2015 Volume 2015 Pages 99-122
2014年の朝鮮民主主義人民共和国(本章では以下,「朝鮮」と略し,南北関係については「北側」とする)では,軍隊,党組織,国家機構の頂点に立つ金正恩が国防委員会第一委員長に再任され,政治体制の安定性を見せた。
南北関係については,韓米合同軍事演習の実施や南側のミサイル開発に対して,ミサイル演習をはじめとする軍事演習で牽制する一方で,仁川での第17次アジア競技大会への参加をきっかけに政治対話を進めようとしたが,海上での小競り合いや南側の団体によるビラ撒布などのため,進展を見せることができなかった。
経済については,食糧難から一応脱却し,国家予算報告から読み取るところでは工業生産も順調に伸びている。また,農場や企業での経営改革も広がりを見せている。
対外関係については,ロシアとの関係強化が印象的であり,一方,中国との関係は,中国の反腐敗運動によって,朝鮮が強い関係を築いてきた中国の軍隊や公安部門の関係者が失脚したことから,疎遠になった。また,アメリカとの関係には進展が見られない一方,日本とは,拉致問題に関して朝鮮で「特別調査委員会」が立ち上がり,日本が経済制裁を一部解除するなどの動きがあった。
朝鮮においては,金正恩が朝鮮労働党では中央委員会第一秘書(第一書記)および中央軍事委員会委員長として,国家機関では国防委員会第一委員長として,そして軍隊では人民軍最高司令官として最高の地位にある。うち国防委員会第一委員長の職位は,金正恩が2013年4月の最高人民会議第12期第5次会議で選出されたものであるが,最高人民会議の代議員に選出されたことはなかった。もちろん,最高人民会議が代議員でない人物を国家の役職に就けることについて法的に問題はない。しかし,2014年は2009年の第12期代議員選挙から5年目に当たり,第13期代議員選挙の年であった。金正恩にとっては人々から選ばれるという形式を整えるべき年であった。
1月7日に選挙の日程が公示され,15日までに行政区画ごとの選挙委員会と軍事部門の選挙委員会が組織された。選挙区は全部で687個あり,うち行政区画ごとの選挙区は625個,軍事部門の選挙区は62個であった。1998年の第10期代議員選挙から2009年の第12期代議員選挙までは選挙区の番号のみが公表されたが,今回は選挙区名も公表された。行政区画ごとの選挙区には当該地方の名前が付けられ,軍事部門の選挙区には国内にある山や川の名前が付けられた。各選挙区には1人ずつの候補者が立てられ,金正恩は2月19日に軍事部門の選挙区である第111号白頭山選挙区で代議員候補者として登録された。3月9日に投票が実施され,11日に,有権者の97.97%が投票に参加してその100%が賛成に投票したという選挙結果が発表され,金正恩も正式に代議員になった。そして,4月9日の最高人民会議第13期第1次会議で国防委員会第一委員長に再就任した。選挙から会議までの過程は金正恩を頂点とする政治体制の安定性を見せるものであった。
国家機構の人事異動4月9日に開かれた最高人民会議第13期第1次会議では,外交上の国家元首の役割をする最高人民会議常任委員会委員長に金永南が再任され,国防委員会と内閣のメンバーについても選挙が行われた。
国防委員会のメンバーのうち副委員長については,これまで1998年に就任した李用茂,2009年2月に就任した呉克烈という2人の長老格の軍人が留任し,2012年から人民軍総政治局長を務める崔龍海が委員から昇格して加わった。委員については,2011年に就任した朴道春(党秘書,軍需工業担当と推定される),2012年に就任した金元洪(国家安全保衛部長),2013年に就任した崔富日(人民保安部長)が留任し,2013年から人民武力部長を務める張正南と,第二経済委員会委員長であると推定される趙春龍が新たに就任した。軍長老とともに,人民軍総政治局,人民武力部,保安部門,党中央委員会軍需工業部門,軍需工業部門の責任者という金正日時代からの国防委員会の構成は維持されたようである。
軍事部門では,最高人民会議第13期第1次会議の後,4月26日に,人民軍総政治局長が崔龍海から黄炳瑞に交代し,6月には人民武力部長が張正南から玄永哲に交代した。9月25日に開かれた最高人民会議第13期第2次会議では,崔龍海と張正南が国防委員会委員の職を解任され,黄炳瑞が副委員長に,玄永哲と航空・反航空軍司令官の李炳哲が委員に追加された。軍種の司令官が国防委員会委員に就任するのは金正日時代以降初めてのことであるが,李炳哲は12月に司令官の職を退き,党中央委員会の第一副部長の職に移った。党中央委員会での部署は公表されていないが,党組織指導部で人民軍の政治幹部の人事を担当する席,すなわち黄炳瑞の後任であろうと推定される。
内閣については,2013年に就任した朴鳳柱総理が留任した。副総理の盧斗哲(国家計画委員会委員長兼任),李茂英(化学工業相兼任),李哲万(農業相兼任),金勇振(前・教育委員会委員長)も留任し,今後の計画経済の運営に大きな変更がないことを示した。副総理には,この最高人民会議第13期第1次会議の後,4月30日付で金徳勲(前・慈江道人民委員会委員長,元・大安重機械連合企業所支配人),5月22日付で任哲雄(元・鉄道省参謀長),6月19日付で崔英建(前・順川セメント連合企業所支配人)が追加された。
3年4カ月ぶりに離散家族再会が実現金正恩は1月1日の「新年辞」で,「北と南の間の関係改善のための雰囲気作り」を進めなければならないと述べた。16日に北側の国防委員会は南側の政府に対して,双方が旧正月に当たる1月30日に誹謗中傷を停止すること,軍事的敵対行動を全面中止すること,核戦争を防ぐための措置をとることを提案した。北側がとくに南側に強く求めたのは,南側全土で実施される韓米合同軍事演習「キーリゾルブ」と「トクスリ」の中止であった。24日に国防委員会は,一方的に最前線地区での誹謗中傷を中止したこと,南北が互いに異なった境界線を主張する西海5島の水域で「相手を刺激するすべての軍事的敵対行動」を全面的に中断したと発表した。そして,2月3日に北側は南北離散家族の再会のための赤十字実務協議を開くよう提案した。南側はこれに応じ,5日に板門店で赤十字実務協議が開かれ,離散家族再会事業を20~25日に実施することで合意した。
ただし,北側は誹謗中傷の中止に関しても成果が欲しかったようである。6日,北側は国防委員会政策局代弁人を通じて,南側の誹謗中傷の停止がなければ,離散家族再会の合意を考慮せざるをえないと警告した。12日と14日に朝鮮労働党統一戦線部の元東淵副部長と青瓦台(韓国大統領府)の金奎顯国家安保室一次長兼国家安全保障会議事務処長が協議し,双方が誹謗中傷を停止すること,離散家族再会事業を予定どおりに進めることで合意した。これにより20~25日に金剛山地区で離散家族再会が3年4カ月ぶりに実現した。
韓米合同軍事演習に対抗するミサイル演習南側では2月24日に韓米合同軍事演習「キーリゾルブ」と「トクスリ」が開始された。「キーリゾルブ」は3月6日まで,「トクスリ」は4月18日までの実施であった。「トクスリ」の一環として実施された3月27日~4月7日の上陸訓練「雙龍」は21年ぶりの最大規模の上陸演習であった。
朝鮮人民軍は,まず「キーリゾルブ」「トクスリ」の開始に合わせて,2月21日~3月4日に,東海岸で戦略軍のミサイル発射訓練を実施した。16日,23日にも東海岸で短距離ミサイルが発射されたことが韓国軍に捕捉された。26日には東海岸に中距離ミサイルが発射され,日本政府が,航行制限区域の事前設定や各国の関係当局への通知を行っていないことを非難した。31日には,韓国軍に通告のうえ,西海岸で金正恩の直接指導の下,海岸砲や放射砲の発射演習が実施されたが,発射された砲弾の一部が,南側が境界線であると主張する「北方限界線」の南に着弾し,韓国軍が対応射撃を実施したという緊迫した状況もあった。
ただし,「キーリゾルブ」「トクスリ」が行われている最中の3月23日~4月1日に,多くの連合部隊(師団,旅団)指揮官たちが北方の両江道にある白頭山地区革命戦跡地の踏査行軍に出ていた。4月1日には金正恩が当地を訪問して,指揮官たちを激励した。このとき人民軍第507軍部隊の部隊長や第230軍部隊の政治委員,第858軍部隊の部隊長が参加していたが,第507軍部隊は前線中部の第5軍団管下の部隊であり,第230軍部隊は黄海南道前線の部隊,第858軍部隊は平壌近郊の飛行部隊である。前線の師団・旅団級陸上部隊や首都近郊の飛行部隊の責任者が部隊を離れて政治行事に参加していたことから,人民軍部隊には特別な緊張感はなかったといえる。
むしろ緊張したのは韓国軍のほうであった。3月24日にソウル北方の坡州に正体不明の無人機が墜落,31日にも西海の白.島に無人機が墜落した。4月3日,韓国国防部は,坡州の無人機で撮影された写真の分析結果を発表し,無人機は北側から飛来した可能性が高いと述べた。さらにこの日の『朝鮮日報』に無人機が青瓦台を撮影した写真が掲載され,南側の社会に衝撃を与えた。一方,14日,北側は無人機に関して「国防委員会検閲団真相公開状」を発表し,北側のものであることを強く否定した。
軍隊の引き締め南側で「トクスリ」が終わった後,4月25日,金正恩は東海岸の人民軍第681軍部隊管下砲兵区分隊の砲射撃訓練を指導した。この日は建軍記念日であった。第681軍部隊はもともと砲兵司令部(現・火力指揮局)直属の部隊であり,第313軍部隊(第1軍団)に移管された連隊であった。この部隊は,砲兵司令部直属の部隊であったときに先代の最高指導者金正日が2度訪問した精鋭部隊であった。
しかし,この日,この第681軍部隊管下の砲兵区分隊は,金正恩の抜き打ちの訪問と訓練命令に対してうまく対応することができなかった。金正恩は訓練規律の弛緩に強い危機感を覚えたようである。その日のうちに,軍団指揮部で軍団長以下69人が2階級降格,連隊で連隊長以下98人が2階級降格の処分を受け,さらに砲兵区分隊の解散が言い渡された。
翌26日の『労働新聞』や朝鮮中央テレビなどの公式メディアは,砲兵区分隊の失態について金正恩が,その原因として部隊党委員会の活動の不備を指摘したことを報じた。この26日に金正恩は党中央軍事委員会拡大会議を招集した。この会議に関する『労働新聞』4月27日の報道では,会議では軍隊の強化に関する問題と人事問題が扱われ,前者に関して,金正恩がとくに人民軍の政治機関の機能と役割を向上させることについて言及したことが報じられた。後者の内容は報じられなかったが,後の報道で,人民軍総政治局長が崔龍海から黄炳瑞に交代することであったことが明らかになった(『労働新聞』4月28日および5月3日)。
人民軍総政治局は軍隊内の党委員会の活動に関する業務を担当する機関であった。黄炳瑞は2010年9 月に中将,2011年4 月に上将の階級を与えられているが,日常の職責は党組織指導部副部長であった。党組織指導部には軍隊の部隊政治委員,政治部長に関する人事権があり,黄炳瑞は党組織指導部のなかで軍隊を担当する立場にあったことがわかる。黄炳瑞に期待されている役割は軍隊の政治幹部に対する統制の強化であるといえる。一方,人民軍総政治局長を解任された崔龍海は,元の職責であった党秘書に戻った。
圧力と対話「キーリゾルブ」「トクスリ」が実施されているなか,南側は3月23日に射程500キロの弾道ミサイルの発射実験に成功し,4月4日にこれを発表した。同4日,聯合ニュース(韓国)は韓国軍当局者の話としてこのミサイルが2015年から実践配備に入ると報じた。500キロは北側の全域をカバーすることになる。さらに,5月20日には西海で南北の艦船が,死傷者を出さなかったものの,発砲する事件が発生し,軍事的な緊張が高まった。北側はミサイル演習をはじめとする軍事演習を断続的に続けることに並行して,南側との対話を進めようとした。
軍事演習に関しては,6月26日,29日,7月9日,26日,8月14日に金正恩の直接指導の下にミサイル演習が実施された。とくに6月26日と8月14日の演習には軍需工業部門や兵器開発部門からの参加があり,「最先端水準で新たに開発された超精密化された戦術ミサイル」の試験発射であったと発表された(『労働新聞』6月27日および8月15日)。
対話に関しては,5月23日に朝鮮オリンピック委員会が,南側の仁川で9月19日~10月4日に開かれる第17次アジア競技大会への参加を表明し,さらに,6月30日に国防委員会が,双方のすべての誹謗中傷とこれに関連したすべての心理的暴力行為を7月4日に全面中止することを提案した。後者に対して南側は提案自体を拒否したものの,提案が対話に乗り出すシグナルであることは理解していた。
7月7日,北側は,仁川での競技大会に選手団だけではなく,応援団も送ると発表し,17日に板門店でこれに関する実務会談が開催されたが,南側が応援団の規模や持参する国旗の大きさを問題にしたことで,合意には至らなかった。しかし,『労働新聞』8月12日に,金正恩が第17次アジア競技大会に参加する女子サッカーの国家総合チームの競技を指導したことが報道されたように,北側は競技大会に参加すること自体を諦めたわけではなく,南側との水面下での協議は続けられていた。8月28日に,朝鮮オリンピック委員会は,仁川にオリンピック委員会代表団と150人の選手団を派遣するが応援団は派遣しないと発表し,9月16日に金英勲体育相を団長とするオリンピック委員会代表団と選手団は平壌を出発し,19日からの競技大会に参加した。
競技大会終了の1日前である10月3日,仁川にいたオリンピック委員会代表団が韓国統一部関係者に対して,黄炳瑞人民軍総政治局長,崔龍海党秘書兼国家体育指導委員会委員長,金養健党統一戦線部長が閉会式に出席すると通告した。4日,黄炳瑞らは仁川空港に到着し,南側の金寛鎮青瓦台国家安保室長,柳吉在統一部長官と会談した。この会談で,2月に行われた元東淵党統一戦線部副部長と金奎顯国家安保室一次長兼国家安全保障会議事務処長との「高位級接触」に続いて,第2次高位級接触を実現するための実務協議に入ることが合意された。
しかし,10月7日,西海延坪島付近で南側の海軍が,北側の警備艇1隻が北方限界線を侵犯したとして警告射撃を行い,互いに射撃するという事態が発生した。続いて,10日,南側の漣川で自由北韓運動連合など脱北者を中心とした団体が北側に向かってビラを撒布した。こうした問題を巡って15日に板門店で金英鉄人民軍偵察総局長と柳済昇韓国国防部国防政策室長との緊急協議が開かれた。北側は,互いに相手側が主張する境界線を越えないこと,故意の敵対行為でない場合に射撃しないことなどを提案し,さらにビラ撒布を防ぐことを南側に要求した。南側は,北側の提案を拒否し,民間団体のビラ撒布を統制することができないと述べ,協議は決裂した。11月15日,北側は,南側の「反共和国対決騒動」が続く限り,関係改善も対話も接触も望まないとの立場を発表した。
2014年元旦に,金正恩は「新年辞」を発表し,2014年の課題として「強盛国家建設のすべての戦線での飛躍」を掲げ,経済に関して,最初に,農業,建設,科学技術の3部門に関して「革新の烽火」をあげること,続いて「先行部門,基礎工業部門」とされる金属,化学,電力,石炭,鉄道運輸で「革新の嵐」を引き起こすことを強調した。これらの部門への投資を強化する党の方針は国家予算に反映された。
4月9日に開催された最高人民会議第13期第1次会議では崔光進財政相によって国家予算報告が発表された。ただし,2005年実績以降,国家予算の金額は公表されておらず,今回も発表されなかった。また,2009年末にデノミを伴った貨幣交換が実施されたが,2010年以降,増加率などの数値にどのような物価調整が施されたのかも不明なままである。2013年国家予算収入は計画の101.8%執行,前年より6.0%増であったと発表された。一方,国家予算支出は計画の99.7%執行,前年より5.6%増であったと発表された。国家予算は計画段階で収支が均衡するよう策定されるため,2013年国家予算収支は予算収入(=支出)計画の2.1%相当の黒字を出したことになる。黒字の決算は2008年から続いている。
2013年収入実績について,項目に関する数値はいっさい発表されなかったが,収入計画を超過達成していることからみて,項目別にも基本的に計画が達成されたと見られる。2012年から工業総生産の伸び率が発表されていないが,経験的に国家予算収入総額の7割ぐらいを取引収入金(企業,団体が生産する製品にかかる取引税に相当)と国家企業利益金(企業の法人税に相当)が占めており,その大部分は工業部門からのものであるため,工業総生産もそれなりに伸びていると推定される。
2013年支出実績については,支出総額のうち経済部門に対する投資である人民経済発展資金が45.2%,生活関連の支出である人民福利増進資金が38.8%,国防費が16.0%であったことが発表された。この配分は2012年とほぼ同じ水準である。
2014年国家予算収入計画については収入総額が4.3%増と策定され,2013年実績から見ると若干控えめに策定されている。収入計画では取引収入金が4.5%増,国家企業利益金が7.9%増,協同団体利益金(農場などの協同団体の法人税に相当)が4.8%増,不動産使用料が9.5%増,社会保険料が5.1%増,財産販売・価格偏差収入(施設・設備などの販売に関する譲渡所得税に相当)が2.4%増,経済貿易地帯収入が5.1%増と策定されている。うち,経済貿易地帯収入とは経済特区での外国人企業や合弁企業,合作企業にかけられた税金であると考えられる。2015年1月に発表されたところでは,2014年国家予算収入の実績は計画の113%とのことであり,17.9%増であることがわかる。
一方,2014年国家予算支出計画については支出総額が6.5%増と策定された。項目に関しては,農業,畜産,水産に5.1%増,基本建設に4.3%増,科学技術に3.6%増,先行部門と基礎工業部門(石炭,電力,金属,鉄道運輸,化学)と軽工業に5.2%増,教育部門に5.6%増,保健部門に2.2%増,社会保険・社会保障部門に1.4%増,体育部門に17.1%増,文化部門に1.3%増となること,国防費に支出全体の15.9%が配分されることが発表された。「新年辞」で言及された部門の予算はすべて増額になっていること,国防費の負担は依然重いことがわかる。
食糧難から一応の脱却2014年5月27日に社会科学院の李基成教授が在日本朝鮮社会科学者協会の研究者に示した2013年1~12月の穀物生産高は562万4000トンであり,前年より32万6000トン増加したとのことであった(文浩一「『圃田担当責任制』に関する暫定的理解」『朝鮮農業の今――新しい経営管理とその実際』[社協ブックレットNo.022]在日本朝鮮社会科学者協会中央常任理事会 2014年)。また,10月3日には,モスクワの「ロシアの声」放送(朝鮮語)が,国連食糧農業機関(FAO)駐朝鮮事務所の話として,朝鮮の2014年の穀物収穫量が600万トンに達する見込みであり,3~4年後に食糧の自給自足が可能になるであろう,政府は1人1日当たり400グラムの穀物配給を573グラムに引き上げる計画であると報道した。573グラムは政府のもともとの目標であり,政府は食糧難を一応克服したと判断したとい える。
政府は,2014年にはFAOなどの国連機関に食糧支援を求めることもなく,国連機関による食糧状況に関する現地調査も実施されなかった。ただし,ロシアから支援食糧5万トンが贈られるなど,友好国からの支援はまだ必要な状態にあるようである。2014年の穀物収穫見込みは控えめに修正され,12月23日の「ロシアの声」放送(朝鮮語)は,金知錫収買糧政省副相が571万トンで2013年より5万トン増加したと発言したことを報じた。
経営改革の推進と経済特区の増設穀物生産増加の背景には,農場で生産を請け負う単位を小さくした圃田担当責任制が2012年6月から試験的に導入され,2013年には全国的な導入が始まったことがある。金正恩も2014年2月6~7日の全国農業部門分組長大会に送った書簡で,圃田担当責任制を実施したことについて言及した。大会では,价川市龍鎮協同農場分組長と信川郡セギル協同農場分組長が圃田担当責任制を実施したことについて言及した。そして,『労働新聞』12月27日には,圃田担当責任制を実施した平壌市,咸鏡北道,慈江道のほか江原道の淮陽郡,平安南道の温泉郡,粛川郡,平城市,徳川市,咸鏡南道の咸興市などの例が紹介された。
経営改革は工業部門でも実施されている。企業に対して,収益の使用用途,国家計画外の生産契約締結,製品の開発,価格設定,外国との貿易,合弁や合作契約に関する制限を撤廃するといった経営改革は,「われわれ式の経済管理方法」と呼ばれ,2012年から試験的に導入され,2013年4月から多くの生産企業に適用されている。金正恩は2014年5月30日,党・国家・軍隊機関の責任幹部たちに対して,「社会主義企業責任管理制」という言葉で経営改革について語り,企業に「実際的な経営権」を持たせるようにすることを指示した(東洋経済新報社が入手して2015年1月11日に『東洋経済』ウェブサイトで原文を公表した金正恩「現実発展の要求にあわせてわれわれ式経済管理方法を確立することについて――党・国家・軍隊機関責任幹部たちと行った談話2014年5月30日」)。この5月30日談話は,公式メディアには発表されなかったが,経営改革を内閣の管下の企業だけではなく,党機関や軍隊の管下にある企業にも及ばせようとしている金正恩の意図を示している。
一方,2013年に引き続き,2014年にも地方が主導権を持つ経済開発区が新たに6カ所設置された。7月24日発朝鮮中央通信は,最高人民会議常任委員会3日付政令で,平壌市に恩情尖端技術開発区,黄海南道に康.国際緑色試範区,南浦市に進島輸出加工区,平安南道に清南工業開発区と粛川農業開発区,平安北道に青水観光開発区が設置されたと発表した。また,既存の経済特区に関しても,6月12日発朝鮮中央通信は,元山=金剛山国際観光地帯を設置する最高人民会議常任委員会11日付政令を発表した。これは,2002年に南北共同事業の金剛山観光地区として設置されて2011年に名称を金剛山国際観光特区に変更して海外からの投資を受け入れるようになったものであったが,その領域が元山付近まで拡大したことを示したものである。7月24日発朝鮮中央通信は,最高人民会議常任委員会23日付政令で,2013年11月21日に新義州市の一部に設置した経済特区が「新義州国際経済地帯」と命名されたことを発表した。経済開発区のうち,平安北道の青水観光開発区は中国遼寧省と丹東市政府,丹東海外旅行社有限会社の協力によって,2014年10月30日に観光開通式を開いて事業に乗り出した。
金剛山観光事業に復活の兆し政府間対話は途切れたものの,開城工業地区での南北共同事業は続けられており,また,2008年以来中断されている金剛山観光事業も復活の兆しが見えてきた。南側の統一部は,11月16日,金剛山観光事業を担ってきた現代グループの玄貞恩会長,現代峨山の趙建植社長が北側を訪問することを承認した。18日,玄貞恩,趙建植は金剛山に入り,北側のアジア太平洋平和委員会の元東淵副委員長(党統一戦線部副部長)らとともに観光事業開始16周年行事に参加し,事業の再開に強い期待を見せた。
一方,南北とロシアとの試験プロジェクトも実施された。これは,南側のポスコ,現代商船,韓国鉄道公社とロシア・朝鮮の合弁会社「羅先国際貨物輸送合営会社」(Transkontrans)によるもので,ロシアの石炭を,羅津港を通じて南側の浦項に輸送するというものであった。11月24日に,西シベリア産の有煙炭4万5000トンが鉄道でウラジオストックとハッサンを経て羅津に到着,羅津で中国船籍の貨物船に積まれて,27日夜,南側の浦項に向けて出港し,28日早朝浦項に到着した。
ロシアの極東開発の進展に伴って,朝鮮とロシアの経済関係は深まってきている。2012年9月17日に締結された債務調整協定がロシア下院で2014年4月18日に承認され,5月5日にプーチン大統領が批准したことで,ロシアの行政機関や企業は朝鮮との経済事業を進めやすくなった。6月5日,李龍男貿易相(6月18日から対外経済相)がウラジオストックでガルシカ極東発展相との間で,ロシアと朝鮮との間の貿易決済をルーブルで行うこと,朝鮮がロシアの投資企業家に対して,数次ビザ発給,インターネット,電話の利用などの有利な環境を造成することを決定した。
10月21日,東平壌駅で梓洞駅=江東駅=南浦駅間鉄道改建工事の着工式が行われたが,ここにガルシカ極東発展相やモストビック科学生産連合体のオレグ・シショフ総社長が出席した。シショフ総社長は,前日の20日,この着工式が,ロシアが朝鮮で実施する鉄道建設・近代化改建計画である「ポベダ」(勝利)計画の始まりであると発表した。シショフによると,近代化が必要な鉄道7000キロのうちまず急がれる3500キロの近代化にとりかかる,ロシアの投資総額は250億ドルで10回に分割する,「ポベダ」計画の完成には12年かかる見込みであるとのことである。
さらに,11月17~24日に,金正恩の特使として崔龍海党秘書が,金桂冠外務省第一副相,努光哲人民軍副総参謀長,李永哲党国際部副部長,李光根対外経済省副相らを連れて,ロシアを訪問した。18日に崔龍海らはプーチン大統領と会見し,2015年に政治,経済,軍事などすべての分野で交流と接触をよりいっそう深化させる意志を確認した。20日に崔龍海はラブロフ外相と会談し,2015年のロシア大祖国戦争勝利70周年に関する共同慶祝行事や,2008年以来中断している6者会談(朝,米,中,ロ,韓,日による6カ国協議)の再開準備に関して協議した。
関係強化の動きが目立つロシアとの関係に比べて疎遠になったのが中国との関係であった。2014年には,3月17~21日に中国の6者会談の責任者である武大偉朝鮮半島問題特別代表が来訪,6月27日に平壌で中国政府との元汀=圏河間の新たな国境橋の協同建設と管理・保証に関する協定が締結されるなどの動きがあったのみである。例年行われている軍隊や保安部門の人物の往来は発表されていない。これは,中国側で,「反腐敗運動」によって,6月に前・中央軍事委員会副主席の徐才厚が失脚したり,7月に党政治局常務委員・国務委員の周永康が失脚したりするなど,解放軍や公安関係者が処分を受けたり,調査をされたりしているためである。
対話を避けるアメリカ,交渉の入り口に来た日本アメリカのオバマ政権は,朝鮮側の核兵器の放棄が対話の前提であるとの立場をとっているが,朝鮮に拘留されているアメリカ人の問題には関心を払わざるをえなかった。拘留されているアメリカ人はペ・ジュンホ(2012年11月3日入国,2013年4月10日に15年の労働教化刑宣告),マシュー・ミラー(2014年4月10日入国,9月14日に6年の労働教化刑宣告),ジェフリー・ファウル(2014年4月入国)であった。このうち,ジェフリー・ファウルについて,10月22日,朝鮮側は,オバマ大統領の度重なる要請に応じ,金正恩の特別措置によって釈放すると発表し,アメリカ側も釈放を確認した。さらに,11月7日,アメリカのクラッパー国家情報局長が大統領特使として来訪し,8日,ペ・ジュンホとマシュー・ミラーの2人とともに帰国した。こうした接触はあったものの,アメリカは対話の再開には否定的であった。
さらに,11月25日,アメリカで朝鮮の最高指導者を擬した映画を配給したソニー・ピクチャーズ社のコンピューターシステムが24日にハッキングによってダウンしていることが明らかになり,12月19日,連邦捜査局は,朝鮮側が関与していたと発表,オバマ大統領も対抗措置を講じる考えを発表した。これに対して,翌20日,朝鮮外務省は朝鮮の関与を否定した。
アメリカとの対話が始まらない一方で,日本との関係は若干の進展を見せた。3月3日,中国瀋陽で日本人の遺骨返還問題に関する日朝の赤十字会談があったが,この際に,日本外務省が朝鮮側に対して拉致被害者家族の横田夫妻と孫のキム・ウンギョンとの面会を提案した。10~14日にウランバートルで面会は実現した。日朝は3月19~20日にも瀋陽で協議し,5月26~28日,ストックホルムで伊原純一外務省アジア大洋州局長と宋日昊大使との間の政府間会談が実現した。
この会談で,朝鮮側は日本人遺骨および墓地,残留日本人,日本人配偶者,拉致被害者および行方不明者を含むすべての朝鮮域内の日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施するために,特別の権限が付与された特別調査委員会を立ち上げることになった。そして日本側は,その調査が開始される時点で,人的往来の規制措置,送金報告および携帯輸出届出の金額に関して朝鮮に対して講じている特別な規制措置,人道目的の朝鮮籍の船舶の日本への入港禁止措置を解除することになった。
この合意に基づき,7月4日,朝鮮側は,国家安全保衛部の徐大河副部長を委員長とする「特別調査委員会」の権能と構成体系を発表,「特別調査委員会」はすべての日本人に関する調査を開始し,すべての機関を調査すること,必要に応じて機関と関係者を調査事業に動員することができると説明した。これに応じて,同日,日本政府も独自制裁の一部解除を閣議で正式決定した。10月27~30日に,伊原局長が平壌で徐大河委員長や各分科別責任者と面談し,拉致問題が日本にとって最重要課題であることを強調し,迅速に調査を行い,その結果を一刻も早く通報するよう要求した。委員会側からは拉致被害者の安否に関する具体的な通報はなく,「過去の調査結果にこだわらず,新しい角度からくまなく調査を進めていく」「特殊機関に対しても徹底的に調査を行う」との説明があった。
2015年1月1日に金正恩は「新年辞」を発表し,2014年を「党の指導の下に強盛国家建設のすべての分野で最後の勝利を早めるための土台をしっかりと固めて朝鮮の不敗の威力を轟かした輝かしい勝利の年」であったと表現し,軍事力強化や経済成長,経済建設が順調であったことを示した。「新年辞」では,2015年が解放70周年,党創建70周年に当たることが強調され,党の指導力の強化,軍事力の強化に続いて,経済に関する課題が述べられた。経済に関して,まず,科学技術の発展が強調され,次に人民生活の向上に関して,農業,畜産業,水産業が「3大柱」と位置づけられ,軽工業にも言及された。さらに,石炭,電力,金属,化学といった基幹工業部門の発展と鉄道運輸の推進,対外経済関係の多角化や元山=金剛山国際観光地帯をはじめとする経済開発区開発事業の促進,重要建設プロジェクトを完成させることが強調された。このうち,農業,畜産業,水産業に対する「3大柱」という位置づけはこれまでになかったことである。これは,金正日時代から継承されてきた経済政策に対して金正恩が今後徐々に新しい変化を加えていくことを示しているようである。
南北関係について,金正恩は「新年辞」で,「雰囲気と環境が整えられれば最高位級会談もできない理由はない」と述べ,朴槿恵大統領との会談の可能性を示 唆した。2015年には高位級接触の再開などに向けた北側の動きが出てくるものと見られる。
対外関係については,「新年辞」にはアメリカを非難する言葉があるだけであり,対話を避けるオバマ政権への苛立ちが見える。2015年にアメリカとの直接対話や6者会談などが再開する見込みは薄いが,朝鮮はロシア,中国と6者会談再開に関する協議を続けながら,アメリカの出方を待つことになろう。一方,2014年に疎遠になった中国との関係は,中国で「反腐敗運動」が一段落すれば,軍隊や公安関係者との交流が再開し,多方面での活発な交流も進むことになろう。
(地域研究センター研究グループ長)
1月 | |
1日 | 金正恩,「新年辞」を発表。 |
6日 | 金正恩,人民軍第534軍部隊(後方総局)の水産物冷凍施設を視察。 |
12日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第534軍部隊指揮部視察を報道。 |
14日 | 金正恩,国家科学院を訪問。 |
18日 | 金正恩,人民軍第323軍部隊戦術訓練を指導。21日にも。 |
23日 | 『労働新聞』,金正恩の馬頭山革命戦跡地視察を報道。 |
2月 | |
4日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌育児院・愛育院視察を報道。 |
6日 | 全国農業部門分組長大会(~ 7 日)。 |
11日 | 労農赤衛軍指揮成員熱誠者会議。 |
12日 | 『労働新聞』,金正恩の競技用銃弾工場・メアリ射撃館視察を報道。 |
12日 | 北南高位級接触。14日に共同報道文発表。 |
20日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍11月2日工場訪問を報道。 |
20日 | 金剛山で南北の離散家族再会(~25日)。 |
21日 | 戦略軍部隊,火力単位別ミサイル発射訓練(~3月4日)。 |
23日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍1月8日水産事業所建設場訪問を報道。事業所は4月30日に操業開始。 |
24日 | 『労働新聞』,金正恩の松涛園国際少年団野営所視察を報道。 |
24日 | 党第8次思想活動家大会(~25日)。25日,金正恩演説。 |
3月 | |
3日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌弱電機械工場訪問を報道。 |
7日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍第2620軍部隊飛行訓練指導を報道。 |
7日 | ロシアのログビノフ巡回大使,来訪(~10日)。 |
9日 | 最高人民会議第13期代議員選挙。 |
10日 | ウランバートルで拉致被害者家族の横田夫妻とキム・ウンギョン面会(~14日)。 |
11日 | 金正恩,中央動物園を訪問。 |
12日 | 『労働新聞』,金正恩の軍事学校教職員射撃競技指導を報道。 |
17日 | 『労働新聞』,金正恩の党中央軍事委員会拡大会議指導,軍種・軍団級単位指揮成員射撃競技指導,人民軍航空・反航空軍第188軍部隊飛行訓練指導を報道。 |
17日 | 中国の武大偉特別代表,来訪(~21日)。 |
19日 | 『労働新聞』,金正恩の金正淑海軍大学・金策航空軍大学教職員射撃競技指導を報道。 |
20日 | 『労働新聞』,金正恩の「カン・テホが事業する機械工場」訪問を報道。 |
21日 | ロシア・タタール共和国のミンニハノフ大統領,来訪(~22日)。 |
22日 | 『労働新聞』,金正恩の柳京口腔病院・玉流児童病院訪問を報道。 |
24日 | ロシアのガルシカ極東発展相,来訪(~28日)。 |
31日 | モンゴルのバドトルガ工業・農業相,来訪(~4月3日)。 |
31日 | 金正恩,西南前線火力打撃訓練を指導。 |
4月 | |
1日 | 金正恩,三池淵での人民軍連合部隊指揮官決意大会で演説。 |
8日 | 金正恩の指導下で党政治局会議。 |
9日 | 最高人民会議第13期第1次会議。 |
15日 | 人民軍第1次飛行士大会,金正恩開会辞。17日に金正恩,大会参加者と記念撮影。 |
21日 | 『労働新聞』,金正恩の松涛園国際少年団野営所訪問を報道。 |
21日 | 金正恩,人民軍航空・反航空軍第188軍部隊飛行訓練を指導。 |
21日 | ロシア・サハリン州のニコライェフ経済発展省副相,来訪(~25日)。 |
22日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍1月8日水産事業所視察を報道。 |
22日 | ロシア・エネルギー安全センターのフロプコフ所長,来訪(~28日)。 |
24日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第851軍部隊管下女性放射砲兵区分隊砲射撃訓練指導を報道。 |
25日 | 金正恩,人民軍第681軍部隊管下砲兵区分隊砲射撃訓練を指導。 |
26日 | 金正恩,党中央軍事委員会拡大会議を指導,西南海上の主要敵対象物打撃任務担当長距離砲射撃区分隊訓練を指導。 |
28日 | ロシアのトルトネフ副首相兼極東連邦区駐在大統領全権代表,来訪(~30日)。 |
29日 | 金正恩,金正淑平壌紡織工場労働者合宿を訪問。労働者合宿は5月3日に竣工。 |
5月 | |
2日 | 松涛園国際少年団野営所竣工式,金正恩出席。 |
9日 | 金正恩,初の人民軍航空・反航空軍飛行指揮成員戦闘飛行術競技大会を指導。 |
13日 | 平壌市平川区域の住宅建設場で事故。17日に人民保安部長らが謝罪。 |
14日 | 『労働新聞』,金正恩の1月18日機械総合工場訪問を報道。 |
14日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍第447軍部隊訪問を報道。 |
16日 | 第9次全国芸術人大会(~18日)。 |
19日 | 『労働新聞』,金正恩の大城山総合病院視察を報道。 |
21日 | 『労働新聞』,金正恩の金策工業総合大学教育者住宅建設場視察を報道。 |
24日 | 李龍南貿易相,シリアとロシア訪問(~6月6日)。 |
25日 | 『労働新聞』,金正恩の天摩電気機械工場訪問を報道。 |
26日 | 『労働新聞』,金正恩の大館琉璃工場訪問を報道。 |
27日 | 『労働新聞』,金正恩の「ホ・チョリョンが事業する機械工場」(亀城鉱山機械工場)訪問を報道。 |
28日 | 『労働新聞』,金正恩の龍門酒工場訪問を報道。 |
29日 | 『労働新聞』,金正恩の淵豊科学者休養所建設場訪問を報道。 |
6月 | |
1日 | 金正恩,艾島開発を現地指導,平壌育児院・愛育院建設場訪問。 |
5日 | 『労働新聞』,金正恩の大同江果樹総合農場・大同江果物加工工場訪問を報道。 |
10日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌将泉蔬菜専門協同農場訪問,気象水文局訪問を報道。 |
13日 | 『労働新聞』,金正恩の麗島防御隊視察を報道。 |
14日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第863軍部隊視察を報道。 |
16日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍海軍第167軍部隊視察を報道。 |
19日 | 金正恩,5月1日競技場改築現場を訪問。 |
20日 | 『労働新聞』,金正恩の衛星科学者通り建設場訪問を報道。 |
25日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌育児院・愛育院建設場訪問を報道。 |
27日 | 中国と元汀=圏河国境橋協定締結。 |
29日 | 金正恩,東海岸で戦略軍戦術ミサイル発射訓練を指導。 |
29日 | 『労働新聞』,金正恩の葛麻食料工場訪問を報道。 |
30日 | 金正恩,花島防御隊を視察。 |
7月 | |
1日 | 北京で日朝政府間会談。4日発朝鮮中央通信,「特別調査委員会」の構成を発表。 |
2日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍海軍指揮成員水泳能力判定訓練指導を報道。 |
5日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍陸・海・航空・反航空軍島上陸戦闘訓練指導を報道。 |
6日 | 『労働新聞』,金正恩の松涛園国際少年団野営所訪問を報道。 |
7日 | 『労働新聞』,金正恩の熊島防御隊視察を報道。 |
9日 | 金正恩,西部前線打撃部隊の戦術ミサイル発射実験を指導。 |
11日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌国際飛行場航空駅舎建設場訪問を報道。 |
14日 | 金正恩,人民軍第171軍部隊直属民警哨所と軍部隊管下2大隊3中隊を視察,軍部隊の砲実弾射撃訓練を指導。 |
14日 | モンゴル大統領特使としてバトトルガ議員,来訪(~16日)。 |
17日 | 『労働新聞』,金正恩の天鵝浦水産事業所訪問を報道。 |
18日 | 羅津港3号埠頭竣工式。 |
18日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第1521号企業所城川江網工場・樹脂管工場訪問を報道。 |
24日 | 『労働新聞』,金正恩の高山果樹農場訪問を報道。 |
24日 | 朝鮮中央通信,恩情,康.,進島,清南,粛川,青水の経済開発区設置を発表。 |
26日 | 『労働新聞』,金正恩の元山靴工場訪問を報道。 |
26日 | 金正恩,戦略軍ミサイル発射訓練を指導。 |
8月 | |
3日 | 『労働新聞』,金正恩の千里馬タイル工場(旧・大同江タイル工場)訪問を報道。 |
4日 | 金正恩,天池潤滑油工場を訪問。 |
7日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌靴下工場訪問を報道。 |
10日 | 『労働新聞』,金正恩の「チョン・ドンリョルが事業する機械工場」(清川江機械工場)訪問を報道。 |
13日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌育児院・愛育院建設場訪問,金策工業総合大学教育者住宅建設場訪問を報道。 |
14日 | 金正恩,戦術ミサイル試験発射を指導。 |
15日 | 『労働新聞』,金正恩の葛麻食料工場訪問を報道。 |
18日 | 『労働新聞』,金正恩の延豊科学者休養所建設場訪問を報道。 |
21日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第621号育種場訪問を報道。 |
24日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍11月2日工場訪問を報道。 |
27日 | 金正恩,人民軍陸戦兵区分隊の降下・対象物打撃実動訓練(~29日)を指導。 |
30日 | 平壌国際プロレスリング競技大会(~31日)。 |
31日 | 『労働新聞』,金正恩の10月8日工場訪問を報道。 |
9月 | |
11日 | 李洙英外務相,テヘラン,ニューヨーク,モスクワ,ハバロフスク訪問(~10月10日)。 |
16日 | 仁川での第17次アジア競技大会に,オリンピック委員会代表団と選手団,出発。 |
18日 | モンゴルのエルベグドルジ大統領,姜錫柱党秘書と会見。 |
25日 | 最高人民会議第13期第2次会議。 |
10月 | |
4日 | 黄炳瑞人民軍総政治局長,第17次アジア競技大会閉幕式に出席。 |
13日 | 金正恩,衛星科学者住宅地区,国家科学院自然エネルギー研究所を訪問。住宅地区は17日に竣工。 |
16日 | 金正恩,金策工業総合大学教育者住宅を訪問。住宅は18日竣工。 |
19日 | 『労働新聞』,金正恩の第17次アジア競技大会と世界選手権大会で金メダルをとった選手・監督との会見,航空・反航空軍部隊たちの離着陸飛行訓練指導を報道。 |
20日 | ロシアのガルシカ極東発展相,来訪(~24日)。 |
22日 | 『労働新聞』,金正恩の延豊科学者休養所訪問を報道。休養所は24日に竣工。 |
24日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第526大連合部隊(第3軍団)と第478連合部隊の双方実動訓練指導を報道。 |
26日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌育児院・愛育院訪問を報道。育児院・愛育院は27日に竣工。 |
27日 | 日本外務省の伊原純一アジア大洋州局長,来訪(~30日)。 |
28日 | 5月1日競技場竣工,金正恩,競技場で女子蹴球競技を観戦。 |
29日 | 『労働新聞』,金正恩の軍人食堂訪問を報道。 |
30日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍第1017軍部隊,第447軍部隊,第458軍部隊に対する検閲飛行訓練指導を報道。 |
11月 | |
1日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌国際飛行場建設場訪問を報道。 |
3日 | 人民軍第3次大隊長・大隊政治指導員大会(~4日),金正恩演説。 |
7日 | アメリカ大統領特使としてクラッパー国家情報局長,来訪(~8日)。 |
8日 | 『労働新聞』,金正恩の精誠製薬工場訪問を報道。 |
8日 | ロシアのプーチン大統領,玄永哲人民武力部長と会見。 |
11日 | 『労働新聞』,金正恩の中央養苗場訪問を報道。 |
15日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍2月20日工場訪問を報道。 |
17日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第534軍部隊管下総合食料加工工場訪問を報道。 |
17日 | 金正恩の特使として崔龍海党秘書,ロシア訪問(~24日)。 |
18日 | 金正恩,人民軍第567軍部隊(第2軍団)管下18号水産事業所を訪問。 |
21日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍第991軍部隊視察を報道。 |
23日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第572大連合部隊と第630大連合部隊(第11軍団)の連合共同訓練組織指導を報道。 |
25日 | 『労働新聞』,金正恩の信川博物館訪問を報道。 |
27日 | 『労働新聞』,金正恩の朝鮮4・26漫画映画撮影所訪問を報道。 |
28日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍女性追撃機飛行士飛行訓練指導を報道。 |
12月 | |
1日 | 金正恩,人民軍第963軍部隊(護衛司令部)直属砲兵中隊を視察。 |
5日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第1313軍部隊視察を報道。 |
6日 | 『労働新聞』,金正恩の5月9日ナマズ工場訪問を報道。 |
8日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍第458軍部隊視察を報道。 |
13日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍海軍第189軍部隊視察を報道。 |
16日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌子供食料品工場訪問を報道。 |
20日 | 『労働新聞』,金正恩の金正淑平壌紡織工場訪問を報道。 |
23日 | 『労働新聞』,金正恩の平壌ナマズ工場訪問を報道。 |
25日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第2次後方活動家大会参加者との記念撮影を報道。 |
26日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍6月8日農場蔬菜温室訪問を報道。 |
27日 | 金正恩,人民軍の模範的活動家と功労後方活動家に対する国家表彰授与式で演説。 |
30日 | 『労働新聞』,金正恩の人民軍第851軍部隊管下女性放射砲区分隊砲射撃訓練指導を報道。 |