GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY
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Underwater vs conventional endoscopic mucosal resection of large sessile or flat colorectal polyps:a prospective randomized controlled trial 1).
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2021 Volume 63 Issue 11 Pages 2394

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【背景】従来法のEMR(conventional EMR:CEMR)は大きな良性ポリープに対する標準的な方法である.本研究では20-40mmの無茎もしくは平坦なポリープに対する水浸下EMR(underwater EMR:UEMR)のCEMRに対する優位性を検証した.

【方法】20-40mmの無茎または扁平なポリープはCEMRまたはUEMRで治療する2群に無作為に振り分けられた.一次評価項目は治療後6カ月以上経過後の局所再発率で,肉眼的および組織学的に確認された.二次評価項目として一括切除率,R0切除率,分割切除切片数,治療時間,合併症が評価された.

【結果】再発率は両群で有意差がなかった(UEMR 15.1%:CEMR 24.6%,P=.253).30mmから40mmの病変ではUEMR群での再発率は6.3%で,CEMR群の42.9%に比較し有意に低かった(P=.031).UEMR群で一括切除率は33.3%,CEMR群で18.4%(P=.045),R0切除率はそれぞれ32.1%,15.8%(P=.025)であった.UEMR群では分割回数が有意に少なく,治療時間も短かった(8分:14分,P=.000).両群での合併症に差はなかった.

【結論】大きな大腸病変に対して,UEMRはCEMRよりも一括切除,R0切除,治療時間の面で優れており,とくに30-40mmの病変では再発率の少ないUEMRを考慮すべきである.

《解説》

本研究ではUEMRでは20mmから40mmの大きな大腸病変でもCEMRに比べ一括切除率,R0切除率ともに良好な成績であったが,一次評価項目である局所再発率では有意差が示されなかった.UEMR群では52.1%の病変が2分割で切除されており(CEMR18.6%),切除時間の短縮にもつながっている.ESDとの比較ではないが,良性腫瘍については安全性,侵襲度,コスト面からもUEMRは有益であると思われる.

文 献
  • 1.   Nagl  S,  Ebigbo  A,  Goelder  SK et al. Underwater vs conventional endoscopic mucosal resection of large sessile or flat colorectal polyps:a prospective randomized controlled trial. Gastroenterology 2021 Aug 6;S0016-5085(21)03343-6. doi:10.1053/j.gastro. 2021.07.044.
 
© 2021 Japan Gastroenterological Endoscopy Society
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