群(以下,A群)22名,コントロール群(以下,B群)21名を無作為に設定した。A群はトレーニングを週3回,4週間継続して行った。林田らの研究をもとにトレーニングはJCCAが推奨するものを1.5倍の回数に設定した。実験初日に測定を行い,A群は毎週トレーニング3回目に測定,B群は毎週測定を行った。測定機器として,腹横筋筋厚の測定には超音波診断装置(Nemio XG SSA-580A:東芝社製),重心動揺面積の測定にはバランスWiiボード(以下,Wiiボード:任天堂社製)を使用した。重心動揺面積は,高さ40cmの台に乗せたWiiボード上に座り,姿勢は股・膝関節90°屈曲位,足は腰幅に開き足底を接地させ,測定時間は10秒とした。腹横筋筋厚の測定は,安静臥位とし上肢は体幹につけ下肢は伸展位とした。布施らの先行研究からプローブ圧を0.5N以下とし,測定位置は前腋窩線上で肋骨下縁と腸骨稜の中央にて測定を行った。撮影した画像は画像解析ソフトImage Jを用いて解析した。測定結果をもとにA群とB群の比較を行った。統計学的解析はIBM SPSS statics23を使用し,Student's T-test,Welch's T-test,Mann-Whitney検定を用いた。有意水準は5%未満とした。筋厚測定の信頼性は,級内相関係数(以下,ICC)を用いて,検者内信頼性を確認した。

    【結果】

    ICC(1.3)の結果,筋厚測定については0.916と高い信頼性を得た。座位重心動揺面積は,A群に4週間後に有意な減少が認められた(P<0.05)。腹横筋筋厚については,A群においてトレーニング4週間後に有意な増加が認められた(P<0.05)。

    【結論】

    本研究によりSPHを使用したトレーニングを行うことで,4週間後に腹横筋筋厚の増加,並びに座位重心動揺面積の減少効果が明らかとなった。Carriereらによると「骨盤底筋群,腹横筋はインナーマッスルとして体幹の安定性に関与する」と述べている。また,山内は「トレーニング開始後20日まで筋力の増加は筋横断面積の増加を伴わず,その後は筋力の増加と筋横断面積の増加が平行する」と述べており,このことから,SPHを使用したトレーニングは効果出現期間として,4週間継続することで効果の発揮が期待できると示唆された。今後はさらに個体数を増やし,効果的な負荷量やアウターマッスルへの影響についても詳細に検討していく必要がある。

  • 田島 慎也, 岩崎 公法, 池永 愛, 徳永 嵩栄, 松山 裕, 二宮 省悟
    理学療法学Supplement
    2014年 2013 巻 0615
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】最近,高齢者の尿失禁予防・改善を目的にストレッチポール
    ひめトレ
    (以下:SPH)という商品(4cm×4.5cm×20.5cm円柱:株式会社LPN製)が開発された。これは簡単に利用しやすく,尿失禁の改善以外に姿勢やバランスに関しても,使用者から良好な反応を得ている。しかし,SPHに関しての研究報告はなく,客観的な効果検証はなされていない。そのため,SPHが姿勢とバランスにどのような影響を与えるのかを目的に検討を行った。なお,本研究の一部は日本コアコンディショニング協会(以下,JCCA)の助成を受けて実施された。【方法】対象は,健常な学生81名(男性42名,女性39名:平均年齢21.5±1.5歳)。このうち,対象群1(何も行わない:24名),対象群2(SPHを使用しない:25名),実験群(SPHを使用する:32名)の3群を無作為に設定した。対象群1はトレーニングせず,対象群2と実験群は1回につき2セットのトレーニングを週3回,2週間継続して行った。トレーニングはJCCAが提唱するものをもとに,統一化を図るため計5分のトレーニング動画を作成し,研究者の管理下で行った。実験初日及び最終日に測定を行い,測定機器としてスパイナルマウス(インデックス有限会社)とバランスWiiボード(任天堂株式会社,以下Wiiボード)を使用した。測定項目は,スパイナルマウスによる姿勢(仙骨傾斜角,胸椎後彎角,腰椎前彎角),並びにWiiボードによる重心動揺(総軌跡長,重心最大移動距離)である。スパイナルマウスの測定方法は,座位では股・膝関節90°屈曲位,腰幅に足を開き,足底は接地,立位では足を肩幅に開いて実施した。Wiiボードの測定方法は,裸足で視覚的指標として壁に目線の高さのテープを張り被験者に注視を促した。静的バランスの座位では両上肢を組み,両下肢は床面に接地せずに測定した。立位では両踵間を20cm離し,足先を15°外側に向け,測定した。測定時間は30秒間とした。動的バランスの座位では前後左右とも両側殿部がWiiボードから離れない範囲で,最大限の重心移動を要求し,10秒間停止させた。立位では,被験者に安定して立位を保てる範囲内で前後左右に重心を移動させ10秒間測定した。Wiiボードから得られたデータはBluetoothを用いて,サンプリング周波数100HzでPCに転送され,フリーソフトFitTriを使用しCSVファイルとして保存される。その後,Microsoft ExcelのVBA(Visual Basic for Applications)を用いて,データ処理を行った。統計処理にはStudent’s T-Test,Welch’s T-Test,多重比較としてkruskal-wallis検定を用いて行った。統計解析ソフトはMicrosoft Excel2010,IBM SPSS statics19を用い,有意水準は5%とした。【倫理的配慮,説明と同意】対象者にはヘルシンキ宣言に沿って研究の主旨及び目的を十分説明し,書面にて同意を得た(川崎病院倫理委員会承認番号2001)。【結果】スパイナルマウスによる計測では,実験前後における座位の仙骨傾斜角が,参照値と比較した場合,トレーニング後,有意に増加(前傾)した。その他の胸椎後彎角,腰椎前彎角では有意差が認められなかった。また,Wiiボードによる計測では,実験開始から2週間後の静的立位(総軌跡長)の変化量を3群間で比較したところ,実験群が有意に減少していた。その他の項目については,有意差は認められなかった。【考察】スパイナルマウスの測定結果から,座位の仙骨傾斜角に有意差が認められた要因として,SPHの使用により,骨盤前傾位が促進されたことが考えられた。骨盤後傾位でSPHを使用すると,尾骨部とSPHが接触するため,自然に骨盤前傾位へと促されることが示唆された。また,骨盤前傾作用をもつ筋として,多裂筋が挙げられる(安彦ら,2010)。骨盤後傾位と比較して骨盤前傾位では多裂筋が優位に働くため,それに伴い仙骨傾斜角が増大したことが考えられた。他方,Wiiボードの測定結果から,実験群では静的立位において総軌跡長が有意に減少していた。このことから,SPHの使用により,骨盤底筋群への刺激が増大し,収縮が促進されることが示唆された。先行研究では,骨盤底筋群は他のインナーユニットと協働し,姿勢のコントロールに寄与すると報告されている(石井,2008)。そのため,インナーユニットが賦活され,腹腔内圧の上昇に伴い体幹の安定性が向上し,重心動揺が減少したことが推測された。今後は,対象者年齢層を広げ,トレーニング期間なども考慮し,さらにSPHに関するエビデンスを蓄積していく必要がある。【理学療法学研究としての意義】本研究により,理学療法の分野で注目されている,姿勢およびバランスに対するトレーニング法の一助として,SPHの有効性を示したことは,新たな理学療法を展開する上で大変意義があるものと考える。
  • ~側腹筋厚と股関節内転筋群筋力の変化に着目して~
    原野 達也, 川崎 慶匡, 河野 千里, 蔵原 麻衣, 田中 克統, 松山 裕, 二宮 省悟
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 P1-A-0154
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】近年,ストレッチポール
    ひめトレ
    (以下:SPH)という商品(株式会社LPN製)が開発され,我々は第49回日本理学療法学術大会で,SPHの姿勢・バランスへの効果について発表した。SPHは,骨盤底筋群トレーニングのツールとして使用されており,鬱や寝たきりの原因となる尿失禁の予防・改善に大きく関与しているといわれている。田舎中は,骨盤底筋群の収縮に伴い,隣接する腹部筋の収縮が確認されると報告しており,SPHを使用したトレーニングは側腹筋の筋力増強に有用であることが期待できる。さらに,骨盤底筋群は,股関節内転筋群と隣接しており,筋膜で結合していると考えられるため,股関節内転筋群へも影響を及ぼすことが予想される。そこで本研究は,側腹筋厚と股関節内転筋群筋力の観点からSPHが,どのように身体に影響を及ぼすのか検証することを目的とした。【方法】対象は,大学に在籍する健常な学生62名(男性32名,女性30名:平均年齢21.0±2.8歳)とした。このうち,実験群(SPHを使用してトレーニングを行う:20名),対照群1(SPHを使用せずトレーニングを行う:21名),対照群2(何も行わない:21名)の3群を無作為に設定した。実験群と対照群1は1回につき1セットのトレーニングを週3回,3週間継続して行った。トレーニングは日本コアコンディショニング協会が提唱しているエクササイズを参考に動画を作成し,対象者は動画を見ながらトレーニングを実施した。トレーニングは,研究者の管理下で行った。トレーニング実施初日と最終日の2日後に3群の測定を行った。測定機器は超音波診断装置(Nemio-XG SSA-580A:東芝社製)と内転外転筋力測定器(T.K.K3367:竹井機器工業株式会社製)を使用した。超音波診断装置による測定項目は側腹筋厚(腹横筋,外腹斜筋,内腹斜筋)とした。筋厚の測定は金子らの先行研究をもとに,前腋窩線上の肋骨下縁と腸骨稜の中点にプローブを当てて行った。方法は,安静背臥位にて呼気終末時の静止画像を記録し,各筋の筋厚を測定した。内転外転筋力測定器の測定肢位は,坐位にて股・膝関節90°屈曲位,足底接地とし,測定機器のパッドに内転筋結節を当て,機器を固定した上で股関節内転筋群筋力を測定した。トレーニング全課程終了後,各群の計測値から初期と最終の差を算出した。統計処理はStudent's t-test及び多重比較としてKruskal-wallis testを用い,有意水準は5%未満とした。統計解析ソフトはMicrosoft office Excel2010及びエクセル統計2012を用いた。【結果】変化量(最終測定値-初期測定値)を算出し,実験群,対照群1,並びに対照群2を比較したところ,側腹筋厚に有意差は認めなかった。股関節内転筋群筋力の3群比較では,実験群において有意に増加が見られた(p<0.05)。【考察】側腹筋厚に有意差を認めなかった要因として,トレーニング期間の短さが考えられる。山内はトレーニング開始後20日まで筋力の増加は筋横断面積の増加を伴わず,その後は筋力の増加と筋横断面積の増加が並行すると述べている。このことから,3週間のトレーニングでは側腹筋厚に対し,充分な影響を与えるに至らなかったと考える。また,股関節内転筋群筋力において実験群に有意な増加が認められた要因として,骨盤底筋群と股関節内転筋群の筋膜による連結があるため,共同筋として働いたことが考えられる。SPHを使用することにより,筋活動におけるオーバーフローが起きたため,股関節内転筋群の筋活動を促進した可能性も示唆された。今後は,実施期間や運動内容などを考慮しながらSPHを使用したトレーニングを行い,より多角的な検証が必要と思われた。【理学療法学研究としての意義】SPHは簡便,安価であることから,利用しやすいツールである。今回の研究では,SPHを使用してトレーニングを行うことで,目的とする骨盤底筋群だけでなく,隣接している筋に対しても筋力増強の有効な手段としての可能性が示唆された。SPHを使用したトレーニングは,臨床だけでなく在宅リハビリテーションとしても,有用となり得ることが推測される。今回,SPHの有効性を示したことは,新たな理学療法を展開する上で大変意義深いといえる。
  • 山北 康介
    日本女性骨盤底医学会誌
    2016年 13 巻 1 号 113-116
    発行日: 2016年
    公開日: 2024/12/06
    ジャーナル オープンアクセス

    当院ウロギネセンターでは尿失禁・骨盤臓器脱における保存的治療の一環として、2014年2月より集団的骨盤底筋体操教室を開始した。当院では、術後の患者も多く参加している。そのため、筋力低下や過伸展の状態にある骨盤底筋群に対し、タオルロールを用い直接的に感覚入力を行う。そして、より効率的に活動させるために、骨盤底筋以外の補助筋に着目した姿勢やメニューを実施している。今回は、当院にて実施している骨盤底筋体操の工夫点の一部を、諸研究結果を基に解剖学・運動学的側面より紹介する。

  • 野添 ちかこ
    日本健康開発雑誌
    2017年 38 巻 75-78
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/19
    ジャーナル フリー

    日本には古くから湯治文化があり、温泉を病気の治癒や予防に役立てきた歴史がある。現在、厚生労働省には温泉施設の利用料及び交通費が医療費控除の対象となる「温泉利用型健康増進施設」の認定制度があるが、あまり広まっていない。「温泉利用型健康増進施設」の軒数は20軒、医療費控除の申請者数は年間50~70名程度である。

    ハード面では、肩まで浸かれる全身浴槽のほか寝湯などの部分浴槽、ジャグジーなどの気泡浴槽をもつ温泉施設に加えて、トレーニングジム、プールなどの運動施設をもつことが認定要件だが、クリニックと連動したプログラム提案や、自然食やヨガなどを組み込んだ7泊8日の長期滞在プログラム、最新鋭のマシンで運動履歴などのデータ管理を行うなど、施設ごとの個性や特徴もさまざまである。

    「温泉利用型健康増進施設」の認定要件の緩和に伴って制度の注目度が高まっている今は施設の魅力をPRする好機といえよう。また、担当者間の情報共有、モチベーションアップを図る施策を行い、施設および制度の充実、活性化を図ることが重要と考える。

  • 木村 明日佳, 倉持 梨恵子, 箱﨑 太誠, 清水 卓也
    日本臨床スポーツ医学会誌
    2024年 32 巻 2 号 264-272
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/07/04
    ジャーナル フリー

    体幹回旋機能は腰痛やパフォーマンスと関連するため適切な機能を有することが重要と考えら れる.本研究は,体幹回旋筋力発揮に必要と考える腹腔内圧の上昇を担うinner unit の活性化を図った股関節外旋筋へのセルフマッサージが,股関節内旋可動域及び体幹回旋筋力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.成人男性36 名を股関節外旋筋群,大腿四頭筋群,コントロール群に群分けした.股関節内旋可動域と体幹回旋筋力を介入前後に測定し,各群の変化を比較するため股関節内旋可動域は二元配置分散分析,体幹回旋筋力は変化率を算出しKruskal-Wallis のH 検定を行った.また,各群の体幹回旋筋力変化率の左右差を比較するためWilcoxon の順位和検定を行った.その結果,股関節外旋筋群で両股関節内旋可動域が向上し,コントロール群との間に有意な交互作用を認めた.体幹回旋筋力は全ての群間において有意差を認めなかった.また,体幹回旋筋力変化率は右回旋にて股関節外旋筋群で有意差を認めた.股関節内旋可動域の向上から本介入の押圧刺激が対象筋を伸張し可動域を獲得したと考える.体幹回旋筋力変化率の左右差は筋力非対称性による介入のトレーナビリティーの差が関与した可能性がある.研究対象者の約9 割が右利きであり左回旋への慣れから左回旋筋力のpre 値が高く,トレーナビリティーが少なかったことで有意差を認めなかったと考える.

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