GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY
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Classification, risk factors, and management of lumen apposing metal stent dysfunction during follow-up of endoscopic ultrasound-guided choledochoduodenostomy : Multicenter evaluation from the Leuven-Amsterdam-Milan Study Group 1).
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2023 Volume 65 Issue 6 Pages 1182

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【目的】内視鏡的超音波ガイド下胆道十二指腸吻合術(EUS-guided choledochoduodenostomy,EUS-CDS)の長期成績は,小規模またはレトロスペクティブシリーズでの報告しかなく,評価が不十分であったことから瘻孔形成補綴材留置システム(Lumen Apposing Metal Stent,LAMS)の機能不全が過小評価されることにつながってきた.

【方法】3つの高次施設で行われたすべてのEUS-CDS症例を,前向きにデータベースに登録した.技術的/臨床的成功率,有害事象(adverse event,AE),および追跡期間中の機能不全をレトロスペクティブに分析した.無機能不全期間(dysfunction-free survival,DFS)の推定にはKaplan-Meier分析を用い,機能不全の独立した予測因子の評価にはCox比例ハザード回帰を使用した.

【結果】93人の患者(男性56%,平均年齢70歳[95%信頼区間(Confidence interval,CI)68-72],膵臓がん81%,転移性疾患47%)が含まれた.67%の症例で,6mmのLAMSが使用された.技術的成功率は97.8%,臨床的成功率は93.4%であり,AEは9.7%(78%が軽度/中度)に認められた.平均166日(95% CI 91-241)後に31.8%の患者に機能不全が発生し,6カ月と12カ月でのDFSはそれぞれ75%と52%,平均DFSは394日(95%CI 307-482)であった.ほぼすべての機能不全(96%)は,内視鏡的治療介入によって改善した.十二指腸浸潤(ハザード比2.7[95%CI 1.1-6.8])は,機能不全の唯一の独立した予測因子であった.

【結論】EUS-CDSは,初期の有効性と安全性に優れているが,長期の経過観察中にはステントの機能不全が頻繁に発生することが判明した.ほぼすべてのステント機能不全は,内視鏡的な治療介入によって改善した.起こりうるさまざまなタイプの機能不全の分類と,これらの状況下に対し有効な処置について解説する.また十二指腸浸潤はEUS-CDSの機能不全発症リスクを高めると考えられるため,相対的禁忌となる可能性がある.

《解説》

本研究はEUS-CDSの長期成績に関する多施設研究である.本研究により,EUS-CDSは初期の有効性と安全性には優れているが,長期間のフォローアップ中にステント機能不全が頻繁に生じることが示された.ただしほぼすべての機能不全は,内視鏡による介入によって対処可能であり,手技としては有用と考えられるが,十二指腸浸潤はステント機能不全の唯一の独立した予測因子であり,治療方針決定の際に考慮すべきと考えられる.

文 献
 
© 2023 Japan Gastroenterological Endoscopy Society
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