GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY
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2025 Volume 67 Issue 3 Pages 264-267

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概要

沿革・特徴

当院は,大正12年に開設された加古川第一陸軍病院を起源とし,戦後,国立大久保病院として発足し,昭和26年に国立明石病院に改称された.国立病院の再編に伴い,平成13年3月に明石市医師会に経営が移譲され,明石市医師会立明石医療センター(247床)として救急診療を中心とした急性期病院として再スタートした.平成20年に全面建て替えし,平成21年に地域医療支援病院に指定され,平成25年に増築増床(382床)後,平成27年1月には社会医療法人に認定された.現在,東播磨医療圏の基幹病院として地域連携を重視した診療と,救急医療に積極的に取り組んでいる.消化器内視鏡センターは,増築された南館2階に位置し,患者の安全を第一に配慮し,最良で適正な医療と看護を提供することを心がけて,日々の内視鏡診療を行っている.

組織

消化器内視鏡センターは他の検査部門から独立しており,センター長の下,消化器内科医師を中心に診療にあたっている.消化器内科を中心に消化器内視鏡検査を行い,呼吸器内科で呼吸器内視鏡検査を行っている.内視鏡的胃全層切除術(Endoscopic Full Thickness Resection:EFTR)などの先進医療については,消化器外科のバックアップの下,手術室で内視鏡治療が行われている.また,嚥下内視鏡は,総合内科と消化器内科が検査を行っている.看護部は救急部と兼任で,24時間体制で看護業務を行っている.

当内視鏡センターの特徴・レイアウト

内視鏡センターは,手術室・ICUなどと同じく当院で高機能フロアと位置付けられている2階に位置し,総面積417.01m2で,検査・治療室(6室),リカバリー室を中心として,受付,待合室,前処置室,問診室,説明室,洗浄室,更衣室,トイレ,カンファレンス室などで構成される.

検査用の内視鏡室4室(各14m2)と治療用の内視鏡室2室(23m2・26m2)は個室として独立しており,入退室用引き戸の対側にスタッフ用の通路を確保して動線の交錯を少なくしている.治療用の内視鏡室は,緊急内視鏡,治療内視鏡及び超音波内視鏡(EUS)を行うことを目的としており,各種の機器・機材の設置場所が確保できるように広い間取りで,受付側の一般出入り口と対側にあるベッド搬入口に直結し,救急センターや病棟からベッドのまま入室可能である.当内視鏡センターの最大の特徴は,全身麻酔下の内視鏡治療が随時可能となっている点である.治療用の内視鏡室の1室に全身麻酔の設備を常設し,高難度や鎮静不良が予想される内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)症例などに対して,麻酔科医による全身麻酔下で行っている.

リカバリールームは,簡易ベッド4台,リクライニング・チェア5台をスタッフの目が届きやすいように配置し,各々,カーテンで仕切れるようにして,生体モニターで管理をしながらリラックスして安静を保てるようにしている.問診室や説明室は個室に準じた仕様とし,プライバシーに配慮している.洗浄室は検査室からの動線を短くして,洗浄機4台が効率的に稼働できるように配置している.トイレは4室で,1室は車椅子での入室が可能となっている.カンファレンス室から,全検査室6室の内視鏡画面のモニターが可能である.

X線テレビ室(2室)は1Fの放射線科フロア内にあり,胆膵系内視鏡や小腸内視鏡などを行い,専用の前処置室,洗浄室(洗浄機1台)を設置している.

内視鏡ファイリング・システムは電子カルテとリンクしており,内視鏡画像は,電子カルテシステムを通して院内の病棟や外来などの端末で閲覧可能である.Solemio QUEVにより内視鏡画像ファイリングのみならず,検査予定一覧,検査の進行状況,ならびに内視鏡洗浄履歴が記録されている.

看護師はリーダーの統括の下に,リカバリーナースと検査室ナースに分業し,各検査室に看護師1名が検査中の介助に付き添うと共に,患者情報の収集伝達や機器や機材の準備,検査順序の管理を行っている.勉強会を自主的に行い,内視鏡技師資格の取得を積極的に進めている.

時間外・休日は,医師・看護師ともオンコール体制を確立し,365日24時間緊急内視鏡が可能になっている.

月1回開催される消化器内視鏡センター・ワーキング会議は,診療科,内視鏡看護師,関連病棟看護科長,外来看護科長,受付事務の各委員によって構成され,運営上の問題や医療安全等について協議を行っている.

内視鏡室レイアウト

 

 

 

スタッフ

(2024年10月現在)

医   師:指導医4名,専門医9名(指導医含む),その他スタッフ10名

内視鏡技師:Ⅰ種5名,Ⅱ種1名

看護師:常勤34名,非常勤1名

事務職:3名

洗浄員:2名

設備・備品

(2024年10月現在)

 

 

実績

(2023年4月~2024年3月)

 

 

指導体制・指導方針

初期研修医の指導には屋根瓦方式を採用しており,消化器内科をローテーションする際に,入院担当患者の検査・治療を中心に見学や介助を行い,上級医より指導を受ける.上部・下部内視鏡検査モデルを使用した内視鏡操作のトレーニングや上級医指導の下での担当入院患者の引き抜き時の操作を行っている.本格的なトレーニングは,消化器内科志望の2年目初期研修または後期研修時から開始している.内視鏡診療について,見学やカンファレンスを通じて内視鏡診断の考え方を習得,胆膵疾患については,内視鏡診断及び治療に加えてCTやMRIなどの画像診断を含めた系統的な治療方針を立てることができるようになることを目標としている.内視鏡所見の検討を中心とした消化管・胆膵カンファレンス及び消化器内科・消化器外科の合同カンファレンスをそれぞれ週1回行っている.

実際の内視鏡検査研修は,消化器内視鏡検査の入門書,消化器内視鏡ガイドライン,内視鏡研修マニュアルなどを熟読した後,以下の手順で行っている.

1 上級医の上部・下部内視鏡検査・処置を見学し,検査の流れ(前処置,洗浄も含む)を学ぶ.

2 内視鏡検査モデルを使って,内視鏡操作のトレーニングを繰り返す.

3 セデーション下で,引き抜き時の操作に慣れ,徐々に観察範囲を増やしていく.

4 セデーション下で,上級医の監視のもと,挿入より開始する.

5 各種の処置の介助を行う.

6 緊急内視鏡も上級医の監視のもとで行う.

現在の問題点と今後

当院は明石地域の二次救急を大きく担っている病院であるため,時間外・休日の緊急内視鏡の件数が多く,内視鏡診療体制も救急との連携が必要となっている.看護体制も救急部と兼任となり,内視鏡診療に携わっている看護師が,24時間常駐しているため,スムーズな緊急内視鏡が可能となっている.一方で,救急業務と内視鏡業務の知識を併せ持つ必要があり,業務が多岐に亘っている.内視鏡検査は,セデーションで行うことがほとんどとなり,リカバリー室の管理業務から内視鏡診療の高度化に伴い機器管理,保守,デバイスの管理など業務の大幅な拡大が危惧されている.また,夜間に人員がシフトされるため,日中の看護師の人員確保に苦慮することがある.今後看護師の増員は非常に困難であり,昨今の働き方改革に対応すべく,新たに臨床工学技士の常駐を予定し,看護師は本来の看護業務に集中し,内視鏡機器及び処置具の管理,保守,介助などは臨床工学技士にシフトし,タスクバランスを考慮した業務改善を予定している.また医師と看護師とのスムーズな連携を目的で月に1回のカンファレンスを通して風通しの良い職場環境に努めている.

近隣の内視鏡クリニックの増加に伴いスクリーニング内視鏡検査は横ばいとなっているが,治療内視鏡に対しては更なる期待がある.また臨床研修病院であるため,若手教育にも力を入れる必要がある.基本手技の習得と共にAdvanceな症例の確保と高度な技術を有した医師による指導が必要となっている.若手教育で必要な症例カンファレンスや外科との連携カンファレンス,消化管,胆膵内視鏡治療,Inflammatory Bowel Disease(IBD)など専門的なカンファレンスなどを通して,教育と共に診療の向上に努めている.

内視鏡診療における低侵襲領域への期待,高齢化社会による患者の変化や働き方改革など労働環境の変化に順応に対応し,東播磨医療圏における消化器診療の確たる地位を築くよう地域の医師とも密に連携し,安心,安全で最良な医療の実践を目指していきたい.

 
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