2020 Volume 56 Issue 2 Pages 62-69
In some areas, the respective municipalities and nonprofit organizations provide paid services using private cars to supplement the local people’s means of transportation. However, in some other areas, such services are not permitted under the legal system. In this study, a questionnaire survey was conducted among elderly people aged 75 years and above, to ascertain the status of outings such as shopping and visiting the hospital, the status of holding a license, and the intention to use door-to-door transportation services. The results indicated that 1) the use of bus services was significantly lower than that of private cars; 2) non-licensed persons were more likely to request a family member living with them to provide transportation; and 3) the availability of a family member from whom door-to-door transportation could be requested influenced the intention to use the service, more than the status of holding a license.
モータリゼーションと高齢過疎化の進展を背景に,農村部における交通のあり方が課題と認識されるようになって久しい.公共交通機関は衰退し,地方農村部の生活は自家用車に依存せざるを得ない状況となっている.高齢ドライバーによる事故や買物難民,医療難民が社会課題として取り沙汰される中,市町村やNPO法人等が主体となり,自家用車を用いて運送サービスを提供する「自家用有償旅客運送」が解決の一手として注目されており,2019年6月に閣議決定された「成長戦略実行計画(内閣官房,2019)」の中では,成長戦略の1つとして明確に位置づけられている.
自家用車による有償運送は,原則として禁止されており,同運送を法的に担保する自家用有償旅客運送制度では,十分な輸送サービスが提供できないと認められる地域での運用に限定されている.ここで,「十分な輸送サービスが提供できない」と認められない地域では,地元NPO等が自家用車を使用して有償で運送サービスを提供しようとしても,法律上,提供できない事態が生じる.
本研究では,制度上「十分な輸送サービスが提供できない」と認められていない地域を事例対象に,住民の移動に関する実態把握を通じて,望ましい外出支援策の提案につなげることを目指す.
高齢者の移動に関する調査研究が本格的に開始されるのは,1980年代に入ってからである.
地方農山村における交通のあり方に関する研究の流れを概観すると,移動の実態把握,潜在的移動需要の把握と予測,需要予測に基づく交通計画,交通システムの設計および評価と変遷してきている.
移動実態に関する調査研究は,中山間地域に限定しても,これまで多くの蓄積がある.
たとえば大杉(1987)は,高齢化の進んだ広島県の山間集落を対象に,自家用車やバイク等の個人的交通手段を利用できるかどうかが個人の行動に及ぼす制約の大小に影響していることを示している.長井ほか(2010)は,高知県の中山間地域を対象に,年齢別,行動範囲別に外出頻度を比較し,自動車の保有状況により頻度が異なること,また年齢が高くなるほどその差が大きくなることを示している.
他に,柿本(2007)は,熊本県の中山間地域を対象に,高齢者の自動車免許保有率は熊本都市圏と比較して高いことを示している.
その後,高齢者の移動に関する制約が外出行動に与える影響の明確化が進むとともに,外出行動そのものの低さに加えて,移動の困難性や利用可能な移動手段がないために交通需要が潜在化していることが指摘され,こうした概念が定着するようになる.関連する文献に,潜在需要が質的に異なる要因により抑制されることを明らかにした上で,それぞれに対応を考察した研究(三星・新田,1995)等がある.
送迎の実態把握に迫った研究として,青島他(1991)は,同乗交通は免許非保有者のモビリティを確保するための主要な交通手段の1つとして利用されていること,また特に多世代世帯においては,公共交通機関等の交通手段の替わりに送迎がされていることを明らかにしている.また,今野他(1994)は,送迎の実態把握に加えて,送迎を交通手段の1つとみなした上で,利用される距離や行先について他の公共交通と比較しながら特徴を考察している.
外出支援に関する研究としては,高齢者や障碍者等,個人の特性に着目した研究(葛西・山田,2006;高田・佐藤,2012;谷内他,2008)や,過疎地域や中山間地域等の地域特性に着目した研究(太田・山本,2008;岡山,2008;金・山崎,2009)があり,前者は主に福祉学の分野で取組まれる傾向にある.後者は,公共交通機関に着目した研究(田中,2009;若菜・広田,2002)と合わせて,計画系の分野で主に取組まれる傾向にある.
(2) 本研究の位置づけ本研究は,農村地域における高齢者の移動実態と対象地域における公共交通の現状に基づき,望ましい外出支援策の検討を目指すものであるが,移動の実態把握については,既往研究のレビューからも分かるように,住民へのアンケート調査という方法や調査項目も含めて目新しくない.
しかしながら,本研究は全国的な人口減少と財源不足から,既存交通システムの抜本的な見直しが求められている中で,改めて実態把握に基づく外出支援の検討が必要であるという認識に立ち進めている.
すなわち,関連制度や技術の進歩により,これまで検討できなかった支援策が選択肢として出てきている中,現状把握と合わせて,このような新たな選択肢も視野に,地域の実情に合った外出支援を考察することは意義があると考えている.
また,地域特性という点で,農村部を対象とした研究では,高齢化や公共交通の衰退の激しさから,これまで中山間地域が調査対象となることが多かった.一方で,多くの交通に関する研究は,都市部や地方都市を事例とすることが多い.今日では中山間地域に限らず農村地域全般で暮らしの足をいかに確保するかが課題となっている状況をふまえて,上記事由から調査対象として間隙となりがちな都市近郊農村を事例として扱う点に特徴がある.
(3) 目的日常的な移動における困難性の観点から,公共交通機関のない山間部等の地域では,地方自治体や地元NPO等の地域団体による自家用車による有償での送迎が特例的に認められており,地域における外出支援策の1つとなり得る.一方,調査事例のような都市近郊農村であっても,日常的な移動は自家用車に依存しており,自家用車が利用できなければ公共交通機関のない山間部等と同様に日常的な移動が困難な状況であるにも関わらず,地方自治体や地元NPO等の地域団体による有償での送迎サービスの運営が認められないことで支援策上の空白が生じているのではないか,というのが本研究の仮説である.
本論では仮説の検証と合わせて,調査対象のような地域における望ましい外出支援のあり方を事例から導出することを目指す.
対象とする神前地域のある亀岡市は,京都府の中西部に位置し,東は京都市,南は大阪府高槻市・茨木市,北は南丹市に隣接する人口約9万人の市である.市域の7割を山林が占め,周囲を山に囲まれた盆地状の地形を成している.
JR山陰本線により京都市と結ばれ,市内を京都縦貫自動車道・国道9号が通っており,京阪神都市圏からの自動車でのアクセスは比較的良い.
高齢化率は約26%で,高齢者人口は山間部および農村部を中心に増加傾向にある.
市内の公共交通は,鉄道4駅,バス8路線,コミュニティバス2路線,ふるさとバス5路線で形成されている.こうした中,ふるさとバスは,民間バスが運行しないエリアで地域住民の足を担っている.
亀岡市の地域公共交通網形成計画によると,現状でふるさとバスは年間約7,000万円の欠損が出ており,1/2を京都府が補助している(亀岡市,2019).高齢化の進む一部の地域において,バス路線の延伸要望はあるものの,財政負担の点から,さらなる拡大はおろか維持もままならぬ状況にある.
神前地域は,京都府亀岡市の西北部に位置する農村地域である(人口動態は表1のとおり).もっとも近いDIDまで30分から1時間の立地にあり,都市近郊農村1である.
| 人口総数 444(人) | 世帯総数 160(戸) | |
| 男 217 | 女 227 | 高齢化率 約31% |
資料:平成27年国勢調査(総務省,2017)に基づき作成.
亀岡市では,バス停から500 mおよび鉄道駅から1 km以上離れた地域を「交通空白地」と定義している.人口割合で約3.0%にあたる郊外部の一部が交通空白地となっているが,神前地域はふるさとバスのバス停から500 m以内にあるため該当しない.
神前地域では,一日3~4本のふるさとバスが運行しており,150円か200円の均一運賃である.
2) 調査対象者一般に高齢者という場合,65歳以上を指すことが多い2が,介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が延びており,直近では75歳前後となっている3ことや,75歳以上では免許更新時に高齢者講習受講に加えて認知機能検査受検が義務づけられていること等の理由から,75歳以上を調査対象とした.
(2) 調査方法 1) 調査概要神前地域における75歳以上の全住民(99人)を対象に,2019年7月に質問紙調査を実施した(表2).回収数は90部,回収率は90.9%となった.
| 実施日程 | 2019年7月 |
| 調査形式 | 自記式質問紙調査 |
| 調査対象 | 75歳以上の全住民 |
| 配布・回収 | 住民の協力を得て実施 |
| 回収数(率) | 90部(90.9%) |
調査項目(表3)は,主に,買物や通院等の外出状況や免許の保有状況,送迎サービスに対する利用意向等についてである.
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 外出の状況 | 買物や通院の頻度,時間帯,移動の方法(徒歩,バス,自家用車,タクシー等)など |
| 買物や通院の実態(移動販売,訪問診療の利用状況など) | |
| 送迎サービスについて | 送迎を依頼する相手,依頼方法 |
| お礼の有無,内容 | |
| 住民ハイヤーの利用意向 | |
| 利用条件(価格,信頼できる条件) |
上記調査項目により,まず日常的な移動について,免許の保有状況による行先ごとの移動手段の傾向を整理する.
次に,有償での送迎サービスの利用意向について,潜在的な利用者の特徴把握を目的に,対象を4つに分類し,カイ2乗検定によりグループごとの利用意向を比較分析する.
回答者の属性を順に示す.性別は,男性42.2%(n=38),女性57.8%(n=52)となった.年齢分布は図1のとおりで,5歳区切りで75歳から79歳がもっとも多い結果となった.

5歳区切り年齢分布(n=90)
免許を保有していないのは90人中36人(40%)で,最初から持っていない人(18件)と今は持っていない人(18件)は半数ずつとなった(図2).

免許保有状況(n=90)
日常的な買物,定期的な通院,その他のもっとも頻度の高い外出4について,どのような移動手段を用いるかについて,結果を運転免許保有者と非保有者に分け,それぞれ図3および図4に示している.

免許保有者の移動方法

免許非保有者の移動方法
結果より,免許保有者はどの外出先についても自家用車の運転による移動がほとんどであった.
一方で,非保有者については誰かに乗せてもらって移動すると答えた割合が買物・通院で過半数を占め,次いで徒歩による移動が多い結果となった.共通して自家用車が移動手段となっている状況が確認できる.また,非保有者のその他の外出では,誰かに乗せてもらって移動すると答える件数が減っている.
ふるさとバスは,非保有者にわずかに利用がみられるのみで,共通してほとんど利用されていないことがわかった.なお,外出先(目的)ごとに有効回答数が異なっており,それぞれグラフ上から,免許保有者について,買物n=49,病院n=43,その他n=46,非保有者について,買物n=28,病院n=30,その他n=21となっていることに留意されたい.
(3) 送迎を依頼する相手次に,誰かに乗せてもらい外出する場合に,送迎を依頼する相手について,結果を図5に示す(結果は複数回答).

送迎を依頼する相手
送迎を依頼する相手としてもっとも多かったのが子(n=22)で,回答の半数を占める.親戚や知人に送迎を依頼する例は少なく,多くが家族に送迎を依頼していることが分かった.
(4) 送迎サービスの利用について 1) 利用意向即時配車・ドアツードアの送迎サービスについて,利用したい,条件によって利用したいと回答した割合は72.2%(n=57)となった(図6).

送迎サービスの利用意向
また,送迎サービスの利用価格について,無料を望む声も一部(4件)あるが,実費相当(20件)から実費相当+謝金(24件)程度なら利用したいという回答が多くを占める結果となった(図7).

希望利用価格
調査対象の7割以上が,送迎サービスの利用に意向を示す一方で,利用したくない住民も一定程度存在している.
そこで,潜在的なサービスの利用者が,どのような特徴を持つかを把握することを目的に,①免許の有無と,②若い同居家族の有無により対象を4つに分類した(図8).

免許保有状況と世帯構成に基づく4分類
まず,免許保有の有無により対象を二分し,次に,世帯構成に基づき,2世帯(子世帯と同居)および3世帯を若い同居家族がいる世帯,単身世帯・夫婦のみ世帯・2世帯(親世帯と同居)を若い同居家族がいない世帯として2つに分け,対象を4つの群に分けた.
分類した4群について,送迎サービスの利用意向を比較すると,群ごとに特徴がみられた(図9).

分類に基づく利用意向の比較
C群でもっとも利用意向が高く,A群とC群における傾向の差はあまりみられなかった.また,D群でもっとも利用意向が低い傾向が示された(χ2(6)=12.962, Cramer’s V=0.286, p<.05).
まず,日常的な移動手段について,免許保有者・非保有者ともに,多くが自家用車を運転するか同乗することで移動しており,公共交通であるコミュニティバスはほとんど利用されておらず,移動手段は自家用車に強く依存していることが分かった.こうした状況より,この事例のみからあらゆる都市近郊農村が同じ状況にあるとはいえないが,公共交通が存在しており交通空白地とは認められない地域でも,自家用車が利用できなければ交通空白地と同様に移動制約があり,有償での送迎サービスをNPOや市町村で主体的に実施する選択肢がない点で,制度的な空白地域になっている.
次に,送迎を依頼する相手について,配偶者や子に依頼していることが多く,一方で,知人・友人に依頼するケースはまれであった.これより調査地域では家族によって同乗送迎が担われており,こうした血縁によるサポートがある程度機能している状態にあるといえる.
(2) 送迎サービスの利用意向また,ドアツードアの送迎サービスの利用意向について,まず全体として7割以上が利用意向を示しており,定時定路線のサービスにはない利便性に対する志向が窺い知れる結果となった.
次に,グループごとの比較分析について,「利用したい」と「条件によって利用したい」を合わせて利用意向ありとすると,C群でもっとも利用意向が高い結果となった.
特筆すべきは,D群でもっとも利用意向が低いことである.この結果は,送迎サービスの利用意向は免許の保有状況よりも若い同居家族の有無により説明されることを示唆している.すなわち,ドアツードアの送迎サービスにおいては,免許を持たない高齢者をサービスの主な利用者として想定してきたが,免許を持っていないことよりも送迎を依頼できる環境にないことが送迎サービスの利用意向を決定づけているといえる.
また,C群において,利用意向のうち,「条件によって利用したい」と回答する割合が高く,一方で無条件に「利用したい」と回答する割合は低くなっている.B群における傾向とも合わせて鑑みれば,この結果はより具体的・現実的に送迎サービスの利用を検討する際には,無条件にではなく,条件によって利用したいと回答する傾向があることを示しているのではないかと推察される.しかしながら,この点に関する詳細な検証はできておらず,裏付けが希薄であることに留意されたい.
(3) 望ましい外出支援策の提案上述の結果をふまえ,まず,対象地域を事例とした望ましい外出支援策について検討する.ここでは,大きく2つの方向性について,考察を進めたい.
1) 血縁サポートの維持とタクシー利用補助1つ目は,同居家族による送迎(血縁サポート)とタクシー利用補助を組み合わせる方向性である.同地域はタクシーの営業エリア内であるため,こうした対応が可能となる.
財政的に追加の補助は難しいため,既存補助事業の廃止が現実的な対応として考えられる.現状でふるさとバスは年間約7,000万円の欠損が出ているが,同地域でのバス利用は著しく低いため,バス路線を廃止しタクシーチケットの上限付き配布や半額補助等に切り替えることが望ましい.その際,周辺地域や交通事業者との協議・合意形成が課題となる.
2) 互助による送迎サービスの運営2つ目は,住民がドライバーを担い,地域主体で送迎サービスを運営する方向性である.前述したとおり,対象地域は交通空白地に該当しないため,自家用有償旅客運送制度に基づく運用はできないが,代替案として道路運送法の許可・登録を要しない,互助による輸送(地縁サポート)が考えられる.
もともと無償での輸送(ボランティア輸送)については道路交通法の規定範囲外であるが,「高齢者の移動手段の確保に関する検討会」での中間とりまとめを受けて,ボランティア輸送の位置づけが整理された.これにより収受可能な対価の範囲が明確化され,具体的にはガソリン代等の実費のほかに仲介手数料の受取が可能であることが明示された.そのため,営利を目的としない輸送サービスであれば,道交法に抵触することなく輸送サービスの運用が可能となった.この場合,協力ドライバーの確保や安全担保,運送責任の所在が課題となり,運営を担うNPO等が地域に存在することが条件となる.
(4) 地域特性に基づく外出支援策の検討地域における外出支援策を検討する上で,移動実態や送迎サービスに対するニーズを詳細に調査することが望ましいが,あらゆる地域でそうした調査を実施することは現実的に難しい.
そこで,本研究の示す結果より,地域において外出支援策を検討するための条件について考えてみたい(図10).

世帯構成に基づく外出支援の検討枠組
試論的に,以下の3つを分類条件として設定する.
① タクシーの営業エリア内かどうか
② 高齢者のみ世帯の構成割合
③ 送迎サービスの運用に積極的なNPO等が地域に存在するか
まず,対象地域のように,タクシーの営業エリア内で高齢者のみ世帯の構成割合が比較的低い地域では,これまでの同居家族による送迎サポートとタクシー利用補助の組合せが現実的な支援策となる.その上で,対象地域か近隣に送迎サービスの運営に積極的なNPO等が存在すれば,互助による送迎サービスの運用も検討できる.
次に,タクシー営業エリア内で高齢者のみ世帯の構成割合が比較的高い地域では,タクシー利用補助が有効だが,同時に財源確保が課題となるため,乗合を促すしくみや工夫が求められる.あるいは,ドライバーを住民が担い,オペレーションをタクシー事業者に委託するという方式も考えられる.
最後に,タクシーの営業エリア外で高齢者のみ世帯の構成割合が比較的高い地域では,住民主体で送迎サービスを運用するしか方法がない.互助による送迎サービスを運営するための体制づくりを早急に進めていく必要がある.その際,周辺地域も巻き込みながら協力ドライバーを得ることが求められ,推進役が地域にいるかどうかが肝要となる.
本稿では,都市近郊の農村集落を対象に,高齢者(75歳以上)の移動実態を把握し,望ましい外出支援策について考察した.結果をまとめると以下のようになる.
まず,実態として,(1)免許の保有者と非保有者では主な移動手段が異なっており,非保有者では買物と病院以外で送迎依頼が減っていること,また,(2)対象地域におけるコミュニティバスの利用は少ないことが確認された.これらは既往研究でも同様に指摘されており,妥当性が高い結果であるといえる.
次に,対象地域では免許の非保有者が送迎を依頼する相手について,多くが家族に依頼していることが分かった.また,(3)ドアツードアの送迎サービスについて,本人の免許の保有状況よりも送迎を依頼できる同居家族の有無が利用意向に影響する傾向が示唆された.
結果をふまえて,地域特性として世帯構成に注目した外出支援策の枠組を提示した.これは,移動実態に関する詳細な調査の実施が困難な地域において,おおまかな外出支援策の方向性を検討できる可能性を持つ点で有用な知見になると考えている.
より良い外出支援策の検討に向けては,同乗を依頼される家族への聞き取り調査が複合的に実施されることが望ましい.これらは今後の課題としたい.
本研究は,公益財団法人トヨタ財団2018年度国内助成プログラム(D18-LR-0065)およびJSPS科研費 JP19K15927の助成を受けて実施した.また,調査の実施にあたり,特定非営利法人チョロギ村および神前ふるさとを守る会の皆様,また調査に応じていただいた住民の皆様には多大な協力を得た.記して感謝申し上げる.