2024 Volume 6 Issue 2 Pages 127
東京医科歯科大学病院 臨床栄養部
2. 研修期間2024年1月29日~2月2日
3. 研修内容(提示)Intensive Care Unit(以下,ICUと略)における早期栄養介入加算算定のための技術の習得
多職種カンファレンス同行
入院栄養管理体制加算算定のための技術の習得
Nutrition Support Team(以下,NSTと略)カンファレンス準備
NSTカンファレンス参加・回診同行
炎症性腸疾患の栄養管理・栄養指導見学
4. 研修スケジュール1月29日 研修スケジュール確認,ICUカンファレンス参加
1月30日 ICUカンファレンス参加,企業勉強会参加,NST準備
1月31日 NSTカンファレンス参加・回診同行,薬剤部見学,厨房見学,約束食事箋閲覧
2月1日 ICUカンファレンス参加,症例カンファレンス参加,炎症性腸疾患の栄養指導見学,入院支援室見学,Inflammatory Bowel Disease(IBD)カンファレンス参加
2月2日 ICUカンファレンス参加,入院栄養管理体制加算の説明,研修まとめ
今回の研修で私が挙げた目標はICUやNSTにおける栄養管理の効率化と多職種連携について理解を深めることでした.
ICU専任の管理栄養士は,毎日開催されるICUでの朝のカンファレンスに参加し,多職種とのコミュニケーションを取っていました.カルテを通じて提案や内容確認が行われており効率的に早期栄養介入管理加算を算定している点が印象的でした.カルテの記載内容は端的にまとめられていました.特に,栄養補給内容についてエネルギー,蛋白質,水分のほか,脂質にも着目している点が印象的でした.鎮静剤で脂質投与量が多くなっていることが分かりやすく記載されていました.
多職種連携について,カンファレンスで毎日顔を合わせること,手短に根拠を持って提案することで提案内容を受け入れてもらえるよう工夫していることが円滑なコミュニケーションの秘訣だと学びました.当院ではカンファレンスは毎朝開催していますが,週に1回の参加であるため,参加回数を増やせるようカルテ記載内容を効率化し調整をしたいと思います.NSTではカンファレンス内容をその場で医師がカルテ入力し提案内容を記載することでリアルタイムに提案内容が遂行されており,その後の記録にかかる時間短縮にもなって効率的でした.当院では提案内容はカルテの別システムに入力していること,回診後に管理栄養士が記録を入力しており作業が煩雑であるため,是非取り入れたいシステムです.当院では薬剤師が栄養輸液の提案を行っていますが,研修施設では経腸栄養のみならず栄養輸液に関しても管理栄養士が立案したり,栄養輸液製剤の採用に関して薬剤部に提案しており,私は栄養輸液に関する知識不足を実感しました.栄養輸液,経腸栄養,食事といった様々なルートからの補給量を考慮し栄養計画を立案できる職種は管理栄養士であるとの考え方を再確認しました.今後は輸液に関しても自己研鑽を積み,迅速に対応できる技術を習得します.当院ではNSTが介入している場合,入院栄養管理計画書の再評価をNST担当栄養士が行っていますが,研修施設では再評価日を長く設定して他の管理栄養士も評価する体制となっていました.他の管理栄養士の目線から栄養評価をすることでよりよい栄養管理ができる可能性を感じました.
今回の研修は業務を効率化しより充実した栄養管理を実施できる体制について学ぶことができる良い機会でした.研修内容を自施設でも取り入れ,充実した栄養管理を行えるよう邁進する所存です.