概要

沿革・特徴など

市立四日市病院は，昭和14年９月に創立した．現在の病床数は568床，診療科目数は28となり三重県の北勢保健医療圏における最大の急性期病院として，救急医療，高度医療など急性期医療を提供し，三重県の北勢地域において基幹病院の役割を果たしている．当院は，平成25年末，足掛け４年にわたる病棟の増築と既設改修工事を無事終え，全面供用を開始した．救命救急センターの指定と地域医療支援病院の承認を受けている当院は，平成25年10月に，県内で２番目，北勢保健医療圏では初となる総合周産期母子医療センターの指定を受けるに至り，今後とも北勢地域の基幹病院として地域医療を推進していく．

組織

内視鏡室は診療部の一部として位置づけられている．診療は消化器内視鏡を中心に消化器内科医師が担当する．看護師は検査部に所属し内視鏡技師の資格を持ったスタッフが中心となり日常診療のサポートに当たっており内視鏡の洗浄・メンテナンスも主に看護師が行っている．毎日夜間帯にもスタッフが常駐しているため，緊急内視鏡にも迅速に対応できる体制をとっている．

検査室レイアウト

　

　

　

当内視鏡室の特徴

当内視鏡室は３部屋ありすべての検査室にモニターと酸素および吸引管を設置している．すべての部屋は患者通路とスタッフ通路を別にしている．別のモニター室では各検査室の内視鏡画像をリアルタイムで観ることができ，スクリーニング検査時・治療内視鏡時のダブルチェックを絶え間なく行うことで不測の事態にも柔軟に対応している．カプセル内視鏡の読影に関しては名古屋大学を中心とした読影支援ネットワークにより専門医の的確なアドバイスが得られる状況にある．

スタッフ

（平成29年２月現在）

医　　　師：指導医２名，専門医１名，その他スタッフ８名

内視鏡技師：Ⅰ種６名

看　護　師：常勤17名，非常勤２名

事　務　職：１名

設備・備品

（平成29年２月現在）

　

　

実績

（平成27年4月～28年3月まで）

　

　

指導体制，指導方針

部長１名，副部長３名，医長１名，医員３名，後期研修医３名で日常の内視鏡業務に従事している．医長級以上から２名以上，医員から１名，後期研修医から１名以上となるような３群からなる組み合わせで４人以上の消化器内科医が日々の内視鏡検査を担っている．各医師には全員に週二回程度の内視鏡検査日が与えられている．治療内視鏡時の助手も極力医師が行うようにしており，執刀医との組み合わせは先述のような３群からそれぞれ一人ずつ選出される体制を設けている．週に一度，内視鏡カンファレンスを開催し内視鏡診断力の向上に努め，生検・治療を行った医師が自らその症例を読影し病理結果との照合を行っている．その他にも抄読会，外科との合同カンファレンス，消化器科症例検討会が週に１度ずつあり日々プレゼンテーションを行う環境と科全体で症例を共有する体制が構築されている．当院は日本消化器内視鏡学会の指導施設認定を受けており，全員同学会の専門医取得を目標とし日々の内視鏡診療に従事している．

現状の問題点と今後

現在，内視鏡室が３部屋のみであるため，それ以上の検査医は待機せざるを得ない状況が生まれることがある．２部屋ある透視室にもそれぞれ内視鏡の光源はあるが，他科とも合同で設備を使用しているため必ずしも常に消化器内科が使用できる環境ではない．また，それぞれの部屋も十分に広いとはいえず，通常の検査では問題ないが治療内視鏡時には狭い．しかし来年度から新しく内視鏡センターを設立する予定であり，内視鏡室を４部屋に，透視室を３部屋に増設する予定である．人材確保など解決すべき点はまだ残るが，これにより円滑な検査運営ができることを目標としている．また，当科では完全主治医制を導入しているため患者の診療や検査では一貫性を維持できる一方で，主治医が外来終了後に検査を行うなどの制限をかけることで検査の運営が滞ることがある．曜日ごとの内視鏡医やその数によって検査の総数や内容に偏りが生じコメディカルに負担をかけることがしばしばある．これら諸問題については先述の設備増設や担当医制の導入を推進していくことで改善に努めていく．