GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY
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CONTRAST-ENHANCED ENDOSCOPIC ULTRASONOGRAPHY (CE-EUS) FOR PANCREATIC DISEASE
Atsushi SOFUNI
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2020 Volume 62 Issue 6 Pages 659-683

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要旨

膵疾患の診療において特に重要な役割を担っているのが,超音波内視鏡(Endoscopic Ultrasonography;EUS)である.近年,EUSスコープや超音波診断機器の開発・進歩によって,膵疾患に対し存在診断のみならず質的診断が行われるようになってきた.カラードプラやパワードプラ法,超音波造影剤や超音波造影法の登場により,診断困難な膵疾患に対する診療は新たな展開を迎えている.本稿では膵疾患に対する造影EUS (Contrast-enhanced endoscopic ultrasonography:CE-EUS)についてその役割と有用性について,EUS機器の開発とその進歩も含めて報告した.

CE-EUSの適応は,膵充実性腫瘍や膵嚢胞性病変の鑑別診断,その中でも特に腫瘍性嚢胞内の結節か粘液塊かの鑑別,さらには膵悪性腫瘍の病期診断,主に血管浸潤の評価である.膵疾患のEUS診断において,超音波造影剤を用いた血流情報を加味する(CE-EUS)ことにより質的診断が可能となり,診断精度が向上する(感度のみならず特異度の上昇).これらの報告は多数あり,その有用性が蓄積されている.膵充実性腫瘤,特に膵癌のCE-EUS鑑別診断における2つのメタ解析では,感度93-94%,特異度88-89%と報告され,膵癌診療ガイドライン2019においてもその有用性が記載されている.膵嚢胞性病変,特に腫瘍性嚢胞におけるCE-EUS診断では,壁在結節と粘液塊の鑑別において感度100%および特異度80-97%と報告されている.またIPMNの悪性か良性かの鑑別診断では,壁在結節のサイズや結節/膵実質の染影比分析,壁在結節の形態と血管分布パターン分析が有用であると報告されている.このように膵疾患に対しCE-EUSを施行することで,これまで以上に迅速かつ正確な診断が期待できる.

Ⅰ はじめに

画像診断技術の進歩は目覚ましいものがあるが,膵疾患のうち,特に膵癌として発見されるもののうち約60%はいまだに切除不能である.そのため各種modalityを駆使して膵癌の早期発見,診断に務めているのが現状である.その中でも膵癌を含めた膵疾患の診療において特に重要な役割を担っているのが,超音波内視鏡(Endoscopic Ultrasonography;EUS)である.超音波検査(Ultrasonography;US)は,Computed Tomography(CT)等,他のモダリティと比較すると空間分解能・時間分解能に優れており,膵疾患の診療において重要な役割を果たしている.膵癌の発見契機となる画像診断の約40%が対外式USであり,無症状の小膵癌症例の発見契機においても対外式USが約40%と報告 1されている.しかし膵疾患に対する対外式USでは,消化管ガス等により十二指腸乳頭部付近,膵鉤部あるいは膵尾部の描出が困難な場合がある.一方,EUSは胃または十二指腸を介し膵に近接しての観察が可能となるため,より高い空間分解能・解像度が得られる.特にCT等で描出ができない小膵癌の検出にも有用とされている.

近年,EUSスコープや超音波診断機器の開発・進歩によって,膵疾患に対し存在診断のみならず質的診断が行われるようになってきた.カラードプラやパワードプラ法,超音波造影剤や超音波造影法の登場により,診断困難な膵疾患に対する診療は新たな展開を迎えている.本稿では,膵疾患に対する造影EUS(Contrast-enhanced endoscopic ultrasonography:CE-EUS)についてその役割と有用性について,EUS機器の開発とその進歩も含めて報告する.

Ⅱ EUSスコープの進歩

EUSは走査方式の違いにより,メカニカル(機械)走査型と電子走査型に分類される.メカニカル走査型は,メカニカルラジアル走査とメカニカルコンベックス/リニア走査に分けられ,電子走査型は電子ラジアル走査,電子コンベックス走査,電子リニア走査,電子セクタ走査,3D走査に分けられる.当初はリニア走査型が用いられたが,より広角な範囲を観察するためにカーヴド・リニア(Curved-linear)走査型が開発された.本邦では一般的にコンベックス走査型と称されている.ラジアル走査型はスコープ先端軸に対して360度の横断面が描出され,コンベックス走査型は,スコープ先端プローブと同じ面(対外式USと同じ)が最大180度描出される(Figure 1).本邦では画像診断としてラジアル走査型が重視されてきたが,ラジアル走査型は電子走査の導入が遅れていた.そのため病変部の血流評価はコンベックス走査型によって行われていた.現在の主流は,従来のメカニカル走査型から電子走査型へと移行し,造影ハーモニック・イメージング法など対外式USで使用されていた技術がEUSに応用されるようになった.電子ラジアル走査型のスコープも販売されているが,EUS-FNAの保険適応および同手技が一般的に広まるに従って,電子コンベックス走査型が多く用いられるようになっている.

Figure 1 

EUSの種類.

EUSは走査方式の違いにより,メカニカル(機械)走査型と電子走査型に分類される.メカニカル走査型は,メカニカルラジアル走査とメカニカルコンベックス/リニア走査に分けられ,電子走査型は電子ラジアル走査型,電子コンベックス/リニア走査型に分類される.ラジアル走査型はスコープ先端軸に対して360度の横断面が描出され,コンベックス走査型は,スコープ先端プローブと同じ面(対外式USと同じ)が最大180度描出される.

(画像提供:オリンパス株式会社 オリンパスメディカルタウン より)

EUSの開発(Table 1)は,1978年にオリンパス光学工業株式会社(現オリンパス株式会社,以下オリンパス社)より膵臓癌の早期発見を目指して開始された 2)~5.1979年に久永光造らが内視鏡を用いて超音波振動子を消化管に挿入し,膵臓,脾臓,腎臓などの描出に成功 4している.また同時期の1979年には,米国SRI社からGreenらによって電子リニア走査型EUSが試作され,DiMagnoらによって発表 6された.その後,オリンパス社,SRI社,町田製作所,東芝メディカル社,フジノン社,日立メディコ社,ペンタックス社等によってEUSの開発が進められていく.1980年にメカニカルラジアル走査型EUS試作機がオリンパス社より登場する(Figure 2 7)~10.1981-83年には,町田製作所と東芝メディカル社の共同開発により電子リニア走査型EUS試作機が登場し,1984年からEPB-503FLとEPB-503FSという2機種が発表された 11.さらに1984年にフジノン社,ATL社より電子リニア走査型EUS1号機が登場した.1988年にはオリンパス社より超音波用スコープGF-UM3と観測装置EU-M3のシステムが発売された.この意義は大きく,本システムはEUSの標準機として普及した.そして1991年にペンタックス社が日立メディコ社との技術提携で画期的な電子コンベックス走査型EUSを発表した.その後は,さらなる高周波化や細径化,ビデオスコープ化や血流情報の表示化などEUSの高機能化が進められていった.特にオリンパス社のEUSは,1988年からUM3シリーズ,1991年からUM20シリーズ,1993年からUM200シリーズ,1998年からUM230シリーズへと変遷していった.

Table 1 

EUSの開発年表.

Figure 2 

メカニカルラジアル走査型EUS試作1号機と普及機.

a:1980年にメカニカルラジアル走査型EUS試作第1号機がオリンパス社より登場する.

(オリンパス超音波内視鏡の構想・開発・事業化 軽部大.2004年)

b,c,d:1988年には標準機として普及した超音波用スコープGF-UM3と観測装置EU-M3のシステムが発売された.

(画像提供:オリンパス株式会社 オリンパスメディカルタウン より)

血流情報の表示化については,1990年代初頭にカラードプラ法が臨床応用され,カラードプラ機能を搭載したコンベックス走査型(オリンパス社/アロカ社,日立メディコ社/ペンタックス社)が開発され,1991年に日立メディコ社/ペンタックス社より電子コンベックス走査型EUSが登場した.膵疾患に対する造影を用いたEUS診断は,1995年に動脈内にCO2を注入する血管造影下で初めて成功 12している.その後,経静脈性超音波造影剤Albunex(Mallinckrodt, USA→塩野義製薬)を経て,1999年9月より経静脈性高音圧性超音波造影剤Levovist(日本シエーリング社→バイエル株式会社)が発売される.そして2000年に電子ラジアル走査型EUS(日立メディコ社/ペンタックス社)が登場し,それ以後,2001年-2004年頃には電子走査式EUSのさらなる進化と普及が進んでいく 13),14

1996年頃からハーモニック・イメージング法,すなわちティッシュ・ハーモニック・イメージング(Tissue Harmonic Imaging;THI)法とコントラスト・ハーモニック・イメージング(Contrast Harmonic Imaging;CHI)法の開発が始まっている 15)~18.ハーモニック・イメージングは,超音波が生体内組織を伝搬する際の高調波成分を利用したもので,目的に応じて明瞭な画像が得られるイメージング法である.THI法は,超音波造影剤を使用しない画像診断で,アーチファクトを減弱することで画像を明瞭化し診断能を向上させることができる.CHI法は,超音波造影剤の作用を効果的にするための画像診断で,超音波造影剤の示す非線形性を利用している.そして2001年にTHI法(日立メディコ社)が登場した.

さらに2003,2004年に対外式USでのCHI法が登場する.しかしこの頃は,まだEUSにはCHIを搭載した観測装置はなく,第1世代の高音圧性超音波造影剤とカラードプラ,パワードプラ法を用いてCE-EUSが施行されていた.そのため微小血流の検出はまだ困難で,カラー・ピクセルが飽和してはみ出しのアーチファクトを呈するブルーミングや実際の血管径が大きく表示されてしまうオーバー・ペインティングが避けられない状況にあった 19)~38.2007年に第2世代の低音圧性超音波造影剤 Sonazoidが登場する.これによって低音圧を利用するEUSにおいてもCE-EUSが高解像度で施行可能 39となった.同年にはハーモニック・モードに対応したプロトタイプのEUSスコープが登場し,2008年には造影ハーモニックを用いたEUSの検討が初めて報告 40された.2010年にオリンパス社よりハーモニック・モードに標準対応したEUS(GF-UCT260)が登場し,膵疾患に対する造影EUS診断が大きく飛躍 27),32),35),37),39)~81することとなった.さらにはEUSの三次元画像の構築(3D)も検討 82)~85されている.

Ⅲ 超音波造影剤と超音波造影法

Ⅰ.超音波造影剤

経静脈性超音波造影剤が開発される以前の膵疾患に対する造影剤を用いた超音波診断は,血管造影あるいはCO2マイクロバブル(30μm)を用いた血管造影下超音波によるvascularity評価(血管造影)とCTあるいはMRによるperfusion評価(実質造影)によって行われていた 12),86),87.1990年代に入り,毛細血管通過可能な1-10μm(平均4.3μm)のマイクロバブルで人血清アルブミンから作製した経静脈性超音波造影剤Albunexが開発 88)~90された.さらに1995年頃には2-3μmのマイクロバブルで,CTで用いられる造影剤と異なり,血管外の間質に漏出しない経静脈性高音圧性超音波造影剤Levovistが開発された 90.1999年にLevovist(Figure 3-a)が市販されたことで簡易的かつ低侵襲に造影超音波診断が行えるようになった 91)~105.2003年には対外式USでの造影ハーモニック法が登場した.それと平行して高音圧性超音波造影剤の欠点を補うため,いくつか次世代の低音圧性超音波造影剤が開発 90された(Table 2).ヨーロッパ,中国,インド,韓国,ニュージーランド,香港,シンガポール,ブラジルで使用可能なSonoVue(Bracco, Italy)やカナダとオーストリアで使用可能なDefinity(Bristol-Myers Squibb Medical Imaging, USA)の他,本邦や韓国で使用可能なSonazoid(第一三共,東京;2020年3月よりGEヘルスケアファーマ)(Figure 3-b)がある.Sonazoidは1980年代からノルウェーで開発および臨床治験が始まった.日本では第一製薬が開発を進め,1998年から臨床試験が始まった.本邦では2007年1月に第2世代の超音波造影剤としてSonazoidが承認・販売された.Sonazoidは内包ガスがペルフルブタンで,膜成分が脂質(水素添加卵黄ホスファチジルセリン)でできており,粒子径は2.3-2.9μmである.投与法であるが,Sonazoidは凍結乾燥末で2mLの蒸留水で溶解して調整する.通常,末梢血管からのボーラス静注で投与され,静注される溶液の量は,0.015mL/kg,10-20mLの生食でフラッシュする.膵疾患の診断能に関して,SonazoidとSonoVueに大きな差はない.

Figure 3 

a:経静脈性高音圧性超音波造影剤 Levovist.

b:経静脈性低音圧性超音波造影剤 Sonazoid.

Table 2 

超音波造影剤の開発.

第2世代超音波造影剤と第1世代超音波造影剤との大きな違いは音圧の違いである.第2世代の低音圧性超音波造影剤は,第1世代の高音圧性超音波造影剤に比べ超音波による粒子の崩壊が少なく,低音圧で粒子(バブル)が振動し,強いハーモニクスを発生することで,リアルタイム性と高分解能な血管像と実質の染影像が得られるようになった 106)~120.さらに低音圧を利用するEUSにおいても造影超音波診断が可能となった.電子走査式EUS,カラー/パワードプラ・モード,造影ハーモニック・モードの搭載など内視鏡や超音波観測装置の発展によって造影超音波診断が容易に行えるようになった.膵疾患に対するCE-EUS診断は飛躍的な進歩を遂げ,その後の膵疾患の診断体系に大きな変革をもたらした.現在では膵疾患の造影超音波診断は,対外式よりはEUSによるものが主流となっている.

Ⅱ.超音波造影法

SonoVueやSonazoidに代表される第2世代超音波造影剤は一般に低音圧性の造影剤であり,従来の高音圧性超音波造影剤Levovistに比べ超音波による粒子の崩壊が少なく,リアルタイムに高分解能な造影像が得られる.Levovistの場合は,高音圧送信により気泡が崩壊してしまうため短時間での評価や間歇送信によって気泡が実質に十分還流するのを待って実質染影を評価する必要があった.一方,SonoVueやSonazoidでは,送信超音波の音圧が低いため気泡が崩壊せず共振を起こし,長時間信号を発し続けるためリアルタイムに実質染影が得られる.EUSではmechanical index(MI)値は病変に応じて0.2-0.3に設定して行われる.

基本的にCE-EUSでは呼吸静止ができないためdynamic imagingで観察する.超音波造影剤を静注後,病変部および非病変部における血流動態の変化をリアルタイムに観察する.通常,15秒程度で観察領域に造影剤が到達し,20-30秒で造影輝度がピークに達する(動脈相).その後,30-60秒程度(静脈相)観察し,超音波造影剤のwashoutの程度を観察する.CE-EUSによる病変の観察は,造影開始後から約2-3分間行う.リアルタイムに繰り返しての観察が可能である.European Federation of Societies for Ultrasound in Medicine and Biology(EFSUMB)のガイドライン 120),121では,造影剤静注後10-30秒を早期(動脈)相,30-120秒を後期(静脈)相と定義している.

Ⅳ CE-EUS機器

Ⅰ.EUSスコープと観測装置

CE-EUSを行うためには,造影に対応する超音波内視鏡スコープと観測装置が必要となる.各社からCE-EUSに対応した観測装置やその観測装置に接続できるスコープが発売されている.開発当初は,主にペンタックス社製のスコープ(電子ラジアル型,電子コンベックス型)に日立アロカメディカル社製(現日立製作所)の観測装置が使用され,その後,dynamic Contrast Harmonic Imaging(dCHI)モードという造影モードを備えたHI VISION Avius(2009年),Preirus(2009年),Ascendus(2011年),Noblus(2012年),ARIETTA 70/60(2014年)と進化していった.その変遷をTable 3に示す.現在,ペンタックス社製のスコープは日立製作所対応製品の国内販売終了につき,国内では販売されていない.

Table 3 

PENTAX社製EUSスコープと日立メディコ社(現日立製作所)製観測装置の変遷.

現在の主流は以下の2つとなっている.

(1)オリンパス社製EUSスコープと観測装置(オリンパス社,日立アロカメディカル社(現日立製作所))(Figure 4-a~e

Figure 4 

オリンパス社製EUSスコープと観測装置(オリンパス社,日立製作所).

現在のオリンパス社製のスコープは,2006年発売の電子ラジアル走査式EUSスコープ(GF-UE260-AL5)と2011年発売の電子コンベックス走査式EUS スコープ(GF-UCT260)である.なお電子ラジアル走査式EUSスコープGF-UE290が発売されたばかりである.GF-UCT260は,新しく開発されたトランスデューサーによってバブルの描出,組織構造の描出に関してGF-UE260-AL5より造影harmonic EUS検査に対応している.

対応する観測装置は,オリンパス社製観測装置は,2009年発売のドプラ・モードが搭載されたEU-ME1を前身として,現在は2013年に発売されたEU-ME2である.また日立製作所,最新の観測装置は2017年に発売されたALOKA ARIETTA 850である.

a:GF-UE260.

b:GF-UE290.

c:GF-UCT260.

d:観測装置 EU-ME2(オリンパス社).

e:観測装置ALOKA ARIETTA 850(日立製作所).

(画像提供:オリンパス株式会社 オリンパスメディカルタウン より)

現在のオリンパス社製のスコープは,2006年発売の電子ラジアル走査式EUSスコープ(GF-UE260-AL5)と2011年発売の電子コンベックス走査式EUSスコープ(GF-UCT260)である.なお電子ラジアル走査式EUSスコープGF-UE290が発売されたばかりである.また2014年には,直視鏡としての機能を備えた直視コンベックス型EUS(TGF-UC260J)も登場した.GF-UCT260は,新しく開発されたトランスデューサーによってバブルの描出,組織構造の描出に関してGF-UE260-AL5より造影harmonic EUS検査に対応している.前身のスコープは,メカニカル電子ラジアル型GF-UM2000GF-UE240-AL5,コンベックス型GF-UC240P-AL5である.

対応する観測装置は,日立アロカメディカル社(現日立製作所)製超音波観測装置SSD-5500/5000,Prosoundα5から造影対応となったProsoundα10(2004年),ProSound F75(2010年)と進化した.現在の最新の観測装置は2017年に発売されたALOKA ARIETTA 850である.またオリンパス社製観測装置は,2009年発売のドプラ・モードが搭載されたEU-ME1を前身として,現在は2013年に発売されたEU-ME2である.THEモードは,アーチファクトを低減し,組織構造を見やすくした画像を描出することができる.しかしフレームレートが低下し,深達度が低下する.それを補うため深達度を優先したTHE-P(Penetration)と分解能を優先したTHE-R(Resolution)モードを備えている.対象臓器の組織構造と造影剤情報の両方を描出することができるが,詳細な血流評価は難しい.一方,Contrast Harmonic(CH)-EUSモードは,造影ハーモニック・モードで,超音波造影剤に適しており,病変の良悪性鑑別を目的としてより細かい病変内の血管構築や造影パターンの評価に有用である.

スコープと観測装置の変遷をTable 4に示す.

Table 4 

オリンパス社製EUSスコープと日立メディコ社(現日立製作所)製観測装置の変遷.

(2)富士フイルム社製EUSスコープと観測装置(Figure 5-a~c

Figure 5 

富士フイルム社製EUSスコープと観測装置.

富士フイルム社製のスコープEG-580UT(コンベックス型),EG-580UR(ラジアル型)と観測装置(SU-1)である.造影ハーモニックモードの他におのおのの画面(画像)で画像処理を施し,最適な画像を構築する音速補正モードが搭載されている.

a:EG-580UR.

b:EG-580UT.

c:超音波観測装置(上段SU-1/下段CP-1).

富士フイルム社製のEUSスコープと観測装置は2015年から発売された比較的新しいEUSシステムである.前身のシステムは,EUSスコープがEG-530UR2,EG-530URT2で,超音波観測装置SU-8000であった.現在はスコープがEG-580UT(コンベックス型)とEG-580UR(ラジアル型)で,観測装置はSU-1である.特徴的な画像モードに関しては,造影ハーモニック・モードの他に,それぞれの画面で画像処理を施し,最適な画像を構築する音速補正モードが搭載されている.

Ⅴ 膵疾患に対するCE-EUS診断

CE-EUSの適応は,膵疾患全般であるが,特に膵充実性腫瘍の鑑別診断や膵嚢胞性病変の鑑別診断,その中でも特に膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal papillary-mucinous neoplasm:IPMN)の結節か粘液塊かの鑑別,さらには膵悪性腫瘍の病期診断,主に血管浸潤の評価である.EUSは小膵癌の描出に有用とされており,他のモダリティで腫瘤が描出できない場合や何らかの間接所見(主膵管拡張および分枝拡張,嚢胞等)を認めた場合には,EUS,CE-EUSを積極的に施行することで腫瘤性病変を同定できる可能性が高い.World Federation for Ultrasound in Medicine and Biology(WFUMB) 122やEuropean Federation of Societies for Ultrasound in Medicine and Biology(EFSUMB) 121),123のガイドライン,膵癌ガイドライン2019 124においてもEUSの有用性が記載されている.

Ⅰ.CE-EUSの染影パターンによる評価

膵疾患に対するCE-EUSの染影パターンには対外式造影USと同様に造影パターンは4種類に分類される(Figure 6 20)~120.①avascular pattern,②hypovascular pattern,③isovascular pattern,④hypervascular patternである.さらにhypovascular, isovascular, hypervascularの3つのパターンに対して染影態度が均一か不均一かを評価する.それによって最終的には計6つのパターンに分類される.1. homogeneously hypovascular,2. homogeneously isovascular,3. homogeneously hypervascular,4. heterogeneously hypovascular,5. heterogeneously isovascular,6. heterogeneously hypervascular patternである.

Figure 6 

膵疾患に対するCE-EUSの染影パターンには対外式造影USと同様に造影パターンは4種類に分類される.①avascular pattern,②hypovascular pattern,③isovascular pattern,④hypervascular patternである.さらにHypovascular, Isovascular, Hypervascularの3つのパターンに対して染影態度が均一か不均一かを評価する.それによって最終的には計6つのパターンに分類される.1. homogeneously hypovascular,2. homogeneously isovascular,3. homogeneously hypervascular,4. heterogeneously hypovascular,5. heterogeneously isovascular,6. heterogeneously hypervascular patternである.

①avascular patternは,病変内に全く血流を認めないもので,嚢胞性病変や壊死組織・粘液塊などがこの造影パターンを示す.IPMNでは嚢胞内あるいは拡張膵管内に存在する結節性病変や粘液塊の鑑別に威力を発揮する(Figure 7).②hypovascular patternは,周囲実質と比較し病変内部の造影効果が弱いパターンを示す.膵癌では約80%以上がこのパターンである(Figure 8).病変内部の不整でいびつな血管像(irregular rolling sign) 115),119や不均一な染影,早期washout(約1分以内)の所見は悪性を示唆する 115),119.③isovascular patternは,周囲実質と比較し,病変内部が同程度に造影されるパターンを示す.腫瘤形成性膵炎や充実タイプのSPNでは病変部が均一に染影される場合が多い.間質成分の少ない腺癌でもisovascularを呈することがあるが,不均一な染影や血管のirregularityが鑑別の指標となる.④hypervascular patternは,周囲実質と比較し染影効果が強いパターンを示す.乳頭型の腺癌や内分泌腫瘍で認められることが多い(Figure 9).いびつで不均一な血管像や不均一な染影はmalignantを示すことが多い.これらの染影態度からCE-EUSの診断フローチャートを作成 54),62),67),69),83),119することができる(Figure 10).この染影パターンと特異的な血流態度を組み合わせることで良悪性の鑑別診断の精度を上げることが可能である.

Figure 7 

IPMNの隆起性病変に対するCE-EUS.

a:隆起性病変はCE-EUSにより染影され,結節と診断される.

b:隆起性病変はCE-EUSにより染影されず,粘液塊と診断される.

Figure 8 

膵癌に対するCE-EUS.

低エコー腫瘤はBモードでは,低エコーが強い部分と弱い部分が混在している.造影にて,低エコーが強い部分は,不均一なhypovascularで,病変内部に不整でいびつな血管像.早期washoutを認め悪性を示唆する.低エコーが弱い部分は随伴性の炎症を伴っていると思われる.

Figure 9 

PNENに対するCE-EUS;膵尾部に辺縁整,類円形で内部は比較的均一な,10ミリ大の等エコー腫瘤を認める.造影後15秒後から,均一なhypervascular patternを呈した.早期washoutや内部に不整でいびつな血管像は認めなかった.

Figure 10 

CE-EUSの染影パターンによる膵腫瘤性疾患の鑑別診断フローチャート.

①avascular patternは,病変内に全く血流を認めないもので,嚢胞性病変や壊死組織・粘液塊などがこの造影パターンを示す.IPMNでは嚢胞内あるいは拡張膵管内に存在する結節性病変や粘液塊の鑑別に威力を発揮する(Figure 7).②hypovascular patternは,周囲実質と比較し病変内部の造影効果が弱いパターンを示す.膵癌では約80%以上がこのパターンである(Figure 8).病変内部のいびつで不均一な血管のirregularity(irregular rolling sign) 115),119や不均一な染影,早期washout(約1分以内)の所見は悪性を示唆する 115),119.③isovascular patternは,周囲実質と比較し,病変内部が同程度に造影されるパターンを示す.腫瘤形成性膵炎や充実タイプのSPNでは病変部が均一に染影される場合が多い(Figure 9).間質成分の少ない腺癌でもisovascularを呈することがあるが,不均一な染影や血管のirregularityが鑑別の指標となる.④hypervascular patternは,周囲実質と比較し染影効果が強いパターンを示す.乳頭型の腺癌や内分泌腫瘍で認められることが多い.いびつで不均一な血管像や不均一な染影はmalignantを示すことが多い.

Ⅱ.膵疾患におけるCE-EUSの染影態度

1.膵充実性腫瘍

(1)膵癌(Pancreatic ductal carcinoma;PC)

膵癌の典型的なCE-EUS 所見は,inhomogeneousなhypovascularパターンで,腫瘤内の不整でいびつな血管像(irregular rolling sign)や,不均一な染影,早期washout(1分以内)の所見は悪性を示唆する(Figure 8).このことは腫瘤内の繊維化,間質反応を反映しており,周辺部がある程度染影されることがあるが,これは腫瘍の新生血管や腫瘍によって圧排された既存の血管,そして随伴性の炎症の状態を映像化 107),119している.この所見は化学療法後の治療効果判定においても重要 125)~130である.

(2)腫瘤形成性膵炎(Mass-forming pancreatitis;MFP)

膵腫瘤性病変では,PCが疑われ非典型的染影パターン(特にisovascularパターン)を呈した場合,MFPとの鑑別に注意が必要である.また慢性膵炎により膵全体が萎縮し,線維化が強い場合には染影の程度が弱く不均一となり評価が難しい場合がある.MFPはびまん均一なisovascularパターンが特徴的であり,PCでのいびつな血管像や不均一なisovascularな染影を呈する場合とある程度鑑別が可能である.しかし炎症が強い場合(癌がマスクされている可能性あり)や線維化巣の強い場合には,炎症と癌の鑑別は注意を要する.近年では,炎症との鑑別にQuantitative perfusion Analysisが有用との報告がある 46),50),52),131)~136

(3)膵内分泌腫瘍(Pancreatic neuroendocrine neoplasms;PNEN)

典型的なPNENでは,辺縁明瞭でhypervascularな染影パターンを呈することが多い.典型的な染影態度は,均一でhypervascularに染影される(Figure 9).ただしPNENと乳頭腺癌は同じhypervascularを有するため,内部のいびつで不均一な血管像や染影態度の有無に注意することに加え,CTやMRI,血管造影検査など他のmodalityを併用する必要がある.また近年報告されている硝子化の強い非典型的なPNENでは染影効果が弱く,鑑別に注意を要する.

(4)Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)

大部分が若年女性に発生する稀な腫瘍である.一般には繊維性被膜を有する球形の腫瘤で,充実部分と出血壊死による嚢胞部分が共存することが多い.稀に出血壊死による嚢胞部分のない例があり,腺房細胞腫瘍や内分泌腫瘍との鑑別を必要とする.充実性SPNの染影態度は,腫瘤内は周囲よりやや遅れてバブルが入り込んでくるが,その後は周囲とほぼ同程度に均一に染影される.また腫瘤内に悪性を示唆するいびつで不均一な血流シグナルは認めない.

(5)転移性膵腫瘍

原発巣の組織によって様々な染影動態をとる.

2.膵嚢胞性腫瘍

(1)膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal papillary-mucinous neoplasms:IPMNs)

IPMNは粘液成分を有する嚢胞性病変であることより他のmodalityにて診断がある程度可能である.内部に結節部分を有する症例では,CE-EUSの有用性が報告されている 70)~83.隔壁や内部の結節成分は染影され,iso-hypervascularを呈するため腫瘤による隆起と粘液塊との鑑別が可能である(Figure 7).悪性所見の鑑別に関しては少ないながら報告がみられ,TIC分析による結節/膵実質のコントラスト比 76),83や結節の形態と血管分布パターン分析が有用 75),80),83とされるが,今後の検討を重ねる必要がある.

(2)漿液性嚢胞腫瘍(Serous cystic Neoplasms:SCNs)

漿液性嚢胞腺腫は微小嚢胞の集簇した蜂巣状構造を呈する嚢胞性腫瘍であるEUS上,低エコー腫瘤として描出され膵癌との鑑別が問題となることがあるが,CE-EUSにより内部の微小嚢胞の隔壁が染影され,腫瘍の内部構造を明瞭に描出することが可能である.

(3)粘液性嚢胞腫瘍(Mucinous Cystic Neoplasms:MCNs)

粘液性嚢胞腫瘍は,厚い繊維性皮膜を有する巨大球形の多房性嚢胞腫瘍である.内腔に突出する結節性病変は悪性を示唆する1つの所見である.CE-EUSにより隔壁構造は明瞭となり,結節性病変は染影効果を呈する.

Ⅲ.CE-EUSの定量化

当初は画像診断の基本である造影態度からみたパターンによる診断が行われていたが,客観的な評価や鑑別診断のために観測装置に搭載されたソフトウェアを用いて,病変の輝度の経時的な変化を数値化するTime Intensity Curve(TIC)や造影剤分布の不均一度を数値化するMADARA 135を用いた定量評価の試みも行われるようになってきている 46),50),52),76),131)~136.膵癌とAIPの鑑別や抗癌剤治療の効果判定/効果予測 125)~130に有用と報告されている.

Ⅵ 膵疾患に対するCE-EUSの診断能

Ⅰ.膵充実性病変

膵充実性腫瘤の存在診断に対するEUSの感度は,小膵癌も含め79-100%(中央値94%)(Table 5)と高いが 105),137)~166,質的診断はそれほど高いものではない.膵悪性腫瘍診断に対するEUSの感度は,95%,特異度は53%と報告(n=115) 165され,さらに4つのメタ解析(n=206)では,EUSの感度は85%,特異度は58%と報告 161されており,感度は高いが特異度はそれほど高くない.一方,CE-EUSによって血流情報を加味することにより質的診断が可能となり,診断精度が向上する.膵疾患に対するCE-EUS診断の報告は多数あり,その有用性も蓄積されている.22の研究(n=2,025)結果をまとめると,CE-EUSの感度および特異度はそれぞれ90%および88%と報告されている(Table 6 21),24),25),27),34),43),46),50)~52),54),57)~64),166),167.またCE-EUSの膵癌診断能における2つのメタ解析では,感度93-94%,特異度88-89%と報告されている 65),66.これらより造影を加味することで特異度を上げる(質的診断能の向上)ことが可能となっている.CE-EUSとMDCTとの比較では,CE-EUSはMDCTより感度が高く,さらに2cm以下の腫瘤では特異度がさらに高くなると報告されている 27),54.特に膵癌では,膵癌診療ガイドライン2019 124においてもその有用性が記載されている.また2012年,2013年にはEFSUMB(European Federation of Societies for Ultrasound in Medicine and Biology) 121),123とWFUMB(World Federation for Ultrasound in Medicine and Biology) 122のガイドラインにおいても膵疾患に対する造影超音波診断が推奨されている.

Table 5 

膵充実性腫瘤におけるEUSおよび他のモダリティによる診断能(感度).

Table 6 

膵充実性腫瘤におけるCE-EUS診断能.

膵臓癌のEUSによる病期診断において,腫瘍の血管浸潤は,血管壁の不規則性,腫瘍血管の増生,側副血行路の増生を伴う血管の不可視化である.腫瘍の血管浸潤の評価に関するメタ解析では,感度と特異度は66-89%と89-94%であった 166),168)~171.CE-EUSの報告はほとんどないが,PVの浸潤に関して感度と特異度は,それぞれ100%と72.6-100%と報告されている 42.リンパ節に関しては,リンパ節の形状が,丸くスムースな境界を持つ低エコーで10mmを超える短軸サイズを陽性としていることが多い 172),173.16のメタ解析(n=512)によれば,EUSの感度と特異度は69%と81%であった 166.転移リンパ節(n=143)に関しては,CE-EUSの感度と特異度は83%と91%と報告されている 174

またCE-EUS とEUS-FNAのコンビネーションによる検討 43),54),60),175),176も行われている.通常のEUSで腫瘤の同定が困難な症例,EUS-FNAで穿刺困難あるいは不可,穿刺部位同定が困難な症例,画像上,悪性を示唆するものの適正な検体が採取できないなどで治療方針が決定できない症例に遭遇することがある.また膵癌は随伴性の膵炎を伴っていることがあり,EUS-FNAでfalse negative(偽陰性)症例があることも報告されている.CE-EUSを併用し,腫瘤内の血流動態を評価することでEUSのみでは鑑別できなかった腫瘍部分と炎症部分の鑑別など適切な穿刺部分を同定し,精度を高めることが可能である 124

Ⅱ.膵嚢胞性病変

膵嚢胞性病変,特に腫瘍性嚢胞の診断においては,EUSはCTやMRIなど他のモダリティと比較し優れた診断能を有している.膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)および粘液性嚢胞腫瘍(MCN)は,悪性の可能性が比較的高い嚢胞性病変であるが,悪性度を正確に評価することは困難である.いくつかのガイドライン 177)~179で示されているように,嚢胞内の壁在結節と主膵管病変は悪性の可能性を示唆する.IPMNの壁在結節は,治療方針決定のために粘液塊と区別する必要がある.膵嚢胞性病変の壁在結節に対するEUS診断能の報告はそれほど多くない(Table 7 70)~77),91),167),180)~188.EUSにおける嚢胞内結節の描出率は35.3%で,CT(5.8%)およびMRI(6.3%)に比較し高い検出能であった 189.IPMNまたはMCNにおける壁在結節の描出能は,ESUでCTよりも高く,感度はそれぞれ75%と24%と報告されている.EUSでは粘液塊との鑑別が問題となる.悪性IPMNにおける壁在結節のEUSでの検出率は100%で,US,CT,およびMRIの検出率は,それぞれ47%,53%,53%と報告されている 190.最近の2つの報告では,EUSの感度は97-100%,特異度は40-61% 70),71で,CTの感度と特異度は71%と100%であると報告した.充実性腫瘤同様,EUSでの感度は高いが,特異度が低い.

Table 7 

膵嚢胞性病変のEUS診断能.

一方,CE-EUSの壁在結節と粘液塊の鑑別において,感度100%および特異度80-97%で,MDCTはそれぞれ58-71%および100%であったと報告されている 70),74.CE-EUSを行うことで特異度が上昇し,質的診断に有用となる.またCE-EUSはIPMNの悪性か良性かの鑑別診断にも有用であると報告されている(Table 8 70),71),75),76.CE-EUSによる壁在結節の詳細な観察は,感度,特異度ともにEUSの97%および40%と比較し,97%および75%と特に特異度において有用であると報告 71されている.メタ解析(切除IPMN=2,297例) 78では,壁在結節サイズ(標準平均差は0.791)は悪性IPMNの予測に有用と報告されている.壁在結節のTIC分析による結節/膵実質のコントラスト比が,高度異形成と浸潤癌の鑑別において有用であり,感度,特異度は94%,93%と報告 76されている.またIPMNの壁在結節の形態と血管分布パターン分析が有用で,感度60%,特異度は93%と報告 75されている.CE-EUSを行うことでIPMN診断における特異度が上昇し,質的診断・鑑別診断に寄与する.

Table 8 

IPMNにおけるCE-EUSの良悪性鑑別診断能.

Ⅶ おわりに

近年,超音波内視鏡や超音波機器の開発・進歩によって,膵疾患に対する造影超音波診断は,存在診断のみならず質的診断が行われるようになった.膵疾患に対するCE-EUSの報告は多数あり,CE-EUSの診断能は高くその有用性も蓄積されている.各種ガイドラインにおいても膵疾患に対するCE-EUS診断が推奨されている.このような新たな手法を駆使することで,これまで以上に膵疾患に対する迅速かつ的確な診断が期待できる.

本邦ではその有用性にもかかわらず超音波造影剤は肝腫瘤性病変,乳房腫瘤性病変に対してのみ保険適応が認められており,膵疾患に対しては適応が認められていない.一刻も早い膵疾患に対する適応拡大が望まれる.

 

本論文内容に関連する著者の利益相反:なし

文 献
 
© 2020 Japan Gastroenterological Endoscopy Society
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