Annual Meeting of the Geological Society of Japan
Online ISSN : 2187-6665
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The 130th Annual Meeting(2023kyoto)
Session ID : T6-P-9
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T6. Latest Studies in Sedimentary Geology
Oxygen isotope stratigraphy for the last 6 million years at IODP Site U1445 in the Bay of Bengal
*Tomohisa IrinoMasanobu YamamotoLiviu GiosanSteven Clemens
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IODP U1445地点は、インド東縁から~94 km沖、マハナディ海盆南端、水深2502 mの大陸縁膨上部の平坦面に位置する。現在、懸濁物は夏モンスーン期にマハナディ川からもたらされる。陸棚が狭いために粒子は迅速に大陸斜面や大陸縁膨に運ばれるため、U1445地点堆積物は、植生、砕屑物フラックス、海洋表層塩分の推定を通して過去の夏モンスーン変動を復元するための理想的なアーカイブと言える。しかしながら、本地点の周囲は音波探査では水平に成層して見えてはいるが、完全にはタービダイトの堆積がないとは言えない。U1445地点は3つの掘削孔が設けられ、284.834 m CCSF-Aまではcomposite depthが作成され、それ以深は707.278 m CCSF-Aまでは各コアがただつなぎ合わされている。時代については、船上で確立された古生物および古地磁気層序によって、約600万年間をほぼ連続にカバーしていることが分かった。堆積物は生物源物質を多く含む半遠洋性粘土からなり時に薄いタービダイトを挟む。船上の生層序データ群を詳しく見ると、110, 250, 350-420, 630, 650 m CCSF-Aに年代の不一致があり、珪藻や有孔虫の再移動が示唆される。U1445地点の全層準に渡り軌道チューニングされた酸素同位体比を確立するために、底生有孔虫の安定酸素・炭素同位体比の測定が進められた。酸素同位体比は、1-5.5‰VPDBで変動し、時にスパイク状にベースラインから2.5‰以上低い酸素同位体比を示すこと、炭素同位体比には異常なスパイクが見られないことが分かった。このような同位体比の異常値は、水温が約10℃高く、栄養塩濃度がU1445地点とあまり変わらない大陸斜面上部の水深約250 mのところから再移動してきた底生有孔虫殻が含まれているからであると解釈される。一方、酸素同位体比のベースラインの変動は、典型的な標準酸素同位体曲線と同じパターンを示すので、再移動粒子を含む層準の時代的特徴、堆積相や組成との関係を検討していく予定である。

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