要旨
好酸球性食道炎は主に食物抗原に対するIgE非依存型(遅延型)アレルギー反応によって好酸球浸潤を主体とする炎症が食道上皮を中心に発生,慢性的に持続し,食道運動障害や食道狭窄をきたす疾患である.元々は小児領域の疾患と考えられていたが,近年,とくに欧米において成人のつかえ感,food impactionの主な原因として注目されている.好酸球浸潤は食道に限局し,好酸球性胃腸炎とは独立した疾患単位として取扱われる.診断は自覚症状と組織学的に有意な好酸球浸潤を証明することが基本となり,内視鏡検査で縦走溝,白色滲出物,輪状溝などの特徴的な所見を認識しつつ,生検を行うことが必要となる.治療においては,原因食物の特定と除去食の有用性が確認されているが,その実施には極めて高度な医学的管理を要するため適応は限定され,薬物治療が主体となる.第一選択はPPI投与,無効な場合はステロイド食道局所(嚥下)治療が推奨されている.本邦では欧米と比較し症状や所見が強い典型例は少ないが,近年のアレルギー疾患の増加とともに今後増加してくる可能性がある.厚生労働省の指定難病としても告示されており,その病態や診断,治療について理解しておく必要がある.
Ⅰ 緒 言
好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis;EoE)は主に食物抗原に対するIgE非依存型(遅延型)アレルギー反応によって好酸球浸潤を主体とする慢性炎症が食道に限局して発生し,食道運動障害,長期的に食道狭窄をきたす疾患である
1).元々は小児領域の疾患と考えられていたが,近年,とくに欧米白人において成人のつかえ感,food impactionの主因として増加しており,注目されている
2).食道の好酸球性炎症は好酸球性胃腸炎(eosinophilic gastroenteritis;EGE)
3),アカラシア
4)に伴った症例として1970年代頃から認識されていたが,現在定義されているようなEoEは1993年Attwoodらの報告により疾患概念が確立したと考えられている
5).2007年に米国消化器病学会より初の診断基準が出されており,比較的新しい疾患概念といえる.最近,本邦でも報告例が増加しているが,欧米に比べ軽症例が多く,検診の内視鏡検査の際に偶然に発見されることも多い
6)~10).本症は全消化管に好酸球浸潤をきたし得るEGEとは別個の独立した疾患単位として取扱われる.2015年1月よりEoE,EGEおよび新生児乳児食物蛋白誘発胃腸炎は好酸球性消化管疾患として厚生労働省(以下,厚労省)の指定難病として告示されており,公費助成対象の難治性消化器疾患の一つとして理解しておく必要がある.本稿では,EoEの病態,診断,治療,予後について述べる.
Ⅱ 発症機序・病態
EoEにおける食道好酸球浸潤はIgE依存型(即時型)およびIgE非依存型(遅延型)の両者(主に後者)が関与する混合型のアレルギー反応によって引き起こされると考えられている
11).経口的に摂取されたアレルゲンが食道上皮に接触すると,上皮細胞やTh2細胞が活性化されthymic stromal lymphoprotein(TSLP),IL5,IL13,IL15,eotaxinなどのTh2反応に関与するサイトカインが過剰に産生され,食道局所に好酸球が動員され,肥満細胞や好塩基球の活動も加わって,好酸球浸潤主体の炎症が惹起される
1).EoE患者ではTSLP(Th2反応増強因子)やeotaxin(好酸球遊走因子)をコードする遺伝子に多型があり,その発現が増強していることが報告されており,好酸球浸潤をきたしすい遺伝的な要因が存在する
12).また,食道上皮のバリア機能維持に関わるデスモグレリン1やフィラグリンの発現低下,逆にバリア機能障害に関わるCAPN14の発現亢進,さらに線維化に関与するTGF-βの発現亢進などが認められ,これらも遺伝子変異に基づく発現異常であることが報告されている
12),13).とくに,CAPN14はEoE患者の食道上皮に特異的に強く発現しており,食道に限局して強い好酸球性炎症を起こす本症の病態に密接に関与する一分子として注目されている
13).以上をまとめると,好酸球の浸潤に加え,それが持続,さらに線維化へと進展しやすい遺伝的素因をもつ個体が特定のアレルゲンに暴露されることによって本症が発症すると考えられている
14).
しかし,ここ20年ほどの短期間での本症の急激な増加は,遺伝的要因のみでは説明がつかず,環境要因の影響が大きいと考えられている
15).近年のアレルギー疾患増加を説明する仮説の一つとして,衛生環境の向上によるTh1/Th2バランスの異常,いわゆる衛生仮説が提唱されている
16).EoEでは気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎などTh2優位なアレルギー疾患の合併が多いことはよく知られている
17).H. pylori感染はTh1反応を誘導する代表的な感染症であるが,EoE患者では対象群に比べH. pylori感染率が有意に低いことが欧米および本邦のいくつかの研究で報告され
18)~20),感染率の低い地域ほどEoEの頻度が高いことが示されている
21).しかし,最近EoEのH. pylori感染率は対象群と差がないとの報告もあり,H. pylori感染低下による免疫学的な影響よりもむしろそれと連動するような環境の変化がEoEの発症リスクに強く寄与しているのかもしれない
22).EoEの家族内発症に関する研究では,同胞に比べ二卵性双生児で約10倍のリスク増加を認めており,遺伝的要因よりも環境要因,とくに出生時に暴露される因子(抗生剤の使用,帝王切開,早産など)が強く影響する可能性が示唆されている
23).このほか,花粉,気候,居住地の人口密度(田舎か,都会か)などが発症あるいは病勢を修飾するリスク因子として想定されている
24).
Ⅲ 疫 学
本症は欧米の白人男性で頻度が高く,欧米からの報告を中心とした最近のメタ解析では20~30人/10万人程度の有病率が報告され,男性優位で,男性は女性の約2倍の頻度である
25).つかえ感,food impactionの精査で内視鏡検査を受けた患者の約20~60%がEoEと診断されており,欧米では食道異物の主要因となっている
24).
2004年から2009年の間に診断された症例を対象とした本邦初の全国調査では欧米同様に30-60歳台の比較的若年男性に多く診断されており,平均年齢は約49歳で発症のピークは欧米と比べやや中高年にシフトしている印象である
26).本邦では欧米に比べ検診を含むスクリーニング内視鏡検査が広く行われており,内視鏡検査ベースでは無症候例を含め0.02~0.4%にEoEが発見されるが,つかえ感やfood impaction,狭窄を呈する典型例は欧米に比べ少ない
27).Kinoshitaらによるアジア地域からの報告をまとめたレビューによると本邦におけるEoEの有病率は17~500人/10万人程度と算出されるが,サンプルサイズが小さな報告ほど有病率が高くなっており,報告によるばらつきが非常に大きい
28).なお,診断基準の項で述べるように,症状がない無症候例は原則としてEoEと診断されないため,症状の有無を問わずに単に組織学的な好酸球浸潤を指す概念として食道好酸球増多(esophageal eosinophilia)あるいは食道好酸球浸潤(esophageal esosinophilic infiltration)という用語が用いられている.本邦検診施設からの最近の報告では有意な自覚症状がない検診上部内視鏡受診者約5,000例のうち0.4%(400人/10万人)に食道好酸球浸潤が発見されている
10).この数字は,調査方法等は同一ではないものの,スウェーデン
29)や中国
30)で一般住民を対象に行われた調査とほぼ一致しており,症状を考慮しなければ,組織学的な食道好酸球浸潤は一般住民レベルで比較的高頻度に存在している可能性が示唆される.前述したが,EoEでは気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の合併率が高く,とくにアレルギー疾患を有する若年から中年男性で食物のつかえ感やfood impactionを繰り返す場合には本症の可能性も念頭に置く必要がある.
Ⅳ 症 状
近年,成人期になって診断されるEoEが注目されているが,元来は小児科領域の疾患として知られてきた.小児と成人では自覚症状の性状がやや異なっており,小児期に診断される症例はつかえ感,food impactionのほか哺乳障害,嘔吐,腹痛,胸痛,胸やけ,食欲低下など多彩な症状を呈するのに対し,成人期に診断される症例ではつかえ,food impactionを主訴とする場合が多い
31).小児期発症例でつかえ感やimpactionのような典型症状が顕在化するのは10歳頃の学童期以降とされる
32).EoEの典型症状であるつかえ感やimpactionは,長期の炎症持続に伴って食道壁の線維化,リモデリングが進行し,食道壁全体の運動異常や伸展性低下をきたすことによって顕在化すると考えられており,後述する内視鏡所見や生検による病理組織所見からみた活動性とは必ずしも相関しない
33),34).
EoE患者ではこれまでの食事経験からつかえ感がでそうなものは避ける,ゆっくり食べる,水を飲みながら食べる,よく噛んで食べるなど意識的あるいは無意識に食行動を適応させて,症状出現を回避している可能性があり,症状を評価する際にはこのような点についても具体的に問診すべきである
35).生来の体質だと思いこみ,長期間,病院を受診せずに,診断の機会を逸していると思われる症例が散見される.
一方,胸やけ,呑酸のようなGERD症状を主訴とする場合があり,PPI抵抗例を含む難治性GERDで内視鏡検査を行った1~8%にEoEが発見される
24).その頻度は高くはないが,PPI抵抗性GERDの鑑別疾患の一つとしても念頭に置く必要がある.
Ⅴ 診断基準とその変遷
本症は症状と病理学的所見によって診断される臨床病理学的疾患であり,診断には好酸球浸潤の証明が必須となる.食道は本来,生理的に好酸球浸潤を認めない臓器であるが,様々な原因によって二次的に好酸球浸潤をきたす.とくに実臨床で頻度の高いGERDでは1~10個程度の好酸球浸潤をきたすことが知られている
36).GERDとの鑑別のため,好酸球浸潤数の適切なカットオフ値について多くの検討がなされ
37),現在15個/HPF以上の基準が国内外の主要な診断基準で用いられている
17),38).好酸球数は最も浸潤が目立つ部位で計測されることが多い.GERDのほか,好酸球性胃腸炎,クローン病,寄生虫などの感染症,アカラシア,好酸球増多症候群,薬剤過敏,類天疱瘡,膠原病,移植片対宿主病などでも二次的に食道好酸球浸潤をきたし得るため,これらの除外も必要である
39).
2006年NgoらはPPI投与で寛解した食道好酸球浸潤3例のケースシリーズを報告した
40).3例はいずれも臨床症候,内視鏡所見,病理組織所見からEoEとして妥当な症例であった.この報告はGERDによってEoE類似の病態が起こり得ることを示唆し,このようなGERDに関連するような食道好酸球浸潤はEoEからは除外すべきとする立場がとられ,2007年に米国消化器病学会から提唱された初の診療ガイドラインでは,①食道運動異常による症状(つかえ感など)があること,②15個以上/HPFの食道好酸球浸潤を認めることに加えて,③高用量のPPI投与で改善がみられないこと,④下部食道におけるpHモニタリングが正常(異常酸逆流がない)であること,の4項目が診断基準として採用された
39).
しかし,EoEは食道運動異常を介してGERDを誘発し,逆にGERDによる酸逆流は食道粘膜傷害を惹起してアレルゲンの浸透性を助長しEoE発症のトリガーとなるため,その病態は互いにオーバーラップし得る
41).実際,EoEの20%程度に異常酸逆流やびらん性食道炎を伴う
39),42).さらに,有意な酸逆流がなくても20~40%程度はPPIで食道好酸球浸潤が改善すること,そしてPPIは抗炎症作用を有し酸分泌抑制以外の機序を介して好酸球浸潤が改善する可能性が報告された
43),44).すなわち,EoEにGERDが伴うことは稀ではなく,PPI投与による食道好酸球浸潤の改善を単純にGERDが原因の食道好酸球浸潤とすることはできない.したがって,診断基準におけるPPI反応性や食道pHモニタリングによる酸逆流の有無についての評価はGERDによる食道好酸球浸潤の鑑別という点ではあまり意味をもたないことになった
45).
以上より2011年の改訂ガイドラインではGERD合併の有無ではなく,PPI反応性という視点で,PPIで改善する例はPPI responsive esophageal eosinophilia(PPI-REE,PPI反応性食道好酸球浸潤)という概念で分類し,PPIで改善しない例をEoEと定義することが提案された
17).その後,両者の異同について多くの検討が行われているが,症候的,内視鏡的,病理学的,分子生物学的に両者にはオーバーラップが大きく,これまでの知見では明確に区別することは困難である
46).薬剤への反応性によって診断名が変わる点も違和感があり,臨床上不便である.したがって,最近は,PPIを治療の一つのオプションと位置づけ,その反応性を診断基準からはずす方向で世界的にコンセンサスが得られつつある
47),48).
本邦では厚労省研究班よりTable 1に示すように,つかえ感などの症状と15個以上/HPFの好酸球浸潤を必須所見,PPIに対する反応不良,画像所見,血液所見,男性優位性を参考所見とする診断基準が示されている
49).腹痛,下痢,嘔吐などの胃腸炎症状を有する場合あるいは内視鏡的に食道以外の小腸,大腸にびらん,潰瘍,浮腫などの異常所見を認める場合は,EGEの可能性につき精査を行う(Figure 1).末梢血好酸球数の増加はEGEでは約80%で認めるのに対しEoEでは約30%程度で,その多くも軽度の上昇に留まる
26).診断および病勢の評価に有用な血清学的マーカーは確立されていない
50).また,本症はIgE非依存型アレルギーが病態の基盤であり,アレルギー疾患のスクリーニング検査として普及している血中特異的IgE測定で原因アレルゲンを特定することは困難であり,プリックテストやパッチテストなどの皮膚テストを行っても難しい
51).
Ⅵ 内視鏡所見
通常,内視鏡下に生検を行って診断が確定される.診断精度向上のためには,以下に示す特徴的な内視鏡所見を理解して適切に生検を行うことが重要である.①白色滲出物(Exudates),②輪状溝(Rings),③粘膜浮腫(血管透見低下・消失)(Edema),④縦走溝(Furrows),⑤食道狭窄・狭細化(Stricture)の5つの所見は,その頭文字をとってEREFSシステムとしてEoEの内視鏡的な客観的評価基準として提唱され,観察者間および観察者内での診断一致率も高いことが報告されている
52),53).①,③,④は可逆性のある活動性炎症,②,⑤は長期の炎症・線維化による慢性的な変化(食道のリモデリング)を反映した所見と位置づけられている(Figure 2).
縦走溝は食道長軸方向に亀裂状に縦走する溝で,敷石状を呈することもある.脱気して観察すると縦ひだと縦ひだの間の谷の部分に形成されることがわかる.逆流性食道炎でみられる線状びらん,すなわち上皮の欠損とは異なり,炎症のため浮腫状に肥厚した上皮が収縮するする際に形成される上皮の折り目(ひび割れ)のような所見と推察される(Figure 3)
54).
白色滲出物は食道カンジダでみられる所見と類似した黄白色調の顆粒ないし粘液状の所見で,組織学的に好酸球が複数集簇した微小膿瘍を反映した所見とされる
55).縦走溝,白色滲出物の部位は好酸球浸潤の程度が強いので,この部分を狙って生検を行うと有意な好酸球浸潤が証明されやすい.
輪状溝は粘膜筋板や粘膜下層の肥厚・線維化を反映した食道横軸方向の同心円状のしわのような所見で,いわゆる畳目模様よりも太く,高度の場合は気管様の形態を呈することがある
56).典型例はある程度恒常的に出現するが,軽度あるいは一過性の輪状溝はGERDあるいは健常者の嘔吐反射時などでもしばしば観察され,また治療による組織学的寛解後も残存しやすいので過大評価に注意が必要である
57),58).逆流性食道炎では約30%に縦走溝,白色滲出物,輪状溝のようなEoE様の所見が観察されるとの報告もある
59).
食道狭窄・狭細化は未治療で長い病脳期間をもつ症例ほど頻度が高く
60)~62),その部位はGERDではほとんど下部食道であるのに対し,EoEでは上部・中部食道にも発生し得ることが特徴である
63).炎症により食道上皮が脆弱となり,内視鏡スコープの接触で容易に粘膜に裂傷を形成する場合があり,Crepe paper esophagusと表される
52).食道が狭細化している症例ではスコープ操作に注意が必要である.
粘膜浮腫は極めて非特異的な所見であるが炎症に伴う浮腫により食道上皮の樹枝状血管の透見が低下・消失する.所見が食道下端に及ぶものでは柵状血管の透見が不良となる.また,乳頭腫様の炎症性白色小隆起の多発を認めることがある(Figure 2-aの矢頭参照)
64).
上述の内視鏡所見は典型例では複数伴うことが多いが,単独のこともあり,その程度にも差がある.また,所見の分布領域は食道の広範囲に広く連続的に認める例のほかに,食道下端(食道胃接合部直上)のごく狭い領域のみに限局する場合があり(Figure 4),このような例はとくに検診の内視鏡検査などで無症候例としてしばしば発見される
65).食道胃接合部直上は生理的範囲内の酸暴露(逆流)が比較的高頻度に起こっている解剖学的特性があり,必ずしも病的な酸逆流がなくても生理的な酸暴露がその病態に関与している可能性が想定される
66).また,比較的境界明瞭な領域性をもってスキップ状に所見を認める場合があり,炎症性の組織異型のためいわゆる異型上皮として経過観察されている場合もある(Figure 5).このように,EoEの内視鏡所見では個々の所見の程度に加え,その分布にも多様性がある.
EoEでは内視鏡的に明らかな異常を認めない例もしばしば存在することが報告されているが,最近のメタ解析では前向き研究に限れば90%以上の症例で何らかの内視鏡的異常が指摘可能であることが示されている
42).しかし,症例によってはやはり所見が弱く,わかりにくい場合もあるので,症状や経過から本症が疑われた場合には,積極的に生検を行って確認することが望ましい.一方,通常の内視鏡検査では食道運動異常や伸展性低下といった機能的な情報を評価することは困難である.最近開発された食道内のバルーン内圧とインピーダンスを同時測定するEndoFLIPⓇという装置はEoEにおける食道伸展性低下の評価に有用であることが報告され,病態の解明に期待されている
67).
Ⅶ 病理組織所見
病理診断における好酸球浸潤数のcut off値はGERDとの区別のため,15個以上/HPFとされているが,食道内での好酸球の浸潤にはばらつきがあり,サンプリングエラーが起こりうるため,生検は複数個,最新のガイドラインでは異常のある部位を中心に最低6個行うことが推奨されている
47).とくに縦走溝,白色滲出物は好酸球の浸潤が高度であり,縦走溝,白色滲出物を狙って生検を行う.症状や内視鏡所見から本症が疑われたにも関わらず,生検で好酸球浸潤数が基準値を満たさなかった場合は再検や診断的治療も考慮される
68).生検では上皮内好酸球浸潤に加え,粘膜固有層の線維化・肥厚,好酸球脱顆粒,乳頭延長,細胞間隙開大などの所見が種々の程度で認められる.とくに上皮下組織が十分採取された場合,上皮下の線維化が強いことが特徴である(Figure 6)
69).
内視鏡的にEoEが疑われ,生検で実際に基準値以上の食道好酸球浸潤が検出される頻度は,本邦の主な報告では0.5~57.1%と大きなばらつきがあるが,これには検討対象,検査医の拾い上げの差,生検個数,生検部位などの違いが影響していると考えられる
9),10),59),70).また,内視鏡所見と組織学的な炎症活動度はある程度相関するという報告
71)とあまり相関しないという報告
72)があり,一致していない.したがって,治療効果の詳細な評価を行う場合,生検を行って組織学的にも確認することが望ましい.
好酸球浸潤は上皮内に顕著である場合が多いが,粘膜固有層のほうが高度なこともある.Schoepferらの報告では好酸球浸潤が上皮内よりも粘膜固有層で高度であったのが約30%あり,上皮内が15個未満/HPFであった患者の約40%が粘膜固有層で15個以上/HPFの浸潤を認めたことが報告されている
73).近年,食道上皮下から筋層以深に好酸球浸潤の主座を有する好酸球性食道筋炎(eosinophilic esophageal myositis;EoEM)なる概念が提唱され,ジャックハンマー食道などの食道運動障害との関連が報告され,これまで一般的に診断されてきたEoEとの相違について議論されている
74),75).EoEMはEoEに典型的な内視鏡所見に乏しく,通常の内視鏡下生検では診断が困難で,食道アカラシアの根治的内視鏡治療である内視鏡的食道筋層切開術(POEM)の手技を応用した筋層生検が診断に有用である.このような上皮下に好酸球浸潤の主座を有するタイプは通常のEoEとは病態が異なる可能性があり,今後さらなる検討が望まれる.
Ⅷ 治 療
基本的につかえ感,胸やけ,impactionなどの自覚症状がある場合に治療の対象となる.大きく食事療法,PPI,ステロイド治療の3つの選択肢があるが,現時点ではPPIは約半数の患者で症候的また組織学的な寛解が得られ,食事療法やステロイド治療と比べ忍容性や安全性の面で使用しやすい
46).本邦厚労省の研究班が作成した治療指針ではPPIが第一選択の治療として位置づけられている(Figure 7)
49).なお,治療による寛解は客観的に評価しやすい組織学的寛解,すなわち好酸球浸潤数の減少の程度で定義されることが多いが,その基準は治療後1個/HPF未満,5個/HPF未満,15個/HPF未満あるいは治療前と比べて90%以上の減少など報告によって異なっている
47).さらに,治療のエンドポイントとして自覚症状の改善を重視した臨床的寛解でいいのか,好酸球浸潤の消失を目標とする組織学的寛解を達成すべきか,あるいはその両者を目指すべきなのかについても明確になっていないのが現状である.次に各治療法の概要について述べる.
1)PPI
これまで数多く報告で食道好酸球浸潤に対するPPIの有用性が示されてきた.33篇の報告をまとめた最近のシステマティックレビューでは約60%で症状が改善し,約50%で組織学的寛解が得られる結果であった
76).PPIが好酸球浸潤を改善させる機序としては,酸逆流による粘膜傷害を治癒させて食道内腔側からのアレルゲンの浸透を抑制する機序とPPIがもつ抗炎症作用の2つの機序の関与が想定されている.上に述べたシステマティックレビューのサブ解析によると,過度の食道内酸逆流を認める例は酸逆流が正常範囲内の例と比べてPPIが効きやすく(65% vs 49%),また1日2回投与は1日1回投与例と比べ有用である傾向(52% vs 39%)が示されているが,統計学的な有意差は認められていない
76).欧米では初めから高用量で8週間程度の投与が基本となってはいるが,改善しなかった場合にどの程度まで増量するのか,また適切な投与期間についても十分な検討はなされていない
46).PPI投与で寛解した症例の画像を提示する(Figure 8).本邦では,GERDに準じて常用量を8週程度投与するのが一般的である.最近酸分泌抑制力がより強力なボノプラザン(VPZ)がPPI不応例に有用との報告もなされている
77).もちろん,現状では好酸球性食道炎に対してPPI,VPZは保険適用となっていない.
PPIで改善すれば,減量を考慮しつつ維持治療として継続することが推奨されているが,PPIによる維持治療の成績を示した報告は少ない.一過性で再燃をきたしやすいとする小児のケースシリーズの報告があるが
78),低用量への減量を含む維持療法で70~80%の症例で寛解維持が可能との報告も散見される
79)~81).Molina-InfanteらはPPI維持治療中の再燃とCYP2C19遺伝子多型との関連について検討し,CYP2C19のrapid metabolizerで再燃が有意に多く,再燃例の70%は下部食道においてのみ好酸球浸潤の再燃がみられており,さらにPPI増量で好酸球浸潤は再び消退することを報告しており,EoEの病態における酸逆流の関与を示唆する報告として興味深い
79).
2)ステロイド
PPIが無効な場合の薬物治療としてはステロイド治療が適応となる.ガイドラインの考え方としてはEoEにおけるステロイド投与はより副作用の少ない食道内局所投与(嚥下療法)を強く推奨しており,EGEで一般に行われる内服や静注による全身投与は重症例や緊急例に限るべきとする立場である.主に気管支喘息用吸入型ステロイド製剤であるプロピオン酸フルチカゾンかブデソニドが用いられる.最新の欧米でのガイドラインでは成人での推奨用法・用量は,寛解導入期:フルチカゾン880〜1,760mcg/日,ブデソニド2~4mg/日,維持治療期:フルチカゾン880~1,760mcg/日,ブデソニド2mg/日(小児では年齢や体格に応じて半量程度に減量),通常1日2回に分割投与する
47),82).なお,両薬剤とも本邦ではEoEに対する保険適用にはなっていない.PPIが無効でブデソニド局所投与で寛解した症例の画像を提示する(Figure 9).筆者らは当院倫理委員会および薬事委員会での審査・承認のもと,気管支喘息の治療で用いられる吸入用懸濁型ブデソニド製剤であるパルミコートⓇを使用している(保険適用外).パルミコートⓇは軽い酸味,苦味があるため必要に応じて少量の単シロップに混ぜて用いている.寛解導入では通常8~12週程度,口腔内投与(嚥下)する.嚥下後は口腔カンジダ症予防のため,速やかにうがいし,30分~1時間程度禁飲食とする.4~26%程度に食道カンジダが発生することが報告されているが,ほぼ無症状で抗真菌剤への反応もよく,問題となることは少ない
83),84).ブデソニドはスクラロース等の甘味料と混ぜて懸濁液として使用すると,フルチカゾンより均一に食道内に作用させることができ,drug deliveryの面からはより有用である
85).現在,米国においてブデソニド懸濁液を用いた専用製剤の臨床試験が進行中であり,本邦でも早く保険適用として使用可能な薬剤の開発・導入が期待される
86).ステロイド局所治療で概ね50~80%程度の症例で組織学的寛解に至るが,自覚症状の改善は組織学的な反応ほど顕著ではなく,比較対照群と有意差がつかない報告も少なくない
47).最近の2つのメタ解析の結果も,対照群と比較しステロイド局所治療の組織学的寛解のオッズが20~30倍であるの対し,症候的寛解は2~3倍程度にとどまっている
83),87).この原因の一つとして,ステロイド局所治療では回復困難な進展した線維化による食道運動異常や拡張障害の関与が推測されている
88).

ステロイド治療は組織学的寛解導入率が高いが,中止後の再発が高率であるため,食道狭窄例,バルーン拡張既往例,impaction既往例など症状や所見が強い場合は,維持治療が推奨される
89).ステロイド治療を受けて経過観察された症例ではimpactionのリスクが約60%低下し,これは投与期間が長いほど顕著であったことが報告されている
90).ブデソニド0.5mg/日まで減量した維持療法では半数で組織学的再燃をきたしており
91),ステロイド以外の薬剤の使用も含めた最適な維持療法の確立が今後の課題である.
上述のようにEoEにおけるステロイド治療は副作用低減の点から食道局所治療が推奨されている.冨永らはブデソニド(パルミコートⓇ)内服による食道ESD後の狭窄予防に関する報告のなかでブデソニド食道局所投与の全身への影響について考察している
92).それによれば,ブデソニド吸入3,200μgとプレドニン内服10mgは視床下部-下垂体-副腎皮質系への全身的影響という点でほぼ同力価と報告されているが,ブデソニドを内服した場合,肝の初回通過効果によってその多くが代謝され,全身性作用は投与量の10~15%程度に減弱される.したがって,EoEの寛解導入で用いられる量の数週間程度の使用であれば全身性副作用が問題となる可能性は非常に低く,実際,体内のステロイド動態に大きな影響を与えないとする報告が多い
83).しかし,最近小児の一部で長期維持投与により副腎機能低下が認められたことが報告されている
93).少量でも長期投与では副腎系へ影響を及ぼす可能性があり,維持療法では注意深い観察が必要である.
3)食事療法
食事療法に関する報告をまとめた最近のメタ解析によると,組織学的寛解達成率はelemental dietが90.8%で有効性が最も高く,次に6 food group elimination diet(小麦,乳製品,卵,大豆,ナッツ類,魚介類の6食品群を除去)72.1%,ミルク除去食68.2%,4 food group elimination diet(小麦,乳製品,卵,豆類の4食品群を除去)53.4%であり,血中特異的IgE抗体や皮膚テストの結果に基づいた除去食では50%以下の寛解率であったことが示されている
94).いずれにしても,食事療法はコスト,煩雑さ,忍容性などに課題があり,現時点では薬物治療が奏効しない症例や長期のステロイド治療を回避したい重症例などに限られる.さらに食事療法は長期間の高度かつ厳格な医学的管理が必要な治療法であり,治療に精通した消化器内科専門医,アレルギー専門医,管理栄養士など複数の専門家がいる施設でないと実施が困難である
95).
4)そのほか
IL5,IL13,IgEなどをターゲットとした治療薬の効果も検討されているが,エビデンスはまだ十分でない
96).薬物治療が無効で器質的な狭窄を伴う場合はバルーン拡張が行われ,概ね安全で有用であることが報告されている
97).
Ⅸ 長期経過・予後
EoEの長期経過・予後に関する報告は少ないが,これまでの知見では有症状例の多くは症状が持続し,長期間未治療で経過すると食道狭窄へ進展する進行性疾患といえる.症状出現からEoEと診断されるまでの診断遅延(未治療)期間と食道狭窄の頻度を検討した報告では,診断の遅れが長いほど狭窄の頻度は増加し,20年以上の診断遅延例では70~80%に狭窄を伴うことが報告されている
60),62).また,経過観察が中断となったEoE患者では平均約8年の経過で70~80%に食道狭細化・狭窄が発生したとの報告がある
98).また,成人患者30例を原則無治療で平均約7年経過した前向き研究では,つかえ感は1例を除いて持続(そのうち37%では悪化)しており,拡張術が11例(36%)に行われたことが報告されている
99).頻回のつかえ感や狭窄の存在は患者のQOLを損ない,バルーン拡張術を要する場合には処置に伴う出血,穿孔などのリスクも伴うことから,少なくとも有症状者においては早期診断し,適切な治療介入が行われることが望ましいといえる
100).治療介入によって食道の伸展性が改善し,impactionやバルーン拡張の頻度を減少させることが可能である
90),101),102).
一方,本邦では検診の場で症状がない食道好酸球浸潤がしばしば発見されるが,このような無症候例の長期経過・予後については報告がなく不明で,治療の是非やマネージメントの方法にも明確な指針がないのが現状である.遡及的に画像を検討してみるとかなり以前からEoEの典型所見が持続している無症候性の検診受診者も散見される.しかし,無症状者でも数年~数十年の長期にわたり高度の好酸球性炎症が持続すれば線維化,狭窄に進展する可能性は否定できないため,つかえ感や狭窄発生の可能性を念頭に経過観察し,その病態を明らかすることが望まれる
103).なお,本症に起因する食道癌の発症,好酸球性胃腸炎や好酸球増多症への進展は今のところ報告されていない
47),104).
Ⅹ おわりに
EoEの病態,診断,治療,予後について概説した.近年,アレルギー疾患が増加しており,本症も今後増加してくる可能性がある.つかえ感やfood impactionを引き起こす疾患の一つとして念頭に置き,理解しておく必要がある.
謝 辞
本稿執筆にご協力いただいた東北労災病院大原秀一先生,近藤穣先生,宮城県対がん協会加藤勝章先生,千葉隆士先生,JR仙台病院菊地亮介先生に深謝致します.
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