Yearbook of Asian Affairs
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2018 Volume 2018 Pages 25-42

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概 況

内政面では,プーチン大統領の支持率は70~80%台と高止まりしており,2018年3月の大統領選挙で再選された。一方,メドベージェフ首相はインターネット上の動画で不正蓄財疑惑が告発され,退任を求める世論が強まり,政治的基盤に揺らぎが生じた。なお地方の首長が2人,汚職で逮捕されている。この2人を含め,2017年を通じて20人近い知事・首長が解任されて若手が登用されるなど,地方高官の積極的な交代がみられた。若年層による反政府集会は大都市部を中心に活発に行われ,政権は拘束などの弾圧を加えた。2018年3月の大統領選挙を前にプーチン政権は「安定」の重要性を強調する一方,「変革」につながる動きを警戒し,ロシア革命100周年に際してプーチン大統領は公式行事を行わなかった。

経済面では,2017年の実質GDP成長率は前年比1.5%増となり,2014年以来3年ぶりのプラス成長となった。プラス成長をけん引した主な要因として,原油価格が緩やかに上昇したことで石油・天然ガス関連企業の業績が好転したことなどが指摘される。一方,中銀の政策が功を奏して消費者物価上昇率は前年比2.5%となり,2016年の同5.4%を下回ってソ連解体以来もっとも低い水準を記録し,政策金利の引き下げが6回にわたって行われた。

日本との関係では,プーチン大統領の訪日があった2016年に引き続き,2017年も日ロ間の要人の往来は活発であった。中国との関係では,北朝鮮の核問題をめぐり対話路線で一致し両国で行程表を作成したほか,政治,経済,軍事の各面で関係強化がみられる。北朝鮮との関係では,国会議員団が複数回にわたり訪朝し,ウラジオストクに万景峰号の寄港を一時認めるなど,国連による経済制裁の下でも一定の関係を保っている。その他アジア諸国との関係では,東南アジア諸国にロシア太平洋艦隊の艦船が複数回にわたり航海を行い,アメリカの同盟国フィリピンとは兵器の供与を含めた関係強化がみられるなど,トランプ政権が自国最優先主義をとるなかで,アジアでの影響力強化をねらう動きをみせている。

内政の動向

1月22日に開催された与党「統一ロシア」党大会では,党首にメドベージェフ首相が再選された。しかし,3月2日には同首相の不正蓄財疑惑に関する動画を野党指導者ナヴァリヌィ氏がインターネット上で公開し,反響を呼んだ。同月26日にはモスクワ市の中心部で若年層を中心に無許可の反政府集会が開催され,約8000人が集結して600人以上が拘束された。政権から相対的に独立している世論調査機関レヴァダ・センターが4月に実施した世論調査では,同首相の退任に絶対賛成18%,どちらかといえば賛成27%と,合計でほぼ半数が同首相の退任を求める結果が出るなど,同首相の政治的基盤に揺らぎが生じた。レヴァダ・センターが8月に実施した「あなたをもっとも不安にさせている問題は何か」(複数回答可)という調査への回答では,物価上昇61%(前年同月比11ポイント減),貧窮化45%(同2ポイント減),失業増加33%(同4ポイント減),汚職33%(2ポイント増),経済危機・工業農業生産減28%(同3ポイント減)が上位を占めた。景気の回復傾向を背景に経済面での不安要素は前年同月比で低下しているものの,汚職については上昇している。なお4月3日には汚職対策強化法が施行されたが,その実効性には疑問が持たれている。また,2016年11月に収賄容疑で逮捕されたウリュカエフ前経済発展相に対し,2017年12月15日,1審で禁錮8年,罰金1億3000万ルーブルの実刑判決が下った。

地方政治をみると,2016年に引き続いて,汚職などを理由に地方の高官が相次いで交代させられている。2月にはペルミ地方,ブリヤート共和国,ノヴゴロド州,リャザン州,カレリア共和国の知事(首長)が更迭され,4月にはウドムルト共和国首長およびマリ=エル共和国首長が収賄容疑で逮捕,解任された。これらの相次ぐ更迭の背景には,住民の支持を得ていない地方高官を交代させることで9月10日の統一地方選挙や2018年3月の大統領選挙に向けて与党やプーチン政権への支持率を上昇させるという意図のほか,後任に若手を登用することで世代交代を図りプーチンの後継体制の構築に向けて布石を打つという面も指摘できる。

9月10日に実施された統一地方選挙では統一ロシアが圧勝したが,その後も地方高官の更迭は続いた。9月下旬にはサマーラ州,ニジュニノヴゴロド州,ネネツ自治管区,クラスノヤルスク地方の知事(首長)が更迭され,10月にはダゲスタン共和国,沿海地方,オリョール州,ノヴォシビルスク州,オムスク州,イヴァノヴォ州,プスコフ州の知事(首長)が更迭された。なおプーチン大統領は9月から10月にかけて解任された知事・首長のうち「統一ロシア」の要職についた1人を除く10人と11月2日に会見し,後任の若い世代の指導者に対して経験をふまえた助言をするよう求めた。ここでは,更迭の背景に世代交代の意図があることを大統領が示すとともに,更迭された高官の反発を和らげる意図も指摘できる。

11月7日のロシア革命100周年に際し,プーチン大統領は公式の行事を設定しなかっただけでなく,正面からの評価も避けた。その背景には,「革命」を肯定すればプーチン体制の「変革」につながりかねず,他方,否定すればソ連時代に郷愁を抱く層の反発を招いて大統領選挙に不利になりかねないという点を指摘できる。前者に関連して,プーチン大統領は若年層との対話集会などの折に「安定」を強調する発言を繰り返している。安定を強調する背景には,既述の3月のモスクワでの集会だけでなく6月のモスクワでの無許可集会でも若年層を中心に約4000人が集結し150人以上が拘束され,さらにモスクワ以外でもウラル,シベリア,極東など地方都市でも集会が開催されるなど,若年層を中心にプーチン体制の閉塞感への反発が強まっている事態を政権が警戒していることを指摘できる。

12月6日,プーチン大統領がニジュニノヴゴロドの自動車工場で労働者を前に2018年3月の大統領選挙への出馬を表明した。14日には恒例の大型記者会見において,統一ロシアの推薦ではなく無所属で出馬する旨を明らかにした。同選挙では若年層の支持を得ているナヴァリヌィ氏の立候補が認められなかったため,有力な対抗馬は存在しない。プーチン大統領は高い支持率を維持しているため当選は確実だが,相対的得票率だけでなく投票率(棄権率)の動向が注目される。なお,恒例では年末に行われる教書演説を2018年3月1日へ大幅に延期するなど,同年3月18日投票の大統領選挙に向けて異例の体制が組まれた。

経済の概況

2017年の実質 GDP成長率は速報値で前年比1.5%増となり,2014年以来3年ぶりのプラス成長となった(2014年同0.7%→2015年同マイナス2.5%→2016年同マイナス0.2%。なお2015年の値はマイナス2.8%から上方修正された)。2017年のプラス成長をけん引した主な要因として,原油価格が緩やかに上昇したことで石油・天然ガス関連企業の業績が好転したことや,ルーブルの為替レートが安定的に推移したことで資本財の輸入が容易になったことが指摘されている。ロシア経済の成長を大きく規定する要因は原油,天然ガスの価格水準である。国際原油価格のうちロシアの取引基準価格に用いられるウラル原油と近い動きをみせる北海Brentの価格動向をみると,2014年の大幅な下落(1バレル当たり年初107.94ドル→年末55.27ドル)後,2016年に一時的に同30ドル台を割込む展開をみせたが,OPECとロシアなど非OPECの主要産油国との協調減産も功を奏し,2017年に入るとほぼ一貫して緩やかな上昇傾向がみられる(1月2日:同55.05ドル→12月29日:同66.78ドル)。原油価格の上昇傾向を受け,通貨ルーブルの為替レートは対米ドルで56ルーブルから60ルーブルの間で安定的に推移した。

為替レートの安定的な推移により輸入インフレが低減されたことやナビウリナ中央銀行総裁によるインフレ・ターゲット政策が功を奏したこともあって,消費者物価上昇率は前年比2.5%となり,2016年の同5.4%を下回ってソ連解体以来もっとも低い水準を記録した。この物価動向を受けて政策金利の引き下げが6回にわたって行われ,年初の10.00%から年末の7.75%まで2.25ポイント低下した(3月24日:9.75%,4月28日:9.25%,6月16日:9.00%,9月15日:8.50%,10月27日:8.25%,12月15日:7.75%)。しかし,相次ぐ利下げにもかかわらず,年末時点で7.75%と消費者物価上昇率を5.25ポイントも上回る水準に設定されており,引き締め色が濃い。中央銀行は10月27日の政策決定会合後の声明で,金融政策を引き締め色の濃いものから中立的なものへ移行させていく旨を述べており,2018年の政策金利は消費者物価上昇率とのギャップが小幅になる方向で展開するものと見込まれる。

2014年のウクライナ情勢を契機に西側によって課されている経済制裁は,部分的に強化されつつ継続している。2017年8月にはアメリカで対ロシア制裁強化法が成立し,ロシアの政府系金融機関への融資制限やパイプライン建設への投資制限などが強化されるだけでなく,対ロシア制裁を解除ないし緩和する場合は,ウクライナ情勢をめぐるいわゆる「ミンスク2」合意のロシア側の履行に関するアメリカ議会の審査が義務付けられた。

12月5日,2018~2020年の3カ年予算が成立した。2014年の原油価格急落を受けた財政赤字基調は20年度まで継続する見込みである(財政赤字の規模は,2018年:GDP比1.3%,2019年:同0.8%,2020年:同0.8%)。しかし,財政赤字を補填してきた予備基金がほぼ枯渇するに至り,予備基金は国民福祉基金に統合され(2018年1月),国民福祉基金で財政赤字を補填することになった。

極東開発をめぐる動き

1月11日,ガルシュカ極東発展相は下院において,2016年の極東からの人口流出が前年比で約半分,2014年比で3分の1に減少した旨,指摘した。2月1日には,極東の土地を無償で供与する制度の対象をロシア全土の住民に拡大した。新型特区(先行社会経済発展区域)は,沿海地方や色丹島で新規に指定されただけでなく,極東以外の地域にも指定の対象が拡大された。極東以外で指定された地域はいずれも不況に苦しむ単一企業依存都市(モノゴロド)である。

8月1日,ウラジオストク自由港において,電子査証の最短4日での発行が開始された。対象国に日本も含まれる。また自由港制度の対象がウラジオストク以外の4カ所に拡大された。8月3日から4日にかけてプーチン大統領が極東を訪問し,同月22日にはメドベージェフ首相がサハリンを訪問するなど,政権首脳による極東への高い関心は維持されている。9月6日から7日にかけてウラジオストクで東方経済フォーラムが開催され,プーチン大統領,安倍晋三・首相,韓国の文在寅・大統領,モンゴルのバトトルガ大統領が出席するなど,同フォーラムは北東アジア地域におけるロシアのプレゼンスを高める役割を果たしている。

対日関係

プーチン大統領が訪日した2016年に引き続き,2017年も日ロ間の要人の往来は活発であった。しかし陸上配備型ミサイル防衛システム「イージス・アショア」の日本への配備に対し,ロシアはアメリカがルーマニアとポーランドに配備したミサイル防衛システムと併せてロシア包囲網に向けた動きだと強く批判している。

要人の往来を具体的にみていくと,1月11日,世耕弘成・経済産業大臣が来訪し,シュワロフ第一副首相,マトビエンコ上院議長,マントゥロフ産業通商相らと会談し,ノヴァク・エネルギー相とともに第2回日ロ・エネルギー・イニシアティブ協議会を開催した。1月16日から18日にかけて岸信夫・外務副大臣が来訪し,マントゥロフ産業通商相らと会談した。2月17日,ドイツのボンで開催されたG20外相会議の際に日ロ外相会談が行われ,3月に日ロ「2プラス2」を再開することで一致した。3月20日,東京で第2回日ロ「2プラス2」会合が開催され,日本側は岸田文雄・外相と稲田朋美・防衛相,ロシア側はラヴロフ外相とショイグ国防相が出席した。前回の開催は2013年11月であったが,その後,ロシアによるクリミア編入などで実施が延期されていた。同月30日には東京で第13回日ロ戦略対話が開かれ,杉山晋輔・外務事務次官とチトフ第一外務次官との間で4月下旬の安倍首相訪ロなどが協議された。4月10日,鈴木宗男・新党大地代表がロシアを訪問し,11日にモルグロフ外務次官と会談して日ロ首脳会談の開催を確認した。同月27日,モスクワで日ロ首脳会談が開催され,サハリン・北海道間の天然ガス・パイプライン建設案や北方領土への航空機による墓参などが協議された。

7月7日,ドイツのハンブルクで開催されたG20の際,プーチン大統領と安倍首相との会談が行われ,北朝鮮情勢や北方領土での共同経済活動などが協議された。同月9日には,ロシア中部エカテリンブルクで開催された「イノプロム2017」に際し,プーチン大統領と森喜朗・元首相の会談が行われた。8月7日,マニラで開催されたASEAN関連外相会議の際,ラヴロフ外相と河野太郎・外相との間で日ロ外相会談が行われ,北朝鮮問題などが協議された。同月17日,モスクワにて共同経済活動に関する外務次官級協議が秋葉剛男・外務審議官とモルグロフ外務次官との間で行われ,クルーズ船での観光や水産加工などの分野が検討された。翌18日には秋葉審議官とリャプコフ外務次官(核拡散防止など担当)との間で外務次官級戦略対話が行われ,北朝鮮問題などが協議された。同月24日,外務省のザハロヴァ報道官が日本のイージス・アショア導入に関し,アメリカの世界的なミサイル防衛網に組み込まれるものだとして懸念を表明した。

9月5日,パトルシェフ安全保障会議書記が日本を訪問し,谷内正太郎・国家安全保障局長や安倍首相と会談し,7日の日ロ首脳会談に向けて安全保障分野を中心に協議を行った。当日7日,ウラジオストクで開催された東方経済フォーラムの際,日ロ首脳会談が行われ,北方領土での共同経済活動や北朝鮮情勢が協議された。同月18日にはニューヨークで開催された国連総会の際に日ロ外相会談が行われている。9月21日にはサフォノフ連邦観光庁長官が日本を訪問し,田村明比古・観光庁長官と観光分野での協力促進を協議した。なお6月から9月にかけてサハリンと北海道の稚内を結ぶフェリーが34往復運行され,サハリンでのサイクリングを楽しむ日本人など計1374人が利用している。10月1日,ドボルコヴィチ副首相が日本を訪問し,安倍首相との間で経済分野を中心に両国関係について会談した。同月24日,ショイグ国防相がフィリピンでの第4回拡大ASEAN国防相会合の際に小野寺五典・防衛相と北朝鮮情勢をめぐり会談した。11月10日,ベトナムのダナンで開催されたAPEC首脳会議の際に日ロ首脳会談が行われ,共同経済活動や平和条約締結問題などが協議された。同月24日にはモスクワで日ロ外相会談が開催され,日本側はイージス・アショア導入について北朝鮮のミサイルに備えるものでロシアへの脅威にはならないと説明した。12月28日,外務省のザハロヴァ報道官は,日本がイージス・アショア導入を決定したことに対し,中距離核戦力(INF)全廃条約への違反だと非難した。このように,2017年に日ロ間の首脳会談は3回行われるなど,要人の往来は2016年に引き続き活発に行われたが,イージス・アショアの問題が両国間の懸案事項として浮上している。

安全保障面での往来をみると,1月20日,ロシアのミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツと補給艦が舞鶴港に入港し,同月23日,若狭湾にて第16回日ロ合同海上救助演習を実施した。10月14日から18日にかけては,海上自衛隊の護衛艦はるさめと練習艦かしまがウラジオストクに入港し,16日に艦隊代表団とウラジオストク副市長が会談を行っている。同月18日には,極東のアニワ湾において,連邦保安庁国境警備局と日本の海上保安庁との間で犯罪阻止や海上での人命救助に関する共同演習が行われた。11月24日,日ロ合同の海上捜索・救難演習がロシア極東のピョートル大帝湾で行われ,日本側は護衛艦はまぎりが参加した。11月27日,サリュコフ地上軍総司令官が日本を訪問し,山崎幸二・陸上幕僚長と会談している。12月11日から13日にかけてゲラシモフ参謀総長が日本を訪問し,小野寺防衛相,河野克俊・統合幕僚長と会談し,北朝鮮情勢やシリア情勢を協議した。

北方領土をめぐる動きでは,2月22日,「クリル」に師団を配置する旨,ショイグ国防相が発言するなど,北方領土の軍事化が進みつつある。3月16日,東京で北方領土の共同経済活動に関する外務次官級協議が開催され,現地での調査などが協議された。6月1日,プーチン大統領は,北方領土が日本に返還されると米軍基地やミサイル防衛施設が設置される可能性があり,そのような事態は受け入れがたい旨を発言した。同月27日から7月1日にかけて,北方領土での共同経済活動に関する官民合同の調査団が第1回の現地調査を実施した。8月23日,メドベージェフ首相が新型特区(先行社会経済発展区域)の色丹島への設置を決定した。同特区では水産加工場の建設が予定されている。9月23日,航空機による北方領土への墓参が初めて実施された。10月27日,北方領土での共同経済活動に関する官民合同の調査団による第2回の現地調査が実施された。このように,共同経済活動に向けた動きが進展する一方,新型特区の設置や師団の配置などロシアの実効支配を強める動きも進んでいる。

中国との関係

ロシアは中国との間で,北朝鮮核開発問題において対話による解決を求める共通の路線をとり,韓国での終末高高度防衛(THAAD)システムへの配備にともに反対するなど,外交・安全保障面での協調がみられる。

3月21日から24日にかけてコロコリツェフ内相が中国を訪問し,郭声琨・国務委員兼公安部長との間で反テロなどの協力強化などを協議した。3月29日,中国の汪洋・副首相がロシア北部のアルハンゲリスクを訪問し,ロゴジン副首相との間で北極圏や原子力などでの協力をめぐり会談が行われた。4月29日,ロシア外務省は,アメリカと韓国が朝鮮半島での軍事演習を中止するとともに北朝鮮がミサイル発射と核実験を中止するという中国の提案を支持する旨,表明した。5月14日,プーチン大統領は中国を訪問し,「一帯一路」国際フォーラムに参加して習近平・国家主席,李克強・首相と会談した。同日,北朝鮮が弾道ミサイルを発射したが,翌15日,プーチン大統領はこれを批判する発言を行っている。

7月3日,習近平国家主席が来訪した。プーチン大統領との間での首脳会談では,北朝鮮の核開発問題やシリア問題などを協議し,北朝鮮の核開発の停止と米韓の軍事演習の停止の双方の同時実施を求める点で合意した。同月26日,パトルシェフ安全保障会議書記が28日にかけて中国を訪問し,楊潔篪・国務委員らと会談して朝鮮半島情勢などを協議した。8月21日,モルグロフ外務次官と中国の孔鉉佑・外務次官補との間で北東アジアの安全保障に関するロ中対話が実施され,朝鮮半島情勢などが協議された。9月3日から5日にかけてプーチン大統領は中国を訪問し,アモイで開催されたBRICS首脳会議に参加するとともに,習近平国家主席ら各国首脳と会談した。9月8日,ハバロフスクにおいてロシア極東・中国東北部の協力・発展に関する政府間委員会の第1回会合が開催され,ロシア側はトルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表,中国側は汪洋副首相が出席した。10月31日から11月1日にかけてメドベージェフ首相が中国を訪問し,李克強首相と第22回ロ中首相定例会談を行った。会談では,天然ガス・パイプライン「シベリアの力」西ルートでのガス供給をめぐる交渉,ロシア国営ロスコスモス社と中国国家宇宙局との協力などを協議した。11月10日,ベトナムのダナンで開催されたAPEC首脳会議の際,プーチン大統領と習近平国家主席との会談がなされ,ロ中間の戦略的連携が確認された。12月24日に行われたプーチン大統領による記者会見では,中国による北極海航路への関心の強さを指摘したうえで,中国が北極海航路の利点を享受できるよう助力する旨の発言があった。また,ヤマルLNG(液化天然ガス)プロジェクトやガス・パイプライン,高速鉄道,宇宙,航空の各分野での同国との協力関係を評価し,長期的に戦略的パートナーシップが維持されることへの確信を表明する発言もあった。

軍事面での動きをみると,6月7日,ショイグ国防相は中国の常万全・国防相と会談し,THAADシステムの韓国配備を受けたロ中防空演習の実施などを協議した。同日,2017~2020年のロ中間での軍事分野における協力発展に関する行程表に両国の国防相が調印している。ロシアと中国の海上合同演習「海上連携2017」の第1段階がバルト海において7月21日から28日にかけて実施され,遭難船の捜索訓練などが行われた。ロシアと中国の合同演習がバルト海で実施されたことで,近隣のバルト三国,ポーランド,スカンジナビア半島諸国の警戒が強まった。同演習の第2段階は9月18日から26日にかけてウラジオストク,日本海,オホーツク海南部で実施された。中国海軍は最新型軍艦052D型ミサイル駆逐艦を演習に投入し,合同潜水艦救難訓練が行われた。

経済面では,西側による経済制裁を背景に,資金調達が困難になっているロシア企業が中国で人民元建ての社債を発行し,また中国の金融機関がロシアで人民元での決済サービスの提供を開始するといった動きがみられる。具体的には,3月16日,アルミニウム大手のルサール社が上海証券取引所で10億元のパンダ債を発行した。3月22日には,中国工商銀行がモスクワで人民元での決済サービスを開始した。

北朝鮮・韓国との関係

ロシアは北朝鮮の核問題をめぐり,国連による経済制裁に同調はするものの,万景峰号によるウラジオストクと羅津間の定期航路の運航を認め,また議員団が複数回にわたって北朝鮮を訪問するなど,一定の関係を維持している。これは,中国が北朝鮮に対して厳しい措置をとっていることと対照的といえる。

3月6日の北朝鮮によるミサイル発射を受けて,ペスコフ大統領報道官は重大な懸念を示すとともに,関係諸国に自制を求めた。3月11日から16日にかけてロシアのエネルギー安全センターの代表団が平壌を訪問し,外務省や国際問題研究院の関係者と会談を行った。3月22日,ロシアと北朝鮮との間の第7回移民問題作業部会が平壌で開催され,労働移民をめぐる諸問題が協議された。3月27日にはタイサエフ下院議員(露朝親善議員団長)ら独立国家共同体(CIS)諸国政党連合の代表団が北朝鮮を訪問し,タイサエフ議員に北朝鮮政府から親善勲章2級が授与された。5月18日,北朝鮮の万景峰号がウラジオストクに入港し,羅津との間で週1往復の定期便の運航が開始された。その後,8月下旬には,ウラジオストク港当局から港湾使用料の未払いを理由に入港が拒否されて休航となったが,9月30日にウラジオストクから羅津に向けて貨物を積載して運航が再開された。9月5日,中国のアモイで開催されたBRICS首脳会議後の記者会見においてプーチン大統領は,北朝鮮の核開発問題に関し,イラクのフセイン政権の末路を引き合いに出した上で,「北朝鮮は,雑草を食べてでも,自身が安全だと実感しない限りこの計画を放棄しないだろう」と指摘した。9月7日,プーチン大統領は東方経済フォーラムの全体会議において北朝鮮を地域協力に引き込むことの重要性を説き,朝鮮半島を縦断する鉄道とシベリア鉄道との連携やロシアから朝鮮半島を縦断するパイプラインを具体例として挙げた。同日,ガルシュカ極東発展相は北朝鮮の金英在・対外経済相と会談し,核問題での自制を求めた。10月2日,モロゾフ下院議員率いる自由民主党の代表団が平壌を訪問し,5日に李秀勇・朝鮮労働党副委員長および金永南・朝鮮労働党政治局常務委員と会談した。モロゾフ議員によれば,北朝鮮側はアメリカ西海岸に到達する長距離ミサイルの発射を準備している旨,主張していたという。同月14日,サンクトペテルブルクで列国議会同盟総会が開催され,北朝鮮の安東春・最高人民会議副議長も参加した。

万景峰号の運航を認めるなど北朝鮮に対するロシアによる経済制裁の実効性には疑問が生じているが,10月14日,プーチン大統領は北朝鮮との経済協力を制限する大統領令に署名した。これは2016年11月末の国連安保理制裁決議を受けた内容となっている。10月18日,北朝鮮の崔善姫・外務省北米局長がモスクワに来訪し,核不拡散に関する国際会議に出席した。11月27日から28日にかけて,ヴァルダイ会議(ロシア政府高官と国内外の知識人との討論クラブ)の地域会合が韓国のソウルで開催され,北朝鮮の核問題に関するロシアと中国の共同行程表の内容についてモルグロフ外務次官が紹介した。行程表は,北朝鮮の核・ミサイル実験とアメリカ・韓国の大規模軍事演習の同時凍結→アメリカと北朝鮮の直接協議→多国間協議の3段階で構成される。11月27日から12月1日にかけて,タイサエフ下院議員を団長とする下院議員団が北朝鮮を訪問し,金永南・最高人民会議常任委員長らと会談した。同議員団が訪問中の29日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを受けて,同議員団が「人間の盾」になるのではないかとの観測も立った。12月12日,カルガノフ国防管理センター副所長を団長とする国防省の代表団が平壌を訪問し,合同軍事委員会第1回会合に参加している。

韓国との関係をみると,1月13日,太平洋艦隊のミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツおよび補給艦が韓国の釜山港に入港し,韓国海軍関係者との会見などが行われた。9月6日から7日にかけてウラジオストクで東方経済フォーラムが開催され,韓国の文在寅大統領も参加し,プーチン大統領との会談が行われた。

モンゴルとの関係

5月31日,モンゴルを訪問したコロコリツェフ内相が同国のビャンバツォグト法務内務相との間で,内務関連の協力に関する覚書に調印した。8月31日,モンゴルでロシア・モンゴル合同軍事演習「セレンガ2017」が実施された(同演習は2008年から実施)。9月7日,東方経済フォーラムに際してプーチン大統領はモンゴルのバトトルガ大統領と会談し,また両大統領は日本の安倍首相とともに嘉納治五郎記念ウラジオストク日露ジュニア柔道大会を観戦した。

ベトナムとの関係

2月20日から22日にかけて,マトビエンコ上院議長ら上院議員代表団がベトナムを訪問してチャン・ダイ・クアン国家主席,グエン・スアン・フック首相らと会談し,同国とユーラシア経済同盟との間の自由貿易協定が2016年10月に発効したことを受けた経済関係強化などを協議した。2月28日には,ベトナムがロシアから購入したキロ級潜水艦2隻の出航式が行われた。3月14日,トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表がベトナムを訪問し,15日にチ・ディン・ズン副首相と極東へのベトナム企業の進出などについて会談した。6月29日,ロシアに来訪したチャン・ダイ・クアン国家主席とプーチン大統領との首脳会談が行われている。7月25日にはパトルシェフ安全保障会議書記がハノイを訪問し,チャン・ダイ・クアン国家主席,トー・ラム公安相と会談して安全保障問題を協議した。12月27日,ロシアとベトナムとの間で商用および軍用トラックなどの現地生産および技術移転の内容を含む政府間協定が署名された。

インドとの関係

ロシアはインドとの関係も引き続き緊密に保っている。3月16日,トルトネフ副首相兼極東連邦管区大統領全権代表がインドを訪問し,ウラジオストク自由港でダイヤモンド加工施設を操業予定のKGKグループ会長らと会見した。同月17日,ニューデリーでロ印軍事産業会議が開催され,ロシア側からはマントゥロフ産業通商相が参加した。なお両国はヘリコプターKa226の現地生産に向けて合弁企業を設立する見込みである。6月1日,ペテルブルク国際経済フォーラムに参加したモディ首相は,プーチン大統領と会談を行い,アフガニスタン情勢などを協議した。6月9日に開催された上海協力機構(SCO)首脳評議会において,インドとパキスタンの正式な加盟が認められたが,これによりインドはBRICSに加えてSCOの枠組みでもロシアと協調する見通しである。6月23日,インドのジャイトリー国防相がモスクワに来訪し,ショイグ国防相とともに両国の軍事技術協力政府間委員会第17回会合に参加し,軍事協力発展の行程表に調印した。9月3日から5日にかけて中国のアモイで開催されたBRICS首脳会議の際,プーチン大統領とモディ首相との首脳会談が行われた。10月19日から29日にかけて,沿海地方においてロシアとインドの陸海空軍による合同軍事演習「インドラ2017」が実施された。2016年までは陸軍,海軍,空軍による演習は別個に行われていたが,2017年に陸海空軍合同で行われるようになった。11月15日,タラセンコ沿海地方知事代行は,同地の北朝鮮の労働者が経済制裁によりロシアを退去することを受けてインドの労働者を採用する計画がある旨,発言している。

パキスタン・アフガニスタンとの関係

アフガニスタン国境に近いパキスタン北西部にある武装勢力ターリバーンの訓練キャンプをロシア軍関係者が訪問したとの報道に対し,4月8日,外務省は否定する声明を発表した。4月14日,第5回アフガニスタン和平協議がモスクワで開催され,中国,パキスタン,アフガニスタン,インド,イラン,中央アジア5カ国の代表が参加したが,アメリカは招待を断っている。6月9日,SCO首脳評議会でパキスタンの正式加盟が決定された。8月22日,アメリカのティラーソン国務長官は,ロシアがターリバーンに武器の支援を行っている旨を指摘したが,同月24日,外務省のザハロヴァ報道官はターリバーンへの支援を否定した。9月22日から10月4日にかけてロシア南部カラチャイ・チェルケス共和国にてパキスタンとの合同軍事演習「友好2017」が実施され,約200人の山岳狙撃兵が対テロ演習に参加した。同演習は2016年9月に初めて実施され,今回が2回目となる。10月23日,ロシア外務省はアフガニスタンのガニー大統領によるロシアのターリバーン支援を批判する発言に反論する声明を発表した。同月31日,パトルシェフ安全保障会議書記がアフガニスタンを訪問し,ガニー大統領と会談して両国の安全保障面の協力などを協議した。12月14日の記者会見でプーチン大統領は,アフガニスタン情勢に関して麻薬流入の遮断などをめぐりアメリカとの協力の用意がある旨を表明した。同月24日,ヴォロジン下院議長がパキスタンを訪問し,中国,アフガニスタン,イラン,トルコの代表とともに対テロ国際会議に出席した。

フィリピンとの関係

2017年を通じて,ロシア太平洋艦隊の艦船によるアジア太平洋諸国への航行が積極的になされた。注目されるのは,アメリカの同盟国であるフィリピンを3度にわたり太平洋艦隊の艦船が訪問したことである。1月3日,太平洋艦隊のミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツと補給艦がマニラに入港し,6日には同国のドゥテルテ大統領が同艦を視察している。2月16日,パトルシェフ安全保障会議書記がフィリピンを訪問し,同国のドゥテルテ大統領やロレンサーナ国防相らと会談した。一連の会談において安全保障面での関係強化に向けた取り組みが協議され,ドゥテルテ大統領の警護部隊のロシアでの訓練が提案された。4月20日,太平洋艦隊のミサイル巡洋艦ワリャークと補給艦がマニラに入港し,21日にドゥテルテ大統領が同艦を視察した。同月26日には第6回モスクワ国際安全保障会議にロレンサーナ国防相が参加し,ロシアのショイグ国防相との会談も行われた。

5月22日,ドゥテルテ大統領がロシアに来訪,23日にプーチン大統領と会談し,ドゥテルテ大統領は軍事技術の支援を要請した。9月28日,フィリピン軍の代表団が極東のアムール州の軍事演習場を訪問し,射撃訓練などを視察した。10月12日,太平洋艦隊のミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラドフ,アドミラル・パンテレーエフと補給艦1隻がブルネイに寄港して同国海軍と合同演習を実施した後,同月20日にマニラへ入港して26日まで滞在した。その間,24日にはショイグ国防相が第4回拡大ASEAN国防相会合に合わせてフィリピンを訪問し(ロシア国防相のフィリピン訪問は史上初),ロレンサーナ国防相と軍事技術協力協定に調印した後,25日にはドゥテルテ大統領とともに対テロ戦闘支援のための武器・弾薬(AK-74M自動小銃や多目的車両など)の引き渡し式典に出席した。

その他アジア諸国との関係

2017年にロシア太平洋艦隊の東南アジア方面の航海が複数回行われた。太平洋艦隊のミサイル巡洋艦ワリャークと補給艦は,4月20日のマニラ寄港(前述)後,4月27日にベトナムのカムラン湾,5月5日にタイのサッタヒープ港,同月22日にインドネシアのジャカルタにそれぞれ入港した。ジャカルタではインドネシア海軍との操艦の合同演習が行われた。ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフと補給艦1隻は,11月7日,カンボジアのシアヌークビル港に入港し,13日にタイのパタヤ,17日に同国チュクサメット港へ寄港した。27日にはインドネシアのタンジュンプリオク港,12月7日にはミャンマーのティラワ港に入港し,同月21日にはシンガポールのチャンギ海軍基地に寄港している。

ミャンマーとの関係では,ロヒンギャ問題をめぐりロシア国内のイスラム教徒がミャンマー政府を批判する動きをみせており,たとえば9月4日にはチェチェン共和国のカディロフ首長が同地のグロズヌィで開催された数千人規模の集会に参加した。軍事面では,ミャンマーのミンアウンフライン国軍総司令官がロシアを訪問し,6月20日にショイグ国防相と会談している。タイとの関係では,3月15日から18日にかけてロシアのサリュコフ陸軍総司令官がタイを訪問している。ラオスとの関係では,3月12日から14日にかけてサリュコフ陸軍総司令官がラオスを訪問し,軍将校のロシアでの訓練の問題などを協議した。9月26日に同国のシスリット首相がモスクワに来訪し,メドベージェフ首相との会談で査証廃止問題などを協議した。インドネシアとの関係では,12月5日にロシアの戦略爆撃機Ts95MSが2機,同国ビアク空港に着陸し,7日に太平洋南部で哨戒飛行を実施している。スリランカとの関係では,同国のシリセーナ大統領がモスクワに来訪し,3月23日にプーチン大統領,メドベージェフ首相と会談した。

2018年の課題

内政面では,2018年3月18日の大統領選挙でプーチン候補がどの程度の得票率,投票率で勝利するかという点(選挙の結果,相対的得票率76.7%,投票率67.5%,絶対的得票率51.8%で当選)に加え,4期目のプーチン政権において首相に誰が任命されるかという点がプーチン後の動向を予測するうえでも注目される。

経済面では,政府の経済見通しでは原油価格の安定傾向を受けて2020年にかけてプラス成長を見込んでいるが,物価の下落傾向を受けて政策金利がどの程度まで引き下げられるかが,設備投資や個人消費の動向の面からも着目点となろう。

外交面では,日本との関係において北方領土での共同経済活動など経済面での関係強化は引き続き図られると見込まれるが,安全保障面ではイージス・アショアの配備という対立要素もある。中国との関係では,引き続き北朝鮮の核開発問題などでの両国の協調が見込まれるが,中国の「一帯一路」政策での中央アジアへの進出や北極海航路への進出といった分野での関係の行方に着目する必要があろう。北朝鮮との関係では,北朝鮮が中国との首脳会談後に韓国,アメリカとの首脳会談を予定するなかで,ロシアとの首脳会談の行方が重要事項となる。また,ロシアとフィリピンなどアジア諸国との関係強化がどこまで進むのか,アメリカが自国最優先主義をとり,国際環境が変化するなかで注目される。

(和光大学准教授)

重要日誌 ロシアのアジア政策 2017年
   1月
3日ロシア太平洋艦隊の駆逐艦アドミラル・トリブツと補給艦,マニラに入港。13日釜山港,20日舞鶴港に入港。23日,若狭湾にて第16回日ロ合同海上救助演習を実施。
11日世耕弘成・経済産業相,モスクワでシュワロフ第一副首相と会談。
11日ガルシュカ極東発展相,下院で極東からの人口流出の減少傾向を指摘。
12日世耕・経済産業相,ノヴァク・エネルギー相と第2回日ロエネルギー・イニシアティブ協議会を開催。
22日統一ロシア党大会で党首にメドベージェフ首相を再選。
   2月
1日極東での土地無償提供の対象が全国民に拡大。
6日ペルミ地方知事,更迭。
7日ブリヤート共和国首長,更迭。
13日ノヴゴロド州知事,更迭。
14日リャザン州知事,更迭。
15日カレリア共和国首長,更迭。
16日パトルシェフ安全保障会議書記,フィリピン訪問。ドゥテルテ大統領と会見。
17日ドイツのボンで開催されたG20外相会議の際,日ロ外相会談を実施。
20日マトビエンコ上院議長ら上院議員代表団,ベトナムを訪問。
22日ショイグ国防相,「クリル」に新たな師団を配置する旨,表明。
   3月
2日メドベージェフ首相の不正蓄財疑惑を告発する動画がインターネット上で公開。
11日ロシアのエネルギー安全センター代表団,平壌を訪問(~16日)。
12日サリュコフ陸軍総司令官,ラオス訪問。15日タイ訪問。
14日トルトネフ副首相,ベトナム訪問。16日,インド訪問。
16日東京で北方領土の共同経済活動に関する外務次官級協議開催。
16日アルミニウム大手ルサール社,上海証券取引所で10億元のパンダ債を発行。
17日ロ印軍事産業会議,ニューデリーで開催。マントゥロフ産業通商相が参加。
20日東京で第2回日ロ「2プラス2」会合開催(前回は2013年11月)。
21日コロコリツェフ内相,中国訪問(~24日)。郭声琨・国務委員兼公安部長と協議。
22日中国工商銀行,モスクワで人民元での決済サービスを開始。
23日スリランカのシリセーナ大統領来訪。プーチン大統領,メドベージェフ首相と会談。
23日ロシア・北朝鮮間の移民問題作業部会第7回会合,平壌で開催。
24日中銀,政策金利を10.00%から9.75%に引き下げ。
26日モスクワ市中心部で若年層を中心に8000人規模の無許可の反政府集会開催。
27日タイサエフ下院議員率いる独立国家共同体諸国政党連合代表団,北朝鮮を訪問。
29日中国の汪洋副首相,ロシア北部アルハンゲリスク来訪。
30日東京で第13回日ロ戦略対話を開催。
   4月
3日汚職対策強化法,施行。
4日ソロヴィヨフ・ウドムルト共和国首長,収賄容疑で逮捕。同日解任。
6日マルケロフ・マリ=エル共和国首長,解任。13日に収賄容疑で逮捕。
11日鈴木宗男・新党大地代表,モルグロフ外務次官と会談。日ロ首脳会談の開催を確認。
14日アフガニスタン和平協議の第5回会合,モスクワで開催。
20日ロシア太平洋艦隊の巡洋艦ワリャークと補給艦,マニラに入港。27日ベトナムのカムラン湾,5月5日タイのサッタヒープ港,22日インドネシアのジャカルタに入港。
26日フィリピンのロレンサーナ国防相,第6回モスクワ安全保障会議に参加。
27日モスクワで日ロ首脳会談開催。日ロ天然ガス・パイプライン建設案などを協議。
28日中銀,政策金利を9.75%から9.25%に引き下げ。
29日外務省,朝鮮半島情勢をめぐる中国の提案への支持を表明。
   5月
14日プーチン大統領,中国訪問。「一帯一路」国際フォーラムに参加。習近平・国家主席と会談し朝鮮半島問題などを協議。
15日プーチン大統領,北京にて14日の北朝鮮による弾道ミサイル発射を批判。
18日北朝鮮の万景峰号,ウラジオストクに入港し,週1往復の定期便の運航開始。
22日フィリピンのドゥテルテ大統領,来訪。23日にプーチン大統領と会談。
31日コロコリツェフ内相,モンゴルを訪問。内務関連の協力に関する覚書に調印。
   6月
1日ペテルブルク国際経済フォーラムの際,プーチン大統領は「クリル」の日本への引き渡し後に米軍基地が設置される可能性を指摘し,基地の設置は受入れ難い旨,発言。同フォーラムに参加したインドのモディ首相と会談,アフガニスタン情勢などを協議。
7日ショイグ国防相,中国の常万全・国防相と会談,終末高高度防衛(THAAD)システムの韓国配備を受けたロ中防空演習などを協議。
9日プーチン大統領,カザフスタンのアスタナを訪問,上海協力機構(SCO)首脳評議会に参加。同会合でインドとパキスタンがSCOに正式加盟。
16日中銀,政策金利を9.25%から9.00%に引き下げ。
20日ミャンマーのミンアウンフライン国軍総司令官来訪,ショイグ国防相と会談。
23日インドのジャイトリー国防相,モスクワ来訪。ショイグ国防相とロ印軍事技術協力政府間委員会第17回会合に参加。
27日北方領土での共同経済活動に関する官民合同の調査団が現地調査(~7月1日)。
29日ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席,来訪。プーチン大統領と会談。
   7月
3日中国の習近平国家主席が来訪,プーチン大統領と会談。北朝鮮の核開発と米韓合同軍事演習の同時停止を呼び掛け。
7日プーチン大統領,ドイツで開催されたG20に参加。アメリカのトランプ大統領と初会談。同日,安倍晋三・首相と日ロ首脳会談。
9日プーチン大統領,エカテリンブルクにて森喜朗・元首相と会談。
21日ロ中の海軍合同演習「海上連携2017」第1段階,バルト海で実施(~28日)。
25日パトルシェフ安全保障会議書記,ベトナムを訪問。トー・ラム公安相らと会談。
26日パトルシェフ安全保障会議書記,中国を訪問(~28日)。
   8月
1日ウラジオストク自由港で電子査証制度が開始。
7日ラヴロフ外相,フィリピンのマニラで開催されたASEAN 関連外相会合に参加。河野太郎・外相との間で日ロ外相会談。
17日モスクワで北方領土での共同経済活動に関する外務次官級協議が開催。
18日日ロ外務次官級戦略対話,開催。北朝鮮問題などを協議。
21日モルグロフ外務次官,中国の孔鉉佑・外務次官補と朝鮮半島情勢などを協議。
23日メドベージェフ首相,色丹島への新型特区(先行社会経済発展区域)設置を決定。
24日外務省のザハロヴァ報道官,日本のイージス・アショア(陸上配備型ミサイル防衛システム)導入計画を批判。アメリカのティラーソン国務長官がロシアによるターリバーンへの武器支援を指摘したことに対し,支援を否定。
31日モンゴルでロシア・モンゴル合同軍事演習「セレンガ2017」実施。
   9月
3日プーチン大統領,中国のアモイで開催されたBRICS首脳会議に出席(~5日)。
4日チェチェン共和国のカディロフ首長,ロヒンギャ弾圧への抗議集会に参加。
5日パトルシェフ安全保障会議書記が日本を訪問,谷内正太郎・国家安全保障局長,安倍首相と会談。
6日ウラジオストクで東方経済フォーラム開催(~7日)。プーチン大統領,安倍首相,韓国の文在寅大統領,モンゴルのバトトルガ大統領が出席。
7日東方経済フォーラムに際し,日ロ首脳会談。北朝鮮情勢などを協議。
7日ガルシュカ極東発展相,北朝鮮の金英在・対外経済相と会談。
8日トルトネフ副首相と中国の汪洋副首相,ハバロフスクで開催された極東開発などをめぐる政府間委員会の第1回会合に参加。
10日統一地方選挙で統一ロシアが大勝。
15日中銀,政策金利を9.00%から8.50%に引き下げ。
18日ロ中の海軍合同演習「海上連携2017」第2段階,ウラジオストク,日本海,オホーツク海南部で実施(~26日)。
18日アメリカのニューヨークで開催された国連総会の際に日ロ外相会談。
21日サフォノフ連邦観光庁長官,日本を訪問。田村明比古・観光庁長官と観光分野の協力促進を協議。
22日ロシア南部カラチャイ・チェルケス共和国にてパキスタンとの合同軍事演習「友好2017」を実施(~10月4日)。
23日航空機での北方領土の墓参,初実施。
25日サマーラ州知事,更迭。
26日ニジュニノヴゴロド州知事,更迭。
26日ラオスのシスリット首相,来訪。メドベージェフ首相と会談。
28日ネネツ自治管区首長,更迭。
28日フィリピン軍の代表団,極東のアムール州の軍事演習場を訪問。
29日クラスノヤルスク地方知事,更迭。
  10月
1日ドボルコヴィチ副首相,日本を訪問。京都で安倍首相と会談。
2日モロゾフ下院議員を団長とする自由民主党代表団が北朝鮮を訪問。5日李秀勇・朝鮮労働党副委員長らと会談。
3日ダゲスタン共和国首長,更迭。
4日沿海地方知事,更迭。
5日オリョール州知事,更迭。
6日ノヴォシビルスク州知事,更迭。
9日オムスク州知事,更迭。
10日イヴァノヴォ州知事,更迭。
12日プスコフ州知事,更迭。
12日ロシアの駆逐艦2隻と補給艦,ブルネイに入港。同国海軍と合同演習を実施。20日フィリピンのマニラに寄港(~26日)。
14日サンクトペテルブルクで列国議会同盟総会開催。北朝鮮の安東春・最高人民会議副議長も参加。
14日プーチン大統領,北朝鮮との経済協力を制限する大統領令に署名。
14日海上自衛隊の護衛艦はるさめと練習艦かしま,ウラジオストクに入港(~18日)。
18日極東のアニワ湾にて連邦保安庁国境警備局と日本の海上保安庁が共同演習実施。
18日北朝鮮の崔善姫・外務省北米局長,モスクワ来訪。核不拡散に関する国際会議に出席。
19日ロ印の陸海空軍,合同軍事演習「インドラ2017」を沿海地方で実施(~29日)。
23日アフガニスタンのガニー大統領によるロシアのターリバーン支援批判に対し,反論する声明を外務省が発表。
24日フィリピンでの第4回拡大ASEAN国防相会合にショイグ国防相が参加。小野寺五典・防衛相と会談。
26日北方領土での共同経済活動に関する官民合同調査団,2回目の現地調査を実施。
27日中銀,政策金利を8.50%から8.25%に引き下げ。
31日メドベージェフ首相,中国を訪問。李克強首相と第22回ロ中定例首相会談。宇宙分野での協力などを協議。
31日パトルシェフ安全保障会議書記,アフガニスタンを訪問,ガニー大統領と会見。
  11月
2日プーチン大統領,9~10月にかけて更迭された知事・首長10人と会見。
7日ロシア革命100周年。プーチン大統領が参加する公式行事は行われず。
7日ロシアのミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフと補給艦,カンボジアのシアヌークビル港に入港。13日タイのパタヤ港,27日インドネシアのタンジュンプリオク港,12月7日ミャンマーのティラワ港,21日シンガポールのチャンギ港に入港。
10日プーチン大統領,ベトナムのダナンで開催のAPEC 首脳会議に出席。同日,安倍首相と日ロ首脳会談。
12日メドベージェフ首相,フィリピンを訪問し,ASEAN関連首脳会議と東アジア首脳会議に出席(~14日)。フィリピンのドゥテルテ大統領,韓国の文在寅大統領らと会談。
24日モスクワで日ロ外相会談。ロシア側はイージス・アショア導入に深い懸念を表明。
24日極東のピョートル大帝湾にて日ロ合同の海上捜索・救難演習。
27日タイサエフ下院議員を団長とする下院議員団,北朝鮮を訪問(~12月1日)。金永南・最高人民会議常任委員長らと会談。訪問中の29日に北朝鮮は弾道ミサイルを発射。
27日サリュコフ地上軍総司令官,日本を訪問し,山崎幸二・陸上幕僚長と会談。
27日ヴァルダイ会議の地域会合,ソウルで開催。モルグロフ外務次官がロ中の共同行程表の内容に言及。
  12月
5日2018~2020年の3カ年予算が成立。
6日プーチン大統領,ニジュニノヴゴロドの自動車工場で労働者を前に2018年3月の大統領選挙への出馬を表明。
7日ロシアの戦略爆撃機Tu95,インドネシアのビアク飛行場から南太平洋を哨戒飛行。
11日ゲラシモフ参謀総長,日本を訪問(~13日)。小野寺防衛相,河野克俊・統合幕僚長と会談,北朝鮮情勢やシリア情勢を協議。
12日カルガノフ国防管理センター副所長ら国防省代表団,平壌を訪問。
14日プーチン大統領,恒例の大型記者会見。無所属で大統領選挙に出馬する旨を表明。
15日中銀,政策金利を8.25%から7.75%に引き下げ。
15日収賄罪で起訴されたウリュカエフ前経済発展相,1審で実刑判決。
15日ヴォロジン下院議長,パキスタン訪問。対テロ国際会議に出席。
28日外務省のザハロヴァ報道官,日本のイージス・アショア導入の決定に対し,中距離核戦力(INF)全廃条約への違反だと非難。
 
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