Yearbook of Asian Affairs
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2016 Volume 2016 Pages 79-102

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2015年の朝鮮民主主義人民共和国 36年ぶりの党大会に向けた準備

概況

2015年の朝鮮民主主義人民共和国(本章では以下,「朝鮮」と略し,南北関係については「北側」とする)では,最高指導者の金正恩が先代からの「遺訓」を継承することを強調したのみで,朝鮮労働党や国家の政策に大きな変化が見られることはなかった。内閣の閣僚や軍隊の主要ポストでいくつかの人事異動があったものの,政策や権力構造に変化をもたらすようなものではなかった。政治での大きな変化が見られるとすれば,2016年5月に予定されている党大会以降になる見込みである。

南北関係については,8月の高位級接触で非武装地帯の地雷爆発をきっかけに高まった軍事的緊張が緩和され,民間交流が進められるようになったが,政府間の対話では進展がなかった。

経済については,国家予算報告から読み取るところでは,工業生産が継続して伸びていると推定される。農業に関しては,干ばつの被害が報道されたものの,年間を通しての穀物生産は2014年の水準に達するものと見込まれている。

対外関係については,ロシアとの関係強化が経済,司法,軍事などの協定の締結によって引き続き進められた一方,中国との関係強化に関しては,党創建記念日に中国共産党政治局常務委員の劉雲山書記を招待して友好関係をアピールすることができたものの,功勲国家合唱団・牡丹峰楽団の中国公演が取り消しになったことで,白けた雰囲気になった。一方,アメリカや日本との関係では改善に向かう動きはなかった。

国内政治

遺訓の強調

朝鮮においては,金正恩が朝鮮労働党では中央委員会第一秘書(第一書記)および中央軍事委員会委員長として,国家機関では国防委員会第一委員長として,そして軍隊では人民軍最高司令官として最高の地位にある。金正恩は当初から初代最高指導者の金日成と2代目の金正日の思想と政策を継承することを強調している。金正恩は2015年1月1日に発表した「新年辞」で,2015年が1945年8月15日の解放から70周年,1945年10月10日の党創建から同じく70周年に当たることを強調した。祝賀行事は,2月10日に開かれた党政治局会議で党創建慶祝閲兵式および平壌市民示威行進として実施されることになった。金正恩は,10月10日の創党記念日に先立ち,10月4日付の文書「偉大な金日成,金正日同志の党の偉業は必勝不敗である」を発表したが,この内容は先代指導者の「遺訓」を貫徹することを強調したもので,とくに新しい内容を盛り込むことはなかった。

創党記念日に実施された閲兵式で金正恩は演説したが,この内容も「金日成・金正日主義」の固守を強調したもので,新味のないものであった。閲兵式の前半は,当時の装束と装備を身に付けた「抗日武装闘争時期縦隊」「解放後正規武力建設時期縦隊」「祖国解放戦争時期縦隊」が行進し,歴史仮装行列の体を成していた。後半は,各級軍事学校,各軍種・兵種などの行進や飛行部隊の示威飛行,各種砲や機械部隊,戦略ロケットなどの行進が行われたが,戦略ロケットの弾頭の形状が従来のものと異なることのほかには,2012年に行われた金日成生誕100年慶祝閲兵式のときと大きな違いは見られなかった。

祝賀行事が終了すると,10月30日に,党第7次大会を2016年5月初めに開催するという党政治局の決定が発表された。金正恩が「遺訓」とは違った新しい政策を打ち出すとすれば,この党第7次大会以降になるとみられる。

国家機構の人事異動

4月9日に開かれた最高人民会議第13期第3次会議では,国防委員会委員の朴道春が解任され,新たに金春燮が委員に補選された。解任された朴道春は2005年から慈江道党責任秘書を務めていたが,慈江道は軍需工場が集中する地域である。2010年9月に朴道春は党中央委員会で重工業および軍需工業を担当する党秘書に転任し,11年4月に国防委員会委員を兼任するようになっていた。今回,国防委員会委員の職は解かれたものの,党秘書の職については何も発表されていないため,継続しているものと推定される。一方,新たに就任した金春燮は2013年に慈江道の党秘書から党責任秘書に昇格していたが,それ以前は平安北道の党秘書の職にあった。慈江道と同じく平安北道も軍需工場が多い地域であり,今回の人事で金春燮は朴道春を引き継いで国防委員会で軍需産業を担当することになったことがわかる。

内閣のメンバーについては,5月に崔英建副総理が銃殺されたとの情報が韓国の8月12日発聯合ニュースで報じられている。崔英建は建設建材工業省副相,順川セメント連合企業所支配人を経て2014年6月14日から副総理の職にあり,同年12月17日の故・金正日3周忌追慕行事に出席したことが報じられて以来,平壌での公式報道に名前が現れなくなっており,この情報の信頼性は高いと判断される。ただし,建設建材工業省や国家建設監督省の人事に大きな変化が見られないことから,こうした部門で大きな政策の変更などはないといえよう。

このほかの閣僚級人事については,財政相が崔光進から奇光浩(前財政省副相)に交代(『労働新聞』4月10日より判明),空席だった軽工業相に崔一龍(前軽工業省副相)が就任(同4月15日より判明),水産相が李赫から姜英哲(前水産省副相)に交代(同5月9日より判明),空席だった首都建設委員会委員長に趙錫浩(元平壌市建設指導局技師長)が就任(同5月13日より判明),逓信相が沈哲浩から金光哲(前中央情報通信局局長)に交代(同10月8日より判明),鉄道相が全吉洙から張赫(前鉄道省第一副相)に交代(同10月26日より判明)したことがわかっている。いずれの場合も新任者が同じ省から昇格したものであり,政治体制の動揺や政策の変更をうかがわせるところはない。

軍事部門での人事異動

軍事部門では2015年に人民軍総参謀部の作戦局長,海軍司令官そして人民武力部長といった重要な職で異動が見られた。

作戦局長は人民軍総参謀部のメンバーのなかでも総参謀長に次ぐ地位であり,第1副総参謀長または副総参謀長を兼任する職責である。2014年に第1副総参謀長兼作戦局長の辺仁善はしばしば金正恩の現地指導に同行していた。同年11月4日に金正恩が人民軍第3次大隊長・大隊政治指導員大会参加者と写真撮影した際に辺仁善は同行していたが,2015年1月7日付『労働新聞』の報道で金春三が第1副総参謀長兼作戦局長の肩書で登場し,交代が判明した。これに関して,ワシントンに本拠を置く自由アジア放送(Radio Free Asia: RFA)が,2014年10月に辺仁善が,西海(黄海)地区で不必要な挑発行為を自制するようにとの金正恩の指示を充分に伝達しなかったとされ,「最高司令官命令不服罪」で同年11月に処刑されたという情報があると2015年1月30日に報じた(RFA 朝鮮語版ウェブサイト,2015年1月30日)。

西海では南北の境界線に関して,北側は海上境界線,南側は北方限界線という異なった境界線を主張しており,しばしば南北の艦船の衝突が発生していた。これに関して北側は2014年1月23日に,西海で「相手を刺激するすべての軍事的敵対行動」を全面的に中断したと発表していた。この発表以後,北側の艦船は南側の主張する北方限界線を越えないようになった。しかし,2014年10月7日に北側の艦艇1隻が北方限界線を越えて,韓国海軍が警告射撃をするということがあった。辺仁善はこの事件の責任を取らされたということであろう。以後,2015年末現在で北側の艦船が意図的に北方限界線を越えることは起こっていない。

辺仁善に代わって就任した金春三も2月16日付『労働新聞』を最後に名前が出なくなった。これに関して,韓国国家情報院は,2015年11月24日の国会情報委員会会議での報告で,作戦局長に第2戦闘訓練局長であった林光日が就任しているという情報を発表した。これらの韓米側の情報は2016年1月5日付『労働新聞』に林光日が第1副総参謀長兼作戦局長として登場したことで裏付けられたが,金春三の更迭の理由は不明である。

海軍に関しては,しばしば金正恩の現地指導に同行していた金明植海軍司令官が2015年1月7日付『労働新聞』の報道を最後に公式報道で名前が出なくなり,海軍政治委員の朴泰洙も2014年12月13日付『労働新聞』の報道を最後に名前が出なくなった。これに関しても,RFAが,この2人が2014年12月に魚雷艇が行方不明になった事件の責任を問われて更迭されたと2015年2月19日に報じた(RFA朝鮮語版ウェブサイト,2015年2月19日)。この情報に関しても,2015年1月31日付『労働新聞』の報道で,許英春が新たな海軍政治委員に就任していることと,副総参謀長の李勇柱が事実上海軍司令官の役割をしていることが報じられたことで裏付けられた。

作戦局,海軍いずれの場合も,最高司令官の金正恩には人民軍全体の部隊管理に欠陥があるように見えたようである。2015年2月23日付『労働新聞』は,金正恩が党中央軍事委員会拡大会議を招集して演説し,「任意の時刻に最高司令部の戦略的企図を実現することができるように機構体系を改編するための方向と方途」を提示したと報じた。ただし,演説の内容は公表されておらず,具体的な施策については不明である。

人民軍に行政上の権限を行使する人民武力部に関しては,人民武力部長の玄永哲が4月24~25日の人民軍第5次訓練活動家大会に出席し,続いて4月27~28日に大会参加者たちのための牡丹峰音楽団公演に出席したことが報じられて以降,公式報道に名前が見られなくなった。これに関して,5月13日に韓国国家情報院が国会情報委員会を通じて発表したところによると,玄永哲は4月24~25日の人民軍第5次訓練活動家大会で居眠りをしたことで摘発され,金正恩の指示に対する不履行,金正恩に対する不満を表出したことなどで反逆罪に問われて,4月30日に平壌順安区域にある姜健総合軍官学校で高射銃によって処刑されたという情報を発表した。この情報に関しては,7月10~13日にラオス人民革命党書記のセンヌアン国防相が来訪した際,11日に朴英植大将が人民武力部長の肩書で会談に出席していることが発表されたことで裏付けられた。

人民武力部長をはじめとする人民軍最高司令部や軍団級指揮官の異動は金正恩が2012年に最高司令官に就任して以来,頻繁に行われており,今回の人民武力部長の処分も金正恩の権威に影響するとは考えにくい。

潜水艦発射弾道ミサイルの試験発射

ミサイルの開発は2012年12月12日に運搬ロケット「銀河-3」に搭載された人工衛星「光明星-3」号2号機衛星の打ち上げと軌道進入に成功したときから加速したようである。2013年には,韓米合同軍事演習「トクスリ」「キーリゾルブ」に際して移動式ミサイル発射台を配備して見せつけた。そして,2014年の同じ時期にミサイル発射訓練を頻繁に実施したうえに,新型の戦術ミサイルの試験発射を実施した。

2015年には,ミサイル開発が地対地の戦術ミサイルから新たな段階に進んだ。反艦船ロケット(艦対艦ミサイル)の開発に関しては,2月6日に東海(日本海)で新型の反艦船ロケットの試験発射が実施され,6月14日に同じく東海で,海軍部隊に実戦配備された新型反艦船ロケット発射訓練が実施され,いずれも金正恩が視察している。戦略潜水艦弾道弾(潜水艦発射弾道ミサイル)の開発に関しては,5月8日に金正恩視察の下に東海で戦略潜水艦弾道弾「北極星-1」の水中試験発射が実施された。

とくに戦略潜水艦弾道弾試験発射の成功はアメリカ本土に対する奇襲攻撃の能力を見せつけることになった。金正恩は開発に関与した国防科学院と軍需工場の関係者たちを平壌の党中央委員会庁舎に呼んで記念撮影をするほどの喜びを表した。11月3日付『労働新聞』は,金正恩が西部前線で4個の反航空部隊(防空部隊)による高射ロケット(地対空ミサイル)射撃訓練を視察したことを報じたが,この視察には国防科学部門の関係者たちも同行しており,この訓練がミサイルの研究開発の一環であったことを示している。

一進一退の南北関係

2014年10月15日に南北の対話が決裂して関係改善の動きは止まっていたが,2015年1月1日に金正恩は新年辞で対話再開の意欲を表明した。北側の動きは,南側の光州で7月3~14日に開かれるユニバーシアード夏季大会について,朝鮮大学生体育協会が参加を申請したことに始まった。3月3日に大会組織委員会が受理すると,北側は,4月12~14日に光州での代表団長事前会議に体育協会の張正男副委員長を派遣するなど,選手団の派遣に向けた準備を進めた。しかし6月19日,朝鮮大学生体育協会は大会組織委員会に,国連の北朝鮮人権事務所がソウルに設置されることなどを理由に挙げて,不参加を通知した。

これと並行して,北側で労働組合のナショナルセンターに相当する朝鮮職業総同盟と南側のナショナルセンターである全国民主労働組合総聯盟および韓国労働組合総聯盟との間で,南北のサッカー大会を実施する準備が進められていた。大会の準備のための代表者会議を北側の開城で開くために,4月27日,全国民主労働組合総聯盟および韓国労働組合総聯盟は韓国統一部に北側を訪問するための許可を申請したが,29日,統一部は不許可を決定した。

南北の交流が進まないなか,8月4日,南側の京畿道坡州市郡内面芳木里の非武装地帯南側に位置する憲兵哨所で地雷の爆発があり,韓国軍下士官2人が負傷するという事件が発生した。韓国軍合同参謀本部は,この事件を北側が軍事境界線を越えて意図的に地雷を埋設したことによるものと判断し,10日,軍事境界線沿いに設置してある拡声器で宣伝放送を行う「心理戦」を11年ぶりに再開した。北側は14日,地雷爆発に関する南側の「北挑発」説を否定して証拠の提示を要求し,翌15日には,拡声器の撤去を要求するとともに,心理戦をやめない場合には軍事行動も辞さないと警告した。

軍事境界線を挟んで南北の軍隊の間の緊張が高まるなか,20日,韓国軍は,北側が砲弾1発を発射したとの理由で北側に対して自走砲による砲撃を行った。この事件に関して,南北の発表には食い違うところがある。韓国軍の発表では,15時52分に北側が京畿道漣川郡中面にロケット砲と推定される砲弾1発を発射したとなっているが,人民軍の主張では,これは韓国軍が砲撃するための「ありもしない口実」となっている。韓国軍の発表では,17時4分に155ミリ砲弾「十余発」で対応射撃を行ったとなっているが,人民軍の発表では,発射された砲弾は「36発」となっている。また,人民軍の発表では,韓国軍の発射した砲弾のうち6発が人民軍542,543民警哨所付近,15発が250,251哨所付近に落下し,被害はなかったということである。なお,北側が発射したという砲弾を韓国軍は回収しておらず,15時52分にあったとされる砲撃の真偽は不明なままである。

韓国軍の「対応射撃」が始まる少し前の17時に,人民軍は西海側の軍事通信線を通じてファックスを送り,南側に対して,48時間内に心理戦を中止するよう要求し,22日17時までに中止されない場合には軍事的行動を開始すると警告した。「対応射撃」を実施した第28歩兵師団を含む韓国軍第6軍団は最高警戒水準である「珍島犬1」に入り,ソウルでは朴槿恵大統領が18時に国家安全保障会議を招集した。平壌では,夜に金正恩が党中央軍事委員会非常拡大会議を緊急招集し,21日17時から前線配備の軍団が「戦時状態」に,前線地帯が「準戦時状態」に入ることを宣布する最高司令官命令を下達した。

前線での戦争に備えると同時に,金正恩は南側との対話の道を探った。21日14時に党秘書兼統一戦線部長の金養健が南側に対して,青瓦台(大統領府)の金光鎮国家安保室長との対話を求めるファックスを送った。南側はこれに対して,金養健ではなく人民軍の黄炳瑞総政治局長との対話を求めるという返答を出し,22日午前に南北の間で,北側から黄炳瑞,金養健,南側から金光鎮に加えて統一部長官の洪容杓が18時に板門店で接触することが決まった。この高位級接触は予定より30分ほど遅れて始まり,24日に共同報道文を作成するに至った。

共同報道文の内容は,(1)当局会談を平壌またはソウルで早いうちに開催する,(2)北側は地雷爆発で韓国軍人が負傷したことに対して遺憾の意を表明する,(3)南側は拡声器放送を25日12時から中断する,(4)北側は準戦時状態を解除する,(5)離散家族再会事業を継続する,(6)多様な民間交流を活性化させるというもので,双方が戦争回避とともに対話と交流に向けて動き出すことになった。ただ,地雷事件に関する「遺憾」について,南側は25日の記者会見で北側が「謝罪」したと発表し,北側は9月2日に「謝罪した」という意味ではないと主張するという食い違いを見せたが,南北ともに合意全体を覆すことはなかった。

この合意によって南北間の交流が進められた。10月20~26日に金剛山地区で南北の離散家族が再会し,29日には,平壌で北側の朝鮮職総と南側の民主労組および韓国労総による南北労働者のサッカー大会が行われた。11月9~10日には,金剛山地区で南北の宗教団体による集会も開催された。一方,当局会談のほうは12月11~12日に,開城工業地区で黄富起統一部次官と全鍾洙祖国平和統一委員会書記局副局長との間で開かれ,北側は金剛山観光再開問題と離散家族問題を解決して諸分野での交流を活性化することを提案した。しかし,南側が金剛山観光問題の討議を拒否したことにより,会談は成果なく終了した。

36年ぶりの党大会開催を決定

朝鮮労働党は1980年10月10~14日に党第6次大会を開催し,そこで改正された党規約で党大会を5年に1度開催する原則を定め,5年後の1985年を目途に次回の党大会を開催する意思を見せていた。そして,当時の最高指導者の金日成は,1983年6月30日~7月7日に来訪したペルー・アメリカ革命人民同盟のアラン・ガルシア書記長に対して,人々の生活を画期的に向上させる展望を開いたうえで党大会を1986年に開く予定であると告げており,当時「後継者」であった金正日も1984年2月16日に党責任幹部たちに行った演説のなかで同様のことを述べていた。しかし,この後,金日成も2代目の最高指導者となった金正日も党大会について言及しなくなった。

2010年9月28日に開かれた第3次党代表者会での党規約の改正において,党大会の条項から,5年に1度開催するという原則が取り払われた。それとともに,党代表者会が党大会の機能を代替することができるということも明文化された。金正恩が党の最高指導者に就任した2012年4月11日の第4次党代表者会でも,これらの条項はそのまま引き継がれた。金日成や金正日が開催の条件としていた経済状況についても,1990年代半ばの飢餓水準は脱したものの,人々の生活が目に見えて改善されるほどには至っていないため,党大会は当面の間は党代表者会によって代替されると,国内外で予想されていた。

生活水準の向上に代わる党大会開催の条件は,軍事と科学技術の分野に求められたようである。とくに軍事に関しては,前述のように艦対艦ミサイルや潜水艦発射ミサイルの開発で成果を見せていた。そして,8月24日の南北の共同合意文発表についても,金正恩は27日に開いた党中央軍事委員会拡大会議で,核兵器を含めた軍事力がもたらした成果であると位置づけた。

核兵器に関しては,2006年の原子爆弾実験からこれまで計3回の実験が実施されたが,これと並行して,核融合の研究も進められており,2010年5月12日には核融合実験の成功が発表されていた。金正恩は2015年12月9日に,兵器工業発祥の地である平川革命事跡地を訪れた際に,水素爆弾の保有について言及した。そして15日に金正恩は,初の水素爆弾実験を進めるよう軍需工業部に対して命令を下達した。

一方では,科学技術に関して,宇宙開発事業に力が入れられ,人工衛星「光明星-3」号を発射した2012年から実施されている宇宙開発5カ年計画が2016年に最終年度に入ることになっていた。2015年5月28日に国家宇宙開発局の白昌豪副局長はAP通信に対して,地球観測衛星の開発を進めていることを明かし,9月14日に兪哲宇局長も朝鮮中央通信で「宇宙開発部門で誇らしい成果が準備されている」と発表した。10月30日に,党第7次大会が2016年5月初めに開催されるという党政治局の決定が発表されたが,これは兵器開発や宇宙開発での成果が生活水準の向上に代わるほどの党の力を示すものになると,最高指導者が判断したことによるとみられる。

経済

国家予算の動向

金正恩は2015年に発表した「新年辞」で経済に関して,真っ先に電力,石炭,金属工業,鉄道輸送という先行部門について述べ,とくに電力に力を入れることを強調した。次いで,人民生活向上に関して,農産,畜産,水産といった食糧関連の部門で革新を起こすこと,軽工業で工場および企業の近代化を進めることを強調した。「新年辞」では,これらに次いで建設,山林復旧,科学技術にも言及があり,これらの部門への投資を強化する方針は2015年の国家予算計画に反映された。

4月9日に開催された最高人民会議第13回第3次会議では,奇光浩財政相が国家予算報告を行った。報告によれば,2014年の国家予算収入は計画の101.6%執行であり,前年より6.0%増加した。国家予算支出は計画の99.9%執行であった。国家予算計画は収入と支出が均衡するよう策定されるため,2014年の国家予算収支は収入(=支出)計画の1.7%相当の黒字を出したことになる。国家予算収入は1998年以来継続して増加していることと,黒字の決算が2008年から続いていることから,経済成長が継続していることがうかがわれる。なお,2005年の報告以降,国家予算の金額は公表されておらず,今回も発表されなかった。また,2009年末にはデノミを伴った貨幣交換が実施されたが,この際に変動した物価水準を勘案した調整が,2010年以降の増加率などの数値にどのように反映されているかも不明である。

2014年の収入実績について,項目別の数値は発表されていないが,収入計画全体を超過達成していることから,基本的に項目別の収入も計画目標を超過達成したとみられる。

2014年の支出実績については,支出総額のうち,経済部門に対する投資である人民経済発展支出が46.7%,教育と保健および体育・文化などの人民生活部門に対する支出が37.2%,国防費が15.9%を占めていたことが発表された。この配分は2012年から大きく変わったところはない。

2015年の国家予算収入計画については,収入総額が前年比3.7%増と,2014年の目標よりも控えめに策定された。項目別の収入計画では,取引収入金(企業,団体が生産する製品にかかる取引税に相当)が2.6%増,国家企業利益金(企業の法人税に相当)が4.3%増,協同団体利益金(農場などの協同団体の法人税に相当)が3.2%増,不動産使用料が0.7%増,社会保険料が2.8%増,財産販売・価格偏差収入(施設・設備などの販売に関する譲渡所得税に相当)が1.4%増,経済貿易地帯収入(経済特区での外国人企業や合弁企業,合作企業にかけられる税金など)が3.6%増と策定されている。経験的に国家予算収入総額の7~8割を取引収入金と国家企業利益金の合計が占めており,その大部分は工業部門からのものであるため,工業生産もそれなりに伸びていると推定される。

2015年の国家予算支出計画は,前年比5.5%増と策定された。項目別の支出計画では,科学技術部門が5%増,農業部門が4.2%増,水産部門が6.8%増,軽工業と先行部門などの工業部門が5.1%増,基本建設部門が8.7%増,山林部門が9.6%増,教育部門が6.3%増,保健部門が4.1%増,体育部門が6.9%増,文化部門が6.2%増と発表され,「新年辞」で言及された部門の支出はすべて増額になっていることが確認される。なお,予算支出総額に占める割合が発表されたのは国防費のみで,前年と同じく15.9%となっている。

食糧と電力

在日朝鮮人紙『朝鮮新報』平壌支局や国連食糧農業機関(FAO)平壌代表部,『週刊東洋経済』での現地取材などを通じて発表された朝鮮の公式統計では,2013年の穀物生産は566万トン,2014年のそれは571万トンであった(『朝鮮新報』朝鮮語版2015年2月18日,FAO平壌代表部2015年6月15日発表,『週刊東洋経済』第6628号[11月14日号])。

2015年には大規模な干ばつが発生し,6月16日発朝鮮中央通信は,6月8日時点で田植えをした44万1560ヘクタール余りの田のうち13万6200余ヘクタールで稲の苗が枯れ,穀倉地帯である黄海南道では田植えをした面積の80%近く,黄海北道では58%近くが干上がった状態になったと伝えた。また,FAOが朝鮮の当局者の話として,7月9日に「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)放送で発表したところでは,7月の1人1日当たり食糧配給量が前月より100グラム減の310グラムになった。さらに,FAOは17日に発表した報告書で,小麦と大麦の生産量が前年比で26%の減産,ジャガイモも24%の減産になるとの予測を発表した。

だが,年の後半になるとコメやトウモロコシなど秋季作物の収穫によって食糧配給量は改善した。FAOは10月20日にVOAに対して,10月の1人1日当たり食糧配給量は380グラムまで戻ったと明らかにした(VOAハングル版ウェブサイト,2015年10月21日)。年末に社会科学院関係者が訪朝者に語ったところによると,2015年の穀物生産は2014年とほぼ同程度になる見込みとのことである。

電力事情に関しては,大型発電所の建設が進んでおり,改善が見込まれている。2015年10月3日に両江道に位置する白頭山英雄青年発電所が竣工し,11月17日に慈江道から平安南道にかけて位置する淸川江階段式発電所が竣工した。淸川江階段式発電所は10個の中小型発電所によって構成されており,合計で12万kWの能力である。一方の白頭山英雄青年発電所は現段階では第1号,第2号の2つの発電所から構成されていること以外,発電能力などは不明である。

対外関係

ロシアとの関係強化

2015年は朝鮮にとって解放70周年でもあり,ロシアにとっても大祖国戦争勝利70周年にあたり,「朝ロ親善の年」とされ,とくに制度的な関係強化が進められた。4月13~17日,盧斗哲副総理がモスクワを訪問して,14日にトルトネフ副首相兼極東連邦区駐在大統領全権代表と,政治,経済,文化などの分野で二国間関係を発展させるために会談した。同14日には,政府間の国際自動車運輸協定,2015/16年度文化・科学技術協力計画書,中央銀行間の協力協定が調印された。

経済に関しては2014年からロシアの対朝鮮経済協力事業「ポベダ」が進行中である。李龍南対外経済相とロシアのガルシュカ極東開発相は何度も互いに行き来しており,2015年10月14日に平壌で政府間の貿易・経済・科学技術協調委員会共同委員会会談録に調印した。エネルギー事業に関しても,12月11日に平壌で許沢電力工業省副相とロシアエネルギー省のイニュチン次官が電力分野に関する協定に調印した。

また,刑事司法に関しても,11月17日,平壌で朴明哲最高裁判所所長とロシアのコノバルフ司法相が刑事事件での相互法律上幇助条約と犯人引き渡し条約に調印した。軍事に関しても,11月12日,人民軍の呉琴哲副総参謀長とロシア軍のボグダノフスキー第一副総参謀長が「危険な軍事行動を防止するための政府間協定」に調印した。

一方で,5月9日のロシアの大祖国戦争(対独戦)勝利70周年式典について,朝ロが噛み合わないところがあった。2014年12月19日に,ロシアのペスコフ大統領報道官は,金正恩宛に大祖国戦争勝利70周年式典への招待状を送ったと発表した。2015年4月22日にもウシャコフ大統領外交担当補佐官が,金正恩の式典参加を準備していると発表するなど,ロシアは強い期待を見せていた。しかし,朝鮮側では外交上の国家元首は国防委員会第一委員長の金正恩ではなく,最高人民会議常任委員会委員長の金永南であった。ロシア側の強い要請にもかかわらず,金正恩は祝電を送るにとどめ,式典には金永南が出席した。

今一つ進まなかった中国との関係強化

近年,中国共産党の反腐敗キャンペーンによって党や解放軍,公安機関の人事に大きな変動があり,これらの部門で中国との強い関係を築いてきた朝鮮の党,軍隊,公安機関は中国側との関係修復に向けて動き出す時期を待っていた。関係修復の第一歩は,北京で2015年9月3日に開催された抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70周年式典であり,この式典には朝鮮労働党政治局委員兼秘書の崔龍海が参加した。

中国からは,10月10日の朝鮮労働党創建70周年に際して,中国共産党政治局常務委員の劉雲山書記が訪朝し,9日に金正恩と会談し,10日の閲兵式に参加した。閲兵式の主席壇で金正恩と劉雲山は手を繋いで見せるなど,内外に朝中の友好関係を演出した。

朝中間での友好の雰囲気づくりに大きな期待が寄せられたのが功勲国家合唱団と牡丹峰楽団の中国親善公演であった。12月9日に,崔輝党宣伝煽動部第一副部長が引率する功勲国家合唱団と牡丹峰楽団は,金己男党秘書,朴春男文化相,朝中親善協会委員長の姜河国保健相,李昌根党国際部副部長,人民軍総政治局副局長の廉哲成陸軍中将,李吉成外務省副相や中国大使館の李進軍大使,張平国防武官に見送られて平壌駅を出発し,北京での公演に向かった。しかし,12日に,北京公演は3時間前に中止となり,牡丹峰楽団は飛行機で,功勲国家合唱団は列車で帰国した。突然の公演中止の理由については,同日発の新華社が「実務者間の意思疎通の欠如」が原因であると発表したのみであり,詳細は不明である。朝中間には白けた雰囲気が出来上がり,友好関係の強化は2016年に持ち越された。

日本やアメリカとの関係改善には進展なし

朝鮮の核放棄を対話の前提条件にしているアメリカのオバマ政権は,2014年11月にソニー・ピクチャーズ社のコンピューターシステムがハッキングによってダウンしたことについて,2015年1月2日に追加の対朝鮮制裁を発表した。朝鮮側は2014年12月20日にハッキングに対する関与を否定していたが,2015年1月4日に改めて関与を否定し,オバマ政権を非難した。

2008年12月から中断している6者会談(朝,米,中,韓,ロ,日による6カ国協議)に関しては,2015年5月27日に日,米,韓3カ国の首席代表による話し合いが持たれ,次いで7月31日に東京で同じく3カ国の次席代表,12月3日にワシントンで再び首席代表による話し合いがあった。しかし,これらの話し合いでは3カ国で朝鮮の「挑発行為」に対する「圧力」をかけることが主に議論され,6者会談再開への道筋をつけることはなかった。

日本政府は拉致問題の解決を日朝間における最優先課題としている。これに関して,朝鮮側は2014年7月4日に「特別調査委員会」を組織して調査を進めることになり,日本政府もこれに応じて対朝鮮制裁の一部を解除していた。この「特別調査委員会」は朝鮮内にいるすべての日本人に関する調査報告を,1年後を目途に出すことになっていたが,朝鮮側は2015年7月2日,「すべての日本人に関する包括的調査を誠実に行ってきたが,今しばらく時間がかかる」と北京の大使館ルートを通じて日本側に伝えた。9月9日に宋日昊朝日国交正常化交渉担当大使は平壌での共同通信のインタビューで,報告書は「ほぼ完成」したが,「日本側と情報を共有し,結果の発表時期などを調整するために時間がかかる」と説明した。この発言は報告書の内容に関する水面下での協議が行われていることを示唆しているが,2015年のうちに報告書の内容が明らかにされることはなかった。

2016年の課題

2016年1月1日に金正恩は「新年辞」を発表し,2015年を「意義深い出来事と驚異的な成果で織り成された壮大な闘争の年,社会主義朝鮮の尊厳と威容を高く轟かせた勝利と栄光の年」であったと表現し,とくに8月の南北間の高位級接触で一触即発の状況を回避したことを高く評価した。そして金正恩は2016年が党大会開催の年であることを強調して「党第7回大会が開かれる今年,強盛国家建設の最盛期を開こう」とのスローガンを提示した。2016年1月6日に初の水爆実験が実施され,2月7日に人工衛星「光明星-4」号が発射されたことで党大会を開催するだけの目に見える軍事的および科学技術的な成果がそろった。

「新年辞」では,真っ先に経済に関する課題に言及されたが,電力,石炭,金属,鉄道輸送といった「先行部門」と農業,畜産業,水産業といった食糧関連の部門および軽工業に力を入れるという従来からの政策が繰り返し述べられただけであった。南北関係についても,「新年辞」では南側の「体制統一」論やアメリカとの「共助」政策を批判するということがこれまで同様になされているだけで,また,対外関係についてもアメリカを非難する言葉があるだけであり,対話を避けたまま任期を終えようとするオバマ政権への失望が現れている。

党と政府は,2016年には対南関係や対米関係,対日関係の改善に積極的に動き出すことよりも,国内で軍事力を強化しつつ,ロシアとの関係強化を進め,中国との関係修復を進めるほうを優先することになろう。

(中川:地域研究センター主任調査研究員)

(柳:日本学術振興会特別研究員)

重要日誌 朝鮮民主主義人民共和国 2015年
  1月
1日 金正恩,新年辞を発表。平壌育児院・愛育院を訪問。
7日 『労働新聞』,金正恩の人民軍前線軍団第1梯隊歩兵師団直属区分隊の無反動砲射撃競技大会指導を報道。
9日 金正恩,平壌市キノコ工場を訪問。
13日 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍指揮部視察を報道。
16日 『労働新聞』,金正恩の江東精密機械工場訪問を報道。
18日 『労働新聞』,金正恩の金杯体育人総合食料工場訪問を報道。
21日 『労働新聞』,金正恩の柳原履物工場訪問を報道。
24日 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍近衛第1航空・反航空師団管下追撃機・爆撃機連隊の飛行戦闘訓練指導を報道。
27日 『労働新聞』,金正恩の人民軍西部前線機械化打撃集団装甲歩兵区分隊の冬季渡河攻撃演習組織指導を報道。
30日 金正恩,元山靴工場を訪問。
31日 『労働新聞』,金正恩の敵上陸目標に対する群衆打撃訓練組織指導を報道。
  2月
2日 『労働新聞』,金正恩の人民武力部機工具展示会場視察を報道。
4日 金正恩,平壌化粧品工場を訪問。
6日 金正恩,新型の反艦船ロケット試験発射を視察。
7日 金正恩,人民軍第597軍部隊(東海艦隊)管下10月3日工場を訪問。
11日 『労働新聞』,金正恩の元山市育児院・愛育院・初等学院・中等学院建設現場訪問を報道。
14日 金正恩,未来科学者通り建設現場を訪問。
14日 人民軍最高司令官命令,人民軍指揮成員の軍事称号を引き上げ。
18日 党政治局拡大会議で金正恩結論。
20日 金正恩,西海で島に対する火力打撃・占領のための演習を組織指導。
23日 『労働新聞』,党中央軍事委員会拡大会議開催と金正恩演説を報道。
27日 『労働新聞』,金正恩の科学技術殿堂建設現場訪問を報道。
  3月
2日 金正恩,人民軍航空・反航空軍第447軍部隊を訪問して植樹。
6日 『労働新聞』,金正恩の平壌市養老院建設現場訪問を報道。
9日 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍第1016軍部隊訪問を報道。
12日 『労働新聞』,金正恩の薪島防御中隊訪問を報道。
14日 『労働新聞』,金正恩の5月27日水産事業所建設現場訪問を報道。
18日 『労働新聞』,金正恩の人民軍漁具総合工場訪問を報道。
20日 『労働新聞』,金正恩の人民軍航空・反航空軍飛行場打撃・復旧訓練視察を報道。
24日 『労働新聞』,金正恩の人民軍魚粉飼料工場訪問を報道。
25日 第7次全国体育人大会,金正恩の書簡伝達。
27日 『労働新聞』,金正恩の金山浦塩辛加工工場と金山浦水産事業所建設現場訪問を報道。
  4月
1日 『労働新聞』,金正恩の「チョン・ドンリョルが事業する機械工場」(清川江機械工場)訪問を報道。
4日 『労働新聞』,金正恩の人民軍海軍第164軍部隊訪問を報道。
8日 『労働新聞』,金正恩の平壌弱電機械工場訪問を報道。
9日 最高人民会議第13期第3次会議。
12日 『労働新聞』,金正恩の平壌国際飛行場2ターミナル建設現場訪問を報道。
13日 玄永哲人民武力部長,訪ロ(~20日)。
13日 盧斗哲副総理,訪ロ(~17日)。
17日 金正恩,人民軍戦闘飛行士白頭山地区革命戦跡地踏査行軍隊を鼓舞激励(~18日)。
20日 『労働新聞』,金正恩の白頭山先軍青年発電所建設現場訪問を報道。
22日 『労働新聞』,金正恩の元山育児院・愛育院訪問を報道。
24日 人民軍第5次訓練活動家大会(~25日),金正恩演説。
  5月
3日 『労働新聞』,金正恩の国家宇宙開発局衛星管制総合指揮所訪問を報道。
7日 『労働新聞』,金正恩の龍城機械連合企業所2月11日工場訪問を報道。
8日 金正恩視察の下,戦略潜水艦弾道弾水中試験発射に成功。
9日 『労働新聞』,金正恩の新浦遠洋水産連合企業所訪問を報道。
11日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第580軍部隊傘下7月18日牛牧場訪問と同軍部隊傘下安辺養魚場訪問を報道。
13日 第2次全国青年美風先駆者大会(~14日)。26日,金正恩の感謝文発表。
15日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第810軍部隊傘下新倉養魚場訪問を報道。
19日 『労働新聞』,金正恩の大同江スッポン工場訪問を報道。
23日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第810軍部隊傘下石幕アトランティック・サーモン種魚場・洛山海アトランティック・サーモン養魚事業所訪問を報道。
24日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第264大連合部隊指揮部視察を報道。
25日 朝鮮総聯結成60周年に際して金正恩の書簡発表。
28日 金正恩,人民軍総合養苗場を訪問。
  6月
1日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第810軍部隊傘下1116号農場訪問を報道。
1日 金正恩,元山育児院・愛育院を訪問。
6日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第810軍部隊傘下平壌生物技術研究院訪問を報道。
9日 『労働新聞』,金正恩の祖国解放戦争事跡地訪問を報道。
13日 『労働新聞』,金正恩の高射砲兵軍官学校訪問を報道。
14日 金正恩,実戦配置された新型反艦船ロケット発射訓練を視察。
16日 『労働新聞』,金正恩の海軍艦船区分隊と地上砲兵区分隊との夜間海上火力打撃訓練視察を報道。
18日 『労働新聞』,金正恩の第1次偵察活動家大会参加者との記念撮影および高射砲兵射撃競技視察を報道。
22日 『労働新聞』,金正恩の女性超音速戦闘機飛行士飛行訓練視察を報道。
25日 『労働新聞』,金正恩の平壌国際飛行場ターミナル訪問を報道。7月1日に竣工。
30日 『労働新聞』,金正恩の寺洞区域将泉蔬菜専門協同農場訪問を報道。
  7月
3日 『労働新聞』,金正恩の金策工業総合大学自動化研究所訪問を報道。
7日 『労働新聞』,金正恩の平壌蔬菜科学研究所訪問を報道。
11日 『労働新聞』,金正恩の平壌大慶海苔加工工場訪問を報道。
14日 『労働新聞』,金正恩の楽浪衛生用品工場訪問を報道。
19日 道・市・郡人民会議代議員選挙。
20日 『労働新聞』,金正恩の金鍾泰電気機関車連合企業所訪問を報道。
22日 経済開発区の不動産規定と保険規定の採択発表。
23日 『労働新聞』,金正恩の信川博物館訪問を報道。26日に開館。
25日 第4次全国老兵大会,金正恩演説。
28日 金正恩,「人民軍航空・反航空軍指揮成員戦闘飛行競技大会2015」を指導。
  8月
2日 『労働新聞』,金正恩の平壌養老院訪問を報道。7日に竣工。
5日 政令「標準時間を制定することについて」発表。15日から30分遅れの新標準時。
6日 『労働新聞』,金正恩の農機械展示場訪問を報道。
10日 金正恩,東アジアカップ競技大会で優勝した女子蹴球選手を飛行場で直接出迎え。
13日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第810軍部隊管下1116号農場現地指導を報道。
14日 国防委員会政策局,「地雷爆発」事件(4日)に関する韓国側の「北挑発」説を非難。
18日 『労働新聞』,金正恩の大同江果樹総合農場訪問を報道。
20日 人民軍最高司令部,人民軍が砲弾1発を発射したとの「ありもしない口実」で,韓国軍が砲弾36発を発射したと発表。
20日 夜,金正恩,党中央軍事委員会非常拡大会議を緊急招集,21日17時から前線大連合部隊に「準戦時状態」を宣布。
22日 羅先市で洪水被害発生(~23日)。
22日 板門店で北南高位級緊急接触(~24日)。共同報道文発表。
27日 金正恩,党中央軍事委員会拡大会議を指導。
29日 日本体育大学の松浪健四郎理事長,来訪(~9月1日)。30日に朝鮮体育大学との男女蹴球交流試合。
  9月
1日 『労働新聞』,金正恩の平壌トウモロコシ加工工場訪問を報道。
4日 『労働新聞』,金正恩の新義州測定計器工場訪問を報道。
13日 金正恩,白頭山英雄青年発電所(旧・白頭山先軍青年発電所)建設現場を訪問。
15日 中国と南陽=図們間国境橋共同建設・管理・保護に関する協定調印。
15日 原子力研究院院長,核施設の正常稼働を発表。
18日 『労働新聞』,金正恩の羅先市被害復旧戦闘現地指導を報道。
22日 『労働新聞』,金正恩の軍需工業部門生活必需品品評会場訪問を報道。
25日 『労働新聞』,金正恩の蒼光商店訪問を報道。
25日 『労働新聞』,23日付政令により人民軍将兵,勤労者および年金,補助金,奨学金の受給者に月基準生活費の100%に相当する特別賞金を授与すると発表。
27日 金正恩,総合奉仕船「ムジゲ」号を訪問。30日および10月5日の開業直前の深夜にも訪問。
  10月
1日 『労働新聞』,金正恩の精誠製薬総合工場訪問を報道。
3日 白頭山英雄青年発電所竣工式,金正恩演説。
8日 『労働新聞』,金正恩の羅先市白鶴洞訪問を報道。
9日 金正恩,中国共産党政治局常務委員の劉雲山書記と会見。
10日 党創建70周年閲兵式・平壌市群衆示威,金正恩演説。
16日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第350軍部隊訪問を報道。
20日 北南離散家族再会(~26日)。
21日 『労働新聞』,金正恩の未来科学者通り視察を報道。11月3日竣工。
22日 金正恩,金鍾泰電気機関車連合企業所を訪問。
24日 人民軍最高司令官命令,功勲国家合唱団と牡丹峰楽団の指揮成員と創作者,芸術員たちの軍事称号を引き上げ。
28日 『労働新聞』,金正恩の科学技術殿堂訪問を報道。
29日 平壌で北南労働者蹴球大会。
30日 党政治局,党第7次大会を2016年5月初めに開催することを決定。
31日 『労働新聞』,金正恩の平壌ナマズ工場訪問を報道。
  11月
3日 『労働新聞』,金正恩の人民軍西部前線反航空部隊高射ロケット射撃訓練視察を報道。
3日 第7次軍事教育活動家大会(~4日),金正恩演説。
8日 『労働新聞』,故・李乙雪(7日死去)の国家葬儀委員会の組織を発表。
9日 朝鮮宗教人協議会,金剛山で韓国宗教人平和会議と集会(~10日)。
14日 『労働新聞』,金正恩の平壌子供食料品工場訪問を報道。
17日 煕川9号発電所で清川江階段式発電所竣工式。
18日 『労働新聞』,金正恩の大同江移動式網かご養魚場訪問を報道。
19日 金正恩,平壌地下鉄電動車試運転で乗車。
20日 第4次三大革命赤旗争取運動先駆者大会(~21日),金正恩の書簡伝達。
22日 金正恩,人民軍第313軍部隊(第1軍団)管下8月25日水産事業所を訪問。
24日 タイのロックスパック株式会社のティト理事長,来訪(~27日)。25日,平壌インターネット通信局建設着工式で祝賀演説。
24日 京都仏教会の有馬頼底理事長,安禅院円萬寺の西郊良光住職ら,来訪(~27日)。
25日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第549軍部隊(第5軍団)管下15号水産事業所訪問を報道。
27日 『労働新聞』,金正恩の元山靴工場訪問を報道。
  12月
1日 『労働新聞』,金正恩の万景台学生少年宮殿訪問を報道。8日竣工。
3日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第122号養苗場訪問を報道。
3日 人民軍第4次砲兵大会(~4日),金正恩演説。
3日 黄海製鉄連合企業所労働階級蹶起集会,「全国の労働階級に送るアピール」採択。
9日 功勲国家合唱団と牡丹峰楽団,中国での親善訪問公演に出発(~12日),北京公演3時間前に中止。
9日 金正恩,平川革命事跡地を訪問,水素爆弾の開発に言及。
11日 ロシアと電力協定調印。
11日 第1次北南当局会談(~12日)。
12日 『労働新聞』,金正恩の5月9日ナマズ工場訪問を報道。
13日 全国財政銀行活動家大会,金正恩の書簡伝達。
15日 金正恩,初の水素爆弾実験に関する命令を軍需工業部に下達。
16日 『労働新聞』,金正恩の三泉ナマズ工場訪問を報道。
20日 『労働新聞』,金正恩の1月18日機械総合工場訪問を報道。
24日 『労働新聞』,金正恩の人民軍第526大連合部隊(第3軍団)と第671大連合部隊との双方実動訓練視察を報道。
28日 人民軍第3次水産部門熱誠者会議,参加者の国家表彰,金正恩演説。
29日 党政治局委員の金養健党秘書兼統一戦線部部長,死去。31日に葬儀。

参考資料 朝鮮民主主義人民共和国 2015年
①  国家機構図(2015年12月末現在)
②  朝鮮労働党中央機構図
③  党および国家機関の指導メンバー
③  党および国家機関の指導メンバー(続き)

主要統計 朝鮮民主主義人民共和国 2015年
1  国家予算収入総額(2007~2015年)
2  国家予算支出総額および収支(2007~2015年)
3  国防費(2007~2015年)
4  主要国の対朝鮮貿易(2010~2015年)
 
© 2016 Institute of Developing Economies JETRO
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