GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY
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2021 Volume 63 Issue 11 Pages 2391-2393

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概要

沿革・特徴など

社会医療法人同心会古賀総合病院は,内科・外科を中心に25の診療科で構成され,宮崎市郡北西部を主な医療圏とした中核病院であり,地域の医療施設と連携を行っている急性期疾患を対象とした総合病院である.宮崎市の北西部に位置し,緩やかな山の斜面に建てられ,広い駐車場とともに一年を通じて緑に囲まれている.

当院は1951年に医療法人として設立され25診療科・3センターを設置し,高度化する医療に対して,地方においても最高の医療技術を提供する体制を整えている.

また,1997年11月に「公益財団法人日本医療機能評価機構」の認定,2011年6月に「地域医療支援病院」の名称承認に加え,2012年12月に「社会医療法人」の認定をされている.

組織

内視鏡検査に従事する医師は主に消化器内科が行い,外科,呼吸器内科も共同して検査を行っている.

検査室レイアウト

 

 

 

当内視鏡室の特徴

内視鏡室は1階に位置し3室の検査室の内1室が透視室となっている.

透視室は陰圧管理が可能となっており感染症が疑われる症例にも対応可能となっている.

2004年の内視鏡室改築の際に大腸内視鏡検査の前処置室としてトイレ,テレビ,エアコン,リクライニングソファー完備の個室を8室設置し快適にリラックスして前処置,リカバリーが行えるような環境を提供している.

検査機器としてOLYMPUS CV290/CLV290SLを3台,画像ファイリングシステムはFUJIFILM NEXUSを導入しJEDへ対応している.

また,洗浄機はFUJIFILM ESR-200を4台設置し高水準の洗浄に対応している.

カンファレンスルームではモニターですべての部屋の内視鏡映像をモニターでき検査の状況を把握できるようになっている.

スタッフ

(2021年8月現在)

医師:指導医3名,専門医2名,その他14名

内視鏡技師:一種6名

看護師:3名

看護補助者:1名

医療事務:1名

設備・備品

(2021年8月現在)

 

 

実績

(2019年1月~2019年12月)

 

 

指導体制,指導方針

当院は内科学会教育関連施設,消化器内視鏡学会指導施設,消化器病学会認定施設,基幹型初期研修施設であり初期研修医が1学年4人程度在籍,2年間の初期研修の中で1~1.5カ月の消化器内科ローテートを行うことが多い.

また,宮崎大学医学部附属病院からの派遣ローテート医師も1~2名,三井記念病院からの外科派遣医師も在籍しておりそれぞれ内視鏡研修を行っている.

週一回内科・外科・放射線科合同で術前カンファレンスと術後手術標本の提示を行っている.週一回消化器内科でのカンファレンスを行っており研修医,若手医師の教育の場ともなっている.

初期研修医一年目は上部消化管モデルでの内視鏡トレーニング後に指導医,上級医の指導のもとに引き抜き観察から行うようにしている.

研修医二年目になると指導医,上級医の指導のもとに15分間で時間を制限し挿入,観察まで行っている.

専攻医は消化器内視鏡専攻医研修マニュアルに基づき2年間程度で上部消化管内視鏡検査・治療を1,000例,下部消化管内視鏡検査を350例経験することを目標にしている.

専攻医になると下部消化管モデルでトレーニング後に指導医,上級医の指導のもとに下部消化管内視鏡の挿入,観察を開始する.

制限時間を15分程度に設定し患者の疼痛の程度によっては早期に上級医に交代することにしている.専攻医の2年間程度で挿入,観察,内視鏡的粘膜切除術(EMR)まで一人で行えるようになることを目指す.

習熟の程度に応じて内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)・超音波内視鏡検査(EUS)・内視鏡的逆行性膵胆管造影法(ERCP)関連手技も習得できるように指導している.また進行癌に対するステント留置術も最近は症例が増えてきており積極的に介助についてもらうようにしている.

現状の問題点と今後

近年内視鏡検査件数が増加する一方,慢性的なマンパワー不足が問題になっている.検査を行う医師は専攻医,研修医,派遣ローテート医師の入れ替わりが多く,看護スタッフも慢性的に不足している.

看護スタッフは血管造影検査をはじめ他科の検査にも従事しているため,内視鏡検査に必要な数の看護スタッフの確保が困難な状況が多くなっている.

また,緊急内視鏡検査や検査件数の増加に伴い検査が時間内に終了しない状況も増えてきており特に看護スタッフの育成,増員は喫緊の課題となっている.

 
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