Public Health Nursing Education
Online ISSN : 2433-6890
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2020 Volume 4 Issue 1 Pages 42-43

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I. はじめに

令和元年度の研修委員会は,「平成29年度から実施しているラダーI 研修の評価方法の検討を行う.」「ラダーI 研修のニーズ調査の実施と研修修了者の成果の活用とその評価をおこなう.」「夏季研修においては,参加者間で有意義な交流を図り研修内容を共有する機会とする.」ことを目標に取り組んだ.実施の概要と,今後への課題について報告する.

II. 活動内容とその成果

1. 第34回夏季教員研修の実施

今年度は,2022年度に保健師助産師看護師学校養成所指定規則の改正が行われることを前提に「住民とともにあるこれからの公衆衛生看護学をつくる」をテーマに2019年8月19日(月)国際医療福祉大学東京赤坂キャンパスで開催した.参加者数は152名で84校からの参加であった(参加率35.9%).

内容は,午前中はパネルディスカッション「住民とともにある公衆衛生看護学への期待」で4名のパネラーをお招きし,それぞれのお立場から発言を頂いた.本協議会岸恵美子会長からは学部教育の立場から,井伊久美子香川県立保健医療大学学長からは大学院教育の立場からそれぞれが抱える課題が出された.続いて横浜市の藤原啓子部長からは現場での新人保健師が抱える課題を,認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの山口育子理事長からは保健師への期待としていつも身近にいてほしいというメッセージがあった.フロアーからは「保健師に看護師としての業務経験が必要と言われる」という意見が出され,井伊学長からは「必要ない」ときっぱりとした返答があり,初心に戻った気持ちで保健師とは?ということを考えさせられた.山口理事長からも「保健師の見える化とは,住民の身近で活動をすること」という言葉があり,地区活動の重要性を再認識した.

午後からの分科会は3つの分科会が終了した後,今年は再度一堂に集まり,井伊学長から大学院を創設するプロセスを全体会でご講演いただき,全体でディスカッションを行った.大学院化を図ることを本協議会では進めており,今後の課題として公衆衛生看護学と地域看護学とのすみ分けの必要性,大学院で保健師資格取得する場合の単位の検討などが課題として挙がった.

2. 第2回公衆衛生看護学を教授する教員〈ラダーI〉研修の実施

昨年度一期生を送り出し,今年度から本研修の二期生を迎えた.本研修は,受講生の満足度が高く大変好評であった.二年の研修が過ぎ,当初〈レベルI〉研修と呼んでいたが〈ラダーI〉研修と名称を改めた.また,研修の内容に新たに「教育心理」を開設したり,講義から実習への順序性を配慮したり,教員スタッフからの話を多く聞きたいという意見を取り入れたり,とプログラム内容を吟味し変更した.また,修了証書授与の基準を出席と課題提出の基準を満たした受講生に付与すると厳格に規定した.今後は,さらに時間数なども決めていくこと,プログラムの整備を検討することが課題である.また受講生が各ブロックで受講の成果を報告することにより本研修の評価の一部とし,更なる改善を図っていきたい.

III. まとめ

2022年度から指定規則が変わることになった.そのことで,今までの方法では不足していた教育を充足することが期待できる.今までの保健師活動を基盤とし,社会の変化に応じて今必要とされている公衆衛生看護を考え教育していくことが必要である.多くの政策が下りてくる中,日常業務をこなすだけではなくしっかりと地区を診ることができ,その住民の生活にあった地区活動を展開でき政策を創っていく保健師の教育に尽力できるような研修を今後も開催していく所存である.

IV. 謝辞

最後に,研修の開催に際しましてご協力を頂きました各校の先生方,保健師の皆様にこの場をお借りして深謝いたします.今後も,会員校の皆様のご意見等を取り入れて研修を行っていきたいと考えておりますので,どうぞご理解とご協力をお願いいたします.

Biographies

担当:山口 忍(茨城県立医療大学)

北岡英子(神奈川県立保健福祉大学)

赤星琴美(大分県立看護科学大学)

魚崎須美(神戸常盤大学)

川南公代(武蔵野大学)

工藤禎子(北海道医療大学)

都筑千景(大阪府立大学)

長澤ゆかり(国際医療福祉大学)

野尻由香(獨協医科大学)

藤本優子(神戸市看護大学)

荒木田美香子(国際医療福祉大学)

 
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