要旨
透明なgelを管腔内に注入して視野確保するgel immersion法は2016年に初めて報告された.Gelの粘性により血液・腸液や食物残渣と混ざり合わずに押しのけて透明な作業空間を作りだし,透明な視野が確保できる.この方法に最適化したgelであるビスコクリアが医療機器として2020年10月に発売され,内視鏡的止血術だけでなく,ESD,EMR,EUS,捻転整復,異物回収など様々な内視鏡手技に応用できることが報告されている.内腔を虚脱させた状態でも視野確保できるため,スコープの撓みが抑制されて操作性が改善する.また,管腔内圧が低圧に保たれ,苦痛の軽減や偶発症リスクの軽減も期待できる.
Abstract
The method of injecting a clear gel into the lumen, the gel immersion method, was first reported in 2016. The viscosity of the gel prevents it from rapidly mixing with blood, intestinal juice, and food residue. As a result, the space occupied by the gel provides a clear visual field. Viscoclear, the gel dedicated for this method, was launched in October 2020. In addition to endoscopic hemostasis, it has been used in other endoscopic procedures such as ESD, EMR, EUS, reduction of volvulus, and foreign body retrieval. Since the visual field can be secured even while the lumen is collapsed, the redundant scope loop is reduced and maneuverability is improved. A low intraluminal pressure is maintained; this may reduce the patientʼs discomfort and risk of complications.
Ⅰ はじめに
ゲルイマージョン法(Gel immersion endoscopy;GIE)は2016年にわれわれが初めて報告した消化器内視鏡における新たな視野確保方法である
1).当初は経口補水用の食品であるOS-1ゼリー(大塚製薬工場)が使用され,265例のうち87.9%で視野確保に成功したと報告されている
2).
OS-1ゼリーは食品だったが,GIE専用に開発されたビスコクリア(大塚製薬工場)(Figure 1)が医療機器として2020年10月に販売開始された.内視鏡的止血術に限らず,様々な内視鏡手技における視野確保に使用され,既に60本以上の英文報告がある.その多くは1例報告もしくは少数例の報告だが,本レビューでは2023年1月時点で報告されている様々な使用方法とその有用性をまとめた.
Ⅱ GIEの原理
消化管出血に対する緊急内視鏡や,不充分な腸管前処置での大腸内視鏡では,血液や残渣・便塊で視野確保が困難になる.送気で視野確保が困難な場合には,水を注入する浸水法が試みられてきたが,水は血液や残渣・便塊と急速に混ざり,濁った視野になりやすい.水の代わりに透明なgelを注入すれば,その粘性によって血液や残渣・便塊を押しのけて透明な空間を作りだし,視野確保が可能になる(Figure 2).
Ⅲ 低圧内視鏡による利点
浸水法では送気よりも内圧が低く保たれるが,GIEでは水よりも少ない量のgelで視野確保できるため,さらに低い内圧に保たれる.この低圧内視鏡は,腸閉塞や軸捻転
3),4),穿通
5)を伴う例や,外科手術直後など,内圧を上げることが好ましくない状況で有用である.また,被検者の苦痛軽減により鎮痛・鎮静剤の使用量低減につながる他,腹腔内圧低下,呼吸循環動態への影響低減や,嘔吐・誤嚥リスクの低減も期待できる.
また,送気による視野確保では,挿入経路の管腔が拡張し,スコープが撓みやすくなる.挿入経路も含めて残存ガスを吸引して管腔を虚脱させれば,スコープが撓みにくくなり,操作性が改善する.水による視野確保では血液や腸液で濁ってしまうが,GIEでは透明な視野が保たれ,管腔を虚脱させての操作性確保と両立できる.
Ⅳ GIE専用gelの開発
GIEで使用する透明なgelには血液や腸液と急速に混ざり合わない適度な粘度が必要である.しかし,粘度が高すぎると鉗子孔等の細い管路を通しての注入がしにくくなる.この視野確保性能と注入性の両方を両立できる粘度であることが望ましい.
また,当初使用していたOS-1ゼリーは経口補水用のため,電解質を多く含み,導電性が高かった.高周波止血鉗子等のモノポーラー高周波処置具をgel中で効率的に使用するためには,低導電性であることが望ましい.
GIEに最適化したgelを開発する過程で,粘度が230-1,900mPa・S,硬さが550N/cm2以下,損失正接(剪断損失弾性率/剪断貯蔵弾性率)が0.6以下であることが望ましいと判明した.導電性は生理食塩水が16,000μS/cm,OS-1ゼリーが7,130μS/cmなのに対して,200μS/cm以下が望ましい.これらの条件を満たすようにキサンタンガムとローカストビーンガムを主成分とする透明なgelが開発され,動物実験で視野確保性能と注入性,gel中での高周波凝固性能を確認
6)したうえで,ビスコクリアとして発売された.
Ⅴ 基本的な使い方
スコープの鉗子孔径は3.2mm以上が望ましく,処置具挿入後にも追加注入できるように,洗浄機能付き鉗子栓を使用する.スコープの対物レンズの前にgelを溜めやすくするため,4mm長の円筒形フードを装着しておく.
管腔内の残存ガスがあるとgelとの境界面で視野が乱れ,泡の原因にもなるため,前後の管腔も含め残存ガスをすべて吸引しておく.ガスをすべて水に置換しておいても良い.
壁面に円筒形フードを当てた状態でgelを注入し,まずは円筒形フード内をgelで満たす.その後,gelを注入して透明な作業空間を押し広げながら,作業空間から逸脱しないようにスコープを少しずつ動かしていく.
水と違ってgel中にできた泡は抜けていかないため,泡を作らないように注意し,送気は絶対にしない.吸引すると作業空間が縮まり,押しのけた血液や残渣が戻ってくるので,目的とする処置が終わるまで吸引もしない.
処置具を鉗子孔に挿入した状態で視野が悪化した場合には,BioShield irrigator(STERIS)のような洗浄機能付き鉗子栓もしくは副送水路からgelを追加注入する.
Ⅵ 注入経路と温度による粘度変化
スコープの鉗子孔や副送水路など断面が円形の管路に粘性を有する流体を流すとき,一定時間内に流れる量は管の半径の4乗と管の両端の圧力勾配に比例し,管の長さと流体の粘性係数に反比例するというハーゲン−ポアズイユの法則がある.つまり,ある一定の流量を得るためには,管が太く短い方が弱い力で済み,管が細く長いほど大きな力が必要になる.
ビスコクリアのようなgelには,力を加え続けると粘度が低下し,放置すると粘度が回復するチキソトロピーという性質がある.スコープの鉗子孔や副送水路からgelを注入すると,管が細く長いほど強い力が加わり,粘度が低下する
7).
様々な条件でビスコクリアを注入した場合の粘度低下を比較した研究
8)では,BioShield irrigatorから鉗子孔を通して注入した場合と,副送水路を通して注入した場合の粘度変化を,送水ポンプ(オリンパス OFP-2)の出力設定別に計測した.その結果,鉗子孔に比較して細くて長い副送水路(Figure 3)を通して注入すると粘度が大きく低下し,送水ポンプを最大出力にすると視野確保性能を保つ限界近くまで粘度が低下することが確認された.また,副送水路を通した場合の流量は,鉗子孔を通した場合の1/2~1/3であった(Figure 4).
Iwatsuboらはビスコクリアの注入用に内視鏡的逆行性膵胆管造影法(ERCP)で用いる造影カテーテルをスコープ外側に巻き付け,カテーテル先端は円筒形フード内側の鉗子孔対側に固定して用いたと報告している
9).この方法や副送水路から注入した場合の利点は鉗子孔を自由に使えることだが,欠点として鉗子孔からの注入と比較して粘度低下と流量が少ないことが挙げられる.
この粘度低下に関しては,ビスコクリアを冷やして粘度を高めれば解決できる.摂氏4度まで冷却したビスコクリアであれば,副送水路を通して注入しても視野確保に充分な粘度が保たれる
10).
Ⅶ 内視鏡的止血術
GIEの最初の論文
1)は消化管出血16例を含む17例についての報告で,10例で大変有効,5例で有効,1例でやや有効,1例で無効で,GIEに関連する有害事象は認められなかった.無効の1例は消化管出血ではなく,クローン病小腸狭窄の口側拡張した空腸に不透明腸液が溜まった中で使用した例であった.残る16例は,食道・胃・十二指腸・空腸・回腸・輸入脚・大腸と様々な部位における消化管出血であった.
内視鏡的止血術におけるGIE
11)に関する論文は,2023年1月までに15本の英文報告がある.食道静脈瘤破裂
12),13),出血性十二指腸潰瘍
14),15),十二指腸憩室出血
16),十二指腸乳頭切除後出血
17),十二指腸乳頭切開術後出血
18),回盲弁上の血管性病変
19),大腸憩室出血
20)~23),急性出血性直腸潰瘍
24)の他,下咽頭出血
25)や膵仮性囊胞内での壊死組織除去中の出血
26)など様々な部位・場面で用いられている.
食道・胃での止血術
食道静脈瘤破裂ではGIEにより出血点が海底火山の噴火のように視認できる
13).過去の内視鏡的静脈瘤結紮術(Endoscopic variceal ligation;EVL)による線維化で吸引困難でも,GIEでは内圧が低くなり食道壁が弛緩して静脈瘤を吸引・結紮できる.ただし,鉗子孔内のgelが吸引速度を低下させるため,水かガスで鉗子孔内のgelを押し出した後で吸引する
12).
胃の出血に限定した報告はないが,GIEを使用した265例をまとめた報告
2)で,胃では44例中35例で視野確保に成功した.胃のような広い管腔では,残存ガスを吸引して内腔を虚脱させてからgelを注入することが特に重要である.
十二指腸・空腸・回腸での止血術
十二指腸球部潰瘍の出血では,送水で見つからなかった出血点をGIEで同定し,止血鉗子で止血できた例
14)とクリップ止血した例
15)が報告されている.十二指腸下行部の憩室出血では,胃のガスを吸引して完全に虚脱させることでスコープの撓みが抑制されて操作性が保たれ,開閉可能なクリップ1本で止血成功したと報告されている
16).
十二指腸乳頭切除後出血に対してダブルバルーン内視鏡(double-balloon endoscopy;DBE)用スコープの先端バルーンで出血部を正面視しやすくし,GIEでクリップ止血した報告
17)がある.また,十二指腸乳頭切開術後出血に対して,GIEと赤色光観察(red dichromatic imaging;RDI)を併用して出血点を同定し,gel中で自己組織化ペプチド(ピュアスタット:3D Matrix製)を用いて止血した報告
18)もある.
小腸は管腔が狭いため,管腔が血性腸液で埋まりやすく,gelでも満たしやすいため,GIEが非常に有用な臓器である.空腸・回腸出血に限定した報告はないが,GIEを使用した265例をまとめた報告
2)で,空腸では27例中23例,回腸では10例中10例,輸入脚では12例中10例で視野確保できている.この報告では輸入脚盲端近くの大出血に対する経口DBEで,GIEを用いてクリップ2本のみで止血する動画が紹介されている.また,回腸出血に対する経肛門DBEで,不透明な血性腸液で埋まった大腸・回腸の中をGIEで挿入して止血しえた動画も紹介されている.
DBEでGIEを用いる際は,スコープ先端バルーンを拡張させるとgelの手前側への流出を抑制してgelを溜めやすくなる.スコープ先端バルーンを完全に拡張したままでは腸管に固定されて操作性が低下するが,一瞬虚脱させて「PAUSE」ボタンを押して半拡張状態にバルーンを保つことで,gelを保持しつつ操作性も両立させることができる.
大腸での止血術
大腸出血では多量の血性腸液で視野確保が困難になり,送気では過送気になって挿入困難になりやすく,管腔内圧も高くなって血性腸液が回腸まで逆流して回腸出血と誤認することがある.前医で回腸出血が疑われたが,無送気のGIEで挿入すると,腸管内圧が低く保たれて血性腸液が逆流せず,回盲弁上の血管性病変からの出血と診断して止血した報告がある
19).
大腸憩室出血では血性腸液と凝血塊で管腔内が満たされて視野確保に難渋することが多い.GIEを用いることで,出血源となっている憩室を同定してクリップでマーキングでき,バンド結紮で止血した報告がある
21)他,バンド結紮装置を装着した状態での視野確保にも有用であったという報告もある
22).また,S状結腸憩室からの大量出血において出血点同定に難渋したがGIEにより出血点を同定し,止血鉗子とクリップ縫縮で止血した報告もある
23).
急性出血性直腸潰瘍では,寝たきりで体位変換困難で出血点が血液や腸液に埋まって見えないことがある.GIEを用いれば直腸でも視野確保して出血点を同定できる
24).直腸では歯状線近くでgelを注入するとgelが肛門で堰き止められ,血性腸液や便塊を口側に押しやれるため,前処置なしでもgelで占められた透明な作業空間を作って止血術が可能となる
1).
Ⅷ Gel immersion EMR
内視鏡的粘膜切除術(EMR)は,比較的平坦な病変でも粘膜下に局注して隆起させることでスネアリングを可能にして高周波電流で切除する技術である.2012年にBinmoellerらが報告したunderwater EMR(UEMR)
27)は,管腔内のガスを吸引して虚脱させ,浸水により筋層の緊張を保ちつつ粘膜を弛緩させることで,局注なしでも平坦病変のスネアリングを可能とし,高周波電流で切除する革新的な技術である.通常のEMRでは局注を失敗するとスネアリングが困難になる他,局注による膨隆が失われる前にスネアリングする必要がある.一方,UEMRでは局注が不要で,病変全体をスネアリングできるまで繰り返し試みることができる.
UEMRは大変有用な方法だが,部位によっては水を溜めることが困難な場合や,腸液や胆汁で視野が濁る場合がある.また,切除時に出血すると水と血液が急速に混じり合って視野確保が困難になりやすい.
水の代わりにgelを用いるgel immersion EMRでは,UEMRの問題点が解決できる.Gelは粘性によって溜めやすく,腸液・胆汁・血液とも混じり合いにくいため透明な視野が保たれる.切除検体も粘性により流れていきにくい.この方法はunder-gel EMRという呼称での報告もあるが,undergelという英単語は存在せず,正確にはunderとgelの間にハイフンを入れてunder-gel EMRと綴る必要がある.これを略語にするとUGEMRが正しいが,誤ってUEMRと略すとunderwater EMRと区別しにくい.そのため,日本消化器内視鏡学会用語集第5版では,gel immersion EMR(GIEMR)という呼称で収載された.
胃GIEMR
幽門周辺ではUEMRを試みても,充分な量の水を溜めにくい.Miuraらは幽門前壁の隆起型早期胃癌に対してUEMRを試みたが水が溜まらず,GIEMRで切除できたと報告している
28).Sutoらは幽門後壁の12mm大の隆起性病変(0-Ⅰ)の内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)を試みたが,蠕動で十二指腸側に出ていきやすいうえに易出血性で視野確保できず,GIEMRに切り替えると2分以内で容易に治療できたと報告している
29).
胃体上部大彎は水や血液が溜まりやすいため,病変切除時に出血すると止血処置が困難になりやすい.GIEMRであれば出血しても視野が失われにくい.KimuraらはGardner症候群による胃底腺ポリポーシスを伴う胃体上部大彎の扁平隆起性病変をGIEMRしたと報告している
30).
十二指腸GIEMR
腫瘍径20mm以下の表在性非乳頭部十二指腸腫瘍(superficial non-ampullary duodenal epithelial tumor;SNADET)に対する内視鏡治療としてUEMR
31)は,EMRよりも一括切除率が高く切除後出血も少ないと報告
32)されている.しかし,水を溜めることが困難な場合や,腸液や胆汁で視野が混濁する場合がある.また,十二指腸では水と一緒に切除検体が肛門側に流れていき,回収困難になる場合がある.
Tashimaらは上十二指腸角の15mm大のSNADETに対し,UEMRでは胆汁と泡に加えてスコープ接触による出血で生理食塩水400mlの注入でも病変視認が困難だったが,GIEMRではgel 160mlの注入で容易に治療を完遂できたと報告している
33).Yachidaらは12mm大のSNADETに対し,UEMRでは送水ポンプを使っても水が溜まらなかったが,GIEMRではシリンジによるgel 80mlの注入で治療できたと報告している
34).Toyonagaらは30mm大の亜有茎性病変をGIEMRし,切除検体も容易に回収できたと報告している
35).
Aminoらは7~18mm大のSNADET 6病変にGIEMRを行い,すべて一括切除が可能で,gel使用量は各100ml,gel注入から切除完了までの手技時間は中央値6分(5~10分)で,穿孔・出血はなかったと報告している
36).
Yamashinaらは3~18mm大のSNADET 24病変についてUEMRとGIEMRの治療成績を後方視的に比較検討した.病変サイズの中央値はUEMRした14病変が6mm(3~12mm)に対して,GIEMRした10病変が10mm(7~18mm)で有意にGIEMR群が大きかったにも関わらず,手技時間の中央値はUEMR群の10分(3~25分)に対し,GIEMR群は5分(3~10分)と有意に短かった.この理由について,水/gelの注入量の中央値がUEMRでは170ml(100~480ml)だったのに対し,GIEMRでは100ml(50~100ml)と有意に少なく,初期注入量が少ないことに加え,治療手技中の再注入が不要だったからと考察されている.さらに一括切除率/R0切除率は,UEMR群で93%/57%に対し,GIEMR群で100%/80%であり,GIEMR群で良い傾向が認められた
37).
Miyakawaらは,SNADET 40病変についてUEMRとGIEMRの治療成績を後方視的に比較検討した.病変サイズの中央値はUEMRした18病変が5mm(3~10mm)で,GIEMRした22病変が7mm(2~18mm)で有意差はなかった.手技時間の中央値もUEMR群が3分(2~10分)で,GIEMR群が2.75分(1~3.5分)と有意差はなかった.切除検体サイズの中央値がUEMR群では7.5mm(4~11mm)に対しGIEMR群では14mm(7~27mm)と有意に大きく,これに関連して一括切除率/R0切除率は,UEMR群で83.3%/66.7%に対し,GIEMR群で100%/95.5%であり,GIEMR群で有意に良かったと報告している
38).
大腸でのGIEMR
大腸でのUEMR
27)は通常のEMRとの多施設無作為化比較試験で,10~20mm大の扁平病変の一括切除率/R0切除率が有意に優れると報告され
39),別の試験でも20〜30mm大の病変の再発率が有意に低かったと報告されている
40).また通常のEMRが困難な大腸憩室内に進展する病変に対するUEMRの有用性も報告されている
41),42).しかし,腸管前処置不良や口側からの腸液流入により水が濁って視野確保が困難なことがあり,GIEMRはこの問題を解決できる.
Kuwabaraらは上行結腸の憩室内まで進展した10mm大の腺腫に対してGIEMRを施行し,UEMRのような多量の水の注入が不要で有用だったと報告している
43).Takadaらは虫垂口に隣接する20 mm大のsessile serrated lesion(SSL)に対して,2.1%酢酸を散布して病変の辺縁を確認し,UEMRを試みたが回盲弁からの腸液流入で視野確保困難になり,GIEMRへ変更して透明な視野の中で辺縁を確認しながら一括切除できたと報告している
44).
Yamamotoら
45)は直腸S状部の16mm大の側方進展腫瘍に対して部分局注により病変の奥側辺縁の視認性を改善し,GIEMRで一括切除できたと報告している.また,Yoshimotoらは回盲弁下唇から回腸末端に進展する25mm大のポリープに対して,ゴム付きクリップによる回盲弁上唇の牽引と,回盲弁下唇の盲腸側への部分局注により病変の辺縁視認性を改善し,GIEMRで一括切除できたと報告している
46).
Ⅸ Gel immersion ESD
ESDは食道・胃・大腸の表在性腫瘍を大きさに関わらず一括切除できる方法である.治療成功にはESD中の出血コントロールが欠かせないが,流れ出た血液で出血部位が覆われて止血に難渋することがある.出血点を正確に同定できないまま闇雲に焼灼すると穿孔する危険もある.GIEを使えば血液が溜まりやすい部位でも出血点を視認し,gelの中で止血処置が可能である
47)~49).
浸水下にESDを行うunderwater ESDでは,水による排熱効果で筋層側の過焼灼や切除検体側への焼灼ダメージの軽減が期待できる
50),51).さらに,浮力効果によりフラップ形成が容易で,蒸気による対物レンズの曇り・汚れの防止
52)や,気相中に比較して1.33倍の拡大効果などの利点がある.しかし,水中で動脈性出血を来した際には視野を失ってしまうため,一時的に気相に戻して止血処置を行う必要があった
53).また,浸水に蒸留水を用いると浸透圧で水が浸透して粘膜下層の導電性が低下し,通電切開が困難になる.そのため,浸水に生理食塩水を用いるが生理食塩水中でモノポーラー止血鉗子を使うと電流が散逸して効果的に焼灼できない問題もあった.
生理食塩水の代わりにOS-1ゼリーを注入し,バイポーラー処置具を用いて行うgel immersion ESD(GIESD)はAkasakaらが最初に報告
54)したが,バイポーラー処置具は選択肢が少なかった.ビスコクリアは,OS-1ゼリーと異なり,ほとんど電解質を含まず導電性が低いため,gel中でもモノポーラー処置具のみならず,モノポーラー止血鉗子も使用できる
6).ビスコクリアの浸透圧は等圧に近く,粘膜下層へ水が浸透して通電切開できなくなる問題も起きない.また,送気でのESDに比較して内圧が低く保たれるため,苦痛が軽減されて体動が減り
55),より安全に治療できる(Figure 5).
食道でのGIESD
Nakanoらは表在性食道癌に対してビスコクリアを用いたGIESDを行った13例を報告している
56).粘膜切開・剝離には1.5mm Dual knife-J(KD655Q,オリンパス),粘膜下層への局注には0.4%ヒアルロン酸(ムコアップ,ボストンサイエンティフィック)に少量のインジゴカルミンと10万倍希釈エピネフリンを加えて用い,高周波装置(VIO3,エルベ)の設定は気相中で行う通常のESDと同じ設定で行われた.病変径中央値は25mmで,最初の粘膜切開から切除完了までの治療時間中央値は27分,gel注入量の中央値は400mlで,gel注入に伴う有害事象は認めなかった.
Yamadaらは20mm大の0-Ⅱc型食道癌に対して,粘膜切開・剝離にORISE ProKnife(ボストンサイエンティフィック)を用いたGIESDを施行した.ORISE ProKnifeではグリセオールを混ぜた生理食塩水の追加局注が処置具の入れ換えなく随時可能で,内圧が低く保たれ浮力も利用できるGIESDにおいてはヒアルロン酸やトラクションデバイスを用いなくても治療を完遂できる点で有用と報告している
57).
胃でのGIESD
Khurelbaatarらは胃病変に対するpocket-creation methodを用いたESDにおけるビスコクリアの有用性を2例の動画で報告している
58).1例目はpocketの狭い空間での出血では視野確保が困難になりやすいが,ビスコクリア注入で出血点を視認して止血鉗子で止血できた動画で,2例目は通電で生じる気泡が,生理食塩水中では容易にフード内に流入してくるが,gel中では粘性によって気泡が流入しにくく,フード内に入っても微量のgelを追加注入するだけでフード外に押し出せる比較動画であった.
十二指腸でのGIESD
Tashimaらは十二指腸球部の25mm大の扁平隆起性病変に対してGIESDを行い,浮力効果と止血術の容易さが有用と報告している
59).また,Tashimaらの別の報告では十二指腸乳頭を囲むような36mm大の扁平隆起性病変に対して腹腔鏡補助下にGIESDを行い,内腔を虚脱させることによるスコープの操作性改善に寄与したと報告している
60).
大腸でのGIESD
Tashimaらは歯状線近くの痔核を伴う約4cm大の隆起性病変に対してGIESDし,浮力効果による粘膜下層への入り込みやすさと,大量出血でも視野確保できる止血術の容易さが有用であったと報告している
61).
ESDではないが,難治性の直腸吻合部狭窄に対するradial incision and cutting(RIC)の術中出血時の視野確保に有用だったとする報告がある
62).
Ⅹ 超音波内視鏡への応用
超音波プローブを用いた超音波内視鏡(EUS)の超音波媒介物質として脱気水が用いられることが一般的だが,部位によっては脱気水が溜めにくいことがある.脱気水の代わりに体外超音波検査用のゼリーや内視鏡用潤滑ゼリーを超音波媒介物質として用いるEUSは,十二指腸潰瘍
63),大腸腫瘍
64),食道癌
65),66),食道粘膜下病変
67),食道静脈瘤
68)での有用性が,ゼリー充満法(jelly-filling method)として報告されている.しかし,これらの報告で使われたゼリーは管腔内に注入する目的で作られたゼリーではなく,広く普及するには至っていない.
ビスコクリアを管腔内に注入すれば,視野確保と共にEUSでの超音波媒介物質としても有用である.食道の平滑筋腫
69),傍乳頭憩室を伴う例での膵内膵胆管
70),十二指腸乳頭腺腫
71),前方視型EUSを用いた幽門側胃切除・Billroth Ⅱ法再建術後例の膵胆管
72),胃からの空腸腫瘍
73)のEUS観察の報告があり,gel immersion EUS(GIEUS)とも呼ばれている.
Toyonagaらは十二指腸乳頭腫瘍に対してGIEUSを行った12例について,中央値155ml(100-200ml)のgel注入で良好に描出できたと報告した
74).また,十二指腸乳頭に対してGIEUSを行った59例の十二指腸乳頭描出成功率は98%と良好で,gel注入量は中央値80ml(30-150ml)で乳頭描出,中央値100ml(50-200ml)で縦方向での描出が可能だったと報告した
75).
治療EUSでは,通電ダイレーターを用いた十二指腸からの胆囊ドレナージ
76)の報告がある.また,walled-off necrosis(WON)をEUS下に穿刺してlumen-apposing metal stent(LAMS)を安全に挿入するための空間を確保するために,生理食塩水の注入では困難で,粘性のあるgelの注入が有効だったと報告されている
77).
Ⅺ 胆道系処置への応用
胆管内での送気はガス塞栓症のリスクとなり,浸水では胆汁・胆石や血液による濁りが問題になる.総胆管結石に対する胆道鏡下電気水圧衝撃波治療での出血による視野悪化にGIEが有効であったと報告されている
78).
術後再建腸管の胆膵系疾患に対するバルーン内視鏡でも,ガス塞栓リスクを回避するため輸入脚では管腔内圧を低く保ちたい
79).輸入脚内では水による視野確保が望ましいが,胆汁や胆石,血液で視野が悪化した際にはGIEが有効である
80).
Ⅻ 軸捻転の内視鏡的整復術
S状結腸軸捻転
4)や胃軸捻転
3)では捻転部にガスが貯留して内視鏡的整復術の妨げになりやすい.捻転部に貯留したガスを吸引して虚脱させても,送気すればガスが再び貯留するし,水では食物残渣や腸液と混ざり合って視野確保できない.GIEでは無送気で視野確保できるため,捻転部を虚脱させたまま深部挿入して容易に整復できる.
ⅩⅢ 異物回収
異物回収では食物残渣や便塊によって視野確保が困難なことがある.食物残渣で充満した胃内から乾電池を回収する際にGIEが有効であったという報告がある
81).
爪楊枝がS状結腸で穿通した状態で腸管前処置なしでCSし,GIEによる低圧内視鏡で爪楊枝を回収した例では,穿通部位から管腔内への膿汁流入が観察されている
5).管腔内への膿汁流入は,管腔内圧が低く保たれていた証拠であり,GIEでは微小穿孔があってもgelが外へ漏れにくいと考えられる.
ⅩⅣ 造影検査への応用
鉗子孔を通して管腔内に水溶性造影剤を注入すると,造影剤が重力方向に急速に流れて目的部位を造影しにくい場合があるが,ビスコクリアを混ぜた水溶性造影剤では粘性により低速で流れてくれる.ビスコクリアを混ぜた水溶性造影剤がS状結腸癌による狭窄部の造影に役だったとする報告がある
82).また,術後再建腸管の胆膵系疾患に対するバルーン内視鏡ではRoux-en-Y吻合部でどちらの管腔が輸入脚か判定が必要だが,ビスコクリアを混ぜた水溶性造影剤を注入すれば,腸管蠕動によって運ばれる方向から輸入脚を判定できると報告されている
83).
ⅩⅤ まとめ
GIEは管腔内を低圧に保ちつつ視野確保できるため,操作性改善や苦痛軽減,偶発症リスク軽減も期待できる.当初は主に消化管出血に対する止血術での使用を想定していたが,様々な使用方法が考え出されてきている.今後はその有用性に関する知見を集積し,日本から積極的に発信していく必要がある.
本論文内容に関連する著者の利益相反:矢野智則(大塚製薬工場株式会社)
文 献
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