2025 Volume 7 Issue 1 Pages 37-38
私は熊本リハビリテーション病院で理学療法士として勤務する傍ら,サルコペニア・低栄養研究センターの一員として臨床研究にも従事しています.
これまで国内の学会でさまざまなテーマで発表を行い,多くの研究者と意見交換を行う機会に恵まれました.また,論文発表も積極的に行い,研究が進行するにつれてさらなる発展が必要だと感じていました.特に,脳卒中患者のサルコペニアに関心があり,運動療法だけでなく栄養療法の重要性を強く感じています.そこで「蓄積エネルギー」という観点に注目し,必要量を上回るエネルギー摂取がサルコペニアの改善にどう寄与するかを研究してきました.蓄積エネルギーに関する研究が進展する中で,国内外の研究者と協力し,知識を深めたいという思いが強まっていました.栄養障害が患者の回復を妨げている現実に直面し,さらなる知識と研究の深化が不可欠だと考えています.
私はJSPENフェローシップ賞に強い憧れがあり,その応募者セッションでの発表に挑戦しました.JSPEN2023では「サルコペニア脳卒中患者における蓄積エネルギーは体重と骨格筋量を増加させる」というテーマで発表し,大変ありがたいことにフェローシップ賞をいただくことができました.この成果は私一人の力ではなく,研究を支えてくださったチームの皆さまのおかげであり,改めて深く感謝申し上げます.この結果を踏まえ,更なる研究活動に励み,多くの人々に貢献できる成果を目指していきたいと考えています.
ミラノで開催されたESPEN2024では,「STORED ENERGY AND RECOVERY: A KEY FACTOR IN POST-STROKE SARCOPENIA MANAGEMENT」というテーマでポスター発表を行いました.JSPEN2023での研究をさらに発展させた内容であり,多くの研究者から貴重なフィードバックをいただく機会となりました.特に「蓄積エネルギー」という観点に関しても有益なご意見をいただき,他の疾患への応用可能性についてもアドバイスをいただき,さらなる検証が必要であると感じました.一方で,英語でのコミュニケーションに課題を感じたため,更なる英語力の向上に努め,積極的に国際学会へ挑戦していきたいと考えています.
今後は,国内外での学会発表を通じて得た知見を活かし,より質の高いエビデンスを提供し,世界中の臨床現場に貢献できる研究を目指していきます.更なる成長を遂げ,次のステージでも活躍できるよう努力を続けていきます.

