2024 Volume 6 Issue 2 Pages 83-89
【目的】胃がん手術後の体重減少は,生活の質の低下など影響をおよぼす重要な課題である.今回,低侵襲胃がん手術後1カ月の体組成変化と除脂肪体重減少の要因について検討した.【対象および方法】2021年4月から2022年8月で低侵襲胃がん手術の術前および術後1カ月に体組成測定した88例を対象とした.術後1カ月の除脂肪体重減少率の中央値(2.4%)以下46例をLow群(以下,L群と略),中央値より大きい42例をHigh群(以下,H群と略)とし比較検討した.また,重回帰分析にて除脂肪体重減少のリスク因子を検討した.【結果】L群,H群の術後1カ月の変化は体重–5.4%,–7.1%,体脂肪量–16.3%,–13.9%であった.重回帰分析の結果,術前体脂肪率(p < 0.01)が有意な変数として抽出された.【結論】術前体脂肪率低値は,術後1カ月の除脂肪体重減少の有意な危険因子であり,術前からの介入を要すると考えられた.
Objective: To investigate changes in body composition and the causes of lean body mass loss at one month after minimally invasive gastrectomy.
Subjects and Methods: The subjects were 88 patients who underwent minimally invasive surgical gastrectomy from April 2021 to August 2022 and had their body composition measured preoperatively and postoperatively. The median percentage lean body mass loss of 2.4% at one month postoperatively was used as the cutoff to define groups with low (n = 46, ≤2.4%) and high (n = 42, >2.4%) lean body mass loss. Multiple regression analysis was performed with postoperative lean body mass loss as the dependent variable to examine factors affecting lean body mass loss.
Results: The percentage changes one month after surgery in the low and high lean body mass loss groups were –5.4% and –7.1% for body weight, and –16.3% and –13.9% for body fat amount. In multiple regression analysis, preoperative body fat percentage (p < 0.01) was identified as a significant variable.
Conclusion: Preoperative low body fat percentage was a significant risk factor for lean body mass loss at one month postoperatively and this factor requires preoperative intervention.
胃切除術後は胃の容量減少による経口摂取量の低下や消化吸収能の低下を引き起こす1,2).術後の除脂肪体重の減少は,術後補助化学療法の継続率低下などに影響を与えること3,4)が報告されていることから胃切除後の除脂肪体重をはじめとした体重減少の予防が重要である.
これまで,患者背景や術式等の検討より,胃切除術後の早期体重・除脂肪体重減少の危険因子としては,高齢,胃全摘術,術前化学療法,術後合併症といった因子が報告されているが5–7),手術前の栄養状態が術後体重・除脂肪体重減少に影響するかについては明らかになっていない.また,胃切除術後の栄養指導による体重減少抑制効果についての報告はあるものの8),術前からの早期栄養指導による効果は検証されていない.
今回,胃切除術後の除脂肪体重減少を軽減するための対策として,術前からの栄養指導の観点から,重点的に介入するためのハイリスク患者を明らかにすることを目的とし,術後除脂肪体重減少のリスク因子について解析を行なった.
2021年4月から2022年8月までに当院で胃がんに対して低侵襲(ロボット支援下または腹腔鏡下)胃がん手術を行なった170例のうち,102例に術前(周術期管理センター受診時;手術前平均20.5 ± 13.7日)・術後1カ月に体組成測定を実施した.このうち,術前補助化学療法を施行した患者,および術後合併症(Clavien-Dindo分類≥3)をきたした14例を除く,88例を解析対象とした(図1).術後1カ月の除脂肪体重変化率の中央値は–2.4%であったことから,除脂肪体重減少率≤2.4%をLow群(以下,L群と略),除脂肪体重減少率>2.4%をHigh群(以下,H群と略)とし,2群間で術前後の体組成変化を比較検討した.データは中央値(四分位範囲)で示した.
低侵襲胃がん手術患者170例のうち,体組成測定未実施68例,術前化学療法11例,術後合併症(Clavien-Dindo 分類≥3)3例を除いた88例を対象とし,解析を行った.
周術期管理センター受診時の基本情報(切除範囲,年齢,性別),American Society of Anesthesiologists Physical Status,TNM分類,Stage,併存疾患の有無,生化学検査値[血清アルブミン(Albumin;以下,Albと略),C反応性蛋白(C-Reactive Protein;以下,CRPと略),予後栄養指数(Prognostic Nutritional Index ;以下,PNIと略),HbA1c,身体測定値(体格指数 Body Mass Index ;以下,BMIと略),体脂肪,除脂肪量指数(Fat Free Mass Index ;以下,FFMIと略),握力],手術情報(手術時間,出血量),在院日数,術後食事開始までの期間,術後の体組成変化,エネルギー摂取量の変化について,後ろ向きに診療録より情報を収集し,2群間で比較検討を行なった.PNIは[10 × Alb(g/dL)]+[0.005 × 総リンパ球数(/mm3)]より算出した.
体組成は体成分分析装置InBody770(株式会社Inbody Japan, Tokyo)を用いて測定した.術前から術後までの体重変化率,体脂肪変化率,除脂肪体重変化率を算出し,術式別(噴門側および幽門側切除,全摘)での比較を行なった.サルコペニアの評価はAsian Working Group for Sarcopeniaの基準である握力:男性28 kg未満,女性18 kg未満,骨格筋指数:男性7.0 kg/m2未満,女性5.7 kg/m2未満に準じて行った.退院時の推定エネルギー摂取量は,診療録上の喫食量に基づいて算出した.術後1カ月の推定エネルギー摂取量は,術後1カ月での栄養指導時,管理栄養士による食事内容聴取に基づいて算出した.また,理想体重(Ideal Body Weight;以下,IBWと略)は,身長(m) × 身長(m) × 22とした.除脂肪体重減少に影響する因子を検討するため,術後除脂肪体重減少率を従属変数とする重回帰分析を行なった.
統計学的検定方法は,JMP ver.10(SAS Institute Japan, Tokyo)を用い,2群間の名義変数の比較をχ2検定で行い,連続変数はMann-Whitney U testを行った.また,それぞれ有意水準を0.05未満とした.本研究は当院倫理委員会にて承認を受けた(承認番号:HM22-173).
全体88例のうち,L群46例,H群42例であった(図1).患者背景を表1に示す.年齢中央値73歳,噴門側および幽門側切除74例(幽門側胃切除67例,噴門側胃切除7例),胃全摘14例が施行された.L群の除脂肪体重変化率中央値(四分位範囲)は–0.6(–1.5,0.3)%,H群は–4.8(–5.5,–3.3)%であった.単変量解析では,術前の患者因子として,H群においてPNI,体脂肪率が低かった.手術に関わる因子として手術時間で有意な差を認めた.本研究対象患者,噴門側および幽門側切除患者,胃全摘術患者の術後1カ月の体重変化中央値(四分位範囲)はそれぞれ–6.0(–8.0,–4.3)%,–5.6(–7.7,–4.0)%,–7.6(–8.5,–6.2)%,体脂肪変化は–15.0(–20.3,–10.7)%,–14.6(–19.6,–9.8)%,–16.5(–24.2,–14.6)%,除脂肪体重変化は–2.4(–4.7,–0.5)%,–2.3(–4.3,–0.5)%,–3.9(–5.3,–0.6)%であった.また噴門側および幽門側切除切除と胃全摘患者の2群間で比較すると,体重はp = 0.068,体脂肪量はp = 0.059,除脂肪体重p = 0.320であった.除脂肪体重減少率を従属変数とした重回帰分析の結果を表2に示す.過去の報告5,6)にて,体重や除脂肪体重減少の危険因子であった,年齢,切除部位に加えて,術前PNI,術前BMI,術前体脂肪率を独立変数とした重回帰分析の結果,術前体脂肪率が有意な変数として抽出された(p < 0.01).
L群n = 46(%) | H群n = 42(%) | p値 | ||
---|---|---|---|---|
術式 | 全摘 | 6(13.0) | 8(19.0) | 0.442 |
年齢 | (歳) | 72[61–78] | 75[67–82] | 0.301 |
性別 | 男性 | 30(65.2) | 30(71.4) | 0.441 |
BMI | (kg/m2) | 22.8[21.0–26.3] | 22.1[19.9–24.1] | 0.148 |
血清アルブミン | (g/dL) | 4.0[3.8–4.2] | 3.9[3.4–4.3] | 0.263 |
CRP | (mg/dL) | 0.08[0.04–0.28] | 0.08[0.04–0.41] | 0.725 |
PNI | 49.1[44.9–51.6] | 45.8[40.5–50.9] | 0.037 | |
サルコペニア | あり | 13(28.2) | 9(21.4) | 0.459 |
FFMI | (kg/m2) | 13.0[11.5–14.2] | 13.2[12.4–14.7] | 0.300 |
体脂肪率 | (%) | 28.6[23.6–32.9] | 23.3[19.2–29.9] | 0.005 |
ASA-PS | I | 4(8.7) | 6(14.3) | 0.684 |
II | 36(78.3) | 31(73.8) | ||
III | 6(13.0) | 5(11.9) | ||
Stage | 0 | 1(2.2) | 0(0) | 0.722 |
1 | 26(56.5) | 23(54.7) | ||
2 | 11(23.9) | 11(26.2) | ||
3 | 8(17.4) | 7(16.7) | ||
4 | 0(0) | 1(2.4) | ||
術前HbA1c | % | 5.9[5.6–6.4] | 5.8[5.5–6.1] | 0.504 |
糖尿病 | あり | 12(26.1) | 12(28.6) | 0.793 |
腎臓病 | あり | 1(2.2) | 1(2.4) | 0.948 |
心疾患 | あり | 5(10.9) | 11(26.2) | 0.062 |
脳血管疾患 | あり | 5(10.9) | 4(9.5) | 0.835 |
手術時間 | (分) | 390[341–432] | 420[388–495] | 0.006 |
総出血量 | (mL) | 27[15–34] | 25[14–41] | 0.950 |
術後在院日数 | (日) | 12[10–14] | 11[9–13] | 0.255 |
術後食事開始までの期間 | (日) | 4[3–4] | 4[3–4] | 0.775 |
術後退院までの総経口栄養量* | (kcal) | 6,260[4,795–9,652] | 6,110[4,832–7,952] | 0.881 |
* 1名ずつ欠損
中央値(四分位範囲)
BMI,Body Mass Index
PNI,Prognostic Nutritional Index
FFMI,Fat Free Mass Index
ASA-PS,American Society of Anesthesiologists - physical status
回帰係数 | 標準回帰係数 | |
---|---|---|
年齢 | 0.06 | –0.18 |
性別 | 1.42 | –0.21 |
術式 | 0.37 | –0.04 |
術前PNI | –0.07 | 0.14 |
術前BMI | 0.18 | –0.19 |
術前体脂肪率 | –0.24* | 0.57 |
男性を0,女性を1のダミー変数として投入.噴門側および幽門側切除を0,全摘を1のダミー変数として投入.*:p < 0.01
術後1カ月の体重変化率(L群–5.4% vs. H群–7.1%,p < 0.001)はH群,体脂肪変化率(L群–16.3% vs. H群–13.9%,p = <0.05)は,L群で有意に減少していた(図2).
中央値(四分位範囲)
術前から術後1カ月の体重,体脂肪量の変化(%)を示す.H群において体重,L群において体脂肪量が有意に低下していた.
エネルギー摂取量については,退院時[L群19.9 kcal/IBW(kg)/日vs. H群19.5 kcal/IBW(kg)/日],および術後1カ月[L群21.0 kcal/IBW(kg)/日vs. H群21.9 kcal/IBW(kg)/日]であり,両群に差を認めなかった(図3).
中央値(四分位範囲)
退院時,術後1カ月の経口エネルギー摂取量を示す.対象者の体格差を考慮し,標準体重あたりのエネルギー摂取量を提示した.退院時,術後1カ月時点で両群の差は認めなかった.
本研究において,低侵襲下胃がん手術後の除脂肪体重減少には低PNI,体脂肪率低値が関連すること,また多変量解析において,術前の低体脂肪率は術後除脂肪体重減少における危険因子であることが示された.胃切除施行の際には,これまでに報告されている年齢,術式を考慮しながら5,6),術前栄養スクリーニングとして,身体測定値,生化学検査値,さらに体組成計を用いて体脂肪率を用いることで術後の除脂肪体重減少ハイリスク患者を抽出できると考えられる.Abdievらは,腹腔鏡下幽門側胃切除後1カ月,1カ月~3カ月,3カ月~6カ月の患者において術後1カ月で最も体重減少が生じることを報告した9).また,術後1カ月での脂肪減少率は13.3%,筋肉減少率は6.0%であり,筋肉量より脂肪の減少が大きく,本研究結果に一致していた.生体に手術侵襲を受けると肝グリコーゲンは急速に減少し,その後,生体は血中に増加した遊離脂肪酸,ケトン体をエネルギー源として利用するが,飢餓が進行すると体蛋白質異化亢進が著明となる.胃切除後では,手術侵襲に加え,食物の貯留量が減少することで1回食事量が減少し,グリコーゲン貯蔵量が枯渇することで体脂肪減少が引き起こされると考えられる10).本研究では,2群間で術式,術後のエネルギー摂取量に差を認めなかったが,術後1カ月においてL群で体脂肪量,H群で体重,除脂肪体重にて有意な減少を認めた.L群はH群と比較すると術前体脂肪率が高いことから術後回復期早期の経口摂取量が安定しない時期に動員されるエネルギー源として脂肪が利用されると考えられる.しかしながら,H群は術前の体脂肪が少なかったため脂肪に加え筋肉もエネルギー源として消費され,除脂肪体重減少きたし体重減少の原因となっていることが考えられる.さらに2群間で術前FFMIに差は認めないものの体脂肪率は差を認めていることから,術前の体脂肪率は重要な栄養評価項目であることが示唆される.また,進行胃がんは嘔気や胃痛,通過障害などにより食事量が減少することから手術前より飢餓状態を起こしやすい.飢餓状態では,まず初めに骨格筋より脂肪が燃焼する11)ことから,手術前から体脂肪減少を招く可能性が高い.よって,エネルギー不足を招き飢餓状態にある低体脂肪手術待機患者に,術前より経口摂取が可能であれば経口補助食品の使用,場合によっては経腸・静脈栄養を併用し,摂取栄養量を充足させることで術後の除脂肪体重減少予防に寄与できると考えられる.小塚らは,術後1カ月間に胃切除後症候群(冷や汗,脱力,倦怠感,胸焼け,悪心,腹満 等)を認め,術後1カ月から食事量が上昇し,必要栄養量が充足すると報告した8).本研究では,退院時,術後1カ月のエネルギー摂取量については,2群間で差を認めず,術後の除脂肪体重減少は術後の摂取栄養量より術前の栄養状態の要因の方が大きいと考えられた.胃切除後は,手術侵襲に加え貯留能や食欲に関わるホルモンであるグレリンが喪失することで食事量が減少し,体重減少をきたすことが知られている12).これまで,胃切除術後の経口栄養剤を併用しながら効率よく栄養摂取することによって術後の体重減少を抑制することが報告されてきた13–15).Imamuraらの報告では,胃切除術後6~8週間エレンタール®(300 kcal/日)を投与することで有意に体重減少を抑制すること14),大谷らは胃がん術直後から経腸栄養にてエレンタール®(術後300 kcal/日より投与し,術後3日目までに+300 kcal/日毎,追加)投与をすることで,術後7日目の体重減少を有意に抑制すること15)を報告した.しかしながら,Idaらは,胃全摘患者の術前7日間および術後21日間にEicosapentaenoic acid 強化栄養剤であるプロシュア®(600 kcal/日)を投与した結果,術後1カ月の体重減少率は,2群間で差を認めなかった16)との報告もある.いずれの研究も対象患者の術前のBMI(平均または中央値)は22 kg/m2前後,Albは4.0 g/dL前後であること,併用されている経腸栄養剤の1日あたりのカロリーが様々であるが,投与栄養量が体重減少率に正の関係を示していないことを考慮すると,投与栄養量より術前の栄養状態を考慮し,栄養不良リスク患者への経腸栄養剤を投与することが術後の栄養状態へ寄与する可能性が高いと考えられる.
今回,術前や退院後の活動量,術後のリハビリの調査を行っていないが,エネルギー摂取量が同等であるにもかかわらず,H群では有意に除脂肪体重が減少していたことから,活動量が低いことも除脂肪体重減少のリスク因子の一つである可能性も考えられる.よって,筋力低下予防の観点からは,栄養療法のみならず,身体活動を通じて筋肉量の維持,増進をはかるべく17),運動療法の指導,実施も重要である.
H群で手術時間は長い傾向にあったが,術後の在院日数や食事開始までの期間に差は認めず,本検討においては手術短期成績への影響はみられなかった.
Aoyamaらは,胃がん患者にて胃切除後1カ月の15%以上の体重減少または,5%以上の骨格筋の減少が術後補助化学療法の継続性や生存率に関連すること4,18,19),生活の質の低下,術後補助化学療法の毒性増加や容量強度が低下する5)と報告しており,術後の体重減少および除脂肪体重減少を予防し,がん治療成績の向上させる取り組みは極めて重要である.さらに,高齢化が著しい我が国では,サルコペニアが注目されている.骨格筋が減少し,筋力や身体機能低下をきたすサルコペニアは,Activities of Daily Livingの低下,死亡率と関連していると報告されている20,21).サルコペニアの診断基準にも除脂肪体重が適応されている22)ことから,術後の除脂肪体重減少を予防することは重要である.近年,周術期栄養管理が注目され,低栄養に対する術前からの栄養介入の報告は多いが23–25),経口摂取が十分な場合であっても,体組成計の活用により,体脂肪率に着目した潜在的栄養障害をスクリーニングし,限られた術前待機時間において栄養剤の補充は意味があると考えられる.
本研究の限界点の1点目は,単一施設の後向き研究であり,併存疾患の背景因子の偏りがあることや切除術式に関しては本来全摘と噴門側切除,幽門側切除は別個に解析すべき対象と考えられることが挙げられること,2点目は,胃切除1カ月後の除脂肪体重減少のカットオフ値を本研究対象者の中央値としたが,再発やQuality of life評価法などの客観的,臨床的なアウトカムなどにより最も適切なカットオフ値とは異なる可能性があり得る点が挙げられる.しかし,本研究の結果より術前に体組成を含めた栄養スクリーニングを行うことで術後の除脂肪体重減少の予防ができる可能性が示唆されたことは一定の臨床的価値を提示できるものと考えられる.
今後は,手術待機中より,体脂肪率低値の患者に対して術前から積極的な栄養介入を導入し,術後の除脂肪体重減少予防について詳細に明らかにしていく必要がある.また,本研究対象患者はI度程度までの肥満患者しか含まれておらず,より肥満度の高い患者における栄養管理,栄養指導については明らかではなく,今後さらなる検討が必要である.
低侵襲胃がん手術患者において,術前での低体脂肪率は,術後1カ月での除脂肪体重減少の有意な危険因子であった.今後,術後の栄養補助のみならず,体組成計測定を活用し,体脂肪率の低い患者に対して術前からの積極的栄養介入によって除脂肪体重減少を軽減することが期待される.
本論文に関する著者の利益相反なし