Online Journal of JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
REPORT OF CONFERENCE
Overseas conference participation supported by the 2023 JSPEN future research project
Miki Takahashi
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2024 Volume 6 Issue 2 Pages 111-112

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学会に参加して

私は,2023年度の未来研究プロジェクト海外学会参加費助成を受賞し,2023年11月27日から29日にかけて,タイのバンコクで開催された第8回Conference of the Asian Society of the Head & Neck Oncologyに参加させていただきました.この貴重な機会を通じて,最先端の頭頸部および口腔領域の腫瘍に関する新しい知見や研究成果に触れる機会を得られたことを大変光栄に思います.学会には同施設から耳鼻咽喉・頭頸部外科丹生健一教授と同じく言語聴覚士の西岡仁美先生と参加しました.写真は国立がん研究センター東病院の林隆一先生と共に学会会場で撮影したものです(写真1).

会議では,アジア各国やヨーロッパ,アメリカからの頭頸部腫瘍専門医達が集まり,臨床現場での最新の治療法や画期的な研究成果について議論が交わされました.特に,がんの早期発見や予防,新たな治療法に関する革新的なアプローチについてのセッションが非常に興味深く,今後の治療方法に大きな希望を感じました.ただ,アメリカンジョークで会場にどっと笑いがでても,文化的なニュアンスは理解できず,なぜ笑っているのかは残念ながら最後まで分かりませんでした.

私はポスターで自身の研究成果を発表する機会を得ることができました(写真2).発表は「Association between trismus and dysphagia after treatment of head and neck tumor in our department」であり,神戸大学医学部附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科で治療した頭頸部腫瘍患者に対して言語聴覚士が介入した61名の開口障害と嚥下障害についての関連を明らかにした報告です.発表ポスターは数カ月前から作成し,同時期から英語の勉強を始め,オンライン英会話レッスンを毎日受講しましたが,今回はディスカッションの時間はなく,その成果をだせませんでした.しかし,日本以外での知見に触れ,自身の研究に新たな視点を得ることができ,今後の研究計画の改善につながると確信しています.

また,この会議では異なる文化やバックグラウンドを持つ研究者と交流する貴重な機会でもありました.そして,企業展示では,薬剤の見本以外に,〇ーゲンダッツのアイスやコーヒー,ココナッツの器に入れたパフェ,クッキーなども頂くことができ,日本の企業展示との違いを感じました.また,タイらしい象の柄の民芸品などもお土産で頂き,帰りのスーツケースは荷物で一杯でした.

ロイクラトンのお祭り参加記

会議終了後,タイの文化を体験する機会も得ました.ちょうど学会会場のホテルの隣にあるベンチャシリ公園で開催されていたロイクラトンのお祭りに参加し,素晴らしい体験をしました.「ロイクラトン」は,灯籠(クラトン)を川に流す(ロイ),タイの人々の間で古くから続いている風習だそうで,毎年タイ式陰暦11月の満月の夜にタイの全土で行われるそうです.美しいロイクラトンの灯篭が川に流される様子や,祈りを捧げる人々の姿は,心に残る感動的な光景でした(写真3).

タイの美食体験

バンコクでの滞在中,朝はホテルのモーニング,昼はランチョンセミナーのお弁当を頂いたので,夜ご飯だけ外に出かけました.ガイドブックなどで事前にお店を探して,タイの伝統的な料理を存分に楽しむことができました.プーパッポンカリーやマンゴーライス,トムヤンクン,パッタイなど,美味しい料理をたくさん味わうことができました.プーパッポンカリーは,見た目は辛そうなのに甘くてびっくりしました.ココナッツミルクや香辛料をベースにしたカレーにカニやエビ,卵などの入った料理でタイの独特な香辛料の組み合わせが味覚を刺激してくれました.現地で地元の味を堪能することは,旅の一番の醍醐味だと思います.しかし,帰国前にはなぜかおなかの具合が悪くなり,日本や日本食が恋しくなりました.

第8回Conference of the Asian Society of the Head & Neck Oncologyへの参加は,私の専門分野における知識の向上だけでなく,国際的なネットワーク構築や将来の研究に対するインスピレーションを得る良い機会となりました.この貴重な経験を活かし,今後も世界の研究者の情報を得ながら,頭頸部および口腔領域の腫瘍に関するリハビリテーションにおいてさらなる進展に貢献していきたいと考えています.

写真1.学会会場にて(左から丹生教授,西岡先生,筆者,林先生)
写真2.ポスター発表にて
写真3.ロイクラトン祭りにて

謝辞

このたびは2023年度未来研究プロジェクト海外学会参加費助成にご選考いただき,この貴重な機会を与えていただいて,心より感謝申し上げます.また,私の研究活動に対するご指導とサポートを頂いた神戸大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科の丹生健一教授や四宮弘隆先生,古川竜也先生,耳鼻咽喉・頭頸部外科の先生方に深く感謝申し上げます.

 
© 2024 Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition Therapy
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