2024 Volume 6 Issue 2 Pages 115
滋賀医科大学付属病院 栄養治療部
2. 研修期間2023年12月11日~12月15日
3. 研修目的高度な医療を行う特定機能病院において,管理栄養士はどのように栄養管理を行っているか学び,自施設での栄養管理に活かす.
4. 研修内容・Nutrition Support Team(以下,NSTと略)カンファレンスおよび回診参加
・栄養管理計画作成
・入院栄養管理体制加算対象病棟での栄養管理
・Intensive Care Unit(以下,ICUと略),Stroke Care Unit,嚥下カンファレンス参加
・化学療法室での栄養指導見学
・入院患者に対する個別指導,集団指導見学
・NST講義(経腸栄養,経静脈栄養)
・給食管理業務見学
当院は2026年に県立西宮病院と統合し,552床35診療科の高度急性期・急性期医療を担う病院に生まれ変わります.
現在よりも高度な医療を提供する拠点になるため,高度な栄養管理を必要とされる場において管理栄養士はどのように患者様の栄養管理を行っているのか,実際に見てみたいと思いこの研修に応募しました.
研修内容のすべてが勉強になったのですが,その中でも特にNSTカンファレンスとICUでの活動が印象的でした.
2022年度のNST加算件数279件/月の実績があるカンファレンスは各職種からの提言が的確かつ進行もスムーズで病院全体の栄養に対する意識の高さをうかがい知ることができました.
ICUでは重症患者様の病態把握と全身状態の確認から始まり,1日2回の医師のカンファレンスに参加し栄養管理の提案,ICU看護師とのカンファレンス,人工呼吸器管理中の患者様に対して間接熱量計を用いて必要栄養量の算出を実施している所を一緒に参加させていただきました.ICU担当栄養士の医学的知識の幅の広さやフットワークの軽さに感銘を受けました.一方で,今現在の私のスキルはまだまだ足りないと痛感しました.
管理栄養士を取り巻く環境は大きく変わり,厨房から病棟へ飛び出し医療従事者として活躍する姿が期待されています.しかしながら,現時点では厨房での業務も多く,期待されている姿にはまだたどり着いていない状態です.
多職種に対しての栄養管理の啓蒙活動,栄養に関する情報を根拠に基づき説明ができるよう医学的な知識の向上,チームをまとめる調整力がこれからの病院栄養士のあるべき姿だと思います.そのような栄養士になるには『今の自分に何が出来るか』『準備できることはないか』を頭の片隅に置き,栄養から治療を担っているという責任感を持ち続ける必要があります.今回の研修では自分はまだ受け身な部分があり,さらなる努力が必要であると再確認しました.
最後になりましたが,ご多忙な中,研修の受け入れをしていただいた滋賀医科大学付属病院 栄養治療部の竹林先生をはじめ,管理栄養士の先生方に感謝申し上げます.今回の研修はNST専門療法士となる前の研修時とは異なる目線で受講することができ,自己の問題点,目標を再認識できました.本当に有難うございました.