2018 Volume 60 Issue 5 Pages 1135-1137
当院は昭和の初期,農村恐慌の背景のもとに貧困に陥った農民自らが「生命と生活を守る運動」の中で,数多くの先駆者が情熱と努力により幾多の困難を乗り越え,昭和13年10月23日「保障責任医療利用組合連合会遠州病院」の名称で静岡県大井川以西を区域とし,県西部の近代的組合病院として診療を開始した.病床数133床は,当時としては規模の大きなものであった.
昭和20年6月18日,空襲のため病院を全焼したが,戦後の焼け跡に木造平屋建103床の病院を応急復興した.更に昭和23年8月厚生連が設立されその直属病院として,開設の精神に基づき一貫した地域医療の向上に努め,「遠州総合病院」として地域の基幹病院として発展してきた.平成19年4月現在の地に移転し病院名を「JA静岡厚生連遠州病院」に変更,一般病床340床とリハビリテーション病床60床として現在に至っている.
組織内視鏡室は診療部の一部として位置づけられており,専任のスタッフはおらず,消化器内科医が消化器内視鏡診療を行っている.同時に呼吸器内科による気管支鏡検査も行われており,各診療科が看護部と連携をとりながら業務を行っている.また当院に併設されている健診センターの内視鏡健診も当科で行っている.
検査室レイアウト
内視鏡室は病院1階フロアに位置する.内視鏡室内に上部消化管検査室を2部屋と廊下を隔てた放射線部にX線透視室を3部屋で検査を施行している.狭小であるが下部消化管検査前処置用の専用スペースを有する.上部消化管検査室は隣接した救急室からストレッチャーで直接入室できるように廊下側にも出入り口を設けている.
内視鏡の洗浄は洗浄機3台を設置し,専任のスタッフが洗浄を行っている.
(2017年12月現在)
医 師:指導医4名,専門医1名,その他スタッフ1名,研修医1名
内視鏡技師:Ⅰ種4名
看 護 師:常勤7名(Ⅰ種4名含む),非常勤2名
洗 浄 員:1名
事 務 職:1名
(2017年12月現在)
(2016年1月~2016年12月まで)
当院では毎年4~5人の初期研修医を消化器内科の研修として受け入れている.研修期間は1カ月と短期間であるため,内視鏡的手技に関しては実践的な実技研修をする時間は少ないが,単に検査の見学に終わらず,止血術・ESD・EMR・ERCP・イレウス管・胃瘻造設など様々な内視鏡処置の介助を担当する.また,シミュレーターによる上下部消化管内視鏡および胆膵内視鏡検査の練習や,鎮静下などのリスクの少ない患者には指導医の監督下で上部内視鏡検査の抜去時観察を行っている.
本格的に内視鏡研修を行うのは後期研修医として消化器内科医となってからである.上部消化管内視鏡検査の習得を目標とし,指導医の監督下に生検を含む適切な内視鏡操作や診断,所見の記載を行う.また,最近は経鼻内視鏡の件数が増えており,経鼻独特の注意点なども習得する.次に下部内視鏡検査を指導医のもと修練し,EMRなどの習得を目指す.その後ERCPをまず挿入と乳頭の観察から開始し,5分程度の時間制限下でカニュレーションを行う.また,並行して止血術やイレウス管挿入などの処置や治療を上級医と行う.最終的な目標は専攻医3年間で上下部内視鏡,ERCPなどの検査・処置に加え,緊急内視鏡検査や止血処置,EIS,EUSなどを指導医の監督のもと完遂できるようになることである.
毎週消化器内科のカンファレンスを行い,消化器内科入院患者全例の症例検討を行い,治療方針などを決定している.また,外科および病理との合同カンファレンスを週1回行い,外科治療症例での内視鏡および画像診断・処置などの問題点や反省点をフィードバックすることにより診断能の向上を目指している.
学会や研究会へ積極的に参加し,特に初期研修医や後期研修医には地方会での発表の機会をもうけている.
年々内視鏡件数が増加する中,当院の内視鏡室は2部屋であり症例数の限界が問題となっている.そのため,午前中使用頻度の少ない放射線部のX線透視室を利用し,増加する件数に対応している状態であるが,ハード面において限界にきている点があげられる.また,鎮静後のリカバリーベッドも専用のものがなく,中央処置室の点滴用のベッドを借りている状態であり,鎮静希望が多い場合には対応に苦慮している.
X線透視室は消化器内科専用のものはなく他科と併用しており,救急患者の増加のため緊急処置が予定外で入ることが多く,予定での検査及び治療も通常枠で予対応できず,時間内で業務が終わらないことが多々ある.コメディカルも含めた人材確保も必要と考えられる.