2024 Volume 2024 Pages 9-22
2023年の東アジアは「凪」というべき平穏のなかにあった。2021年の米中対立の激化,また2022年の台湾海峡危機と比較すればその安定は明らかである。あるいは他の地域と見比べてみれば,2023年には欧州ではロシア・ウクライナ戦争が消耗戦の様相を呈し,西側のウクライナ支援にも陰りが見え始め,ウクライナと西側の関係でも,ウクライナ国内でも軋轢が顕在化した。なによりも,中東では10月7日にはじまるガザ紛争によって深刻な人道危機が発生し,米英のイエメン攻撃に象徴されるように,さらに紛争が拡大する可能性も無視できない。
これに対して東アジアでは米中関係が一定の安定をみた。ジョセフ・バイデン政権成立以来―あるいはドナルド・トランプ前政権より―アメリカにとって中国は最も警戒すべき存在と位置付けられてきた。だが年初の監視気球をめぐる危機を乗り越えると米中両国は接触を深め,11月には首脳会談の実現に漕ぎつけた。
とはいえアメリカの目的は,中国との大国間競争が武力衝突にエスカレートしないよう管理することにある。政権発足以来バイデン政権は,中国の経済成長および技術発展の鈍化とアメリカの経済・技術的優位の維持を掲げ,またこれを実現し,かつ中国を抑止するために同盟国との連携を強化してきた。2023年もこの動きは着実な進展をみせ,米中対立は構造的・固定的なものとなりつつある。
だがこの反面で,アメリカの戦略構想は行き詰まりをみせている。欧州および中東情勢の緊迫によって,中国に対応するためのリソースの集中という年来の構想は水泡に帰し,ガザ紛争をめぐっては外交的孤立に陥って自ら掲げてきたリベラルな規範を毀損し,同盟・友好諸国に利益をもたらし得る経済構想を打ち出すこともできていない。これはトランプの復権に象徴される米国内の分断を重要な背景として,アメリカが,自ら主導してきた国際秩序を維持する意欲を失い,さらにそのための能力も発揮できなくなっているという事実の現れにほかならない。
2023年10月7日,パレスチナのガザ地区を実効支配するハマースが,イスラエルに対する大規模なテロ攻撃に踏み切った。1400人を超える犠牲が生じ,多くの人質が囚われた。イスラエル史上最悪の被害を前に,ベンヤミン・ネタニヤフ政権は苛烈な報復に出る。アメリカおよび西欧諸国の全面的な支援を受けたイスラエルの攻撃によって,翌年3月半ばまでにパレスチナ側では3万人以上,なかでも1万2000人強の子供が犠牲となり,この凄惨な記録は増加の一途を辿っている。
ガザ紛争はバイデン政権の戦略構想に決定的な打撃を与えつつある。2021年の政権発足当初,バイデン政権は,中国との大国間競争に打ち勝つべく,中東からの撤退と対ロ関係の安定化を模索した。後者が翌年2月のウクライナ戦争勃発によって破綻したのに対して,前者の中東からの後退は2021年8月のアフガニスタン撤退として実現し,この方針はその後も維持されていた。
2022年半ばまでのバイデン政権の中東政策は,このグローバルな戦略構想の一環と理解できる。その要点は,イランと核および経済制裁をめぐる合意を形成しつつ,サウジアラビアをはじめとした同盟・友好諸国の行動を圧力も行使して統制し,米軍の撤退と地域情勢の安定を実現することにあった。同年秋までに米・イラン間の交渉は一時頓挫し,イランは核濃縮を進めたが,2023年にもバイデン政権は緊張緩和を模索し,9月には双方が収監していた囚人5人を解放するとともに,アメリカの経済制裁によるイラン金融資産の凍結が一部解除された。
他方で,中東の同盟・友好国へのアプローチは,2022年7月のバイデン大統領の中東歴訪を前後して顕著な変化をみせた。ウクライナ戦争に伴う石油需給の逼迫と,翌年3月に中国の仲介でイランとサウジアラビアが国交回復を宣言したことを背景に,バイデン政権は大統領が「ビッグ・ディール」と自賛した「インド・中東・欧州経済回廊構想」(IMEC)を打ち出し,さらにイスラエルとサウジアラビアの国交正常化の実現に乗り出したのである。後者はトランプ政権期のアブラハム合意の拡大であり,その実現のために,バイデン政権はサウジアラビアに相互防衛条約,軍事援助,原発建設への支援を提供する構えをみせていた。この時点のアメリカの狙いは,中東からの米軍撤退というよりも,イランとの緊張緩和と同盟・友好諸国との関係強化を組み合わせ,米軍の関与を限定しつつも中東に影響力を行使することにあったものと思われる。パレスチナでは緊張が高まっていたものの,自治政府もこれに呼応する動きをみせており,9月末にはジェイク・サリバン米大統領補佐官が,「今,中東は過去20年で最も静かだ」と述べていた。
だが一連の動きから排除されていたハマースのイスラエルへのテロ攻撃によって,この構想は画餅に帰した。バイデン政権はイスラエルに大規模な軍事支援を提供するとともに,イランとその代理勢力をけん制すべく空母打撃群を派遣し,さらにハマースに同調するイエメンのフーシ派への攻撃にも踏み切った。アメリカは中東から後退して中国対応にリソースを集約するどころか,ロシア・ウクライナ戦争に加えて,中東の新たな戦線に自らのめり込むこととなったのである。
2023年,アメリカはウクライナ戦争でも困難に直面した。6月にはじまったウクライナ軍の反攻が頓挫したのである。その一因はバイデン政権自らにあった。
ウクライナは単独でロシアに対抗する力を持たない。侵攻当初こそロシア軍が散発的・局所的な攻撃に終始したこともあって,ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領を中心にウクライナは自力で抵抗することに成功した。だがロシア軍の攻勢が本格化したのちのウクライナ軍の善戦を支えてきたのは西側の軍事援助である。ところがバイデン政権は,ウクライナ軍の攻勢に不可欠な主力戦車等の重火器や戦闘機,特に長射程のミサイルの供与には一貫して慎重であった。ウクライナがロシア本土やクリミア半島を攻撃するのではないかと疑い,またこれがロシア側のエスカレーションを招くのではないかと恐れたからである。2023年6月にロシアで民間軍事会社ワグネルの指導者エフゲニー・プリゴジンが反乱を起こした際にも,バイデン政権はウクライナに攻勢を抑制するよう求めたといわれる。
当初は2023年春と目されていたウクライナ軍の反攻の開始が6月までずれ込み,ロシア軍に防衛線を強化する時間を与える結果となったのは以上の事情による。2023年を通じて,バイデン政権は主力戦車M1エイブラムス,F-16戦闘機,クラスター弾,さらに反攻作戦の遅滞を背景に長距離ミサイルシステムATACMSの供与に踏み切るが,ウクライナ軍の退勢を挽回するには手遅れであった。
そもそもバイデン政権はゼレンスキーに期待していなかった。開戦当初,バイデン政権がウクライナの敗北を予期してゼレンスキーに亡命を提案したという事実はこれを象徴する。ゼレンスキーが有能な指導者たることを示し,ウクライナ軍がロシア軍を押し返してはじめてアメリカはウクライナへの支援に踏み出したのであり,戦線の膠着はゼレンスキーの能力への疑念に直結する。後述のように,年末にかけて米国内ではウクライナ支援への懐疑論が噴出し,バイデン政権は12月のゼレンスキー大統領の訪米でもこの潮流を逆転することはできなかった。
バイデン政権は中東とウクライナでは自らの失策で泥沼に陥ったが,東アジアでは一定の成功を収めたと評価してよい。その中心は,米中関係の相対的安定と,同盟・友好諸国との関係強化にある。まず米中関係から概要を確認したい。
2023年の米中関係は,米中ともに予想外の事態―いわゆるブラック・スワン―が生じたことによる混乱で幕を開けた。2月初め,アメリカ本土上空で中国の監視気球が確認され,大きな注目を集めた末に,米軍によって撃墜されたのである。前年より米中両国は接触の拡大を模索しており,年初にはアントニー・ブリンケン国務長官と秦剛外相が電話会談を行っていた。だがこの事件をめぐってアメリカでは中国への不信感が高まり,予定されていたブリンケンの訪中も延期された。この気球問題をめぐる習近平政権の対応は一定せず,ロイド・オースティン米国防長官からの危機管理を目的とした接触にも応えなかった。
これを受けたバイデン政権は,意図せぬエスカレーションを回避するため,米中関係の管理への協力,特に軍当局間の意思疎通の改善を,2023年を通じて中国側に働きかけることとなる。2月には中国外交部門トップの王毅共産党中央政治局員とブリンケン国務長官が,5月には王毅とサリバン補佐官が会談している。また同月には両国の経済閣僚が接触するとともに,中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官が極秘に訪中した。さらに6月には米政府高官が訪中するとともに,延期されていたブリンケン訪中が実現する。5年ぶりの国務長官訪中であり,習近平主席との会談では関係の安定を図ることが合意された。これに続いて7月にジャネット・イエレン財務長官とジョン・ケリー気候変動担当特使,8月にジーナ・レモンド商務長官,10月に米議員団が訪中する。その間の9月には王毅がサリバン補佐官と,10月にはバイデン大統領と会談を重ねたことも報じられている。
そして11月15日には,サンフランシスコで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の傍らで,バイデンと習近平が直接会談に臨んだ。この時期まで,中国は6月のアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)でオースティン国防長官との対話を拒否するなど,軍当局間の協議には消極的だった。だがこの首脳会談では米中両軍の意思疎通が再開されることが合意され,米国内で問題となっている麻薬性鎮痛剤の不法流通について,その主たる原料生産国と見なされている中国側が協力的な姿勢を示すなど,一定の成果がみられたといってよい。
とはいえ,米中関係が改善に向かったわけでも,そのような意図が米中両国にあったわけでもない。両国の高官が会談を重ねる一方で,米国内では中国を根拠地とするハッカーが米軍のネットワークに攻撃を仕掛け,レモンド商務長官や議会関係者のメールに不正にアクセスしたとの疑惑が注目を集めた。またバイデン政権は,外交面では後述のように台湾との関係強化を進め,経済面でも中国企業への規制を着実に強化している。さらに軍事面では,グレーゾーン事態に対応すべく2月に「競争継続に関する統合コンセプト」を打ち出し,6月には増大する中国の核戦力に対抗して核兵器の近代化に取り組むことを表明した。中国も宥和に転じたわけではない。米中両首脳が関係安定化に合意したにもかかわらず,首脳会談直後にはパラセル(西沙)諸島近海で中国軍の艦艇が米艦艇に挑発的な行動をとっている。米中対立が構造的かつ長期的となるとの前提のうえで,両国がその関係の管理を図った結果,一定の安定がもたらされたと理解すべきだろう。
米中対立の固定化・長期化を見据えたバイデン政権の布石として2023年に顕著な成果がみられたのが,同盟関係の強化である。特にアメリカとアジア諸国の二国間関係のみならず,多国間の安全保障協力が進展したことは注目に値する。
東アジアで最もアメリカとの安全保障協力に積極的な同盟国は,日本である。岸田文雄政権は,2022年末に防衛三文書を改訂したうえで,防衛費の大幅な増額を決定し,さらに翌2023年4月にはアメリカ以外の「同志国」に安全保障強化のための資金や装備品を無償供与する「政府安全保障能力強化支援」(OSA)を打ち出すなど,安全保障政策の刷新を進めてきた。1月の日米首脳会談でもバイデン大統領はこれを大いに歓迎し,6月には日本の防衛費増額を自らの成果と誇って日本側から苦言を呈されるという事態まで生じた。岸田政権の動向は中国への対抗を目指したものであり,アメリカの圧力の結果と解釈するのは誤りである。だがこれがバイデン政権にとって歓迎すべき展開であることもまた明白であろう。
とりわけバイデン政権,そしてワシントンの政策コミュニティが高く評価したのが,日韓関係の改善と,日米韓三国間の安全保障協力の拡大である。2022年5月に成立した韓国の尹錫悦政権は,文在寅前政権の政策を一転し,2023年4月末の米韓首脳会談におけるワシントン宣言に象徴されるようにアメリカとの軍事協力を強化するとともに,日本との関係改善を図ってきた。韓国側の外交攻勢を前に,当初は慎重な姿勢をとっていた岸田政権も徐々にこれに呼応し,2023年3月には日韓首脳会談が開催され,防衛協力および経済安全保障協力の強化に漕ぎつけた。8月にはキャンプ・デービッドにて日米韓首脳会談が開催され,中国やインド太平洋を念頭に置いた軍事・経済両面の安全保障協力や日米韓協力の制度化が発表されると,10月には三国合同の空中訓練がはじめて実施された。
日韓両国ともに2023年には中国と対話も重ねており,特に韓国には中国と軍事的に対抗する意図があるわけではない。だが,尹大統領は終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題をめぐる中国からの経済的威圧の経験もあって,経済安全保障にも,平時の日米韓の安全保障協力にも積極的である。アメリカ主導の北東アジアの安全保障協力が,2023年に新たな段階に到達したことは疑いない。
バイデン政権は,東南アジアおよび南太平洋地域における2つの同盟国,すなわちオーストラリアおよびフィリピンとの関係強化にも精力的に取り組んできた。米豪関係については,米英豪の安全保障協力枠組みであるAUKUSに基づき,オーストラリアへの米英両軍の攻撃型原子力潜水艦の配備計画や,米軍のローテーション配備の増強が発表されるなど,その具体化が進んだ。またフィリピンも,2022年後半期から激化した中国との海洋をめぐる摩擦を背景に,2023年には防衛協力強化協定(EDCA)に基づく米軍の拠点の拡充,外務・防衛担当閣僚会合(2+2)開催,ガイドライン策定の発表など,アメリカとの軍事協力を推進している。日本が米豪との共同訓練に継続的に参加し,またフィリピンをOSAの対象国に指定するとともに部隊間協力円滑化協定(RAA)の交渉を進めたことに代表されるように,多国間安全保障協力の進展も顕著であった。
2023年は,アメリカと公式の同盟国以外の友好国との軍事・経済安全保障協力の深化にも留意したい。米中関係の焦点となっている台湾について,バイデン政権は,4月の蔡英文総統および8月の頼清徳副総統の訪米に際しては中国に配慮して政府関係者の接触を回避するなど対応を抑制した。だが従来は主権国家のみを対象としてきた対外軍事融資(FMF)を台湾に適用して軍事援助を強化し,経済連携協定交渉も第1段階の合意に漕ぎつけるなど,着実に関与を深めている。
米印関係の進展も注目に値する。インドは日米豪印の協力枠組み(QUAD)の一角ではあるが,アメリカと同盟関係にはなく,同盟締結の意思もない。また9月にインドの工作員がカナダでシク教徒の独立運動指導者を暗殺したとの疑惑が浮上すると,米国内ではインドへの疑念が噴出した。だが中印対立の激化を背景に,バイデン政権は6月と9月に米印首脳会談を,また11月には外務・防衛担当閣僚会合(2+2)を開催し,ジェット戦闘機用のエンジンや装甲車等に関する軍事協力に合意するなど,インドとの関係強化を進めている。
バイデン政権は南太平洋への関与も強化した。中国は2022年にソロモン諸島と安全保障協定を,また2023年7月には警察協力協定を締結し,さらに2024年初頭にナウル等の台湾と外交関係を保っていた諸国を切り崩すなど,この地域への進出を図ってきた。これに対してバイデン政権は,2023年5月にパプアニューギニアと防衛協力協定を締結するとともに,9月には前年に引き続き第2回目となる米・太平洋島嶼国首脳会議を主催し,中国に対抗する姿勢を鮮明にしている。
バイデン政権は東南アジアでも二国間関係の強化を図った。フィリピン以外にも,シンガポールとの関係は良好であり,インドネシアとは11月に首脳会談を開催し,半導体や気候変動対策等の経済的連携の強化と重要鉱物についての協議の推進を発表している。また9月にはバイデン大統領がベトナムを訪問し,米越関係はベトナムが最も高位の外交関係とする「包括的戦略的パートナーシップ」に位置付けられ,両国は半導体等の経済安全保障における協力強化に合意した。
他方で,2023年を通じて,バイデン政権が東南アジアの地域秩序,特に東南アジア諸国連合(ASEAN)への関与に積極的だったとはいえない。6月のシャングリラ・ダイアローグにはオースティン国防長官が出席したが,同盟・友好国との関係強化を謳うのみで他の諸国への言及は乏しかった。また実際のアメリカの政策としても,公式の同盟国であるタイをはじめとして,マレーシアやブルネイ,大陸部の諸国との関係に進展はみられない。さらにバイデン大統領は9月にジャカルタで開催されたASEAN関連の首脳会議を欠席した。このときバイデンはインドで主要20カ国・地域(G20)首脳会議に参加し,帰途にベトナムを訪問しながらもジャカルタにはカマラ・ハリス副大統領を代役として送り,ASEAN軽視との批判を招いたのである。2021年の政権発足当初より,バイデン政権のASEANへの熱意には疑念が呈されていた。同年後半から2022年にかけての一時期には関与が強化されるとの観測もあったが,その期待はすでに失われたといってよい。
この東南アジアへの選択的関与は,バイデン政権の関心があくまでも中国にあるということを示している。バイデン政権は対中けん制に協力的な国家や地域の大国と選択的に関係の強化を図っているのであって,東南アジアおよび南太平洋,あるいは北東アジアにおける安全保障,経済的繁栄,国際規範の維持,つまり国際秩序の維持を重視しているとは言い難い。
とりわけ経済については,アメリカの東アジア国際秩序への関心の欠落は顕著であった。中国の影響力の源泉は圧倒的な経済的存在感にある。だがバイデン政権は中国の経済成長および技術発展の抑制に注力する一方で,アジア諸国を惹きつけ得る経済的な枠組みを打ち出すことはできておらず,その意欲もみられない。
バイデン政権は,2023年を通じて,中国の経済・技術発展の制約に向けて政権発足以来取り組んできた一連の施策をさらに拡充した。2月に商務省と司法省が輸出管理の執行を担当する専門組織の設立を発表し,あるいは10月に,前年10月に導入された半導体輸出規制の強化を図ったのは,その一例である。特に注目を集めたのは8月の大統領令,すなわちアメリカ人およびアメリカに基盤を置く法人等を対象とした,半導体,量子技術,人工知能(AI)の3分野における対中投資規制である。投資を通じたアメリカから中国への先端技術に関する人材およびノウハウの流出を防止し,中国独自の技術開発を抑制することが目的とされる。
2023年4月のサリバン補佐官の演説,また5月に発表された「国防科学技術戦略」が示すように,バイデン政権の経済外交の根幹は,アメリカの経済・技術的優位の維持,中国の経済成長と技術開発の抑制,そしてそのための同盟国・友好国の協力の確保にある。(1)各種先端技術については,米国内で膨大な補助金を投じてでも育成を図る,(2)この基盤的かつ先端的な技術は,「狭い庭,高い柵」(small yard, high fence)とよばれる規制で囲い込み,中国にアクセスさせない,(3)そしてサプライチェーンをアメリカおよび同盟・友好国で固め,またこれらの諸国を上記の規制に協力させる,との構想とまとめることができよう。
同盟国の協力確保のためにバイデン政権が推進しているのが,3月に締結された日米重要鉱物サプライチェーン強化協定等の二国間協定,5月のG7あるいは8月の日米韓三国会談といったミニラテラルな経済安全保障協力,またインド太平洋経済枠組み(IPEF)である。5月のIPEF閣僚級会合でもサプライチェーン協定が先行して合意され,経済でも中国への対抗を重視する姿勢は明らかである。
この一連の施策は,中国ではなく,同盟・友好国を重視したサプライチェーンへの再編を目指したものであり,論理的には同盟国に利益をもたらすものともなり得る。だが2024年初頭の段階では,バイデン政権は従来の自由貿易に明確に否定的であり,IPEF等の経済協定にはアメリカ市場へのアクセス拡大は盛り込まれておらず,それに代わって加盟国が得られる経済的利益も示されていない。
そもそもバイデン政権の経済外交には,6月のキャサリン・タイ通商代表部(USTR)代表の演説が示すように,アメリカ1国の経済的利益の促進,特に雇用の確保との側面が付き纏う。12月に発表された日本製鉄のUSスチール買収をめぐって,米議会共和党やトランプ前大統領のみならず,バイデン大統領も懸念を示したという事実は象徴的である。対中けん制に最も積極的な同盟国である日本の企業を安全保障上の懸念を掲げて排除するのであれば,同盟国がバイデン政権の進めるサプライチェーンの強化から経済的利益を得られる見込みはない。
逆にいえば,同盟・友好国が対米協力を選択するのは,バイデン政権の経済外交に利益を見出しているからではなく,中国の脅威,あるいはアメリカ市場からの排除を懸念するからにほかならない。したがって同盟諸国はアメリカに協力しつつも,その経済的影響を限定しようと試みることとなる。2022年10月にバイデン政権が対中半導体輸出規制を発表し,日本やオランダに協力を求めたのに対して,日本の対応の実施が翌2023年7月末までずれ込んだ所以である。
バイデン政権発足以来,アメリカのアジア専門家は中国に対抗し得る経済秩序構想の必要を訴えてきた。政権4年目を迎え,大統領選挙が迫るいま,少なくともその第1期にこれが提示される可能性は潰えたと判断してよい。バイデン政権にはその意思がなく,またもしあったとしても,そのような政策を進める能力を発揮できる余地は,すでにアメリカにはないからである。
アメリカの軍事力・経済力はなお強大である。2022年から2024年にかけて中国経済が減速する一方,アメリカは相対的には優位にすら立っている。だが2024年11月の大統領選挙に向けて米国内の分断は悪化の一途を辿っており,アメリカはその力を十全に発揮できる状況になく,これが改善に向かう兆しもない。
2023年はアメリカ国内政治の混乱ではじまり,さらなる混沌のなかに終わった。2022年11月の中間選挙の結果,上院は民主党が多数派を維持したものの,下院は共和党の優位へと傾いた。翌2023年1月にはじまる新たな会期では共和党が下院議長を選出する見込みとなったが,フリーダム・コーカスを中心とするいわゆるMAGA(Make America Great Again)派,つまりトランプを支持する保守強硬派の圧力の前に党内の調整は難航し,15回の投票という異例の事態を経てケビン・マッカーシーが選出された。だが5月には債務上限引き上げ問題をめぐる対立があり,また秋には大幅な歳出削減を求める保守強硬派によって予算案をめぐる協議が難航するという事態が生じた。10月1日までに予算が成立しなければ連邦政府が閉鎖されるという期日を目前に,マッカーシー議長は民主党と協調し,暫定的に予算を施行する「つなぎ予算法案」の可決に踏み切る。だが,これは共和党内部から強い批判を招き,10月3日にマッカーシーは議長を解任されることとなった。その後任の選出も難航を極め,ようやく25日になって,トランプ前大統領と密接な関係にあるマイク・ジョンソンが議長に選出された。
この内政の混乱が,年末のガザおよびウクライナ情勢の混迷と相まって,バイデン政権を苦境に追い込んでいる。一連の事態によってトランプの影響力は増大し,2024年はじめには早くも共和党の大統領候補の座を確実なものとした。共和党の保守強硬派はウクライナへの援助に懐疑的で,イスラエル支援には積極的であり,かつ下院に決定的な影響力を及ぼしている。これによってバイデン政権の外交的選択肢は大きく制約された。他方で民主党内部ではバイデン政権のイスラエル支持に対する懐疑論が噴出し,その政権基盤は揺らぎはじめている。11月の大統領選挙がトランプとバイデンの再戦となった場合にはトランプが勝利するとの予測が報道され,その衝撃のなかに2023年は終幕を迎えることとなった。
2024年,特に11月の米大統領選挙は,アメリカにとっても世界にとっても大きな分水嶺となる。分極化といわれるアメリカの政治・社会の分断は,1970年代以来の長期にわたる現象である。だがその影響がアメリカの国際秩序への関与に及ぶに至ったのは,トランプ政権以降のことである。すでに2024年2月の段階でトランプは北大西洋条約機構(NATO)からの脱退を示唆している。その勝利はアジアの同盟諸国を揺るがし,ひいては米中対立の行方を左右しよう。バイデンが勝利した場合でも,2度にわたる敗北を認めないであろうMAGA派の動向によっては米国内が騒乱に陥る可能性を無視できない。2023年には「凪」というべき安定をみせた東アジア情勢にも,その混乱が及ぶことは確実である。
アメリカはなお世界で最も強大な国家である。中国への集中という戦略が頓挫し,ガザ紛争で規範的リーダーシップを失い,ウクライナへの支援が滞ろうとも,その不作為こそが不可避に世界情勢を左右する。2023年にはベネズエラとガイアナが緊張状態に入り,アゼルバイジャンがアルメニアに侵攻し,北朝鮮も活動を活発化させた。アメリカの動揺は,東アジア・欧州・中東という三正面以外にも波紋を広げている。2024年の国際情勢はさらに不透明とならざるを得ない。
(中央大学法学部准教授)
1月 | |
1日 | ブリンケン米国務長官,秦剛中国新外相と電話会談。 |
1日 | 北朝鮮,国防戦略発表。核兵器量産宣言。 |
2日 | 尹錫悦・韓国大統領,米国の核兵器運用への関与強化の必要を指摘。核をめぐる共同演習に言及するも米国は否定。 |
3日 | 米下院議長選開始も決着せず。 |
7日 | 米下院議長選,通算15回目の投票で決着。マッカーシーが下院議長就任。 |
9日 | 中国軍,台湾周辺で大規模演習。 |
10日 | 米下院,中国特別委員会を設置。 |
11日 | 日米外務・防衛担当閣僚会合。 |
13日 | 岸田首相訪米,日米首脳会談開催。 |
18日 | 米国務省,ブリンケン米国務長官が2月に訪中と発表。 |
18日 | イエレン米財務長官,劉鶴中国副首相と会談。米財務省,財務長官の早期訪中に言及。 |
20日 | 米国,ドイツのラムシュタイン空軍基地でウクライナ支援に関する国際会議開催。 |
24日 | 主要7カ国(G7),外相会合。 |
25日 | 米国,主力戦車エイブラムスのウクライナへの供与を表明。 |
27日 | 日本とオランダ,米国と半導体の対中輸出規制について協議。合意したとの報道。 |
28日 | トランプ米前大統領(共和党),米大統領選に向けた選挙活動を本格化。 |
2月 | |
2日 | 米国防省,中国の監視気球が米上空を飛行中と発表。3日,ブリンケン米国務長官の訪中の無期限延期を決定。 |
2日 | オースティン米国防長官,フィリピン訪問。防衛協力強化協定に基づく米軍駐留拠点を5カ所から9カ所に拡大で合意。 |
3日 | ブリンケン米国務長官,王毅中国共産党中央政治局委員と電話会談。気球問題について,中国側は事故として遺憾の意を表明。 |
3日 | 米国,長射程ロケット弾GLSDB等の22億ドル弱のウクライナ支援を発表。 |
4日 | 米国,中国の気球を撃墜。中国反発。 |
6日 | フィリピン,巡視船が中国船からレーザー照射を受けたとして,14日に抗議。 |
7日 | バイデン米大統領,一般教書演説。 |
7日 | 米国防省,気球問題で中国に国防相間の電話会談を提案したが,中国側が拒否と発表。 |
10日 | 米統合参謀本部,「競争継続に関する統合コンセプト」を公表。 |
16日 | バイデン米大統領,気球問題で習近平中国国家主席と協議を望むとの意向を表明。 |
16日 | 米司法省・商務省,輸出管理の執行を担当する専門組織を12都市圏に設立と発表。 |
17日 | ミュンヘン安全保障会議(~19日)。 |
17日 | チェイス米国防次官補代理,台湾訪問。 |
18日 | ブリンケン米国務長官,王毅中国共産党中央政治局委員と会談。 |
18日 | G7外相会合開催。 |
18日 | 北朝鮮,大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射。 |
20日 | バイデン米大統領,キーウ訪問。 |
24日 | G7首脳テレビ会議,開催。 |
28日 | 米下院中国特別委員会,初会合。 |
3月 | |
1日 | 米政府,台湾への6億ドルの武器売却承認,議会に通知。 |
3日 | 日米豪印(QUAD)外相会合開催。 |
3日 | 米韓合同演習,開催。 |
5日 | 中国全国人民代表大会開催(~13日)。 |
6日 | 韓国政府,徴用工問題の政治決着と「解決策」を発表。米国,歓迎を表明。 |
8日 | オランダ,半導体製造装置の輸出規制強化を発表。 |
10日 | イランとサウジアラビア,中国の仲介で北京にて国交正常化への合意を発表。 |
13日 | 米英豪首脳,米英豪安全保障協力枠組み(AUKUS)によるオーストラリアの原子力潜水艦保有計画,米英の潜水艦のオーストラリア配備等を発表。 |
13日 | 米韓合同演習フリーダム・シールド開催。 |
16日 | 日韓首脳会談(~17日)。 |
16日 | 北朝鮮,ICBM発射。 |
20日 | 岸田首相,キーウ訪問。 |
20日 | 米韓合同演習「双龍訓練」,開催。 |
28日 | 日米重要鉱物サプライチェーン強化協定,締結。 |
28日 | 米国,民主主義サミット開催。 |
31日 | 日本政府,半導体製造装置の輸出規制強化を発表。 |
4月 | |
2日 | フィリピン,米比防衛協力強化協定に基づく追加の米軍拠点4カ所を公表。 |
5日 | 台湾の蔡英文総統,中南米歴訪の帰路に訪米。マッカーシー下院議長と会談。 |
5日 | 中国海軍の空母,台湾南東海域で演習。その後も中国軍演習実施(8~10日)。 |
6日 | 日本政府,「政府安全保障能力強化支援」(OSA)の導入を発表。 |
11日 | 米比外務・防衛担当閣僚会合。 |
11日 | 米比合同演習「バリカタン」,開催。日印豪ASEAN諸国がオブザーバー参加。 |
13日 | 北朝鮮,ICBM発射。 |
15日 | ブリンケン米国務長官,初の訪越。 |
18日 | G7外相会合,開催。 |
25日 | バイデン米大統領,大統領選出馬表明。 |
26日 | 尹錫悦・韓国大統領,訪米。米韓首脳会談を開催し,ワシントン宣言発表。「核協議グループ」の設置で合意。 |
27日 | サリバン米大統領補佐官,経済安全保障に関する演説を発表。 |
5月 | |
3日 | マルコス比大統領,訪米。米比首脳会談を開催し,ガイドライン策定を発表。 |
7日 | 岸田首相訪韓。日韓首脳会談開催。 |
9日 | 米国防省「国防科学技術戦略」,発表。 |
11日 | サリバン米大統領補佐官,王毅中国共産党中央政治局委員と会談。 |
16日 | バイデン米大統領,オーストラリアおよびパプアニューギニア訪問中止を発表。債務上限引き上げ問題への対応を優先。 |
18日 | 日米首脳会談,開催。 |
19日 | G7サミット,広島で開催。 |
20日 | QUAD首脳会合,開催。 |
21日 | 米国,F16戦闘機のウクライナへの供与を発表。 |
22日 | 米国,パプアニューギニアと防衛協力協定を締結。 |
25日 | 王文濤中国商務部部長,米国のレモンド商務省長官およびタイ通商代表部代表と会談。 |
27日 | バイデン政権,共和党と債務上限引き上げ問題で大筋合意。 |
27日 | インド太平洋経済枠組み(IPEF)閣僚級会合,開催。サプライチェーンの強化で合意。 |
29日 | 米国,中国がシンガポールで開催予定のアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)に伴う国防相会談を拒否と発表。 |
6月 | |
1日 | 日米防衛相会談,開催。 |
1日 | 米上院,債務上限「棚上げ」する法案を可決。米国,債務不履行を回避。 |
2日 | シャングリラ・ダイアローグ開催。 |
2日 | 米国と台湾,経済連携協定に関して貿易円滑化等の第一段階で合意。 |
2日 | サリバン米大統領補佐官,軍備管理協会年次総会にて,核兵器の近代化を表明。 |
2日 | 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が5月に極秘に中国を訪問との報道。 |
5日 | 米印国防相会談。 |
5日 | 米国のクリテンブリンク国務次官補,ベラン国家安全保障会議中国・台湾担当上級部長,訪中。 |
6日 | ブリンケン米国務長官,サウジアラビア訪問(~8日)。 |
10日 | ウクライナのゼレンスキー大統領,ロシアに対する反攻作戦の開始を発表。 |
14日 | ブリンケン米国務長官,秦剛中国外相と電話会談。 |
14日 | 米・イラン水面下で接触との報道。 |
15日 | タイ米通商代表部代表,通商政策に関して演説。自由貿易からの転換を主張。 |
15日 | 日米韓安全保障担当者会合,開催。 |
16日 | 日米比安全保障担当者会合,開催。 |
18日 | ブリンケン米国務長官,訪中。19日に習近平中国国家主席と会談。 |
19日 | バイデン米大統領,カリフォルニア州の選挙集会で,日本の防衛費増額が自らの働きかけによるものと示唆。 |
22日 | モディ・インド首相,訪米。米印首脳会談。 |
23日 | ロシアの軍事会社ワグネルの指導者プリゴジン,モスクワに進軍。24日に撤退。 |
29日 | 日韓スワップ協定,再開で合意。 |
7月 | |
6日 | 米国,ウクライナへのクラスター弾の供与を発表。 |
6日 | イエレン米財務長官,訪中(~9日)。 |
10日 | 中国・ソロモン諸島首脳会談。14日に警察協力協定を締結。 |
12日 | 米当局およびマイクロソフト社,5月以降中国のハッカーが国務省・商務省等のメールアカウントに不正アクセスしたと発表。 |
12日 | 北朝鮮,ICBM発射。 |
13日 | ブリンケン米国務長官,王毅中国共産党中央政治局委員と会談。 |
17日 | ケリー米特使,訪中。 |
23日 | 日本政府,半導体製造装置に関する輸出規制の強化を施行。 |
26日 | ブリンケン米国務長官,トンガ訪問。 |
27日 | オースティン米国防長官,パプアニューギニア訪問。 |
29日 | 中国が米軍にハッキングを仕掛けていたとして米当局捜査との報道。 |
8月 | |
5日 | 中国船,フィリピンの船舶に放水銃を発射。中比間の応酬に発展。 |
9日 | バイデン米大統領,対外直接投資規制に関する大統領令に署名。 |
9日 | 米・サウジアラビア間で関係正常化にむけた協議が進展との報道。 |
12日 | 頼清徳台湾副総統,訪米。 |
14日 | フィジーで米中軍関係者接触。 |
15日 | 米議会関係者,中国のハッカーがメールアカウントに不正アクセスしたと発表。 |
18日 | 日米韓三国,キャンプ・デービッドで会談。三国会談の定例化で合意。 |
21日 | 米韓軍事演習「乙支フリーダム・シールド」,開催。 |
23日 | 軍事会社ワグネルの指導者プリゴジン,自家用機の墜落で関係者とともに死亡。 |
27日 | レモンド米商務長官,訪中(~30日)。王文濤中国商務部部長と28日に会談。 |
30日 | レモンド米商務長官,自身のメールに中国を拠点とするハッカーが不正アクセスしたことに対して中国側に警告したと発表。 |
30日 | 米国,台湾に対外軍事融資(FMF)を適用。8000万ドルを融資。 |
9月 | |
5日 | 東アジア首脳会議(EAS)等のASEAN関連の各種首脳会議,インドネシアで開催(~7日)。バイデン大統領欠席,ハリス副大統領出席。 |
7日 | バイデン大統領,インド・ベトナム歴訪。インドでの主要20カ国・地域首脳会議(G20)開催に合わせて米印首脳会談(8日)開催。9日に「インド・中東・欧州経済回廊構想」(IMEC)を発表し「ビッグ・ディール」と自賛。米越首脳会談(10日)では両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げ。 |
16日 | サリバン米大統領補佐官,王毅中国共産党中央政治局委員と会談(~17日)。 |
18日 | 米・イラン,囚人5人の解放に合意。また米国は経済制裁によって韓国で凍結されていたイラン資産60億ドルを解除。 |
18日 | カナダ,カナダ国籍のシク教徒の殺害にインドの工作員が関与していたとの疑惑を公表。インド反発。西側のインド接近に暗雲。 |
19日 | アゼルバイジャン,ナゴルノ・カラバフに侵攻。20日,アルメニア側全面降伏。 |
19日 | 米国,サウジアラビアと相互防衛条約の締結にむけて協議中との報道。 |
20日 | 米・イスラエル首脳会談。サウジアラビアとの国交正常化推進で一致。 |
22日 | 米財務省,米中間に経済・金融を議論する2つの作業部会を設置と発表。 |
25日 | 米国,南太平洋のクック諸島とニウエを国家承認。 |
25日 | 第2回米・太平洋島嶼国首脳会議開催。 |
29日 | サリバン米大統領補佐官,The Atlantic誌主催の会合で,「今,中東は過去20年で最も静かだ」と発言。 |
30日 | 米連邦議会,つなぎ予算成立。 |
10月 | |
3日 | マッカーシー米下院議長,解任。 |
5日 | 日韓次官戦略対話,開催。9年ぶり。 |
7日 | ガザ紛争勃発。 |
7日 | 米議員団,訪中。習近平主席と会談(9日)。 |
17日 | 米国,中国向け半導体輸出規制措置の強化を発表。 |
17日 | 米国,ウクライナに長距離ミサイルシステムATACMS供与と発表。 |
22日 | 日米韓三国,初の合同空中訓練実施。 |
22日 | 中国船,南シナ海でフィリピン船と衝突。 |
25日 | ジョンソン議員,下院議長に選出。 |
26日 | 王毅中国共産党中央政治局委員,訪米(~28日)。バイデン大統領,ブリンケン米国務長官,サリバン米大統領補佐官と会談。 |
26日 | G7貿易相会合,開催(~29日)。 |
11月 | |
3日 | 岸田首相,フィリピン訪問。円滑化協定の交渉開始とOSAの適用で合意。 |
3日 | ランバート米国務副次官補,訪中。 |
5日 | The New York Times紙,トランプ・バイデン再戦であればトランプ優位と報道。 |
6日 | 米中,核軍備管理に関する協議開催。 |
8日 | G7外相会合,ガザ紛争の「人道的休止」支持を表明。 |
9日 | イエレン米財務長官,何立峰中国副首相と会談。 |
11日 | アジア太平洋経済協力会議(APEC),サンフランシスコで開催(~17日)。 |
11日 | 米印外務・防衛担当閣僚会合。 |
13日 | 米・インドネシア首脳会談。「包括的戦略的パートナーシップ」への両国関係の格上げで合意。 |
14日 | 日米韓外相会談,日米経済政策協議委員会(経済版2+2)開催。 |
14日 | IPEF閣僚級会合,2分野で追加合意も,貿易分野で合意できず。 |
15日 | 米中首脳会談,開催。 |
26日 | 米海軍,パラセル(西沙)諸島近海で航行の自由作戦実施。中国軍が追尾。 |
26日 | 日中韓外相会談,開催。4年ぶり。 |
12月 | |
1日 | ウクライナのゼレンスキー大統領,反攻作戦の遅滞を認める。 |
3日 | ベネズエラ,ガイアナのエセキボを自国領とする国民投票実施。米国近隣で火種。 |
11日 | ウクライナのゼレンスキー大統領,訪米。 |
18日 | 日本製鉄,USスチール買収を発表。 |
19日 | 日米韓,北朝鮮のミサイル情報をリアルタイムで共有するシステムの運用を開始。 |
21日 | 米中軍幹部,協議再開。 |
21日 | 米国政府,日本製鉄のUSスチール買収について調査するとの方針を発表。 |
22日 | 米国,国防権限法案成立。 |