Yearbook of Asian Affairs
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Trends in Countries and Regions
Democratic People’s Republic of Korea in 2022: Successful Control of the Spread of Infectious Diseases
Masahiko Nakagawa
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2023 Volume 2023 Pages 53-76

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2022年の朝鮮民主主義人民共和国

概 況

2022年の朝鮮民主主義人民共和国(本章では以下「朝鮮」と略し,南北関係については「北側」とする)では,それまで新型コロナウイルスの感染者がいない状態を維持してきたが,5月に新型コロナウイルスの国内流入が確認された。発熱者数は延べ477万2813人まで上ったが,8月には感染者なしの状態に戻った。

国内政治に関しては,最高指導者の金正恩は全住民に対する検診をはじめとする防疫体制の強化や軍医部門の人員動員などの対策を進め,その結果,7月末までに新規発熱者なしの状態になり,8月初めに発熱者のほとんどが完治し,死者数は発熱者の0.0016%にとどまった。この過程で金正恩が国家機関の幹部を強く批判するということはあったが,とくに懲罰的な人事が行われたという形跡はない。一方で,ミサイル開発では,各種ミサイルの試験発射が続けられ,配備の準備を進めていることが示された。

経済に関しては,国家予算収入の状況を見る限り,マイナス成長は避けられ,中国との貿易の回復など好条件がみえてきた。一方で,農業改革に力が入れられ,小麦栽培の推進などによる穀物生産構造の変化や咸鏡南道での新たな模範農場と農場都市の建設,江原道での総合的な地方工業工場の建設などの動きがみられる。

対外関係については,アメリカとの関係改善の兆しはなく,バイデン政権は朝鮮に対して,ロシアとの「武器取引」説を主張することなどにより,外交上の圧力を強めている。

国内政治

感染症の蔓延とその克服

2020年初めから始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延に対して,朝鮮は,中央集権的な防疫体制を組織し,国境封鎖によってウイルスの流入を遮断するとともに,国内で殺菌・消毒の徹底や人や物資の移動制限,公共交通機関でのマスク着用の義務化などを実施してきた。世界保健機関南東アジア地域事務所に報告されたところでは,2022年3月末現在で新型コロナウイルス感染者はゼロ,それまでポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査が延べ6万4207人,サンプル数18万2968個について行われ,結果はすべて陰性であったとされている。

ところが,5月12日に突如,新型コロナのオミクロン変異ウイルス「BA.2」による発熱者が国内に発生したこととともに,党第8期第8次政治局会議の決定として,「最大非常防疫体系」への移行が宣言され,すべての機関や部門は「国家非常防疫司令部」の指示に服従することが求められた。この最大非常防疫体系の中心となる国家非常防疫司令部の組織構成は当初明らかではなかったが,『労働新聞』2022年5月24日付ですでに2020年8月に組織されていたものであると発表された。2022年6月1日から保健省の柳英吉局長が朝鮮中央テレビで発症状況を同司令部の報告として発表するようになり,8月10日に最大非常防疫体系が解除される際には,李忠吉党科学教育部長が同司令部の司令官として公式報道に登場した。これらの報道によって,同司令部は党中央委員会の人員が指揮を,保健省の人員が状況の把握や防疫事業の進行を担当する機関であり,開城に感染の疑いがある脱北者が入った2020年8月に,全国的な防疫事業や封鎖された地域への物資の供給などを指揮するべく組織され,開城封鎖が解除された後も,感染症の国内での流行に備えて残されていたことがわかる。

最大非常防疫体系では,従来の行政区域間の移動制限に加えて,企業や農場などの事業単位別,企業や農場などのなかでの生産単位別,住宅などの生活単位別での隔離が実施されるようになり,また,全住民に対する検診が進められた。金正恩は2022年5月14日,15日,21日,29日の4回にわたり,党政治局のメンバーに防疫部門の幹部を加えた党政治局協議会を開いて感染症の蔓延に対処した。このうち15日の2回目の党政治局協議会で金正恩は,人民軍の軍医部門からの人員を人口が最大の平壌市に投入するよう指示を出し,翌16日から国防省後方総局の主導で24時間医薬品を供給する「薬品保障戦闘」が展開された。

新型コロナウイルス感染症の発症状況については,最大非常防疫体系が宣言された5月12日の段階で公表されたところで,「原因がわからない熱病」により4月末から延べ35万余人が発熱,うち16万2200余人が完治,18万7800余人が隔離および治療中,6人が死亡,そのうち1人が新型コロナのオミクロン変異ウイルスである「BA.2」の陽性者であったとされている。以後,「熱病」や「伝染病」という表現で発熱者数や完治者数,死亡者数が発表されるようになった。これは最大非常防疫体系が,発熱者に対して新型コロナウイルスの感染によるものか否かを判定するよりも,隔離と治療に取り掛かることを優先していたためであるが,判定のためのPCR検査のキットや機械の数が発熱者の数に追いつかないという事情もあったと思われる。

隔離と治療の優先政策は功を奏し,一時39万人以上に上った日ごとの新規発熱者数は2カ月を経て1000余人にまで減少し,7月29日には0人となった。この時点で発熱者総数は477万2813人であり,8月3日までにそのうちの99.9984%にあたる477万2739人が完治し,死亡者の総数は0.0016%の74人にとどまった。8月10日に開かれた全国非常防疫総和会議で金正恩は,「勝利」を宣言し,最大非常防疫体系の解除が発表された。この会議での討論のなかで,感染症蔓延を80日余りという短い期間に解消したこと,死亡率が非常に低かったことが「世界的な奇跡」であると称えられ,金正恩と党の権威を大きく高めることになった。

勝利宣言に続いて,13日に国家非常防疫司令部は朝鮮中央テレビを通じて,最大非常防疫体系を「緊張強化された正常防疫体系」に防疫等級を引き下げること,マスク着用義務を解除すること,サービス施設の運用時間の制限を解除することを発表する一方,検病検診を強化すること,発熱者掌握に力を注ぐこと,公共の場所での消毒事業を強化することを司令部通報として発表した。翌14日には,平壌に投入されていた人民軍軍医部門の兵士たちの原隊復帰が始まった。

最大非常防疫体系の解除の後については,9月8日に金正恩が,10月以降に抗体能力が低下するという予測について言及し,ワクチン接種を実施することと,11月からマスク着用を奨励することを発表した。

国家機関,軍事および保安機関における人事異動

国家機関での内閣メンバーの異動は,金徳勲内閣が2021年1月に陣営を整えてから2022年上半期までの間に,2021年6月に国土環境保護相が金京俊から山林総局副局長であった金成俊に交代しただけであった。最大非常防疫体系に入ってからも,金正恩が2022年5月15日の党政治局会議協議会で,医薬品の供給やそれに関連した行政命令に関して内閣と保健省,検察部門の活動を強く批判したことがあったが,総理の金徳勲,保健相の崔京哲,中央検察所所長の禹相哲の地位はそのまま維持されており,懲罰的な人事異動が実施された形跡はみられない。

2022年6月の党中央委員会第8期第4次全員会議で,8人の副総理のうち1人が全賢哲から全承国に,外務相が李善権から崔善姫に,国家科学技術委員長が李忠吉から李斗一に,商業相が朴革哲から郭正俊に交代した。うち,全賢哲は党秘書兼経済部長,李善権は党統一戦線部長,李忠吉は党科学教育部長というように,それぞれ党の重要職責に異動した。また崔善姫の前職は外務省第一副相,李斗一のそれは国家科学技術委員会局長であり,いずれも同一機関からの昇格である。朴革哲の異動先,全承国,郭正俊の経歴は現段階では不明である。

さらに2022年末の党中央委員会第8期第5次全員会議でも異動があり,化学工業相が馬宗山から金哲河に,軽工業相が張京一から金昌石に交代した。金哲河の前職は化学工業省傘下の興南肥料連合企業所支配人,金昌石のそれは軽工業省紡織工業管理局傘下の新義州紡織工場支配人であり,いずれも同一部門の現場からの昇格であった。

これに対して,軍事および保安機関では金正恩時代に入ってから頻繁な異動が続いている。これは,初代金日成の時代から始まって二代目金正日まで続いてきた幹部人事を固定化する慣習を,金正恩が意図的に打破しようとしているとみられる。人民軍の作戦指揮を担当する総参謀長は2022年初め時点では林光日であったが,6月の党中央委員会第8期第4次全員会議で社会安全相の李泰燮に交代し,さらに年末の党中央委員会第8期第5次全員会議で李泰燮に代わって社会安全相であった朴秀一が就任した。人民軍の政治統制を担当する総政治局長は2022年初頭時点では権英進であったが,6月の党中央委員会第8期第4次全員会議で国家保衛相の鄭京澤と交代した。年初の時点で警察の長官に相当する社会安全相を務めていた李泰燮は,6月の党中央委員会第8期第4次全員会議で前述のように人民軍総参謀長に異動して第1軍団長の朴秀一と交代したが,その後年末の党中央委員会第8期第5次全員会議で再び社会安全相に復帰した。政治警察の長官に相当する国家保衛相は年初では鄭京澤であったが,6月の党中央委員会第8期第4次全員会議で李昌大に交代した(表1参照)。

表1 主要な軍事および保安機関幹部の人事(2022年)

(出所)筆者作成。

党機関の人事

2021年1月の党第8次大会の後,党中央委員会各部署の幹部人事は明確な形で開示されておらず,2021年末の党中央委員会第8期第4次全員会議に関する『労働新聞』2022年1月1日付の報道でも,党の日常的な業務に従事している党秘書および党部長の構成が発表されなかった。しかし,以前から留任している人物の確認,公式行事への参加状況などによる役職の判定などの作業により,2022年初めの人事構成を知ることができる(表2)。なお,この段階で科学技術政策を担当する党科学教育部長は空席であった。

表2 2022年初における党中央委員会の主要幹部

(出所)筆者作成。

党中央委員会の筆頭部署は党組織の人事を担う組織指導部であり,2021年1月以来党組織担当秘書である趙勇元の下で,金在龍が2020年8月から部長を努めている。そしてこのほか党秘書兼検査委員会委員長の鄭相学,党勤労団体担当秘書の李日煥,党軍政指導部長の呉日正,党統一戦線部長の金英哲,党規律調査部長の朴泰徳,党軽工業部長の朴明順,党幹部部長の許哲万,党農業部長の李哲万,党勤労団体部長の李斗成,党法務部長の金亭植,党国際部長の金成南が2021年1月以来引き続きその職にある。また,党秘書兼経済部長の呉洙容は2021年2月から,党軍需工業部長の兪鎮は2021年9月からその職にある。以上の人物の留任は『労働新聞』2022年4月26日付で名前が出ていることから確認される。

そして,2022年初めの段階で報道に出ていない人物として,党の政策を浸透させる党宣伝煽動部長の朱昌一,党の活動を記録する党歴史研究所所長の金英光,党の金庫番である党財政経理部長の李昌成がいた。朱昌一はすでに2021年6月18日に党中央委員会委員に就任していたが,同時に党宣伝煽動部長に就任したことは報じられず,党部長の地位にあることが判明したのは『労働新聞』2022年1月29日付の報道であった。また,党宣伝煽動部を担当していることが判明したのは,2月9日に党宣伝煽動部長が行うのが通例となっている郵便切手展示会の開会辞を朱昌一が述べたと翌10日付の『労働新聞』が報じたことであった。金英光も2021年6月18日に党中央委員会委員に就任していたが,同時に党歴史研究所所長に就いたことは報じられなかった。党歴史研究所所長の地位にあることは『労働新聞』2022年2月10日付の報道で判明した。李昌成は2021年末に党中央委員会委員に就任したが,このときに党財政経理部長に就いたことは報じられなかった。党財政経理部長の地位にあることは,2022年9月13日に党部長の肩書で黄海北道黄州郡にある党直営の光川鶏工場での集会に出席したことから判明した。

党機関の人事は4月から変化を見せ始めた。李炳哲は2021年6月に「職務怠慢行為」を批判されて党政治局常務委員,党秘書,党中央軍事委員会副委員長の職を解かれていたが,2022年4月25日の人民革命軍創建90周年慶祝閲兵式に党政治局常務委員,党秘書として参席し,それらの職に復帰したことが明らかになった。さらに,李炳哲は6月21~23日の党中央軍事委員会第8期第3次拡大会議で党中央軍事委員会副委員長に就任して,失脚前の地位をすべて回復した。空軍出身の李炳哲は党軍需工業部門で核兵器やミサイルの開発に携わった経験があり,核兵器およびミサイル開発を続ける金正恩にとって李炳哲の経験は手放すことができないものであったと思われる。

6月7~10日に開かれた党中央委員会第8期第5次全員会議拡大会議でも党秘書局および事業部署で異動があった(表3)。政治局常務委員の趙勇元は組織担当の党秘書から党秘書兼組織指導部長に異動し,金在龍は党組織指導部長から党秘書兼党検査委員会委員長に就任した。組織指導部門について,趙勇元の実際の権限には変更はないものと思われる。また,金在龍の異動先である党検査委員会は党幹部および党員に対する監察の役割を担っており,党組織部門と並行して引き続き党幹部および党員の行動や生活を統制する役割を担うことになった。党経済部では,呉洙容に代わって全賢哲が副総理から党秘書兼党経済部長に異動した。党軍需工業部では,兪鎮に代わって趙春龍が部長に就任した。2021年に党政治局委員,党秘書兼党宣伝煽動部長を解任された朴泰成は,今回政治局委員と党秘書に復帰したが,担当部署は不明である。このほか,空席であった党科学教育部長に国家科学技術委員長であった李忠吉が就任した。そして,外務相であった李善権が党統一戦線部長に異動した。李善権は以前に南北対話を担当しており,古巣に戻ったものであった。

表3 2022年6月10日における党中央委員会の主要幹部

(出所)筆者作成。

さらに,12月26~31日の党中央委員会第8期第6次全員会議でも大幅な異動があったことが,『労働新聞』2023年1月1日付で発表された(表4)。この報道のなかで,党政治局常務委員の朴正天について党秘書と党中央軍事委員会副委員長の職を解任されたことが明らかとなった。これは党政治局常務委員も解任されたことも示していた。朴正天に代わって国防相であった李英吉が党秘書兼党中央軍事委員会副委員長に就任した。李英吉は朴正天と同じく総参謀長の経験を有するが,砲兵出身の朴正天とは異なり,前線の第5軍団長,作戦総局長を歴任するなど,歩兵出身とみられる。

表4 2022年末における党中央委員会の主要幹部

(出所)筆者作成。

また,朴泰徳が黄海南道党責任秘書に移ったのに代わって金相健が党規律調査部長に,党財政経理部副部長であった金勇洙が李昌成に代わって党財政経理部長に,李恵貞が金英光に代わって党歴史研究所所長に,そして,党軍政指導部長であった呉日正が国防相に異動した姜順南に代わって党民防衛部長に就任した。このうち呉日正の異動は,呉日正が党軍政指導部長に就任する前に就いていた職務への復帰である。そもそも党軍政指導部は呉日正がその部長に就任する際に設けられた部署であった。そして今回新たに党軍政指導部長が任命されなかったことは党軍政指導部そのものが廃止されたことを意味するようである。

ミサイルと偵察衛星の開発

朝鮮政府とアメリカのバイデン政権との断絶状態が続き,韓国政府からの関係の改善に向けた動きも2021年9月に止まっていた。そのうえに,新型コロナウイルス感染症の蔓延のために縮小および中止されていた韓米の合同演習が2022年に強化または再開された。朝鮮労働党はそれに対抗して軍事力の強化とその誇示を進めるようになった。2022年は国防力強化のための5カ年計画の2年目でもあり,ミサイルの配備や開発が進み,偵察衛星の開発にも進展が見られた。

中長距離弾道ミサイルに関しては,1月30日に「火星-12」の検収射撃試験(量産・配備されている武器の抜き打ちテスト)が実施され,すでに実戦配備されていることが示された。大陸間弾道ミサイルに関しては新たな「火星砲-17」の試験発射が3月24日と11月18日に実施された。なお,「火星」シリーズのミサイルはこの3月24日の試験発射以来,「火星砲」と呼ばれるになったようである。

極超音速ミサイルの試験発射は1月5日と11日に実施された。とくに金正恩が立会った11日の試験発射は「最終試験発射」とされ,実戦配備が間近であることを示していた。ただし,ミサイルの名称や性能に関する発表はなかった。

低高度滑空跳躍型の飛行軌道を持つ「戦術誘導弾」の試験発射は,1月17日に検収射撃試験が実施され,すでに実戦配備に入っていることを示した。さらに,27日には「戦術誘導弾」の弾頭戦闘部の威力判定試験も実施された。このミサイルは,2021年9月に試験発射された「火星-8」であると推定される。

長距離巡航ミサイルについては,1月25日にシステム更新のための試験発射が行われ,これもすでに実戦配備されていることが示された。10月12日には金正恩の立会いの下で試験発射が実施され,8の字飛行をしたうえで2000キロメートル先の標的に命中したことが発表された。ただし,このミサイルの名称は明らかにされていない。

偵察衛星については,2月27日と3月5日にロケット発射を伴う「重要試験」が実施され,12月17日にはロケットに通信や撮影のための機器を搭載して高度500キロメートルまで飛ばす「最終段階の重要試験」を実施した。衛星の名称は発表されていないが,2023年4月に1号機を打ち上げる計画だとされている。

試験発射とは別に,南側の軍事演習に対抗する演習でもミサイル発射が実施された。とくに,9月末から,米軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」が参加した9月26~29日の韓米海上連合訓練,10月7~8日の5韓米日連合海上訓練に対しては,金正恩が自ら指導して戦術核運用部隊の対抗演習を9月25日~10月9日に実施し,そのなかで28日,10月1日,6日に各種ミサイルを発射した。

経 済

国家予算の動向

2022年は「国家経済発展5カ年計画」(2021~2025年)の2年目に当たる。この計画の数値目標は当初,平壌市(5万世帯)と剣徳地区(2万5000世帯)での住宅建設,年間800万トンのセメント生産しか公表されなかった。しかし,2022年9月7日に金正恩によって,「2025年末に2020年水準より国民総生産を1.4倍以上,人民消費品生産を1.3倍以上成長させること」という目標が存在していたことが明らかにされた。5年間で1.4倍というのは年平均7.0%の成長が必要であるが,国民総生産の約6割に相当する国家予算収入の動きを見る限り,その実現は厳しい状況にあるといえる。

2022年の国家予算計画は2月6~7日の最高人民会議第14期第6次会議で報告された。報告によれば,国家予算収入計画は前年より0.8%増であった。これは2021年計画の0.9%増よりも低い伸びであり,国境封鎖の継続による影響を考慮したと思われる。

項目別の収入計画は,取引収入金(企業の取引税に相当)が0.6%増,国家企業利益金(企業の法人税に相当)が0.9%増であり,この2つで収入総額の83.5%を占める。そのほか,協同団体利益金(協同農場や協同所有企業の法人税に相当)が0.4%増,減価償却金(生産機関の減価償却相当の積立金)が前年同水準,不動産使用料(主に協同農場の地税に相当)が0.3%増,社会保障料が0.2%増,財産販売・価格偏差収入(企業などの財産の取引税に相当)が前年同水準,「集金収入」が6.8倍増加,その他収入が0.2%増,特殊経済地帯収入(経済特区での税金に相当)が前年同水準とされ,どの項目も低い増加率であった。なお,「集金収入」は初めて報告で言及された項目であり,新たに設けられたと考えられるが,その内容は現段階では明らかにされていない。

一方,2022年の国家予算支出計画は前年より1.1%増と策定された。項目別の支出計画は,経済部門の投資である人民経済発展資金が前年より2.0%増,うち科学技術部門に対する投資が0.7%増とされた。そして,非生産部門に関する支出である人民福利増進資金は前年より0.4%増,うち教育が2.6%増,保健が0.7%増,文化芸術が0.3%増,体育が0.8%増となった。また,「世界的な保健危機に対応するための支出項目」が新たに設けられ,前年より33.3%増と発表されたが,これも人民福利増進資金に含まれるものと思われる。また,支出の構成に関しては国防費に関してのみ発表され,前年実績と同じく支出総額の15.9%であった。

そして,2022年の国家予算実績は2023年1月17~18日の最高人民会議第14期第8次会議で発表された。予算収入実績は計画の100.7%執行で,前年より1.5%増加した。予算支出実績は計画の99.9%執行であった。これらの数値から2022年の国家予算収支は収入(=支出)計画の0.5%相当の黒字を出したことになる。収入項目に関しては公表されなかったが,収入実績がほぼ計画どおりであったことから,それぞれの項目もほぼ計画に沿っていたと推定される。

支出実績に関しては,人民経済発展資金が計画と大差がない1.6%増,そのうち科学技術への投資が同じく1.0%増,計画で言及されなかった基本建設投資が0.1%増であった。

支出構成に関しては国防費が計画どおり支出総額の15.9%であったことのほかに,人民経済発展資金のうち各経済部門に対する投資である人民経済事業費が同じく24.4%であること,そのうち農業部門への投資が同じく1.6%であったことが発表された。

人民経済発展資金のシェアは発表されなかったが,これはこれまでの予算報告と照合して計算することができる。2020年実績が支出総額の45.3%,2021年および2022年実績の伸び率がそれぞれ0.4%増,1.6%増,その一方で支出総額の2021年および2022年実績の伸び率がともに1.0%増(計画が1.1%増に対して0.99%執行)であったため,2021年実績の支出総額に対するシェアは45.4%,2022年実績のそれは45.7%であったことが算出される。そして,人民福利増進資金については2020年以降総額に対するシェアが発表されていないため,支出総額から人民経済発展資金と国防費を減じたものを人民福利増進資金とみなすと2021年実績では38.7%,2022年実績では38.4%となる。したがって,2022年実績の支出構成は2021年実績のそれと大きな違いはなかったといえる。

なお,新型コロナウイルスの流入を阻止するために講じられた国境封鎖措置によって激減していた中国との貿易が2022年から回復に向かっている。これは2022年の国家予算収入実績がマイナス成長に陥らず,計画を超過達成することに寄与したようである。2022年の中国の対朝鮮輸出は8億9404万ドルで前年比247.5%増,輸入は1億3368万ドルで前年比130.2%増と急速に回復している。パンデミックが始まって間もなくから中止されていた鉄道の運航も再開の動きを見せた。9月26日には朝中間で新義州=丹東間,11月2日には朝ロ間で豆満江=ハサン間の鉄道運航の再開が発表された。

農業改革の本格化と地方の開発

金正恩は2021年末の党中央委員会第8期第4次全員会議で「われわれ式社会主義農村発展の偉大な新時代を開いていこう」と題する報告を行った。報告の全文は公開されていないが,ここで農村発展の目標として,農業勤労者の意識水準の向上,農業生産力の飛躍的発展,農村生活環境の根本的な改善が挙げられたと報じられた。また,小麦の栽培を推進することでこれまでのコメとトウモロコシの生産に集中していた穀物生産構造を変えていく方針も示されたとされている。

2022年には,多くの農村での新住宅建設の進展が報じられた。咸鏡南道咸州郡で大規模な模範農場である連浦温室農場が10月10日に竣工し,さらに11月20日にそこに1000余戸の住宅が建設されて農場都市を形成するようになった。地方工業の模範として江原道で金化地方工業工場が6月21日に竣工したことなどの成果も見られた。

さらに,農場の組織形態に変化が生じていることを示す動きが出てきた。7月から集団所有である協同農場の名称から「協同」の文字が消え,郡単位で協同農場を管理する郡協同農場経営委員会も郡農場経営委員会に改称した。また,協同農場のトップは「管理委員長」と呼ばれていたが,これも「経理」に変わった。このことは農場が独自の経営活動を行う権利を保障された「企業体」であることを強調するための措置であったと思われる。ただし,農場の所有形態が集団所有から国有に変わったことを意味するのかどうかは,現段階では不明である。

対外関係

対米関係は断絶状態

アメリカとの交渉は2019年10月5日のストックホルムでの実務協議を最後に途絶えたままである。2021年1月にバイデン政権が発足してからも交渉再開に向けた具体的な動きはなかった。しかも2022年1月12日にアメリカ財務省は朝鮮国籍の貿易関係者ら5人に制裁を科し,同日に国務省も朝鮮国籍1人,ロシア国籍1人,ロシアの1団体に制裁を科すなど,朝鮮に対する圧力をかけ続けた。

3月24日に朝鮮で大陸間弾道ミサイル「火星砲-17」の試験発射が実施されると,25日の国連安全保障理事会緊急会合でアメリカは制裁強化のための新たな決議案を提出する考えを示した。これに対して,中国が朝米の直接交渉を主張したため,安保理で一致をみることはなく,そのかわりアメリカは緊急会合後に日本,韓国を含めた15カ国による朝鮮非難の共同声明を発表した。

また,アメリカは朝鮮がロシアに対して武器を輸出するのではないかという懸念を強く抱くようになった。9月7日,ホワイトハウスのカービー国家安全保障会議戦略広報調整官が,ロシアがウクライナとの戦闘継続のために朝鮮から数百万発のロケットと砲弾を購入する過程にあると発表した。これに対して,21日に朝鮮国防省は,これまでにロシアに武器や弾薬を輸出したことはなく,今後もそのような計画はないと言明した。11月2日にカービーは,朝鮮がロシアに対して砲弾を中東やアフリカ経由で供給していることを示す情報があると発言したが,4日にマツェゴラ駐朝ロシア大使,7日には朝鮮国防省も同様にこれを否定した。

さらにカービーは,12月22日に,朝鮮が11月にロシアに歩兵用ロケットとミサイルを搬入し,ロシアの民間軍事会社であるワグネル社が代金を支払ったことを確認したと発表した。また一方で,同日の『東京新聞』が,朝ロ間で軍事物資の輸送が11月20日に鉄道を通じて行われたと報道した。これに対してこの日のうちに朝鮮外務省は日本側の報道を非難する形で「武器取引」説を否定した。

ロシアに対する全面的支持

2月21日にロシアがウクライナのドンバス地方の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を国家として承認し,24日にウクライナに対する「特別軍事作戦」を開始すると,28日に朝鮮外務省はこの事態の根源が「他国に対する強権と専横に専念しているアメリカと西側の覇権主義政策」にあるという見解を発表し,ロシア支持の姿勢を明確にした。そして,7月13日に朝鮮外務相は,「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」それぞれの外相宛に独立承認の手紙を発送した。また,マツェゴラ駐朝ロシア大使は18日付『イズベスチア』紙電子版で,朝鮮がドンバスに労働者を派遣する可能性に言及するなど,朝鮮がロシアの行動に協力的な姿勢を示していることを強調した。

9月30日にロシアがドネツク,ルガンスク(ルハンスク),ザポロジエ(ザポリージャ),ヘルソンの4州を併合すると,10月4日に朝鮮外務省はこの併合への支持を発表した。一方,同日発ロシア通信は,駐朝ロシア大使館の話としてロシアが朝鮮からの衣類や履物の輸入に関心を持っていると報じた。

2023年の課題

2023年の党の方針は,2022年12月26~31日の党中央委員会第8期第6次全員会議に関する報道で示された。その報道によると,金正恩は戦勝(朝鮮戦争停戦)70周年と共和国創建75周年に当たる2023年の課題を「社会主義建設で新たな局面を開くための全人民的な戦いをいっそう拡大発展させて5カ年計画完遂の決定的保障を構築すること」であると述べ,2023年に達成すべき主要経済指標と「12の重要課題」を示したとされている。ただし,報告の全文は公表されていない。また,2023年1月に策定された国家予算計画でも国家予算収入の伸びは1.0%と低く見込まれており,5カ年計画達成に必要な国内総生産の平均7.0%成長の実現はかなり厳しいものになっているようである。

また,南北関係や対外関係についても,金正恩は報告で,外からの脅威を強調して,「自衛的防衛力強化に拍車をかけることについての重大な政策的決断」を明らかにしたとされ,これまでとは別のタイプの大陸間弾道ミサイルを開発することや核爆弾保有量の幾何級数的な増加などについて言及したとされている。2023年も尹錫悦政権やバイデン政権との対話が実現する可能性は小さく,当面関係改善の選択肢を考慮することなく,核兵器およびミサイル開発をはじめとする軍事力強化が躊躇なく進められるであろう。

なお,防疫体制に関してはワクチン接種を進めるという政策の進展状況は明らかではないが,これに大きな進展があれば,これまでのゼロコロナ政策を変更することや外国との人の出入りの制限を緩和する可能性もある。

(地域研究センター)

重要日誌 朝鮮民主主義人民共和国 2022年
   1月
1日金正恩,錦繍山太陽宮殿を訪問。
5日国防科学院,極超音速ミサイル試験発射実施。
11日金正恩,国防科学院で実施された極超音速ミサイル最終試験発射を参観。
14日人民軍と国防科学院,平安北道鉄道機動ミサイル連隊の検閲射撃訓練を指導。
15日『労働新聞』,江界高麗薬加工工場改築を報道。
17日国防科学院と第2経済委員会,戦術誘導弾検収射撃試験実施。
19日金正恩,党政治局第8期第6次会議を司会。
25日国防科学院,長距離巡航ミサイル体系更新のための試験発射実施。
27日国防科学院,地上対地上戦術誘導弾の常用戦闘部威力確証のための試験発射実施。
28日『労働新聞』,金正恩の重要武器体系を生産している軍需工場訪問を報道。
28日『労働新聞』,金正恩の咸州郡連浦温室農場建設予定地訪問を報道。
30日国防科学院と第2経済委員会,地上対地上中長距離弾道ミサイル「火星-12」型検収射撃試験実施。
   2月
1日金正恩,旧正月記念公演を観覧。
6日最高人民会議第14期第6次会議(~7日),内閣事業報告,国家予算を承認。
8日第2次建設部門活動家講習開始,金正恩書簡伝達。
11日第1次光明星節人民芸術祝典開幕(~18日)。
12日金正恩,和盛地区1万世帯住宅建設着工式で演説。
14日平城建材工場,農業研究院蜜蜂研究所,竣工。
18日金正恩,連浦温室農場着工式で演説。
26日党第2次初級党秘書大会(~28日),28日に金正恩結論。
27日国家宇宙開発局と国防科学院,偵察衛星開発計画に従った「重要試験」実施。3月5日にも実施。
   3月
10日『労働新聞』,金正恩の国家宇宙開発局訪問を報道。
11日『労働新聞』,金正恩の西海衛星発射場訪問を報道。
15日金正恩,松新・松華地区1万世帯住宅建設場を訪問。
24日金正恩,大陸間弾道ミサイル「火星砲-17」型試験発射を指導。
28日党第1次宣伝部門活動家講習会(~30日),金正恩書簡伝達。
   4月
2日金与正党副部長談話,1日に韓国国防部長官が「先制攻撃」に言及したことを批判。
2日金正恩,中区域瓊楼洞普通江江岸段々式住宅区を訪問。
4日金与正党副部長談話,韓国国防部長官の「先制攻撃」発言を再び批判。
10日第32次「4月の春」人民芸術祝典(~18日)。
11日金正恩,松華通り竣工式でテープカット。
13日金正恩,普通江江岸段々式住宅区を再び訪問し竣工式でテープカット。
13日沙里院教員大学竣工。
14日『労働新聞』,金正恩が在日同胞子女の教育のために2億5118万円の教育援助費と奨学金を総聯に贈ったと報道。
15日金正恩,錦繍山太陽宮殿を訪問。
15日金正恩,金日成誕生110周年慶祝中央報告会と平壌市群衆示威に参席。
16日金正恩,新型戦術誘導武器試験発射を参観。
20日『労働新聞』,黄海南道峯泉郡鷹邑里の分校開設,通学船の運航開始を報道。
23日『労働新聞』,南浦市臥牛島区域に青年野外劇場が新設されたと報道。
25日金正恩,人民革命軍創建90周年慶祝閲兵式で演説。
   5月
12日金正恩,党第8期第8次政治局会議を司会,オミクロン変異ウイルス「BA.2」の検出を発表,国家非常防疫司令部に無条件に従うことを指示。
12日金正恩,国家非常防疫司令部を訪問。
12日最大非常防疫体系稼働(~8月10日)。
14日金正恩,党政治局協議会を司会,医薬品の普及に関して討議。
15日金正恩,党政治局非常協議会を指導,平壌市内の薬局を訪問。
16日人民軍軍医部門戦闘員決意集会,薬品保障戦闘開始(~8月14日)。
17日金正恩,党政治局常務委員会拡大会議を指導。
21日金正恩,党政治局協議会を指導。
28日金正恩書簡「各界各層同胞群衆の無窮の力で総連復興の新時代を開いていこう――在日朝鮮人総連合会第25次全体会議参加者に送る書簡」,発表。
29日金正恩,党政治局協議会を指導。
29日朝鮮中央通信,国家非常災害委員会で中央と道・市・郡に非常災害危機対応指揮組を組織する指示を下達したと報道。
31日『労働新聞』,球場青年2号発電所の建設を報道。
   6月
1日『労働新聞』,清津市汚物処理工場の操業開始を報道。
7日党第8期第9次政治局会議。
8日金正恩,党中央委員会第8期第5次全員会議拡大会議を司会(~10日)。
12日金正恩,党秘書局会議を司会。
14日『労働新聞』,興上乳牛牧場乳牛分場建設を報道。
15日金正恩,薬品を海州市党委員会に寄贈。
15日『労働新聞』,金野郡での自然流式水路工事完工を報道。
21日金化郡地方工業工場,竣工。
21日金正恩,党中央軍事委員会第8期第3次拡大会議を司会(~23日)。
27日金正恩,党秘書局拡大会議を指導。
30日国家非常防疫司令部,「悪性ウイルス流入経路調査結果」を発表。
   7月
2日金正恩,党各級組織部党生活部門活動家特別講習会を指導(~6日)。
3日『労働新聞』,将子山総合食料工場昆布加工品生産工程確立を報道。
13日外務省,「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認。
27日金正恩,戦勝69周年記念行事で演説。
   8月
4日漁郎川3号発電所,竣工。
10日金正恩,全国非常防疫総和会議で演説,防疫・保健部門の模範的な活動家・科学者たちと会見。
13日朝鮮中央テレビ,防疫等級の引き下げ,マスク着用義務の解除,サービス施設運用時間制限措置の解除を発表。
17日モスクワでロシアとの航空安全性向上についての協定調印。
18日金正恩,人民軍軍医部門戦闘員たちを祝賀激励し,演説。
18日金与正党副部長談話,15日に尹錫悦韓国大統領が述べた「大胆な構想」提案を批判。
23日海州市左陽山ミネラルウォーター工場操業開始。
26日南興青年化学連合企業所炭酸ソーダ生産工程,竣工。
26日農業研究院稲研究所白川分所,竣工。
28日慈江道航空倶楽部,竣工。
29日第6次労農赤衛軍指揮成員会議(~30日),金正恩書簡伝達。
31日『労働新聞』,江界市での総合薬局建設を報道。
   9月
4日金正恩,国家災害防止事業総和会議を指導(~5日)。
7日最高人民会議第14期第7次会議(~8日),8日に金正恩施政演説。
8日金正恩,李雪柱夫人と建国74周年慶祝行事で少年団員に花束贈呈。
9日金正恩,建国74周年慶祝行事に参加した防疫部門功労者たちと記念撮影。
14日全国法務部門活動家大会(~15日)。金正恩書簡伝達。
21日国防省,ロシアとの「武器取引」説を否定。
25日『労働新聞』,鴨緑江総合食料工場昆布加工工程完工を報道。
25日党第8期第10次政治局会議。
25日海州広場で,軍需工業部門で生産され黄海南道に送られた農業機械5500台の伝達式。
25日金正恩,人民軍戦術核運用部隊の軍事訓練を指導(~10月9日)。
26日中国外交部,丹東=新義州間の鉄道運航再開を決定したと発表。
28日楽浪博物館竣工。
  10月
4日外務省,ロシアのドネツク,ルガンスク,ヘルソン,ザポロジエの併合に対する支持を発表。
6日金正恩,西部前線長距離砲兵区分隊と西部地区空軍飛行隊の合同打撃訓練を指導。
7日清津木材加工工場,改築。
8日『労働新聞』,時中琉璃工場での板ガラス生産工程確立を報道。
8日金正恩,人民軍空軍の大規模航空攻撃総合訓練を指導。9日に戦闘飛行士たちと会見。
10日金正恩,連浦温室農場竣工式でテープカット。
12日金正恩,万景台革命学院・康盤石革命学院創立75周年記念行事で記念演説。
12日金正恩,長距離戦略巡航ミサイル試験発射を指導。
16日金正恩,万景台革命学院を訪問。
17日金正恩,党中央幹部学校で記念講義。
21日『労働新聞』,明川ナマズ種魚場でのスッポン生産基地建設を報道。
26日大城山アイスクリーム工場,竣工。
27日三大革命展示館で「婦人服展示会-2022」開催。
30日『光復の千里道』学生少年宮殿改築,竣工。
  11月
2日人民軍,韓米連合空中訓練「ビジラントストーム」(10月31日~11月5日)への対応軍事訓練実施(~5日)。
2日金星トラクター工場1段階改築現代化プロジェクト,竣工。
2日ロシア極東鉄道,ハサンから豆満江駅への鉄道の運行が再開されたと発表。
6日咸興青年1号発電所,竣工。
10日『労働新聞』,咸鏡北道電子業務研究所の新設を報道。
12日『労働新聞』,松涛園缶詰工場建設を報道。
13日金正淑教員大学現代化,竣工。
17日龍首山ミネラルウォーター工場,竣工。
18日金正恩,新型大陸間弾道ミサイルの試験発射を指導。
18日清津青年野外劇場,竣工。
19日第5次保衛活動家大会(~23日),金正恩書簡伝達。
22日科学技術殿堂で「全国防疫・保健部門科学技術発表会および展示会2022」開催(~29日)。
28日航空節記念行事(~29日),金正恩祝賀文伝達。
30日金正恩,党第8期第11次政治局会議を司会。
  12月
1日『労働新聞』,金正恩の11月4日の大規模飛行総出動作戦に参加した指揮成員と飛行士との会見を報道。
1日葛麻海岸養殖事業所,竣工。
1日羅先畜種場現代化,竣工。
4日南浦市龍岡民俗公園,竣工。
5日人民軍東西前線部隊,海上実弾砲射撃実施(~6日)。
6日大安乳牛牧場現代化工事,竣工。
6日新南浦駅舎,竣工。
9日黄海北道保健酸素工場,竣工。
10日『労働新聞』,价川市放流漁業事業所改築,能力拡張工事終了を報道。
15日金正恩,国防科学院の大出力固体燃料発動機の地上噴出実験を指導。
15日両江道保健酸素工場,竣工。
18日趙玉姫海州教員大学改築,竣工式。
18日国家宇宙開発局,西海衛星発射場で偵察衛星開発のための最終段階の重要試験実施。
21日『労働新聞』,咸鏡南道保健酸素工場の新設,仁興乳牛牧場乳牛分場の改築,城川江タイル工場の改築を報道。
22日『労働新聞』,黄海南道品質分析所,海州豚工場,道農業科学研究所の竣工を報道。
22日外務省,朝鮮がロシアに鉄道で軍事物資を輸送したという報道を否定。
23日『労働新聞』,平安北道で球場青年2号発電所,雲山麺家,新義州青年ヤギ牧場の建設および改築の竣工を報道。
23日『労働新聞』,平安南道航空倶楽部,道獣医防疫所,价川市放流漁業事業所の竣工を報道。
23日『労働新聞』,開城市キムチ工場,市保健酸素供給所竣工を報道。
24日『労働新聞』,金川スッポン工場,豊漁海養魚事業所,康翎海養魚事業所種魚場の新設を報道。
25日『労働新聞』,北倉郡果物保管庫の新設を報道。
25日朝鮮中央テレビ,鉄原郡ヤギ牧場の完工を報道。
26日『労働新聞』,平安北道航空倶楽部,道環境保護研究所,仕上げ建材総合生産基地,ウサギ種蓄場,新義州市汚物処理工場の竣工を報道。
26日金正恩,社会主義憲法制定50周年記念報告大会に出席。
26日新義州化粧品工場ポムヒャンギ研究所,竣工。
26日党中央委員会第8期第6次全員会議拡大会議(~31日),金正恩報告。
26日少年団第9次大会(~27日),金正恩書簡伝達。
26日朝鮮中央テレビ,元山履物工場改築を報道。
26日平安北道芸術劇場改築,竣工。
28日『労働新聞』,平安北道干潟地建設総合企業所での月島干潟地建設完工を報道。
29日剣徳鉱業連合企業所・龍陽鉱山・大興青年英雄鉱山地区で新住宅建設,入居(~30日)。
31日金正恩,軍需工業部門労働階級からの600ミリ超大型放射砲贈呈式に参加,演説。
31日金正恩,5月1日競技場で新年慶祝大公演を観覧。
31日第2経済委員会,党中央に贈呈された超大型放射砲の性能検閲のための検収射撃実施。

参考資料 朝鮮民主主義人民共和国 2022年
① 国家機構図(2022年12月末現在)
② 朝鮮労働党中央機構図(2022年12月末現在)
③ 党および国家機関の指導メンバー(2022年末現在)

③ 党および国家機関の指導メンバー(2022年末現在)(続き)

主要統計 朝鮮民主主義人民共和国 2022年
1 国家予算収入総額および支出総額(2008~2023年)

(出所)各年度国家予算報告による。

2 国家予算支出の構成(2008~2023年)

(出所)各年度国家予算報告による。

3 公式発表の穀物生産(2013~2020年)

(出所)『朝鮮新報』日本語版2019年2月22日,FAO平壌代表部2015年6月15日発表,朝鮮社会科学院の李基成教授インタビュー(『週刊東洋経済』第64905号[2013年10月12日号],同第6628号[2015年11月14日号],『週刊東洋経済』ウェブサイト2018年3月1日),2018年および2019年は国連の “DPR Korea Needs and Priorites” 2019年版および2020年版,2020年は Government of the Democratic People’s Republic of Korea, “Democratic People’s Republic of Korea Voluntary National Review on the Implementation of the 2030 Agenda”。

4 公式発表のGDP(2013~2019年実績および2025年計画)

(出所)2010年は「対外投資合作国別(地区)指南――朝鮮(2017年)」(中国商務部)に掲載された朝鮮対外経済省の数値。2013年は,『朝鮮民主主義人民共和国投資案内』(朝鮮対外経済投資協力委員会,2014年)。2011年,2016年と2017年は社会科学院経済研究所の李基成教授インタビュー(『週刊東洋経済』第6490号[2013年10月12日],『日本経済新聞』2018年10月12日)。2014年は社会科学院の李基成教授が2016年8月に在日朝鮮人研究者に伝えたもの。2019年はGovernment of the Democratic People’s Republic of Korea, “Democratic People’s Republic of Korea Voluntary National Review on the Implementation of the 2030 Agenda”。2025年計画は『労働新聞』2022年9月9日。

5 中国の対朝鮮貿易(2016~2022年)

(出所)中国海関統計。

6 ロシアの対朝鮮貿易(2016~2021年)

(出所)ロシア外国貿易統計。

 
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