GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY
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2022 Volume 64 Issue 11 Pages 2438-2440

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概要

沿革・特徴

当院は平成21年1月に現在地に移転し,ICU4床(平成22年7月1日施設基準取得)を含む17診療科・303床として,診療を開始した.同年10月に呼吸器外科,平成23年1月に血液内科,平成28年8月に救急科,平成29年12月には病理診断科を正式標榜し,現在は21診療科となり,将来の医療の変化に対応できる高機能病院を目指して体制を整備している.また,災害に強い病院として,東南海地震,台風による大災害等により市中心部から離絶された場合を想定し,当院を中心とした和歌山市北部の災害医療体制を構築するため,災害医療スキルスラボ,ヘリポートを備えた災害医療研修棟が平成27年6月に完成し7月に竣工した.積極的な「救急医療」の推進にあたり,増加する超重症患者の療養環境および医療スタッフの医療環境の整備が早急に必要であったため,ICUを4床から6床に2床増床し9月19日に県の使用許可が得られた.

組織

内視鏡センターは,病院内の中央部門として独立した組織となっており,消化器内科・内科・呼吸器内科の医師,看護師,放射線技師,臨床工学技士など多職種が協力し,診療を行っている.

検査室レイアウト

 

 

 

スタッフ

(2020年12月現在)

医師:消化器内視鏡学会 指導医4名,消化器内視鏡学会 専門医3名,その他スタッフ3名,研修医など2名

内視鏡技師:その他技師1名

看護師:常勤41名,非常勤2名

事務職:1名

その他:2名

設備・備品

(2022年4月現在)

 

 

実績

(2021年1月~2021年12月まで)

 

 

指導体制,指導方針

当院は臨床研修指定病院にも指定されており,現在は2名の初期研修医と3名の後期研修医が在籍している.消化器内視鏡指導医が常勤2名,非常勤2名の計4名在籍しており,これら指導医のもと研修医にも積極的に内視鏡検査や治療に携わってもらっている.初期研修医は検査・治療の見学およびレクチャーを受け,内視鏡操作を体験したり治療の助手をしてもらうこともある.後期研修医は外来・入院診療および内視鏡検査を担当する.上部消化管内視鏡検査がスムーズに行えるレベルになったところで上級医の指導のもと大腸内視鏡検査を開始し,上達のレベルに応じて内視鏡的粘膜切除術(EMR)・ポリペクトミーを行う.また,事前に介助を十分経験したうえで上級医のもと各種止血法(クリッピング,止血鉗子,アルゴンプラズマ焼灼療法,内視鏡的静脈瘤結紮術(Endoscopic variceal ligation:EVL)や内視鏡的逆行性膵胆管造影法(ERCP),内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)等の手技もレベルに応じて開始していく.質の高い内視鏡診療を維持するために,難易度の高い処置は最初から上級医が行い,後期研修医が行う際には時間制限を設けたり早めに上級医に交代するようにしている.また,週に1回内視鏡カンファレンスおよび病棟・外来患者に関するカンファレンスを行い,科全体で情報を共有し診療の質向上に役立てている.

現状の問題点と今後

当院は日々の内視鏡診療・病棟業務・救急対応(緊急内視鏡含む)を1日約4名の消化器内科医でこなしており,十分な経験を積むことができる反面個々にかかる負担は大きい.また,看護師は内視鏡室以外に一般救急外来の業務もこなしているため,救急外来と内視鏡室との連携はスムーズな反面,人員数が十分でないのが現状である.また,コメディカルスタッフに内視鏡技師など有資格者がいないことも問題である.よって今後病院運営側と看護師の人員数増加や内視鏡技師資格を有するMEの採用等の対策を図っていきたい.

 
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