2018 Volume 2018 Pages 217-244
2017年はグエン・フー・チョン党書記長の強い指導力が印象づけられた年であった。反汚職キャンペーンでは,ディン・ラ・タン党政治局員・ホーチミン市党委書記の解任・刑事訴追など,大きな動きが相次いだ。大規模汚職事件の裁判が行われ,多くの元企業幹部に死刑や終身刑を含む実刑判決が下された。党・国家幹部の人事管理や規律の強化を図る文書も次々に公布された。他方,前年に発生した中部沿岸の海洋環境汚染事件に関して続く抗議行動に対しても,多くの活動家の逮捕・投獄で応じるなど,体制批判を封じる強権的な姿勢を保った。
経済は活況を呈した。世界経済が回復基調にあるなか,貿易や外国直接投資は記録的な伸びを示した。国内消費意欲も高まり,GDP成長率は6.81%と高水準を達成した。好景気の一方でマクロ経済の安定も維持された。国有企業,金融部門,公共投資の構造改革の進捗は依然として予断を許さない状況ではあるものの,それぞれに一定の前進がみられた。民間企業の発展奨励も本格化し,党は民間経済を社会主義指向市場経済の重要な動力と位置づける決議を公布した。
対外関係では,APEC議長国として11月の首脳会議を成功裏に開催した。二国間外交も活発に行われ,依然として緊張の続く南シナ海をめぐる対中関係や,トランプ大統領就任に伴う新しい対米関係の構築に力を注いだ。7月末には国際指名手配されていたチン・スアン・タイン容疑者が,亡命申請を行っていたドイツから突如帰国し,公安に出頭したと報じられたが,ドイツ外務省は,同容疑者がドイツ国内から拉致されたとしてベトナム側を批判し,関係が悪化している。
党中央委員会第5回総会の開幕を目前に控えた4月末,党検査委員会は,ディン・ラ・タン党政治局員・ホーチミン市党委書記に対する処分を検討することを党政治局と党中央委員会に提議した。タン党政治局員は,2009~2011年にかけて最大の国有企業グループであるベトナム石油ガス経済集団(PetroVietnam: PVN)の会長を務めた際に,ほかの同社幹部らと共に違法な契約締結や投資案件に関与し,同社に9000億ドン(約45億円)近くに上る損失を与えたとされた。
5月5日に始まった党中央委員会第5回総会では,タン党政治局員に対する警告処分および党政治局員解任が決定された。同氏はホーチミン市党委書記の職務も解任され,党経済委員会副委員長に任命された。後任のホーチミン市党委書記には,グエン・ティエン・ニャン党政治局員・祖国戦線議長が就任した。
現役の党政治局員が解任されたのは1996年のグエン・ハー・ファン以来,約20年ぶりのことであるが,経済管理上の理由による解任は初めてとみられる。また,ファンは党政治局員解任と同時に党を除名されており,1990年に党政治局員を解任されたチャン・スアン・バックは同時に党中央委員も解任されて平の党員となったが,今回の事案では,タンは党政治局員を解任されても党中央委員会にはとどまり続けていたこともあり,その後の動向が注目された。12月8日,国営メディアは,タン元党政治局員が経済管理に関する規定違反の容疑で逮捕されたことを伝えた。元党政治局員の逮捕は前例のないことである。
タン党政治局員の解任は,2016年1月の第12回党大会以来,グエン・フー・チョン党書記長が主導してきた反汚職・綱紀粛正キャンペーンに勢いを与えることになった。7月31日の中央汚職防止指導委員会の会合で,チョン党書記長は,汚職との闘いは今や社会的な運動になったとし,「炉が熱ければ湿った薪でも燃える……いかなる機関も個人も無関係ではいられない」と述べて反汚職闘争のいっそうの強化を示唆した。
党中央委員会第6回総会開催を翌月に控えた9月18日,党検査委員会はダナン市のグエン・スアン・アイン党委書記が重大な違反行為を行ったと認定したことを公表した。アイン党委書記は,党委常務委員会による人事や土地管理,公共契約などに関する違反について責任を問われたほか,個人としても学歴詐称や企業から贈られた車の使用などの問題を指摘された。
10月4~11日にかけて開催された党中央委員会第6回総会は,アイン党委書記の解任を決定した。同氏はまた,党中央委員の職も解任された。アインはグエン・ヴァン・チ元党政治局員の息子で,ベトナム版「太子党」の代表的な存在のひとりとして,第12回党大会で,グエン・タン・ズン前首相の息子のグエン・タイン・ギとともに1976年生まれの最年少の党中央委員に選出されていた。なお,アインはダナン市人民評議会主席も務めていたが,11月,同人民評議会の臨時会で解任され,すべての公職を失った。
ダナン市は11月にAPEC首脳会議の開催を控えており,その直前の同市トップの更迭は,あらためて党指導部の汚職撲滅に対する厳しい姿勢を印象づけた。党政治局は後任のダナン市党委書記としてクアンナム省出身でダナン市党委副書記の経験もあるチュオン・クアン・ギア党中央委員・交通・運輸相を任命した。
党中央委員会第5回総会では,以上の決定以外に,社会主義指向市場経済制度の完成,国有企業の再編,民間経済部門の発展などに関する討議が行われた。第6回総会では,政治システムの組織機構の刷新,公的事業機関の刷新,国民の健康増進,人口政策などについて討議され,また,党書記局員2人の補充選出が行われた。第6回総会前には,総会で党と国家の職位・組織の「一体化」(統合)に関する重要決定が行われるという観測が高まっていたが,この点に関しては,政治システムの組織機構の刷新に関する決議のなかで「条件が整っているところでは,県級・社級の党委書記と人民委員会主席の兼任を実施する」方針が明示されるなどにとどまった。
党指導部はまた,党内の監察活動や党員の懲戒処分に関する一連の文書を公布し,党内の規律引き締めと指導部による統制の強化を図った。高級幹部の資産公開に関する党中央委員会85号規定,党内の監察に関する86号規定,党員の懲戒処分に関する102号規定などである。党幹部の人事管理に関しても,高級幹部の評価基準に関する90号規定,幹部のローテーションに関する98号規定,幹部の管理・選任にかかる105号規定などが相次いで公布された。102号規定には,「三権分立」や「市民社会」「多党制」の実現を求める言動は党からの除名の事由となることが明記されている。
7月下旬,ソーシャルメディア上で,チョン党書記長の後継候補とも目されるディン・テ・フイン党書記局常任が5月以来公の場に現れていないことが指摘され,健康不安の憶測が広まった。8月1日,党政治局は,フイン党書記局常任が病気治療中,チャン・クォック・ヴオン党検査委員会委員長が党書記局常任を兼務すると発表した。その後もフイン党書記局常任は職務復帰せず,12月14日には,同氏のもうひとつの肩書である党中央理論評議会議長の職についても,グエン・スアン・タン党書記局員/ホーチミン政治学院院長が代行に任命されている。
もうひとりのチョン党書記長の後継候補であるチャン・ダイ・クアン国家主席についても,8月上旬,同様に健康不安説が流れたが,8月28日,同氏が約1カ月ぶりに公の場に姿を現したことが報道され,憶測に終止符が打たれた。
国会の動き:法律18本,決議23本を可決第14期第3回国会(5月22日~6月21日)は,2015年刑法典修正補充法,公的資産管理使用法などを含む12本の法律を可決し(表1),信用組織の不良債務処理に関する決議など12本の決議を採択した。2015年刑法典修正補充法の第19条第3項は,弁護人に対し,依頼人が国家の安全保障にかかわる犯罪など重大犯罪を計画ないし実行したことを知りながら通報しない場合には,刑事責任を問いうる旨の規定であり,弁護士や人権団体の間でその運用が不安視されている。
(出所)ベトナム国会ウェブサイト(http://quochoi.vn)より筆者作成。
第14期第4回国会(10月23日~11月24日)は,信用組織法修正補充法,改正公的債務管理法など6本の法律を可決し(表1),ロンタイン国際空港の土地収用に関する決議やホーチミン市の特別な発展政策の試行に関する決議,行政組織改革に関する政策・法律実施の監察に関する決議など11本の決議を採択した。
また,第4回国会は,ギア交通・運輸相(ダナン市の党委書記に就任)の後任にソクチャン省のグエン・ヴァン・テ党委書記を,ファン・ヴァン・サウ政府監査院院長(ソクチャン省の党委書記に就任)の後任にバクリュウ省のレ・ミン・カイ党委書記を,それぞれ任命することを承認した。いずれも党の職位と国家の職位の間の異動であり,広い意味で,党と国家の職位・組織の「一体化」を目指すという方向性に沿った人事であると思われる。
主要な汚職事件にかかる司法手続きの展開2017年は重大な経済犯罪にかかる逮捕,裁判が相次いだ。
2月27日,大洋銀行(OceanBank)における簿外の利息支払いなどによる資産横領事件に関し,48人(最終的には51人)の被告に対する公判手続きが開始された。OceanBankは2014年3月時点で不良債務の額が15兆ドン(約750億円)近くに達し,2015年4月にベトナム国家銀行により国有化されている。その主な原因となったのが,同行のハー・ヴァン・タム元会長がPVNのグエン・スアン・ソン元会長(OceanBank元社長)と共謀して行った裏口融資等の一連の違法行為であったと認定された。9月29日,ハノイ市人民裁判所は,汚職や職務権限濫用等の罪によりソン元会長に死刑,タム元会長に終身刑を宣告した。
ペトロベトナム建設(PVC)のチン・スアン・タイン元会長は,同社に約3兆2000億ドン(約160億円)の損失を生じさせた容疑により,2016年9月,国際指名手配されていたが,7月30日,Facebook上にタイン元会長が帰国したことを示唆する書き込みが現れた。翌31日,公安省は,タイン元会長が同日,自首したという簡潔な発表を行った。公安省は,タイン元会長がいつ,どのように帰国したのかについては明らかにしなかったが,8月2日,ドイツ外務省は,同国に亡命を申請していたタイン元会長が,ベルリンから拉致されたとする声明を発表した。同声明は,ベトナム大使館等がこの拉致に関与したと非難し,ベトナム人情報員1人に国外追放を通告したことを明らかにした(「対外関係」の項参照)。これに対し,ベトナム外務省は,3日,ドイツの非難は事実無根であると反論した。同日にはタイン元会長本人がテレビに出演し,無思慮から逃亡してしまったが,思い直して自ら帰国し,出頭することにしたと述べた。
12月26日,最高人民検察院は,PVCの巨額損失事件に関し起訴状を提出した。タイン元会長とディン・ラ・タン元党政治局員(元PVN会長)は,ほかの20人の元PVN・PVC幹部らとともに汚職等の罪名により起訴されている。審理は2018年1月に行われる。
2015年1月に逮捕された不動産会社ハウジング・グループのチャウ・ティ・トゥ・ガー元会長(元国会議員)の裁判は10月に行われた。ガー元会長は,ほかの9人の共犯者とともに虚偽の不動産取引で3770億ドンを詐取したとされ,終身刑を宣告された。詐取した金額のうち1570億ドンの使途について,ガー元会長は,国会の議席を得るためなどに使ったと供述したが,この点に関して本件裁判では被告人の供述が打ち切られ,明らかにされずに終わった。
フォルモサ事件の余波と「反体制活動」の取り締まり2016年4月に発生した台湾系企業フォルモサ・ハティン・スティールによる汚水排出事件に関連する抗議行動は,2017年に入っても続いた。年の前半には,数百人から数千人とも伝えられる規模のデモが,汚水排出の被害を受けたクアンビン,ハティン,ゲアンの各省やホーチミン市などで繰り返し発生し,被害の適正な補償やフォルモサのベトナムからの撤退を訴えた。ゲアン省のキリスト教修道士らが中心となって行われたフォルモサ撤退を求めるインターネット上の署名運動には,3月27日時点で6万1000人以上の署名が集まったとされる。
11月のAPEC首脳会議の開催を控え,党・政府は,体制に批判的なブロガーや活動家の逮捕・投獄をいっそう加速させたが,彼らの多くもフォルモサ関連の活動を行っていた。2016年10月に逮捕された著名なブロガー,グエン・ゴック・ニュー・クイン(通称メ・ナム)はその1人である。6月末に行われた裁判でクインは反国家宣伝罪に問われ,懲役10年を宣告された。11月末のその控訴審の4日前,フーイェン省の弁護士会は,クインの弁護士の1人,ヴォー・アン・ドンを除名することを決定した。人権派弁護士として知られるドンは,この決定により弁護士として活動する資格を失った。クインの控訴は却下された。
1月に逮捕され,7月にやはり反国家宣伝罪で9年の実刑判決を受けたチャン・ティ・ガー(通称トゥイ・ガー)は,違法な土地収用や警察による暴力などの問題を告発するブロガーとして知られるが,フォルモサ事件に関しても発信を行っていた。クインとガーはいずれも幼い子どもたちを持つ母親でもある。
10月末には,ゲアン省クインルー県で,反フォルモサのデモの指導などを行ってきたキリスト教の聖職者らが社人民委員会を訪れた際,赤い服を着てベトナム国旗を持った数百人の一団に取り囲まれて威嚇された。赤い服の集団は「紅旗会」と称し,とくにキリスト教関係者による反体制的な活動に対抗することを目的として「自発的に」結成されたものとされる。同様の集団は,12月にも,ゲアン省フングエン県で,キリスト教の教区の活動を妨害したことが伝えられている。
その他,反体制活動抑圧に関しては,人民軍のなかの「47部隊」という,インターネット上の「誤った意見」を排除することを任務とする組織の存在が明らかになった。12月25日,ホーチミン市で開かれた宣教工作総括会議でのグエン・チョン・ギア人民軍政治総局副局長の発言によれば,同部隊は1万人以上の専門的技能を持つ人員を抱えているという。
ドンタム社の土地収用問題4月,ハノイ市ミードゥク県ドンタム社で,土地収用をめぐる対立から,住民が警官ら38人を人質に1週間にわたり立てこもる事件が発生した。件の土地は軍用地とされていたが,2015年に国防省傘下の国有通信会社Viettelに譲渡され,同社が土地の測量等に着手した2月以来,住民との間の対立が高まっていた。
4月15日,82歳の元ドンタム社党委書記を含む4人の住民代表が公共秩序かく乱の容疑で逮捕されたことに反発した住民が,警官らを拘束して,4人の釈放を要求した。社の幹部は姿を隠したため,住民は公共施設を占拠した。20日に至ってハノイ市人民委員会のグエン・ドゥク・チュン主席がミードゥク県を訪れ,住民代表を招いて対話をしようとしたが,住民側は応じず,主席がドンタム社を訪れることを要請した。22日,チュン主席はドンタム社を訪れ,土地の権利関係の再調査を行うことや,この人質事件に関して住民側の刑事責任を問わないことなどを約束したため,残っていた19人の人質は解放された。
この事件は,当局側の柔軟な対応により平和的な解決に向かうかにみえた。しかし,6月13日,ハノイ市公安局は,本件を刑事事件として立件することを決定した。チュン主席はこの決定について,立件するかどうかを決めるのは権限を持つ機関であり,自分ではないと述べたという。これに対し,8月末,ドンタム社では住民総会が開かれ,土地に対する住民の権利を守るため,最後まで闘争を続けることを確認した。本件発生の際に住民と市当局の間の対話を呼び掛けたズオン・チュン・クォック国会議員は,11月,第4回国会の議場で,ドンタム社の住民を犯罪者扱いするのは穏当でないと言葉を尽くして訴えた。
BOTプロジェクトによる道路の通行料徴収問題4月上旬,ゲアン省とハティン省の境界付近に位置するベントゥイ料金所で,通行料の徴収に抗議して多くのドライバーが小額紙幣で料金を支払い,国道1A号線の通行に支障をきたした。同様の事例は最近,国内の多くの地方で発生しているという。原因は,BOT方式のプロジェクトに属する同料金所が,当該プロジェクトによって作られた道路から離れた国道上に設置されており,実際にその道路を通行しない車にまで料金が課せられることに対する不満であった。
8月には,ティエンザン省の国道1号線上に設置されたカイライ料金所が通行料徴収を開始したが,やはりその位置が不合理であることや料金が高いことからドライバーの猛反発を受け,同様の抗議行動が行われた。カイライ料金所は,通行料徴収を開始してから2週間で,徴収の一時停止に追い込まれた。その後,交通・運輸省も協議に加わり同料金所の料金の減免を行うことが決定され,11月30日より通行料の徴収が再開された。しかし,不満の残るドライバーが抗議行動を継続したため,12月4日,フック首相は料金所の再度の閉鎖を指示した。
このような騒動の過程で,多くのBOT方式による交通インフラプロジェクトが問題含みであることが明らかになってきた。9月6日,政府監査院は,多くのBOTプロジェクトに規定違反が発見されたという監査結果を発表した。交通・運輸省は,2009年の制度導入以来,実施した70以上のBOT,BTプロジェクトのすべてにおいて,入札手続きを経ずに事業者と契約を結んでいた。なかには,能力が不十分であったり,プロジェクトの条件に合っていない事業者もあったという。
(石塚)
2017年のGDP成長率は6.81%で,GDPが基本価格表示されるようになった2011年以降でもっとも高い水準となった。年初の経済は低調に推移し(第1四半期5.15%),成長目標6.7%の達成が危ぶまれた。年前半の物価安定を受け,7月には国家銀行が景気刺激策として2014年以来の利下げを実施し,リファイナンス金利は6.5%から6.25%に,ディスカウント金利は4.5%から4.25%へ引き下げられた。利下げは内需に一定の影響を与えたと考えられる。財・サービス販売額の実質成長率は年後半にかけて高まり,年間では前年の8.33%を上回る9.46%の上昇となった。内需拡大が成長加速の一要因となり(第2四半期6.28%,第3四半期7.46%,第4四半期7.65%),年全体では目標を上回る高成長を記録した。
部門別にみて,もっとも好調だったのは工業・建設業で,年間成長率は前年実績7.57%を上回る8.0%となった。製造・加工業が14.4%と2011年以降でもっとも高い成長を記録したほか,建設業も8.7%と高い伸びを示した。製造・加工業の高成長をけん引したのは電子・コンピューター・光学製品分野であった。
サービス業も年間成長率7.44%と前年(6.98%)を上回った。とくに成長率が高かったのは宿泊・飲食(8.98%)と金融・保険(8.14%)である。宿泊・飲食の成長を支えた要因としては海外来訪者の増加が挙げられる。2017年の海外来訪者数は前年比29.1%増の1290万人に達した。とりわけ中国からの来訪者が多く,海外来訪者総数の3割を占めるに至った。
農林水産業は,2017年も各地で洪水や台風などの大規模な自然災害に見舞われたものの,水産業が比較的好調だったこともあり,前年実績(1.36%)を上回る,まずまずの成長(2.9%)をみせた。
高成長を支えた要因には,前述の内需拡大に加えて,世界経済の回復を受けた対外貿易と外国直接投資の大幅拡大がある。対外貿易は輸出入ともに急増し,貿易総額は過去最高となる4247億8000万ドルを記録した。WTO加盟を果たした2007年と比して,貿易規模が約4倍に拡大したことになる。輸出は,工業部門の回復が奏功して前年比21.1%増という記録的な伸びを示し,2137億7000万ドルとなった。輸出総額の72.6%(1552億4000万ドル)が外資企業によるもので,サムスン電子が輸出をけん引する電話・部品が2017年も最大の輸出品となった(輸出額451億ドル,前年比31.4%増)。電話・部品に続く主要輸出品である繊維・縫製品(前年比8.8%増),電子製品・コンピューターおよび部品(同36.5%増)も軒並み堅調な伸びを示した。農産品では青果がもっとも大きく輸出を伸ばした(同43.1%増)。一方,輸入も工業原料・設備などを中心に増加したものの(2110億9600万ドル,前年比20.8%増),貿易収支は約27億ドルの黒字となった。なお,国別にみると,中国への輸出(前年比60.6%増)と韓国からの輸入(同45.5%増)がそれぞれ急拡大したことがあいまって,韓国との貿易赤字が中国を超えて最大となった。韓国からの輸入増には,サムスン電子の生産拡張に伴う部品・設備輸入の増加が影響している。
外国直接投資も記録的な伸びを示した。登録資本総額(12月20日までの認可分)は2009年以降で最高額の297億ドル(前年同期比44.2%増)となった。投資額急増の主たる背景は,一連の発電所建設投資(ギソン第2,ヴァンフォン第1,ナムディン第1)やサムスン電子のディスプレイ・パネル工場への拡張投資など,10億ドルを超える大型案件が相次いだことである。新規投資,拡張投資ともに飛躍的に増加し,それぞれ212億8000万ドル(前年同期比42.3%増),84億ドル(前年同期比49.2%増)となった。業種別では電気・ガス・蒸気・空調供給の投資受入額が最大となり,製造業がそれに続いた。国別にみると,件数では韓国,金額では日本からの投資が最大であった。
マクロ経済も引き続き安定を維持した。消費者物価指数は前年末比2.6%上昇,対ドル為替レートは同0.05%低下,金相場は同4.74%上昇と,それぞれ小幅な変動にとどまった。為替レート安定の背景には,ドル預金金利を0%とする(2015年~)などの継続的なドル化阻止策に加えて,外貨準備高の増加がある。貿易黒字,外国直接投資の拡大,海外送金の増加(世界銀行の推計で138億ドル)により,年末時点の外貨準備高は過去最高の515億ドルに達した。
ここ数年悪化し続けていた財政にも,若干の改善がみられた。12月15日時点の推計によれば,2017年の財政支出は予算額の87.7%にあたる1219兆5000億ドンに抑えられ,財政赤字は115兆5000億ドンと過去10年でもっとも低い水準となった。とりわけ,インフラ建設を主とする開発投資支出が低く抑えられた(予算額の72.6%)。公的債務の対GDP比率は,2016年末時点で63.6%と国会が定めた上限である65%に迫っていたが,2017年末には61.3%まで縮減された。11月23日には国会で改正公的債務管理法が可決された。改正法では,これまで複数の機関が関与していた公的債務管理を財政省に一元化することなどが定められた。公的債務管理の効率化および透明性向上につながることが期待される。
企業経営環境の改善――民間経済を社会主義指向市場経済発展の動力に企業経営環境の改善も引き続き進められた。2月には,2017年の経営環境の改善目標と2020年までの方向性を定めた政府19号決議が公布された。同様の決議は2014年から毎年,19号決議として公布されている。2017年の19号決議では,行政手続きの簡素化など企業経営環境の改善にかかる大半の指標で,目標とする先行ASEAN4カ国(シンガポール,マレーシア,タイ,フィリピン――以下ASEAN4)の平均水準に到達していないという実態を踏まえ,あらためて2017年末までにASEAN4水準への到達を目標とする指標が示された。
また,民間企業の発展について,奨励が本格化した。6月には,党が民間経済を社会主義指向市場経済の重要な動力と位置付ける決議を出した(党中央委員会10号決議)。そこでは,2020年までに民間企業を少なくとも100万社に増加させるよう努力することや,2025年までに民間企業の技術,人的資本の質,および競争力におけるASEAN4との格差を縮めること,といった目標が示され,継続的な企業経営環境の改善が課題とされた。10月には,同決議の実現に向けた行動計画(政府98号決議)が公布された。
このような政府の継続的な企業経営環境の改善努力に好景気も加わって,2017年の新規設立企業数は,前年比15.2%増の12万6859社に達した。そのうちの35.8%が,卸・小売業での起業に占められた。
企業の圧倒的多数が中小零細規模であるなか,近年,民間部門でも大企業が育ちつつあり,一部の経営者が大富豪として台頭してきている。2017年のアメリカの『フォーブス』誌の長者番付には,2013年から番付の常連となっているヴィングループのファム・ニャット・ヴオン会長に加えて,ソビコ・ホールディングスの女性会長グエン・ティ・フオン・タオ氏がランク入りした。女性経営者のランク入りは東南アジアでは初となる。タオ氏はベトナム唯一の民間航空会社であるベトジェット航空の社長としても名を馳せている。ベトジェットは創業から10年で急速に事業を拡大し,2月末にはホーチミン証券取引所(HOSE)への上場も果たした。なお,長者番付常連のヴオン氏率いるヴィングループは,中核事業である不動産業から,リゾート開発,小売,農業などへと事業の多角化を進めているが,2017年にはベトナム初の国産車生産に向けて,自動車製造業に参入した。
構造改革――国有企業,金融ともに一定の前進2017年には,国有企業改革にかかる具体的な行動計画が複数出された。まず,2016~2020年の国有企業の株式化計画が2016年末に首相58号決定として公布され,2017年2月15日に施行された。国家が100%所有し続ける予定の企業103社,および2016~2020年の間に株式化予定の企業137社がリストアップされ,株式化予定の企業については株式化後の国家所有比率(65%以上が4社,50~65%が27社,50%未満が106社)も明示された。また,8月には2017~2020年に国家所有資本を売却する企業のリストが承認された(首相1232号決定)。前述の民間経済の発展に関する決議の公布と同日の6月3日には,国有企業の再編・刷新・効率化について定めた党中央委員会12号決議が公布されたが,その実施に向けて10月に出された政府97号決議では,これら具体的な行動計画に沿って国有企業の再編・刷新・効率化を進める方針が再確認された。
実態は,計画どおりとはいかなかったが,進展もあった。新規株式公開(IPO)については,ベトナムゴム集団,南部食糧総公司(Vinafood2),ビンソン製油,ベトナム石油総公司(PV Oil)といった大企業が実施を予定していたものの実現に至らず,年内に目立った成果はみられなかった。一方で,国有企業の国家資本売却では,これまでになく大規模なものが相次いだ。
12月18日,工商省が,傘下企業であるビール・飲料大手のサイゴン・ビール・アルコール飲料総公司(Sabeco)の株式(定款資本の53.59%に相当)をHOSEでのオークションを通じて売却した。国内ビール市場で4割のシェアを持つSabecoの株式売却には,日本のアサヒやキリンを含む各国の大手飲料企業から注目が集まった。しかし,工商省が設定した入札開始価格の高さもあって,最終的に入札に参加したのはタイ・ビバレッジの傘下企業,ベトナム・ビバレッジ1社だけだった。Sabecoは条件付き投資分野で事業を行っているため,外国投資家に対しては出資比率上限(49%)が適用されるが,ベトナム・ビバレッジは政府に国内企業と認められ,53.59%の株式すべてを取得した。Sabecoの株式売却によって工商省が得た収益は110兆ドンに上り,過去最大の国家資本売却となった。
また,Sabeco株売却の約1カ月前には,2016年末に続いてベトナム乳業株式会社(VINAMILK)株の売却が行われた。売却主体は,国家資本の国有企業への投資・管理を担っている国家資本投資経営総公司(SCIC)で,VINAMILKの定款資本の3.33%分にあたる株式を売り出した。売却された株式はすべて,シンガポールの自動車販売企業JC&Cグループの子会社であるプラチナ・ビクトリー(Platinum Victory)に8兆9900億ドンで取得された。JC&CはSCICによる株式売却の前後にも,市場でVINAMILK株を購入しており,SCIC,シンガポールの食品・飲料企業フレイザー・アンド・ニーヴ(F&N)に次ぐ,第3のVINAMILK株主となった。なお,タイ・ビバレッジはF&Nの株式も所有しており,VINAMILKの国家資本売却においても一定の存在感を示している。
SCICは,年内に自社が保有する38社の国家所有資本の売却に成功した。政府はより効率的な国家資本管理・売却に向けてSCICの役割改善を図るため,年末にSCICの組織・活動に関わる2つの議定を公布した。SCIC幹部の家族・親族が管理する企業への投資制限(政府147号議定),SCICによる子会社・関連会社の設立・出資の容認(政府148号議定)などが新たな点である。
IPO済み国有企業の株式市場への上場・登録も,前年に諸々の促進策が出されたこともあり,進展がみられた。1月には2014年にIPOを実施したベトナム航空が未上場株式取引市場(UPCoM)に登録,また4月には2011年にIPOを実施したベトナム石油集団(Petrolimex)がHOSEに上場した。
民間の大企業や銀行の株式上場・登録も相次いだ。民間の大企業では,前述のとおり2月にベトジェット航空がHOSEに上場したほか,ヴィングループの子会社でヴィンコムセンターなどを手掛ける流通最大手のヴィンコム・リテールが11月にHOSEに上場した。ヴィンコム・リテールの上場時の株式販売数は19億株で,過去最大規模となった。銀行では,5行の株式上場・登録が実現した。VP銀行がHOSEに上場,ベトナム国際銀行(VIB),キエンロン銀行(Kienlongbank),リエンベト郵便銀行(LienVietPostBank),北亜銀行(Bac A Bank)がUPCoMに登録し,金融部門改革に拍車がかかった。
以上のような国有企業改革の進展や民間企業の上場を背景に,2017年の証券市場は外国投資家からの投資を中心に活性化した。12月4日にはHOSEの株価指数であるVNインデックスが前年末比46%上昇の970ポイントにまで達した。なお,8月にはハノイ証券取引所にベトナム初のデリバティブ市場が開場した。新たなリスクヘッジの手段として投資家の注目を集め,活発な取引が行われた。
難航している不良債権処理を迅速化するための制度整備も進められた。5月には不良債権および担保資産の競売について規定した政府61号議定が出され,不良債権処理を担う金融機関資産管理会社(VAMC)の競売価格決定における権限が強化された。VAMCは価格査定会社の選定を行い,査定価格に基づき競売価格を決めたうえで,競売が失敗に終わった場合には10%の範囲内で価格を引き下げることができるとされている。また6月には,金融機関による不良債権処理の試験的実施を定めた国会42号決議が公布された。これまで,金融機関の権限が弱いことが不良債権処理の遅れの一因となっていたが,同決議で担保資産の処理や,帳簿価額を下回る価格での不良債権の売却などの権限が金融機関に保証されたことにより,8月の決議施行以降,VAMCに移管しての処理だけでなく,金融機関自身による不良債権処理が加速した。
ただし,不良債権処理の進捗を楽観視することはできない。金融機関からVAMCへの不良債権の移管,および金融機関自身の不良債権処理の加速によって,金融機関の総貸付残高に占める不良債権の比率は,前年末の2.46%から2017年末には2.34%まで低下した。しかし,VAMCに移管された不良債権の処理は依然として難航しており,200兆ドン超の不良債権が未処理の状態にある。また,7月には利下げも実施されており,利下げ実施の直前にIMFが指摘したとおり,金融部門改革がままならないなかでの急激な信用拡張によって新たに不良債権が増大することも懸念される。金融機関の経営健全化に向けた改革が急がれるなか,7月には2016~2020年の不良債権処理に関わる信用組織再編案(首相1058号決定)が承認,また第4回国会では改正信用組織法が可決された。
その他の動きASEAN経済共同体の取り決めにより,2018年1月から域内自動車関税が0%に引き下げられることを受け,2017年には自動車の買い控えが広がった。ベトナム自動車生産者協会(VAMA)の報告によると,2017年の自動車売上総数は前年比10%減の27万2750台となった。政府は10月,自動車の製造・組立・輸入販売に関わる業者に新たな条件を課す,116号議定を公布した。とりわけ完成車輸入について,輸入元政府が発行する認可証の提出や輸入ロットごとの品質検査の実施を求めるなど,厳しい条件が付けられた。2018年1月以降,輸入車価格の引き下げが見込まれるなかで,国内の自動車生産企業の保護をねらったものと考えられるが,関税撤廃を見据えてすでに国内組立・製造から完成車輸入へのシフトを図っている企業も多く,新議定は企業の強い反発を招いた。新たに設けられた非関税障壁が,貿易自由化の効果を削ぐことも懸念される。
製造・流通工程を人口知能(AI)やインターネット技術の導入によってデジタル化しようという動き(第4次産業革命)に対して世界的に関心が高まるなか,ベトナムでも5月,第4次産業革命の推進を促す首相16号指示が公布された。第4次産業革命は産業の高度化や効率化,競争力強化の機会を拡大するものとされ,最先端IT技術開発や,そうした技術に対応できる人材育成の必要性が強調された。第4次産業革命の推進では,工業のみならず農業も視野に入れられている。3月,政府は商業銀行に対し,国家銀行の指導の下でハイテク農業向けに,総額100兆ドンの低利融資を実施することを要請した(政府30号決議)。
(荒神)
2017年,ベトナムは2度目のAPEC議長国を務め,全国各地でさまざまな会議が行われた。11月10・11日の両日,ダナン市で開催された首脳会議には,加盟21カ国・地域の首脳がすべて顔をそろえた。アメリカのトランプ大統領にとっては初のアジア外遊の一環で,東南アジアでは初めての訪問国となった。中国の習近平国家主席にとっては,10月の中国共産党第19回党大会後の初めての外遊であった。APEC首脳ウィーク(11月6~11日)中は,活発な首脳外交が繰り広げられ,各国首脳の間でおよそ100の個別会合や会見が行われたという。
首脳会議は,「新たなダイナミズムの創出と共通の未来の促進」と題したダナン宣言を採択し,多角的貿易体制の支持を通じた自由貿易推進や保護主義への対抗の意義を強調した。また,年初にアメリカが離脱を表明した環太平洋パートナーシップ(TPP)についても並行して交渉が行われていたが,参加11カ国の閣僚レベルで新協定に関する大筋合意が達成された。
中国との関係:南シナ海の領有権をめぐる駆け引き続く1月5日,チョン書記長が同月中に中国を公式訪問することが発表された。訪問は12~15日にかけて行われ,習近平国家主席との会談後の共同声明では,両国,両党関係のいっそうの発展をうたうとともに,南シナ海問題については二国間の相違をよく制御し,平和と安定を維持することなどについて合意している。5月にはクアン国家主席が中国を訪問し,「一帯一路」国際フォーラムに出席した。
しかし,6月,ハノイを訪れていた中国の范長竜・中央軍事委員会副主席が,予定されていた二国間防衛対話を中止して帰国したことから,両国関係の雲行きの悪化が表面化した。繰り上げ帰国の理由は,ベトナム側の説明によれば,国内における突発的な任務の発生のためとされたが,実際には,両国の領有権の主張が重複する海域でベトナムが実施する海底資源探査の中止を中国が求め,ベトナムがこれを拒絶したことが背景にあったとみられる。事実,7月初めには,問題の海域で,ベトナムが石油探査に向けた海底掘削に着手したとの報道があった。
掘削を継続するベトナム側に対し,中国は態度を硬化させた。7月24日のBBCの報道によれば,この掘削はスペインのレプソルによって行われており,実際に大規模なガス田の存在が確認されていたという。しかし,ベトナム政府は突如レプソルに掘削の停止を命じた。その理由としてベトナム政府は,掘削を続けるならばベトナム軍が駐留するチュオンサ(南沙;スプラトリー)諸島を攻撃するという,中国の脅しを受けたためだと説明したとのことである。8月7日には,ASEAN外相会議開催中のマニラで予定されていた両国の外相会談も中止された。
両国はその後,関係修復に動いた。9月には中国の劉雲山党政治局常務委員が来訪してチョン書記長らと会談し,「両党は戦略的意義を持つ運命共同体」と発言した。同月23・24日には,6月にキャンセルされた国境防衛友好交流が,両国国境に近い雲南省金平県とベトナム・ライチャウ省ライチャウ市で相次いで行われた。同交流プログラムには,中国側からは范副主席,ベトナム側からはゴ・スアン・リック国防相が出席した。
その後も,10月末には党対外委員会のホアン・ビン・クアン委員長がチョン書記長の特使として中国を訪問し,11月初めには宋濤中央対外連絡部長(習国家主席の特使)と王毅外相が来訪した。APEC首脳会議後の11月12・13日には習国家主席がベトナム公式訪問を行い,両国の全面的戦略的パートナーシップの深化や海上での平和・安定の維持などについての合意を明記した共同宣言を発表した。共同宣言ではまた,中国の一帯一路構想や「一つの中国」政策へのベトナムの支持も明記された。
アメリカとの関係:相互利益に基づく関係構築1月11日,トランプ次期政権の国務長官に指名されたティラーソン元エクソンモービルCEOは,アメリカは中国による南シナ海での人工島建設の中止を求め,中国による南シナ海人工島へのアクセスを阻止する必要があると述べた。この発言について,ベトナム外務省報道官は,「域内の平和維持および海上・上空の安全保障は,域内各国だけでなく域外の国々にとっても共通の目標,共通の利益である」と慎重にコメントした。エクソンモービルはPVNと組んで南シナ海で海底資源開発を行っており,この地域の情勢に深い利害関係を有している。また,5月24日,トランプ政権下で初めての「航行の自由」作戦が行われた際には,ベトナム外務省はその実施を歓迎するコメントを出している。
5月末,フック首相は,トランプ大統領の招きに応じて,トランプ政権誕生以来,東南アジア諸国の首脳としては初となるアメリカ公式訪問を行った。31日に行われた大統領との会談後,フック首相は,アメリカの財・サービスについて総額150億ドル規模の契約を締結したと述べた。これには,ゼネラル・エレクトリックとの間での発電や航空機のエンジン等に関する総額55億8000万ドルの契約などが含まれる。トランプ大統領は,大規模契約の成立はアメリカにとって雇用創出を意味するとして歓迎した。ベトナムは,アメリカの貿易赤字の要因となっている可能性がある国のひとつとしてトランプ政権に名指しされており,大規模契約の締結はこのような指摘に配慮した形となった。
11月,APEC首脳会議出席のため来訪したトランプ大統領は,引き続きベトナム公式訪問を行った。クアン国家主席との会談で,両首脳は各分野での協力強化に向けて協議を進めることで合意したほか,両国企業の間で総額120億ドル相当の覚書が締結された。共同声明には,貿易投資や国防分野での協力関係の深化などがうたわれたほか,アメリカの南シナ海問題へのコミットメントの継続や北朝鮮問題に関する両国の深い懸念などについても明記された。
トランプ政権になって,アメリカの対ベトナム外交アジェンダにおける人権問題の優先順位は概して低下したようにみえるが,3月末,国務省は,グエン・ゴック・ニュー・クイン(「国内政治」の項参照)に「世界の勇気ある女性賞」を授与した。APEC首脳会議開催を控えた10月末,同賞の授賞式に出席したメラニア・トランプ大統領夫人に宛てて,クインの10歳の娘が書いた手紙が,祖母によってFacebook上に投稿された。手紙のなかで,娘はクインの釈放への大統領夫人の支援を訴えていた。しかし,メラニア夫人はベトナムを訪れず,この件に関するその後の動きは伝えられていない。
その他の主要な対外関係日本との関係では,1月に安倍首相が来訪し,フック首相と会談して,良好な二国間関係のさらなる発展について話し合った。日本がベトナムに対して新造巡視船6隻を供与する決定を行ったことも伝えられた。また,両首脳は,ベトナムの気候変動対策を支援するための総額100億円を限度とする円借款などに関する書簡の交換にも立ち会った。6月初めにフック首相がアメリカ訪問に続いて日本を訪れた際には,東京で「ベトナム投資カンファレンス」が開催され,総額210億ドルに上る投資計画36案件の覚書の交換などが行われた。
また,両国間の友好親善の象徴として,2月28日~3月5日にかけて天皇・皇后両陛下が来訪した。両陛下は滞在中,第二次世界大戦後も現地に残りベトナム独立運動に加わった元日本兵の家族らと面会し,あまり知られていない両国関係の一面に光が当てられた。10月にはベトナム残留日本兵の家族ら14人が日本側の招きで来日し,日本の親族との対面など交流を行った。
ドイツとは,「国内政治」の項で触れたように,チン・スアン・タイン「拉致」事件で関係が悪化した。ドイツ側は,当初,タイン元会長の身柄をドイツに戻すことを要求し,後には国際的監視の下での公正な公判手続きの保障を求めた。しかし,ベトナム側はタイン元会長が自主的に帰国したという建前を崩さず,ドイツの要求に回答を与えていない。9月22日,ドイツ政府は,2人目のベトナム人外交官を国外追放処分にするともに,ベトナムとの戦略的パートナーシップの一時中断を通告した。
ドイツはEU諸国のうちベトナムにとって最大の貿易相手国であり,7月にフック首相がドイツを訪問した際には,両国企業間で総額15億ユーロ(約1950億円)に上る28の協力協定が締結されたことが報じられたばかりである。ドイツとの関係悪化は,2018年中の発効を目指すとされるEUベトナムFTAの先行きにも影響を及ぼす可能性が懸念されている。
カンボジアとは国交樹立50周年を迎え,6月24日にはハノイで記念式典が行われた。4月にはフック首相がカンボジアを訪問し,プノンペン=ホーチミン間高速道路プロジェクトなどに関する4つの覚書の署名に立ち会った。7月にはチョン書記長も同国を訪れ,両国関係の緊密さをアピールした。一方で,10月,カンボジア内務省は,ベトナム系住民が大多数を占める約7万人に違法に交付された身分証を回収する計画を明らかにした。ベトナム外務省はこの計画に対して直ちに懸念を表明し,ベトナム系住民の正当な権利が保障されるよう要請している。
(石塚)
2018年は,「炉を熱する」反汚職キャンペーンがいっそう推進され,引き続き現役および元党・国家幹部の懲戒処分や刑事裁判が行われると予想される。党指導部にとっては,5年の任期の中間点である3年目となるが,現時点でチョン党書記長の権威はかつてなく高まっており,当初噂された党書記長の任期半ばでの交代が行われる兆しはみられない。政治システムにおける構造的な汚職の問題に党指導部が国民の目線で適正に対処し続けていくことが,その求心力維持の鍵となるだろう。党中央委員会第6回総会決議に基づく政治システムの再編の行方も注目される。国会では,主要国家幹部に対する信任投票が行われる。
経済では,2018年に ASEAN域内関税の完全撤廃,また TPP11についても,2018年前半には署名され,翌年の発効を目指して準備が進められていく予定である。国際経済統合の深化が加速するなか,国内産業・企業の競争力強化や,企業経営環境の改善に向けた取り組み,またそれと連動する形での国有企業,金融部門,公共投資の構造改革が引き続き求められる。2017年に新たに打ち出された法制度や改革目標が,小手先の対処にとどまらない,抜本的な改革の加速につなげられることが期待される。
対外関係では,引き続き中国,アメリカ,日本,インドなどの国々との良好な関係を保ちつつ,南シナ海における平和安定を維持することや,ドイツとの関係改善が当面の課題である。
(石塚:新領域研究センター研究グループ長代理)(荒神:地域研究センター)
1月 | |
1日 | 労働者の最低賃金,最大で7.5%引き上げ。 |
3日 | ベトナム航空,UPCoMに登録。 |
5日 | マサン消費財,UPCoMに登録。 |
9日 | VIB,UPCoMに登録。 |
12日 | チョン党書記長,中国訪問(~15日)。 |
12日 | ジャーナリストのダン・スアン・ジェウ,刑期を7年余り残して釈放,フランスへ移送。 |
13日 | ペトロベトナムとエクソンモービル,天然ガス田採掘に関する提携契約締結。 |
16日 | 安倍首相,来訪(~17日)。 |
16日 | ベトナム人のカジノ入場を試験的に認める政府3号議定公布(3月15日施行)。 |
16日 | 観光を先端経済部門へと発展させることに関する党中央委員会8号決議公布。 |
18日 | チン・スアン・タイン事件に関し,内務省次官2人に譴責処分。 |
18日 | 2016~2025年の裾野産業発展計画を示す首相68号決定公布。 |
19日 | 活動家のグエン・ヴァン・オアイ,公務執行妨害などの容疑で逮捕。 |
21日 | 国会常務委員会,ヴー・フイ・ホアン前工商相の「前工商相」としての資格を抹消する決議採択。 |
21日 | 活動家のチャン・ティ・ガー(通称トゥイ・ガー),反国家宣伝罪の容疑で逮捕。 |
24日 | ホアン前工商相とホー・ティ・キム・トア工商省次官に対し懲戒処分。 |
2月 | |
6日 | 企業経営環境の改善に関する政府19号決議公布。 |
15日 | オンラインでの情報提供に関する情報通信省38号通知,発効。 |
15日 | 金正男殺害事件のドアン・ティ・フオン容疑者,マレーシアで逮捕。 |
21日 | 経済再編行動計画を定める政府27号決議公布。 |
28日 | 天皇皇后両陛下,来訪(~3月5日)。 |
28日 | ベトジェット航空,HOSEに上場。 |
3月 | |
7日 | 政府,ハイテク農業向け低利融資(100兆ドン)を要請する30号決議公布。 |
13日 | 外務省報道官,中国によるホアンサ(西沙)諸島へのクルーズ船ツアーに抗議。 |
15日 | ペトロベトナム建設(PVC)のチン・スアン・タイン元会長らを汚職の容疑で立件。 |
17日 | ブロガーのブイ・ヒュー・ヴォー,反国家宣伝罪の容疑で逮捕。 |
21日 | 学生ブロガーのファン・キム・カイン,反国家宣伝罪の容疑で逮捕。 |
29日 | アメリカ国務省,2016年10月に逮捕されたグエン・ゴック・ニュー・クイン(通称メ・ナム)に「世界の勇気ある女性賞」。 |
4月 | |
5日 | 資源・環境省,フォルモサの製鉄所は試運転開始の条件を満たすと発表。 |
7日 | 南北高速道路建設にかかる国家審査評議会の設立に関する首相433号決定公布。 |
15日 | ハノイ市ミードゥク県ドンタム社で住民が警官ら38人を人質に。 |
21日 | 党書記局,フォルモサ事件に関連してグエン・ミン・クアン前資源・環境相ら4人の幹部の処分を発表。 |
21日 | PetrolimexがHOSEに上場。 |
24日 | フック首相,カンボジア,ラオス歴訪(~27日)。 |
25日 | 重大な汚職事件の捜査,訴追等に関する8つの監察団を設置する汚職防止中央指導委員会65号決定公布。 |
5月 | |
4日 | 第4次産業革命の推進に関する首相16号指示公布。 |
5日 | 党中央委員会第5回総会開催(~10日)。 |
7日 | 党中央委員会,ディン・ラ・タン党政治局員に対し,警告処分および政治局員解任決定。ホーチミン市党委書記の職も解任。 |
10日 | グエン・ティエン・ニャン党政治局員,ホーチミン市党委書記に就任。 |
11日 | クアン国家主席,中国訪問(~15日)。 |
15日 | ブロガーのホアン・ドゥック・ビン,公務執行妨害・民主的権利濫用の容疑で逮捕。 |
16日 | 不良債権や担保資産の競売に関する政府61号議定公布(7月1日施行)。 |
17日 | ホーチミン市工科大学のファム・ミン・ホアン教授のベトナム国籍はく奪。 |
22日 | 第14期第3回国会開催(~6月21日)。 |
23日 | 高級幹部の資産公開に関する党中央委員会85号規定公布。 |
25日 | 外務省報道官,トランプ政権下で初の「航行の自由」作戦に支持を表明。 |
29日 | フック首相,アメリカ訪問(~31日)。 |
6月 | |
3日 | 民間経済を経済発展の重要な動力とする党中央委員会10号決議公布。 |
3日 | 国有企業の再編に関する党中央委員会12号決議公布。 |
4日 | フック首相,日本訪問(~8日)。 |
13日 | ハノイ市公安局,ドンタム社における38人拘束事件を刑事事件として立件。 |
15日 | セブン-イレブン1号店,開店。 |
20日 | 中国の范長竜・中央軍事委員会副主席,二国間防衛対話を中止して帰国。 |
22日 | 祖国戦線,チャン・タイン・マン新主席を選出。 |
24日 | ベトナムとカンボジアの国交樹立50周年を記念する式典,ハノイで開催。 |
26日 | 公安省,石油・石油化学繊維株式会社(PVTex)のヴー・ディン・ズイ元社長を国際指名手配。 |
28日 | クアン国家主席,ロシア訪問(~7月1日)。 |
29日 | グエン・ゴック・ニュー・クイン(メ・ナム)に反国家宣伝罪で懲役10年宣告(11月30日の控訴審は一審判決支持)。 |
29日 | Kienlongbank,UPCoMに登録。 |
7月 | |
1日 | 公務員の最低賃金引き上げ。 |
3日 | 学生ブロガーのチャン・ホアン・フック,反国家宣伝罪の容疑で逮捕。 |
4日 | ミードゥク県人民検察院,ドンタム社の元地方幹部14人を訴追することを表明。 |
5日 | フック首相,ドイツ,オランダ歴訪(~11日)。G20サミットに出席(7~8日)。 |
5日 | BBC,ベトナムが南シナ海海域で,石油探査に向けた海底掘削に着手と報道。 |
6日 | インドのONGCビデシュ,ベトナムの油田探査契約を2年延長とロイター報道。 |
7日 | 国家銀行,主要政策金利の引き下げを発表(10日実施)。 |
19日 | 2016~2020年の不良債権処理に関わる信用組織再編案(首相1058号決定),承認。 |
20日 | チョン書記長,カンボジア訪問(~22日)。 |
24日 | BBC,ベトナムが南シナ海の海域で行っていた石油の掘削を停止と報道。 |
24日 | 外資企業の企業財政に関する法律遵守の検査について定めた財政省1381号決定公布。 |
24日 | 大手農企業のロックチョイグループがUPCoMに登録。 |
25日 | チャン・ティ・ガー(トゥイ・ガー)に反国家宣伝罪で懲役9年宣告(12月22日の控訴審は一審判決支持)。 |
28日 | 首相の経済顧問グループの設立に関する首相1120号決定公布。 |
28日 | 民族団結政策を妨害する罪により服役中のグエン・コン・チン牧師,刑期を6年近く残して釈放,アメリカへ移送。 |
30日 | 活動家のグエン・バック・チュエンら4人,逮捕。 |
8月 | |
1日 | サイゴン商信銀行(Sacombank)のチャム・ベー元副会長ら16人逮捕。 |
1日 | 党政治局,チャン・クォック・ヴオン党検査委員会委員長の党書記局常任の兼務公表。 |
2日 | ドイツ外務省,PVCのタイン元会長が拉致されたと声明。 |
3日 | タイン元会長,ベトナムのテレビに出演し,自ら帰国して当局に出頭したと発言。 |
4日 | 高級幹部の評価基準に関する党中央委員会90号規定公布。 |
10日 | ハノイ証券取引所でデリバティブの取引が開始。 |
16日 | 資源・環境省のグエン・ミン・クアン前大臣とハティン省人民委員会のヴォー・キム・ク元主席に懲戒処分。 |
16日 | 工商省のトア次官,解任。 |
17日 | 2017~2020年に国家所有資本を売却する企業のリスト公布(首相1232号決定)。 |
17日 | フック首相,タイ訪問(~19日)。 |
17日 | VP銀行がHOSEに上場。 |
22日 | チョン書記長,インドネシア,ミャンマー歴訪(~26日)。 |
25日 | ミャンマーとの関係を全面的パートナーシップに格上げ。 |
25日 | 製薬会社VN Pharmaの元社長,薬の密輸と文書偽造の罪により懲役12年宣告。 |
28日 | クアン国家主席,ハノイでキューバ大使と会談。 |
31日 | 外務省報道官,トンキン湾海域における中国の軍事演習に抗議。 |
9月 | |
1日 | 幹部・公務員の養成に関する政府101号議定公布。 |
2日 | ヴィングループ,ハイフォンで自動車工場の起工式。フック首相が出席。 |
2日 | 元首相顧問のトゥオン・ライ教授,グエン・フー・チョンの党との関係を断つと宣言。 |
5日 | 外務省報道官,中国の軍事演習に再び抗議。 |
6日 | 政府監査院,多くのBOTプロジェクトに規定違反などがあるという結論公表。 |
8日 | 中国共産党の劉雲山政治局常務委員,来訪(~19日)。チョン書記長らと会談。 |
8日 | グエン・ヴァン・オアイに懲役5年宣告。 |
20日 | 西南部指導委員会のグエン・フォン・クアン副委員長およびVINACHEMのグエン・アイン・ズン会長に懲戒処分。 |
20日 | 675の投資・経営条件を撤廃する工商省3610a号決定公布。 |
22日 | ドイツ政府,ベトナムとの戦略的パートナーシップの一時中断を通告。 |
23日 | 中越軍の国境防衛友好交流,開催(~24日)。 |
27日 | 元駐タイ,駐独大使のグエン・チュン,政治改革を訴えるアピールを発表。 |
29日 | PVNのグエン・スアン・ソン元会長に死刑,OceanBankのハー・ヴァン・タム元会長に終身刑宣告。 |
10月 | |
2日 | 国有企業の再編に関する政府97号決議公布。 |
3日 | 民間経済を経済発展の重要な動力とする政府98号決議公布。 |
4日 | 党中央委員会第6回総会開幕(~11日)。 |
5日 | 出光興産,給油所をハノイに開設。 |
5日 | LienVietPostBankがUPCoMに登録。 |
6日 | ファン・ディン・チャック党中央内政委員会委員長,およびグエン・スアン・タン・ホーチミン政治学院院長,党書記局員に選出。 |
6日 | 党中央委員会,ダナン市のグエン・スアン・アイン党委書記を解任。 |
7日 | 党政治局,ダナン市党委書記にチュオン・クアン・ギア交通・運輸相を任命。 |
7日 | 幹部のローテーションに関する党中央委員会98号規定公布。 |
9日 | 外務省報道官,カンボジア政府に対し,ベトナム系住民の権利保障を要請。 |
13日 | 中国,ダナン市に領事館開設。 |
16日 | チャウ・ティ・トゥ・ガー元国会議員,詐欺による財産奪取罪により終身刑宣告。 |
17日 | 「民主兄弟会」メンバーのチャン・ティ・スアン,人民政権転覆罪の容疑で逮捕。 |
17日 | 自動車製造・組立・輸入販売に関わる業者に条件を課す政府116号議定公布。 |
18日 | ベトナム残留日本兵の子どもら14人来日。 |
23日 | 第14期第4回国会開催(~11月24日)。 |
25日 | ファン・キム・カインに反国家宣伝罪で懲役6年宣告。 |
25日 | 政治システムにおける組織・機構の簡素化に関する党中央委員会18号決議公布。 |
25日 | 公的事業体の活動の刷新・効率化に関する党中央委員会19号決議公布。 |
25日 | カイシルクのオーナーのホアン・カイ,産地や素材の偽装を認めて謝罪。 |
28日 | 国家銀行,ビットコイン等の仮想通貨の使用を禁止。 |
30日 | 党対外委員会のホアン・ビン・クアン委員長,チョン書記長特使として中国訪問。 |
11月 | |
2日 | 中国の王毅外相,来訪(~4日)。 |
6日 | ヴィングループ子会社のヴィンコム・リテールがHOSEに上場。 |
10日 | APEC首脳会議,ダナン市で開催(~11日)。加盟21カ国・地域の首脳来訪。 |
10日 | SCIC,VINAMILK株の3.33%を売却。 |
11日 | アメリカのトランプ大統領,来訪(~12日)。 |
12日 | 中国の習近平国家主席,来訪(~13日)。 |
15日 | 党員の懲戒処分に関する党中央委員会102号規定公布。 |
26日 | フーイェン省弁護士会,ヴォー・アン・ドン弁護士を除名。 |
27日 | ブロガーのグエン・ヴァン・ホア,反国家宣伝罪で懲役7年宣告。 |
12月 | |
8日 | タン元党政治局員,経済関連規定違反などの容疑で逮捕。 |
8日 | 工商省,石油分野などの経営条件を削減する28号通知公布。 |
14日 | グエン・スアン・タン党書記局員,党中央理論評議会議長代行に就任。 |
17日 | ヴィンフック省のファム・ヴァン・ヴオン元党委書記およびタインホア省のゴ・ヴァン・トゥアン人民委員会副主席に対する懲戒処分。 |
18日 | 工商省,Sabecoの定款資本の53.59%にあたる株式を売却。 |
19日 | 幹部の管理・選任にかかる党中央委員会105号規定公布。 |
19日 | ラオスのブンニャン人民革命党書記長兼国家主席,来訪(~21日)。 |
20日 | ダナン市の実業家ファン・ヴァン・アイン・ヴー,国家機密漏洩の容疑で立件。 |
21日 | 南部解放記念日にベトナム共和国の旗を掲げた青年グループ5人に反国家宣伝罪で計19年の懲役宣告。 |
25日 | SCICの組織・活動条例に関する政府148号議定公布。 |
27日 | タンソンニャット空港爆破未遂事件に関し,15人に計100年以上の懲役宣告。 |
28日 | チョン書記長,政府と各地方とのテレビ会議に出席。 |
28日 | 「臨時ベトナム国家政府」支援を呼び掛けたとして9人に反国家宣伝罪などで計83年の懲役宣告。 |
(注) 政治局員,書記局員の記載順は,2018年3月17日に死去したPhan Van Khai元首相の葬儀委員会名簿に基づく。ただし、Dinh The Huynh, Tong Thi Phong, Vuong Dinh Hue, Nguyen Van Binh, Phan Dinh Trac, Nguyen Xuan Thangの各氏については同名簿に記載なし。
(出所)ベトナム国会ウェブサイト(http://quochoi.vn/)より。
(注)1)暫定値。ただし,2016年の消費者物価上昇率は確定値。失業率は都市部についての数値。
(出所)統計総局ウェブサイト(www.gso.gov.vn)。
(注)1)暫定値。
(出所)表1に同じ。
(注)1)基本価格表示。2)暫定値。
(出所)表1に同じ。
(注)1)基本価格表示。2)暫定値。
(出所)表1に同じ。
(注)1)暫定値。
(出所)表1に同じ。